
テクニックよりも「気持ち」を届ける人に。豊崎愛生さんが講師として参加者一人ひとりの心に寄り添い伝えた、表現することの本当の楽しさ──『OPALIS』特別ワークショップ独占レポート
遊びの中で役作りの基本を学ぶ
声優という仕事に関連してよく耳にする「役作り」。今回のワークショップでは、役作りを体験できるプログラムも実施されました。参加者に配られたのは、「おはよう。今日も1日頑張ろう。」という、たった一言の台本。
豊崎さんは、この一言を読む前に「誰が、いつ、どこで、誰に向けて言うセリフなのか」、そして「どんな気持ちで伝えたいのか」を考えてみてほしいと呼びかけます。参加者たちは、それぞれ自由に設定を考えながら挑戦。久しぶりに学校へ来た友人へ向けて、家族や兄弟へ向けて、自分自身を励ますために、あるいは好きな人へ向けて――。
同じセリフでありながら、そこに込められた背景や感情は十人十色。それぞれの個性や発想が表れた発表が続いていきます。参加者たちはそれぞれの表現を通して、自分の実力はもちろん、人それぞれの考え方や人となりなども把握していくようでした。
豊崎さんは、発表を終えた参加者一人ひとりに「どんな気持ちで読んだのか」「どんな状況を想像していたのか」を質問していきます。表現そのものだけでなく、その裏側にある考えや感情を言葉にする時間も大切にされていることが伝わってきます。
役者の仕事について「今みんながやったことを、もっと細かく、もっと深く考えている」と豊崎さん。どんな人物なのか。なぜその言葉を発したのか。相手との関係性はどうなのか。そうした想像を積み重ねていくことで、セリフに説得力やリアリティが生まれていくのだと語りました。
一見するとシンプルな一言のセリフ。しかし、その裏側には無数の解釈や感情が存在することを、参加者たちは実践を通して学んでいきます。
参加者たちの自由な発想による発表が一巡したところで、次は豊崎さんから新たな課題が。今度は参加者自身が設定を考えるのではなく、豊崎さんが指定した状況や感情に沿って、再び同じセリフを読んでみるというものです。
「気持ちや心を作ることを意識しながら、もう一回やってみましょう」
先ほどの発表を振り返りながら、豊崎さんは参加者一人ひとりに新たなシチュエーションを提示していきます。そして発表後には、それぞれの演技への感想やお題の意図を伝えつつ、「やってみてどう感じたのか」を丁寧にヒアリング。「気持ちの変化によって、自分のセリフも変わっていくことを意識してほしい」そんな言葉も印象的でした。
中には、「二日酔いでやってみてください!」という、お酒に触れたことのない未成年だからこそ想像力が試されるユニークなお題も。それを受けた参加者は、気だるさや重たい体調を想像しながら、見事に自身のイメージを表現してみせました。
豊崎さんは、声優という仕事について「自分が経験したことのないものを演じることも多い」と説明します。性別の異なるキャラクター、人間ではない存在、自分とは全く違う環境で生きてきた人物。
役者は、知らないものや経験したことのないものとも向き合わなければなりません。だからこそ大切なのは、たくさん想像し、気持ちを考え続けることなのだと語ります。
実際のアフレコ現場では原作やキャラクター設定があり、演じた後にはスタッフから細かな「ディレクション」も届きます。その制約の中で、自分なりの解釈や経験、想像力を活かしながら表現していくことこそが、声優・役者という仕事の面白さなのだと話す豊崎さん。
そして最後には、「自分だったらどうするだろう」と考えること、その想像にワクワクできることが、この仕事を好きでいるために大切なことかもしれないと、自身の実感を交えながら参加者たちへ語りかけていました。
「気持ち」がセリフを変えていく
ワークショップが進む中で、豊崎さんは「気持ち」の大切さについても語りました。さまざまな現場を経験し、努力を積み重ねていけば、技術は少しずつ身についていきます。しかしその一方で、慣れていくからこそ見失ってしまうものもあるのだそうです。
それが、演じる上での「気持ち」。キャラクターの感情を理解しようとすること。なぜその言葉を発したのかを考えること。自分なりに想像を膨らませること。その積み重ねによって演じる側の心も動き、セリフのニュアンスや意味合いも変わっていきます。そして、その上で泣く演技や笑う演技、怒りを表現するための技術が活きてくるのだと語りました。
豊崎さんは、自身や多くの声優たちの経験として、「できちゃう時がある」とも話します。悲しくなくても泣いているように話せる。声色を変えて少年や大人の女性を演じられる。長く経験を積めば、それが技術として可能になっていくと話しつつ、豊崎さんが繰り返し伝えていたのは「気持ちファースト」という考え方。
まず感情があり、その気持ちに引っ張られるようにセリフのニュアンスや声色が変わっていく。テクニックだけで演じることに慣れてしまわないよう、自戒の意味も込めながら参加者たちへ語りかけます。
さらに豊崎さんは、その場で実演も披露。泣いている人物、少年、お姉さんと次々に声色や芝居を変えてみせると、参加者たちの表情も一変します。現役で活躍するプロならではの表現力に会場が引き込まれる一方で、豊崎さんは「これは特別な才能ではなく、積み重ねによって身につくもの」だと伝えていました。
新人からベテランまで、同じオーディションを受け、役を勝ち取っていくのが声優という仕事。そこには当然、一定以上の技術を持った人たちが集まります。その中で最後に選ばれるのは、聞く人の心を動かす「気持ち」を届けられる人なのではないか。
確かな説得力を持って語られる豊崎さんの言葉に、参加者たちも真剣な表情で耳を傾けていました。























![【Blu-ray】TV 姫騎士は蛮族の嫁 2 [Blu-ray]の画像](https://tc-animate.techorus-cdn.com/resize_image/resize_image.php?image=04071605_69d4acb2b3efb.jpg&width=127&height=127&age_limit=&sex_characteristic=&image_display_restriction=0&warning_restriction=0)

















