
「最初は笑って見ていたものも、だんだん涙へと変わっていく」「胸がいっぱいになる作品です」──アニメ「霧尾ファンクラブ」染谷 波役・若山詩音さん【連載インタビュー第3回】
「藍美ちゃんってすごいんですよ(笑)」
──藍美を演じる稗田さんとのお芝居はいかがでしたか?
若山:そもそも藍美ちゃんというキャラクターは勢いもあって、ツッコミもギャグも全部わーっとやってくれるキャラクターです。そこに合いの手を入れる波という関係性を心地よく演じられたのは、藍美役の稗田寧々ちゃんが引っ張ってくれたからだと思っています。
「霧尾ファンクラブ」は原作もアニメも、会話のテンポが良い作品です。藍美ちゃんがガーッと言ってくれて、波がツッコむ。たまに波もボソッとボケて、また藍美ちゃんがわーっと来て……そんな会話劇がとても楽しかったです。
──お二人の掛け合いにリアルさを感じていたのですが、ご相談なども重ねられたのでしょうか。
若山:いわゆる生っぽさのようなものに関しては、逆にあまり相談はしませんでした。ただ作品全体の雰囲気として、あまり作り込みすぎないというか……等身大の学生らしい会話を意識していたと思います。
動きにピッタリと合わせること以上に、そのときの「会話感」や「セリフに乗っている気持ち」に合わせていくことを許していただけた現場だったのかなと思います。
──外山監督も、稗田さんと若山さんの掛け合いを絶賛されていました。
若山:めちゃくちゃ嬉しいです……!
お芝居って掛け合いで生まれるものが大きいなと思っていて。稗田寧々ちゃんと掛け合いをさせていただけたことが本当に大きかったです。
──現実でも聞こえてきそうな会話感が丁寧に表現されているからこそ、作品と視聴者の距離が近く感じられるのかもしれません。
若山:嬉しいです……! もともと、地球のお魚ぽんちゃん先生が書かれる文体、セリフの空気感そのものが、私たちの話し言葉のリアルにとても近いんですよね。それを台本に落とし込んでお芝居にして……という流れがあるので、たどっていくと、やっぱりぽんちゃん先生に行き着くのかなと思います。
──霧尾くんのオナラ(想像)に対する藍美の「嬉しすぎるだろ」も、現実でよく聞くようなトーンだなと。セリフとしてのインパクトももちろんありますが……(笑)。
若山:あはは! 藍美ちゃんってすごいんですよ(笑)。
この先もトンデモワードがたくさん出てきて感じられると思いますが、藍美ちゃんは霧尾くんのすべてを受け止められるんですよね。序盤だとまだその片鱗くらいしか見えていませんが、この先もっとキャラクターが出てきて、その人たちが喋っている裏でも、トンデモないことを口に出しているんですよ。「これは地上波で初じゃなかろうか?」と(笑)。
──(笑)。
若山:「藍美ちゃん! それを受け入れるのはさすがに無理だぞ!」と思う瞬間もあって(笑)。そんなシーンや表現も「霧尾ファンクラブ」の魅力のひとつだと思うので、ぜひ見つけて笑っていただけたら嬉しいです。
そして藍美ちゃんの愛の深さも、この作品の大きな見せ場であり、真実に関わる部分だと思っています。まだ第2話の時点ではわからないことも多いですし、まだまだ見えていないところがたくさんあります。藍美ちゃんの愛の深さがどこから来ているのか、そこも楽しみにしていただけたら嬉しいなと思います。
原作も、アフレコの時点では完結していたので、前情報を全部入れた状態でアフレコに臨むことができました。だからこそ表現できたものなのかなとも思うので、本当に色々な方に感謝ですね。
──シリアスなシーン、ギャグシーンの温度差、高低差がある作品だと思うのですが、お芝居の面では明確にスイッチを切り替えることもあったのでしょうか?
若山:やはりベースにあるのが「等身大」なので、それが意外となくて。等身大で喋っている中で、色々な出来事が起こっていく感覚だったので、意外と切り替えずにできていたのかもしれません。
会話の流れを絶えることなく作っていただいていたので、その中で自然に乗っていけたことが大きかったのかなと思います。大きく切り替えずに済んだのは、やはりみなさんに引っ張っていただいていたおかげかなと思うので、本当に感謝ですね。
──そんなアフレコ現場で印象に残っていることはありますか?
若山:これは色々なところでお話ししているのですが、おかずを持ち寄るのが流行ったんです。最初は稗田さんがクラゲの頭を持ってきてくれて、今度はスタッフさんと梶原さんが自作のコロッケを持ってきてくださって。
コロッケって手間がかかるじゃないですか。それを自作で持ってきてくださって、現場がコロッケパーティーみたいになったことがありました。お腹が満たされる、幸せな出来事だったなと思います。
あと霧尾くん役の梶原(岳人)さんに、とある方のモノマネをしていただいたこともありました。それがもう本当にお上手で……!(笑) そんなこともありつつ、とにかく和気あいあいとした現場でした。
それから、稗田さんが原作の「霧尾ファンクラブ」のポップアップショップに行ってグッズを買ってきてくれたんです。私には波の証明写真風のグッズをくれて、それがめちゃくちゃ嬉しくて! とっても可愛いんですよ。
「霧尾ファンクラブ」のグッズって、ぽんちゃん先生のセンスが最高すぎてほしいものばっかりなんです。
──まるで学校の休み時間のようですね。
若山:とっても和気あいあいとしていました。もちろん緊張感がゼロなわけではないですし、真剣にやるときはもちろん真剣にやりますが、みんながお互いにリスペクトを持ちながら、和気あいあいとしている感じが素敵でしたね。





































