
子供たちを助けたことで、狼星の抱えていたものが少しだけほどけた──親子にも兄弟にも見える二人の絶妙な距離感『春夏秋冬代行者 春の舞』寒椿狼星役・坂田将吾さん×寒月凍蝶役・日野 聡さんインタビュー
電撃文庫/KADOKAWAより刊行されている暁佳奈先生の小説『春夏秋冬代行者』。四季の神々から与えられた特別な力を使い、季節を巡らせる役目を背負った「四季の代行者」とその護衛官、8人の想いが精細な筆致で描かれた作品となっています。
その小説を原作としたTVアニメ『春夏秋冬代行者 春の舞』がTOKYO MXほかにて放送中。
アニメイトタイムズでは、放送に合わせたインタビュー連載がスタート。第1回は、冬の代行者・寒椿狼星(かんつばき ろうせい)を演じる坂田将吾さん、冬の護衛官・寒月凍蝶(かんげつ いてちょう)を演じる日野 聡さんが登場。
狼星と凍蝶が10年前に負った心の傷と向き合い、一歩前に踏み出した様子が描かれた第2話。その中でお二人の印象に残ったシーンや収録時の思い出、狼星と凍蝶の関係性の魅力などを伺いました。
狼星と凍蝶は似たような傷を持っているからこそ助け合えている
──まずは、作品の第一印象や魅力を感じた点をお聞かせください。
寒椿狼星役・坂田将吾さん(以下、坂田):元々、原作小説(『春夏秋冬代行者 春の舞』)は刊行直後に読ませていただいていたので、今回のオーディションの際に改めて読み返しました。
ファンタジックな世界の中で、人の弱さも含めた内面、そして美しさが丁寧に描かれていて。世界観も緻密で、しかもそれが余すところなくストーリーに関係してくるという部分もすごいなと思いました。
登場人物の多くが複雑な感情を抱えているんですが、そこのピースのはめ方も素晴らしいです。それぞれが弱さを分かち合って、支え合う姿が描かれた素敵な作品だと思いました。
寒月凍蝶役・日野 聡さん(以下、日野):以前、原作小説のPVで凍蝶を担当させていただき、今回のアニメで改めてオーディションに挑戦して、ありがたいことにまた凍蝶を演じさせていただくことになりました。
PVのときに原作を読ませていただいて、アニメ化にあたり読み返したんですが、季節の美しさや儚さ、そういった情景と人間の感情、生命がすごくリンクしているところがこの作品の美しいところだなと改めて感じました。この原作の魅力をアニメーションという形で、より多くの方に届けられたらいいな、という想いで収録に向き合いました。
──続いて、演じるキャラクターの第一印象や魅力を感じた点をお聞かせください。
坂田:狼星は「冬の代行者」ということで、冷たく鋭い、そしてほの暗い印象を最初は受けました。しかし内面は10年以上ずっと純粋で、だからこそ苦しんでいるキャラクターなんだなと演じていくうちに感じていきました。
結構子供っぽいところがあったり、すごく熱い部分を秘めていたりと、第一印象からは想像できない意外な面があって、それを知っていく中で(自分の)狼星に対する解像度が上がったなと思います。
日野:凍蝶は冷静沈着ですごくクールな「できる大人」に見えますが、内面的には狼星と同様に、過去の出来事から心に傷を負っていて。見た目と裏腹に弱い部分も持ち合わせていて、実は人間味がすごくあるというのが魅力だと思います。
そのアンバランスさこそが二人の魅力でもあるのかなと。似たような傷を持っている二人だからこそ助け合えている気がします。
親子のようでも、兄弟のようでもある二人の絶妙な距離感
──収録の中で、スタッフからはどのようなディレクションがありましたか?
坂田:大きな修正というのはなかった気がしますが、狼星がちょっと子供っぽくなる瞬間……例えば、第2話で凍蝶に頭突きされるシーンなどは「結構コミカルにやっちゃってください」というディレクションをいただきました。
凍蝶が狼星の子供っぽい部分を引き出してくれることで、彼が落ち込みそうなときに戻してくれているんだな、ということがその説明を聞いたときによく分かったので印象に残っています。
日野:収録の前に、キャスト・スタッフの皆さんで集まって、いろいろな意見交換や役作りに対しての話し合いをしたんですが、そのときに監督が「凍蝶は“大人が見せる弱さ”というものを大切にしてほしい」と仰っていて。
なので、見た目はすごくしっかりしているけれど、大人が見せる心の弱さ、情けない姿を見せられたらよりリアルになるかな、と意識して演じました。
──狼星と凍蝶で掛け合いをする際は、どのようなことを意識していましたか?
坂田:狼星からすると、凍蝶はどこまでも優しいんです。狼星が傷ついていることに凍蝶は気付いてくれて、寄り添ってくれるからこそ、安心して彼の傍にいられる。絶対的な信頼を置いているんだなと思います。
一方で、狼星は過去の出来事を自分のせいだと思っているからこそ、あまり優しくされたくないという気持ちもあって。そのアンバランスな気持ちから生まれる距離感を意識して、凍蝶の傍にいるときはすごく安心しながらお芝居をさせていただきました。親子のような、兄弟のような本当に形容しがたい関係だと思います。
──凍蝶に対しては狼星も少しくだけているというか。
坂田:そうですね。きっと凍蝶が大人でいてくれるからこそ、少し子供でいられるというか。そんな部分は掛け合いの中で意識していました。
日野:僕も同じで、距離感がとにかく大切だなと思いました。親子のようでもあり、兄弟のようでもあり、という絶妙な距離感がこの二人にはとても大切だと思ったので、そこは特に意識していました。
自分も子供を持つ親として分かるんですが、子供って外で見せる姿と家庭の中で見せる姿が少し違ったりもして。親には弱い部分も見せられるけど、外では強がったりとか(笑)。坂田くんが言っていたように、狼星が凍蝶の前ではちょっと無邪気になったり、弱さをより見せたりする。そういうところが引き立つようなお芝居ができたらいいなと思いました。
──凍蝶も狼星の前では意外と弱さを見せるというか、完璧ではあろうとしないのが印象的でした。
日野:狼星には結構ダメなところも見せるというか、自分の気持ちも吐露できているなと思います。さくらには見せられないんでしょうけど(笑)。































