
野口準 1stミニアルバム『charm』発売記念、ヒゲドライバー対談インタビュー|2人の出会いはとあるMVがきっかけに
MANKAI STAGE『A3!』(略称エーステ)の向坂椋役など、舞台役者として活躍する野口準が、2月25日、1stミニアルバム『charm』(TOKYO LOGIC MUSIC)をリリースし、アーティストデビューを果たした。
リード曲は、アプリゲーム『A3!』の夏組テーマソングやキャラクターソングを手がけるヒゲドライバーが作詞・作曲した「ナナメアングル」。そのほかに、Len、baker、アオワイファイなど、TOKYO LOGICに所属するクリエイターが手掛けた楽曲や、野口自身が作詞・作曲をした「MAIDEN」を収録。
今回、野口準とヒゲドライバーの対談が実現! デビュー作『charm』について、語ってもらった。
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ギターを始めたのは小5から。意外な音楽ルーツとは?
──お二人の出会いについて、お聞かせください。
野口:僕のヘアメイクをされていた方から「MVに出てくれる俳優を探している人がいるので、野口さんの名前を出してもいいですか?」と言われたので、「ぜひお願いします」と言ったら、それがヒゲドライバーさんだったんです。僕は『エーステ』(『A3!』を原作とした人気の2.5次元舞台シリーズ)に出演していて、ヒゲドライバーさんは、その原作の音楽を手掛けられている方なので、ものすごい縁だなと思いました。
ヒゲドライバー:「ミュージシャンだったあなたへ feat.髙津戸信幸」という曲でMVを作るという話になったときに、うちの会社(TOKYO LOGIC)に所属しているヘアメイクさんが紹介してくれたんです。MVにギターを弾くシーンがあって、野口さんはアコギをやられているとのことだったので、イメージにもぴったりで、声を掛けさせていただきました。『エーステ』に出ていることも知っていたので、そこの関係値もあるのがいいなと……。
──撮影のとき、どんな印象を持っていましたか?
野口:めちゃくちゃ優しくて、そっとそばにいてくれるような感じがしました。ギターのコードとかも実際に弾いていたほうがいいからと教えてくれたんですけど、全然弾けなくて(笑)。
ヒゲドライバー:何もしていないんですけど、優しいと思っていただけていたなら幸いです(笑)。
──その後、曲を書いてもらうまでに、どんな経緯があったのでしょうか?
野口:僕、『JUNPOP』という歌のイベントをやっていて、基本カバーをしているんですけど、そこでたまに、今回のCDに収録されている「MAIDEN」とかは歌っていたんです。で、たまたまMV撮影の翌日にそのイベントがあって、TOKYO LOGICの村田裕作さん(代表取締役)が来てくださっていたんですけど、その日のMCで「曲を出したいなぁ」みたいなことを言ってしまったんですよね……。そしたらそのあと「じゃあ、やる?」と言ってくださって。半ば強引に言わせたみたいなところもあるんですけど(笑)、ものすごく嬉しかったです。
──そこで、ヒゲドライバーさんにも曲を書いてもらうことになったのですね。
ヒゲドライバー:これも縁ですね。つながりというか。
──そのMCまで、CDを出すという話もなかったのですね?
野口:まったく何もなかったです。でも音楽は大好きだったので、いつかやりたいなとは、ふわっと思っていました。
ヒゲドライバー:そもそもギターはいつ頃からやっているの?
野口:父親がめっちゃフォークソング世代なので、小5くらいからアコギを弾き始めたんです。そのときは「チャンピオン」とかを弾いていて。
ヒゲドライバー:アリスの!?
(※故・谷村新司、堀内孝雄、矢沢透によるフォークグループ)
──ゆずではなく。
野口:はい、アリスさんでした(笑)。
ヒゲドライバー:僕はフォークだったら、ゆずから入ったんですけど、僕より若いのに、さらに古い曲をやっていたんですね。面白いなぁ。だったら「神田川」(かぐや姫)とかも弾いていたり?
野口:弾いていました。めっちゃ押さえやすいコードにした初心者向けのアレンジだったと思うけど、それはいまだに弾けると思います。
──今回、『charm』でアーティストデビューということになりますが、まず、このタイトルに込めた思いから聞かせてください。
野口:『charm』は、楽曲が完成したあとに付けたタイトルなんですけど、自分がなぜ音楽を聴くんだろうと考えたときに、寄り添ってもらいたいことが多いなと思ったんです。この曲を聴くと頑張れるとか、集中できるとか、お守りみたいなものだと思っていたので、それなら僕もそんなふうに思ってもらえる曲を作りたいし歌いたいと思い、このタイトルにしました。「charm」には、“お守り”以外にも“魅力”という意味もあるので、すごく良いですよね。
──そう考えると、ヒゲドライバーさんが手掛けた「ナナメアングル」は、まさにそんな感じの曲ですよね。
ヒゲドライバー:確かに。この話は初めて聞きましたけど、ぴったりですね。
──ヒゲドライバーさんに曲をお願いするときは、どんなお話をしたのですか?
野口:リモートでミーティングをしたんですけど、最初に村田さんが、僕がどんな人物なのか、そしてどういう曲を歌いたいのかを聞いてくださり、それをヒゲドライバーさんに伝えてくださったんです。
ヒゲドライバー:そうですね。おそらく村田さんがまとめて話を聞いて、それに合ったクリエイター&アーティストに事務所の中で割り振ってくれたのだと思います。僕には「聴いていて、みんなが前向きになれる、背中を押してくれるような内容で、曲調的には壮大で、みんなで歌ってハッピーになれるような曲」というオーダーでした。
──そのとき、MVでご一緒した経験から、アコギの音は入れようというのも考えたのですか?
ヒゲドライバー:それは考えました。馴染みのある楽器としてアコギは僕らのひとつのキーワードではあったので、アコギは絶対に入れたかったんです。あとは個人的に合唱が好きなんですよね(笑)。みんなで歌う体験が大好きなので、絶対にこの曲をみんなに歌わせようと思いました。
野口:僕もみんなで合唱するのが大好きなので、嬉しかったです。この前、ちょうどリリースイベントがあって、初めて人前で「ナナメアングル」を歌ったんですけど、初手で合唱させましたから。さすがにまだ覚えていないかな?と思ったんですけど、ちゃんと“ラララ”と歌ってくれました(笑)。
──良い曲だから一発で覚えられますしね。それにしても、『A3!』で手掛けている曲ともまた全然違う感じでしたね。
ヒゲドライバー:そうですね。僕はわりと『A3!』では夏組の曲を書くことが多いので、必然的にアゲアゲな、楽しく行こうぜ!系の曲になるので。
野口:アゲアゲ過ぎて、僕らも舞台で走り回って歌っていましたからね(笑)。
「ナナメアングル」と「MAIDEN」の制作秘話
──「ナナメアングル」のレコーディングは、ヒゲドライバーさんも立ち会われたのですか?
ヒゲドライバー:僕はドタバタしていたのでリモートで参加をして、そこでちょいちょい口を出させてもらう感じでした。
──野口さんは、この曲をどう歌おうと思いましたか?
野口:上手く歌うというよりかは、楽しく歌うほうが絶対に良いと思ったので、その気持ちで臨んだのですが、やっぱり緊張してしまい、何度もテイクを重ねてしまいました。
ヒゲドライバー:緊張していましたよね(笑)。聴きながら、結構緊張しているなと思っていたんです。
野口:ライブでは楽しくなっちゃうんですけど、レコーディングブースって、めっちゃ無音だからすごく緊張するんですよ(笑)。
ヒゲドライバー:だから僕としては硬さを取って「楽しく、いい感じに歌ってください」ということだけを伝えていたと思います。
──歌詞もすごく良いですが、どのあたりを伝えたいなと思いましたか?
野口:最初、1コーラスだけ届いて、そのあとにフル尺が届いたんですけど、そのときの物語感がすごくて! 舞台だと、一幕があって休憩があって二幕があるような印象だったんです。そう考えると、全部が必要で、全部がそれぞれを効果的にしている曲なんですよね。
最初は、大丈夫だよ!みたいな感じでいくんだけど、途中でしっとり落ち着いた感じになり、アコギでサビを歌ってから、壮大なサビが続き、最後は“ラララ”とみんなで歌って、アウトロはまたアコギで終わる。だから、その流れに合わせて歌わなきゃいけないなと思ったし、そういう歌い方をしたいと思いました。
──歌詞にもドラマがあって、〈3°上 目線を上げていこう 生きてるってだけでも 胸張っていいんだ〉というメッセージが、胸をふっと軽くしてくれるような曲ですよね。アレンジもドラマチックで、シンフォニックに始まって、サビではホーンセクションとクラップと合唱で盛り上がり、その後アコギもどんどん主張してくる感じでした。アコギと歌になるのは落ちサビの部分ですが、その前にピアノが入ってくるのも素敵でした。
野口:素敵ですよね! あのバージョンのオケも欲しいくらいでした(笑)。
ヒゲドライバー:急遽、「そこに何かを入れるからBGMっぽい感じで入れてほしい」と言われたんですよ。
──MVで、『A3!』で同じ役を務める声優の山谷祥生さんが、声で出演されているところですよね? あのシーンのために作ったのですか?
ヒゲドライバー:そうです(笑)。だからもともとはなかったんです。
野口:そこがめちゃめちゃ良かったです! もし、ライブで歌うときは、あそこでMCを入れます! 絶対、いいですよね?
ヒゲドライバー:確かにめっちゃいいですね。最後に良いことを言って、ラスサビで盛り上がる流れ。
──ラスサビで盛り上がってからの、アコギのアウトロも切なくて、そこが良いんです。
野口:MVを沖縄で撮っているんですけど、夏っぽさがある曲だという印象があったんです。夏って、どこかずっと楽しそうだけど、それゆえの寂しさみたいなのがあると思うんです。花火はきれいだけど、すぐになくなるよねとか。そんな夏の寂しさみたいな感じの終わり方が素敵ですよね。
ヒゲドライバー:曲の長さ的には3分ちょっとなんですけど、その中にいろんな物語を詰め込みました。
──ミニアルバムには、「MAIDEN」という、野口さんが作詞・作曲をした楽曲も収録されています。
野口:「ナナメアングル」の次に、この話をするのは恥ずかしいですね(笑)。
ヒゲドライバー:いやいや、僕も聞きたかったんですよ。めっちゃ良い曲で、何なら僕は、この作品を通して聴いたとき、一番良い曲はこれじゃん!と思ったくらいなんです。
野口:えええっ!! 本当ですか!?
ヒゲドライバー:もちろん、Mr.Asyuくんのアレンジがめっちゃ良かったというのもありつつ、歌詞と歌声ですよね。この曲が一番、歌に乗っているんです。やはり人が書いた曲を歌っている声と、自分が作った曲を歌う声では違うと思うんです。自分が作っているから、こんなにいい感じで歌えているんだなと思いました。
──サビのメロディも、すごく頭に残りますからね。
野口:この曲が、初めてちゃんと最後まで完成させられた曲なんです。
ヒゲドライバー:それはいつ頃?
野口:3年前なので、2023年です。
ヒゲドライバー:初めて作った曲でこれはすごいです! 僕がヒゲドライバーで最初に発表した曲なんて、「うんこブリッジマウンテン」ですから、酷いもんですよ。
野口:あははははは(爆笑)。そうなんですか!
ヒゲドライバー:だから、この曲を最初に作ったのなら、びっくりです。本当にすごい!
──なぜ女性目線の曲にしたのですか?
ヒゲドライバー:それも驚きました。1曲目で、そんな歌詞書けるの?って。まずは自分のことを書きますよ。
野口:別に失恋をしたわけでもなく、ただただ想像で書いたという変態的な歌詞なんです(笑)。それはライブでも言ったことがあるんですけど、妄想癖があるんですかね……。
ヒゲドライバー:そこは演劇をしていることも生きているのかもしれないですね。人の体験を反映させている気がするので。
野口:それは大きいかもしれないです。
ヒゲドライバー:タイトルはアイアンメイデンから来ているんですか?
野口:そういうわけではなく、印象に残る単語とか、いろいろ調べることにハマっていた時期があるんですけど、メイデンという単語が良いなと思ったんです。僕の曲の主人公の女性も、気高くて誇りを持っているイメージだったので、それにも合うので。
ヒゲドライバー:歌いながら作りましたか?
野口:歌いながら作りました。
ヒゲドライバー:その感じがすごく出ていたんですよ! 歌を歌えて曲を作れる人って、それだけでもアドバンテージがあるんです。曲を作るときに、自分の声と耳で確認しながら作っているので、歌ったときの自然さと耳に入ったときの印象をダブルチェックしていることになるんですよね。だから馴染みもいいし、人にしっかり届くんです。それもあって、僕はこの曲が光って見えたんです。
野口:本当ですか! すごく嬉しいです。
















































