
私も「この後一体どうなるのだろう」と思いながら描いています(笑)──週刊コロコロコミック『コンビニ令嬢きらら』コミックス第1巻発売記念! 戸山トモ先生インタビュー
私も「この後一体どうなるのだろう」と思いながら描いています(笑)
──お話を伺っていると、担当編集さんのアドバイスが作品に色々と反映されているようですが、特に印象的なアドバイスは何かありますか?
戸山:担当編集さんからは「読者の癖(へき)に刺さるような要素、ニッチなファンが熱狂的に好きになってくれるような属性を意識して入れた方が良い」とアドバイスをいただいています。もちろん、それを意識はしていますが、私はキャラクター作りが少し苦手でもあるので、今も試行錯誤しながら取り組んでいるところです。
そもそも、作中にたくさんのキャラクターを登場すること自体、担当編集さんと本連載決定後の展開を考えた時に、2人で決めた方針なんです。
きららの「お嬢様ならではの小ボケ」や「お金持ちギャグ」だけでは絶対にお話が続かないし、毎回「これは●●ですわ」と言っているだけでは話も膨らまなくて退屈じゃないですか。だから、一種の群像劇のような形にして多くのキャラクターを投入することで、きららがどんな反応をするのか見せる方が面白いと思ったんです。
──毎回「閉店まで、あと●日」とカウントダウンされています。これまでのお話を伺った限りでは、100日目に至るまでの具体的な展開も現時点ではあまり細かく作り込まず、ドライブ感で進めているのでしょうか? それとも100日目の結末だけは決まっていますか?
戸山:一応、ざっくりとした結末のイメージは考えていますが、その場のノリやドライブ感で決めていくかもしれません。だから、読者の皆さんは「本当に100日後にコンビニが潰れてしまうのか、ぜひ最後まで見届けよう!」という気持ちで読んでいただけたらと思います。
──巻末の次巻予告にもありますが、店長が「売上を10倍にする」と言い切ってしまいましたからね。
戸山:私も「この後一体どうなるのだろう」と思いながら描いています(笑)。
自分でストーリーを作るのが苦手だと言っている割には、計画性を持たずに描き進めてしまっているんです。「とりあえずこの話をなんとか着地させたい」「とにかく最後まで逃げ切りたい」という気持ちだけで、ずっと走り続けているような感覚です。
とは言え、一応は「どう着地させるか」という青写真は何となく頭の中にあるので、そこはご安心いただければと思います。今後、作中の残り日数が急に進んだり、あるいは時が遡ったりする展開があるかもしれませんし、そこは私の好きなように描いていこうと思っています。
──週刊コロコロコミックでの連載と言うこともあり、これまでとは読者層が大きく異なるかと思います。何か意識して変化をつけている部分はありますか?
戸山:私の中で、週刊コロコロコミックという媒体は青年誌に近いのではないかと思っています。今の週刊コロコロコミックのラインナップは少し上の世代に向けた作品が多いような印象を受けるので、基本的にはあまり子供向けであることを意識しすぎずに描いています。
ただ、作中で「凌辱(りょうじょく)」という言葉を使おうとした時は、担当編集さんからNGが出てしまい、それなら別の表現で「辱(はずかし)める」だったらいけるかと食い下がってみたのですが、それも却下されたことはあります。
私は元々の作風もあってか、強いワードを好んで使いがちで、その方がギャグとして面白いという思考回路をしているんです。でも、週刊コロコロコミックは過激な表現に関しては明確な線引きがされていて、その辺りは青年誌とは違うのだと自覚しましたね。
──SNSでは「週刊と打つと獣姦と変換される」と投稿されていたのを覚えています。
「週刊コロコロ」って入力しようとすると毎回こうなるのまじで嫌だな pic.twitter.com/7o733E2DZS
— 戸山トモ📖コンビニ令嬢きらら🏪👸 (@toyamatomo) October 24, 2025
戸山:私個人としては、本当はもっと全力で下ネタを描きたいという想いがあります(笑)。ただ、編集部からは「小学生でも読めるラインを意識してほしい」と言われているので、そこは今後も気を付けないといけないと思っています。
──そういった制約の中で『コンビニ令嬢きらら』という素敵な作品を世に送り出しているわけですが、これまでに読者から寄せられた反応で、特に印象に残っているものはあります?
戸山:短期連載時に頂いたコメントで「1000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000話までやってくれ!」というのがあって、もちろん年齢はわからないんですけど、コロコロキッズっぽいコメントだと思って嬉しかったです。
私としては、この作品をあまりキッズ向けだとは思って描いていなくて、自分と同世代か、あるいはもう少し下の世代の男女をターゲットにしているというか、基本的には自分が好きなように描いている感覚なんです。だからこそ、子どもと思われる読者からコメントをいただけると嬉しいですね。
あと、短期連載時はまだスケジュールに少し余裕があったので、背景の細かい部分まで描けたんです。その背景にこっそり仕込んでおいた小ネタに対して、読者の方が気づいてツッコミを入れてくれたのは、隅々までじっくりと読み込んでくれているのだなと感動しました。
私としても「誰か見つけてほしい!」と思って描いているので、そこで読者と一種のコミュニケーションが成立したような気がして嬉しかったですね。
働いていたコンビニが潰れた思い出
──以前、Xに「実はメディアファクトリー時代、ポケカを子供達に教えるお姉さんとしてバイト採用されてた」というエピソードが投稿されていましたが、先生ご自身はコンビニでのアルバイト経験はありますか?
実はメディアファクトリー時代、ポケカを子供達に教えるお姉さんとしてバイト採用されてたんだよな、色々あって研修だけして一度も現場に立たなかったけど… https://t.co/BmRUAHXHyr
— 戸山トモ📖コンビニ令嬢きらら🏪👸 (@toyamatomo) December 19, 2025
戸山:よく書籍のカバーの折り返し部分に「著者近影」みたいなスペースがあるじゃないですか。小学館さんの単行本にはその枠があるので、そこにコンビニバイト時代のエピソードを書かせていただきました。
──かなりパンチの効いたエピソードが書かれていますね(笑)。
戸山:高校生の時に初めてコンビニでアルバイトをしたんですけど、働き始めてからわずか3~4ヶ月ほどで閉店してしまったんです。当時の仕事内容は、レジ打ちや前出し(商品を棚の手前に並べること)をやったり、それ以外にも品出しや雑誌の入れ替え作業など一通り教えてもらったとは思いますが、その記憶もほとんどなくて(笑)。
それくらい短いバイト期間だったので、当時の経験を『コンビニ令嬢きらら』に活かせているとしたら、まさに「自分が働いていたコンビニが潰れた」ことくらいですね。
──独創的なバイトリーダーがいたわけでもないんですね。
戸山:本当にごく一般的な普通のコンビニでアルバイトしていましたが、コンビニが潰れていく過程は、どこか不思議で印象深い経験でした。そのあたりのエピソードは、いずれ第2巻の巻末などに載せられたらいいなと考えています。
──ちなみに、作中に出てくるコンビニ食品を振り返ると「ボリューム唐揚げ弁当」や「肉まん」といったお肉系のメニューが多い印象です。何かお肉へのこだわりみたいなのがあるのでしょうか?
戸山:そんな細かいところまで見てくさってありがとうございます。明確には言っていないのですが、第10話できららがレンジでマヨネーズを爆発させてしまうのも「焼肉弁当」だったりします。どうしてお肉系のメニューが多いかと言えば、単純に「その方が描きやすいから」というかなり現実的な理由です。
これが魚系のお弁当などになってくると、魚だけでなく、他のお惣菜も描かなければならなくて手間がかかるんですよね。その点、お肉であればお肉単体と少しの漬物といったシンプルな構成で作画カロリーを抑えられるのが大きいです
肉まんにしても、きららが肉まんを手に持っていたら面白そうという理由です。ただ、質問の答えとしては「お肉は大好きです!」とお伝えしておきます。お肉とビール、この組み合わせが最高ですね。
──その「面白そう」という感覚でいくと、きららが何かあると突然「川柳」を詠み始めるのも同じ理由からですか?
戸山:川柳に関しては、担当編集さんから「キャラクターを立たせるために、何か一つ変わった行動をさせてほしい」と要望をいただいたのがきっかけです。それで、何をさせようかと考えていた時に、ふと思い出したのが3年ほど前に私が個人的に描いたネタイラストでした。
当時、「セミどもへ 路上で死ぬな 土で死ね」と五・七・五の川柳にメッセージをしたためて詠むというイラストをX(旧Twitter)に投稿したところ、少し荒れてしまったんですけど10万以上の「いいね」を獲得してバズったんです。
ここで一句 pic.twitter.com/S0cN1zXnET
— 戸山トモ📖コンビニ令嬢きらら🏪👸 (@toyamatomo) August 17, 2022
こんな形で、お嬢様が川柳を詠むというネタを書いたことがあったので、それを活かして設定に落とし込みました。お嬢様が川柳読むというのは、ギャップというほどではないですが、キャラクターの良いフックになるのではないかと考えたんです。
アニメ化された際には是非ちょい役でも良いので出させてほしいです
──今後、グッズ化やアニメ化など『コンビニ令嬢きらら』で叶えたい夢や野望があれば教えてください。
戸山:アニメ化は絶対にしたいです。もしアニメ化が実現した際には、作者特権で誰かの声を当てさせてほしいですね(笑)。というのも、高校生くらいの頃、私は将来の夢が「声優」だったんです。少し演劇の勉強をしていたこともあって、声優への憧れがずっと残っているので、アニメ化された際には是非ちょい役でも良いので出させてほしいです。
あと、リアルのコンビニとタイアップをしたり、単行本の特典として作中に出てくるケモBL同人をお届けするとか、やりたいことがたくさんあるのでとにかく第1巻が売れてほしいです。
──個人的には『炎の闘球女 ドッジ弾子』の特装版みたいにアクスタがほしいです。
戸山:アクリルスタンドも良いですね。ご要望があれば何でも描き下ろします! グッズ化を検討してくださる企業の方がいらっしゃいましたら、ぜひよろしくお願いいたします。この場をお借りしてアピールさせてください。
──最後に『コンビニ令嬢きらら』を愛する読者の皆さんにメッセージをお願いします。
戸山:いつも『コンビニ令嬢きらら』を読んでいただき、本当にありがとうございます。今回、単行本用にたっぷり漫画やイラストを描き下ろしたので、普段から週刊コロコロで追いかけてくださっている方にとっても必見の内容となっています。ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。
>>週刊コロコロコミック『コンビニ令嬢きらら』
https://www.corocoro.jp/title/1039
>>戸山トモ X(旧Twitter)
https://x.com/toyamatomo

































