
『悪ノ娘』『悪ノ召使』を徹底解説! 『白ノ娘』との関連は? 時系列と視点別に紐解く“悪ノ世界の真実”【ネタバレ注意】
考察3:物語が収束する『リグレットメッセージ』
緑狩りのターゲットになってしまったミカエラ。
ルシフェニア革命で、王女に扮し犠牲になったアレン。
それぞれに大切な相手をなくしたリリアンヌとクラリスは、意外な場所で出会います。それは『リグレットメッセージ』の舞台となっている「街はずれの小さな港」。
ミカエラとの再会が叶わなかったクラリスは、エルフェゴートのはずれにある港町の修道院で働き始めます。ある日、修道院のそばで倒れていたリリアンヌを見つけました。
この場面は、『白ノ娘』のScene4でも描写されています。『悪ノ娘』や『悪ノ召使』、そして「悪ノ娘 黄のクロアテュール」でも明かされなかった王女の真の結末が、ここで明らかになるのです。
そんなリリアンヌ視点の楽曲が『リグレットメッセージ』ですが、リグレット(=後悔)メッセージとは何だったのか、はっきりとは分かりません。しかし、その後悔の一部は「悪ノ娘 緑のヴィーゲンリート」で描かれています。
(中略)
しかし結局、それは私の独りよがりな我が侭でしかなかったのです。
(「悪ノ娘 緑のヴィーゲンリート」より引用)
修道院の懺悔室で、リリアンヌは自分の行いを悔いていました。その告白を、クラリスも聞いてしまいます。クラリスは彼女の正体とともに、ミカエラが命を落とした元凶であることを知りました。『白ノ娘』Scene6で、クラリスは悪の娘に復讐するチャンスを迎えます。
(中略)
懐からナイフ取り出して 王女の背中に向けて振り上げた
ところが、クラリスはミカエラの敵を討つことはしませんでした。理由は、リリアンヌと昔の自分が重なったからです。
ひとりで生き続けること それはとても寂しい
(『白ノ娘』より)
王宮には心を許せる人がいなかったリリアンヌ。周りには狡猾な大臣と、自分を怖がって媚びへつらうだけの臣下しかいませんでした。両親もおらず、唯一の弟も失った天涯孤独の少女です。
クラリス自身も、差別を受け続けて一人ぼっちの年月を過ごしてきました。唯一の友達であるミカエラと出会い、失って、また一人になる悲しみも知っています。だからこそクラリスは、王女への憎しみは消えなくとも、彼女の孤独に寄り添うことを決めたのです。
やってしまったことは消えない。失った人も戻らない。だからといって、一人では生きていけない。加害者のリリアンヌと、被害者のクラリスが手を取り合って生きていくという結末は、そんなメッセージを含んでいるのかもしれません。
































