
デザイン修正の大半は「ソックスの種類」!? 『アサルトリリィ』原作者・尾花沢軒栄先生が語る、キャラクターのこだわりとメディアミックスの舞台裏丨インタビュー【後編】
アクションドールから始まり、小説、舞台、アニメ、そしてスマートフォン向けゲーム『アサルトリリィ Last Bullet(ラスバレ)』と、多岐にわたるメディア展開で熱狂的なファンを生み出し続ける『アサルトリリィ』。
前編に続き、本作の生みの親・尾花沢軒栄先生のインタビューをお届けします。
【後編】では、一度は流れてしまったというアニメ化企画の裏話をはじめ、先生自身が「一番世界が広がった」と語る舞台化での発見。さらに、キャラクターデザインにおける強いこだわりなど、濃密なエピソードをお話しいただきました。
前編はこちら
想像を超えて広がったメディアミックスの裏側
──アクションドールとして始動した『アサルトリリィ』は2015〜2016年にかけて、ノベライズや舞台化へと展開が広がっていきました。媒体を広げようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
尾花沢:実は最初に「アニメを作りませんか?」と声をかけてくれた制作会社さんがいたんです。ただ、オリジナルアニメを一から作るのは企画として通すのが難しいので「まずは漫画にしよう」という話になりました。ところが、出版社に持っていくと今度は「原作小説がないと漫画にはできない」と言われてしまって(笑)。
それで、アニメ制作の担当者さんが「じゃあ小説から始めましょう」と、最初の小説を出してくれる会社さんに繋いでくれたのが始まりです。なので、当時はアニメ化を目指して必死に頑張っていたという流れですね。
──そのアニメ企画が、後の『アサルトリリィ BOUQUET』に繋がったのでしょうか?
尾花沢:いえ、違うんですよ。お声がけいただいた制作会社さんは別で、なかなか資金が集まらず、結局そのアニメ化の話自体は流れてしまったんです。
──そうした悔しい経験を経て、2020年にはシャフト制作でTVアニメ『アサルトリリィ BOUQUET』が放送されました。映像化された際のお気持ちはいかがでしたか?
尾花沢:やっぱりすごいクオリティだなと思いました。佐伯(昭志)監督とシナリオなどで対話を重ねて作っていったので、さすがに第1話を見た時はグッときましたね。
──数々のメディアミックスの中で、先生ご自身が「想像を超えて世界が広がった」と感じた媒体は、やはりアニメでしょうか?
尾花沢:一番広がりを感じたのは「舞台」かもしれないですね。
──舞台というと、最初は『私立ルドビコ女学院』とのコラボから始まりました。
尾花沢:当時は「2.5次元のガールズ舞台」がほぼなかったんです。正直、当時は僕も全然舞台に興味がなかったんですけど、実際に始まってみて、目の前で女優さんが泣いたり笑ったりするのを見て「すごいな」と強く感じましたね。
当時は100人入らない劇場を埋めきれなくて僕も必死に宣伝した覚えがありますが、最初から同じ制作会社さんとずっと一緒にやっていて、今では『アサルトリリィ』にとって舞台は欠かせないコンテンツになりました。
──舞台の監修などで、先生から「ここは欠かさないでほしい」と伝えることはありますか?
尾花沢:僕から必ず伝えることはないかもしれないです。聞かれれば答えますが、やはり僕は舞台のプロではないので。ただ、最初の舞台(『League of Gardens』)の時、僕がアニメやゲームみたいに変形する「CHARM」を作ったのですが、重すぎて役者さんが全然振り回せなかったんです(笑)。だから役者さんの身長に合わせて小さく作り直したり、舞台特有の「投げる」演出を許容したり、舞台としての良さを削らないように調整したことはあります。
──先ほどの「広がりを感じた」というのは、具体的にどのような部分でそう思われたのでしょうか?
尾花沢:『アサルトリリィ』は群像劇がベースなので、演じるキャストさんにとっては自分のキャラが主人公です。僕が見せようと思っていたこと以外の部分でキャストさん同士で話し合ってくれて、稽古場で「この子ならどう考えるのでしょうか?」と質問されることで閃くものがあるんですよね。
実際に、舞台のアドリブで出てきた要素を「御台場女学校編」のキャラクターに逆輸入したこともあります。そういう意味でも、一番広がりを感じたのは舞台でしょうか。
──最初は舞台に興味がなかったとのことですが、今はいかがですか?
尾花沢:最近は誘っていただいて宝塚の『CITY HUNTER』や、劇団四季の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などを観ました。演出の使い方など、うちの舞台にはまだないものを吸収して、プロデューサーに「できればやってくれ」と伝えたりしています。




























