
いつか何者かになりたいや。ReoNaさんが遊び心とともに踏み込んだ、新しい“人間”のお歌|TVアニメ『追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する』エンディング主題歌「Lv.1 職業:人間」インタビュー
〈Find your way〉は、すごく懐の深い言葉
──冒頭の〈Find your way〉も、とても印象的な言葉です。ReoNaさんは、どのような景色を思い浮かべながら歌っていましたか?
ReoNa:なんか……〈Find your way〉って、永遠のテーマだと思います。それこそ私は、「道」というものを意識してきたお歌と人生だったと思っていて。「ピルグリム」──巡礼の旅から始まり、「よりみち」や「まわり道」もしてきました。
このお歌は、もしかしたら今までのReoNaのお歌と比べると、少し、よりみちやまわり道に見えるかもしれません。でも、ちゃんと私の道のりの一つでもある。〈Find your way〉という、すごく懐の深い言葉から始まったお歌だと感じています。
言葉遊びやテンポの良さがある中で、毛蟹さんがちゃんとReoNaをくんで、これまでのいろいろな思い出も、遊び心と一緒に出力してくださっています。毛蟹さんがこれまでゲームをプレイしてきた経験も入っていると思います。
──言葉数もかなり多い楽曲ですが、歌ううえで難しかったことや、挑戦したことはありましたか?
ReoNa:アレンジが加わったり、曲の形が変わったりするたびに、実は何度か歌い直させてもらったんです。その中で、フレーズごと、お歌の場面ごとに、まったく違うお歌になったらいいなと思っていました。
──聴いていて、3、4曲くらいが一曲の中に入っているようにも感じました。
ReoNa:まさにそういう曲になったらいいなと思っていました。音や言葉と一緒に、お歌も声も、景色が変わってほしいということは、すごく意識しました。
──濃厚ではあるんですけども、重くはなく、むしろ軽やかですよね。
ReoNa:お歌ができた直後は、なかなか客観視できないんです。「今の自分の瞬間最大風速で、ちゃんと出力できているかな」とか、「踏み出してみたけれど、受け取ってくれる人は楽しんでくれるかな」とか。完成した直後は、いつも不安のほうが大きいです。
でも、そこから時間が経って、完成したアニメのエンディング映像をいただいたり、MVを撮影したりする中で、「このお歌は、いい意味で聴き疲れないお歌なのかもしれない」と思えて。
一日聴いていてもくたびれないというか、日常の横に置いておける軽快さがある。それはきっと、景色が次々と変わっていくお歌だからなのかな、と思いました。
──歌い直しも、かなり重ねていたんですね。
ReoNa:そうなんです。けっこう、貪欲なチームなので。「もっとこうできるかも」「もっとこうしたらおもしろいかも」と、思考を重ねていきました。
──ちなみに、今のReoNaさんは「人間Lv.」いくつですか?
ReoNa:いろいろなレベルがあると思うんです。単純な記号としての人間はLv.27ですけれど、神崎エルザ(アニメ『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』の劇中歌アーティストで、ReoNaさんが歌唱役を担当)としてのレベルはLv.8になったばかりで、8月にはReoNaもLv.8になります。年数という記号だけでも、いろいろなレベルがありますよね。
私個人の20代の目標としては、運転レベルを上げたいです。免許が欲しいという裏テーマがあります。まだレベルを上げたいことや、新しく身につけたいことがいっぱいありますね。
“アバターReoNa”だから踏み込めた新しい表現
──今回、アニメのエンディング映像をご覧になって、どのような印象を受けましたか?
ReoNa:底に沈んでいくルーチェと、そこからかわいらしく歩き出すルーチェが描かれていて。
『追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する』は、重騎士であるエルマの物語ではありますが、エルマと出会うことで人生が変わっていくパーティーメンバーの物語でもあると思うんです。
そういう意味でも、ルーチェの〈Find your way〉がすごく表れたエンディングにしていただいたと思います。
──まさに〈旅は道連れ〉ですね。MVについても伺いたいのですが、ReoNaさんが踊っているだけでなく、笑っていることにも驚きました。しかも、満面の笑顔で。これまでとはまた違ったMVになりましたね。
ReoNa:今回はデビュー以来初めてと言っていいくらい、MV内で大幅なイメージチェンジをしました。
髪をロングにしてみたり、サングラスをかけてみたり、日本刀を持ってみたり。夢中でゲームをしていると、少し口が悪くなることってあるじゃないですか。スポーツ観戦に夢中になって、声を荒らげてしまうようなこともある。そういう感覚に近いのかなと思います。
見た目が変わったからこそ踏み出せた表現というか、アバター感というか。転生ではないですけど、もう一人の自分だからこそ踏み込めた映像になっていると思います。
──ゲームをしていると「自分って、こんなに口が悪かったんだ」と再認識する瞬間があって。
ReoNa:そうなんですよね。アバターだからこそできてしまうことや、自分が何かを操作しているからこそできてしまうこと。そうしたゲーム的な要素も、映像の中にふんだんに入っていると思います。
──赤ちゃん、つまり“Lv.1”の存在も、すごくかわいいですね。
ReoNa:本当に「Lv.1 職業:人間」です。生まれたての、職業・人間になりたての存在ですね。ありがたいことに、ずっとご機嫌でいてくれました。楽しそうに、きっと人生で初めて走るであろう白ホリの上を走っていて。
──何でも初めてだから、何でも楽しいんでしょうね。
ReoNa:せっかくなので、いろいろなものでゲームらしい世界や“Lv.1”を表現したいと思って、さまざまな案が出ていたんです。いろいろなレベルや職業の人を登場させる案もあって。
でもやっぱり「Lv.1 職業:人間」と言ったら赤ちゃんだなと。そして、職業・学生になったばかりとも言える小学生の子たちと一緒に、〈いつか何者かになりたいや〉というお歌を表現するのがぴったりだと思って、「今回はこの子たちと一緒にいこう」となりました。
──見応えのある、すてきなMVでした。
ReoNa:ありがとうございます。本当にドキドキしました。公開されることに、こんなにドキドキするのは久しぶりだなと思うくらい。
やっぱり、これまでとは違うところに踏み出していると思ったので。ダンスもそうですし、どんなリアクションが届くのか想像できなかったんです。
──ここ数年のReoNaさんは、今の髪型に革ジャンとワンピースというパブリックイメージが定着していたので、ロングヘアのReoNaさんはとても新鮮でした。
ReoNa:私も新鮮でした。あれはエクステで、そのときの髪色にぴったり合わせていただきました。本当に数時間だけの異世界転生でした。
──ダンスはいかがでしたか? ライブではファンの皆さんと一緒に踊れそうですね。
ReoNa:そういうふうに楽しんでくれそうだなという反応は、早くもコメントやSNSでかなり見受けられます。こちらから何も言っていないのに、振り付けを“猫パンチ”と呼んでくれる方がいたり、「覚えなきゃ」と言ってくれる方がいたりして。
せっかく、このお歌がダンスという場所まで導いてくれたので、みんなで一緒に踊るお歌にもなっていったらいいなと思います。
──初回生産限定盤のジャケットでは、ReoNaさんがハサミを手にしています。こちらには、どのような意図が込められているのでしょうか?
ReoNa:これも“アバターReoNa”というか、ちょっと“ちょける”感覚なんです。“ちょける”って、西日本で使われる言葉みたいで、「ふざける」とか「おどける」に近い意味で。
〈いつか何者かになりたいや〉という作品への寄り添いを、視覚的にも少し遊び心を持って表現したいということが、ジャケットやMVを含めたビジュアル全体の根っこにあります。
▼初回生産限定盤ジャケット
──今回のビジュアルでは、“何者かになる”ことも表現されているんですね。
ReoNa:赤ちゃんという“Lv.1”の存在も登場しますし、何者かへ転生することや、何かになろうとすることへの寄り添いを、今までのReoNaとは違う形でどう表現できるだろう、どう驚いてもらえるだろう、というところから、全体のアイデアが生まれました。
その上で、せっかくやるなら、振り切ってみようと。今回、ブレーキをかけずに踏み込めたのは、絶対に「Amore」がいてくれたからだと思います。
──「Amore」では、まっすぐに“愛”と向き合いました。
ReoNa:すごく真剣に“愛”というものへ向き合って、だからこそ「Lv.1 職業:人間」にも、遊び心を含めて、すごく真剣に向き合えたのだと思います。





























