
いつか何者かになりたいや。ReoNaさんが遊び心とともに踏み込んだ、新しい“人間”のお歌|TVアニメ『追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する』エンディング主題歌「Lv.1 職業:人間」インタビュー
TVアニメ『追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する』のエンディング主題歌を表題に掲げた、ReoNaさんの13th Single「Lv.1 職業:人間」が8月26日にリリースされます。
ゲームを思わせる言葉遊び、二人のReoNaさんが掛け合うような歌唱、次々と景色を変えていくサウンド。これまで深く見つめてきた“人間”というテーマを、明るさとユーモアを交えて描いた一曲です。
インタビューでは、作品が開いてくれた新たな表現の扉、ロングヘアの“アバターReoNa”が登場するMV、さらに「敗走」「上をちょっとだけ向いて歩こう」「アンナコト with Annacoto」に込めた思いを聞きました。
今までとは違う角度から出てきた“人間”
──今回は7月にリリースされた「Amore」(TVアニメ『きみが死ぬまで恋をしたい』のオープニング主題歌)との2か月連続シングルリリースになります。楽曲がぎゅっと詰まった時期になりましたね。
ReoNaさん(以下、ReoNa):今まで同じ時期に、まったく別の作品に寄り添わせていただくこともなかったですし、シングルを連続でリリースすることもほとんどなかったので。だからこそ、これだけまったく違う方向に振り切れた2枚のシングルができたのかなと思います。
──本当にカラーがガラッと違いますよね。「Lv.1 職業:人間」は、どのように楽曲制作が始まったのでしょうか?
ReoNa:本当にReoNaのお歌は、それぞれ成り立ちが違うのですが……『追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する』のお話をいただいて、「では、どんなお歌を作ろうか」とチームで模索し、いろいろな可能性を探っていた中で、毛蟹(LIVE LAB.)さんから「こういう寄り添い方はどうだろう」と上がってきたのが、「Lv.1 職業:人間」でした。
毛蟹さんはゲームや漫画、本がお好きな方なので、『追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する』のことも、お話をいただく前からご存じだったようです。
──毛蟹さんから、制作について何かお話はありましたか?
ReoNa:完成形に近い状態でお歌ができていたので、まずは一度、毛蟹さんが思い描いたお歌のとおりにReoNaの歌を入れてみよう、というところから始まって。
細かなディレクションというよりは、歌ってみたものに対してテンションを調整したり、「ここはパートごとに分けてみようか」と考えたりしながら、一緒に作り上げていった感覚が強かったと思います。
──今回の楽曲には、さまざまなギミックがありますよね。ゲーム好きであれば思わず反応してしまう〈ガンガンいこうぜ?/いろいろやろうぜ?/命を大事に?〉のパートは、台詞やラップのような独特のリズムと温度感があります。
ReoNa:実際には掛け合いのような形で、本来なら切らないところで言葉を切って歌っているんです。
実はAメロなども、2文字ずつに分けて歌っていて。そうした二人のReoNaが歌っているような仕掛けを、視覚的にもいろいろ表現したいというところから、MVにもつながっていきました。
──ロングヘアのReoNaさんと、ショートヘアのReoNaさんですね。
ReoNa:MVで見ていただいているあの姿が、実はお歌の仕掛けにそのまま連動しています。
よくよく聴き分けてみると、二人のReoNaがいるところや、「ここは普通に歌っているだけではない声が入っているな」と感じるところがほかにもあります。「ないない」のときにも挑戦してきたようなお歌の仕掛けがあります。
──そうした仕掛けは、制作を進める中で増えていったのでしょうか?
ReoNa:最初の段階から、毛蟹さんが相当いろいろな仕掛けを考えて、ふんだんに盛り込んでくださっていました。そこから、さらに積み増していった感覚もあります。
アレンジを手がけてくださったのは、「ないない」や「シャル・ウィ・ダンス?」などでもご一緒した小松一也さんで。ダンサブルなルーツをしっかり入れていただきつつ、オマージュのようなものも加わっていて。
完成形に近づくにつれて、どんどんギミックや遊び心が足されていきました。
──ゲームらしい8ビット風の雰囲気もあれば、2番からは小松さんらしい少しジャジーな空気も感じました。
ReoNa:いわゆるモータウンビートと呼ばれるものや、少しスティーヴィー・ワンダーっぽい要素も入っているそうです。そこは完全に、小松さんのルーツから出てきたものなのではないかなと思います。
──作り手の方が好きな音楽やルーツも入っているのは、ReoNaさんの楽曲ならではですね。
ReoNa:ありがたいことです。いつも、自分だけでは手の届かない音楽のルーツや、自分の知らない楽しさを教えていただいています。
「アニソンってすごく自由だよね」というところで、今回もさまざまなエッセンスが増し増しで詰め込まれていると思います。
──それにしても、「Lv.1 職業:人間」はインパクトのあるタイトルですよね。これまで「人間」というものに向き合ってきたReoNaさんが、今回は作品やゲームの世界観と絡み合わせたユニークな形で、改めて人間に向き合っています。どのように感じていますか?
ReoNa:「職業:人間」という言葉が出てきたのは、きっと今まで人間に向き合ってきたからこそだと思うのですが……ただ、その向き合い方にも、いろいろな形があっていいのだと、私自身も改めて再認識したお歌でした。
「HUMAN」という楽曲も生まれましたし、最初の頃に歌った「怪物の詩」では、〈ただ二本の足で立っている/僕はそんな怪物だと知る〉と歌っていました。
「人間になりたい」「人間でありたい」「人間とは何だろう」と、深く、深く見つめ直して向き合ってきた果てに、今回は一周回って、泣くことも笑うことも、楽しむことも驚くことも、きっと寄り添いになるのではないかと思えたというか。
今までとは、またまったく違う角度から出てきた「人間」だと思います。これはReoNaから出てきたというよりも、作品が開いてくれた扉だと思っています。せっかく初めて異世界転生作品に寄り添わせていただくので。
──これまで数多くのアニメ作品に寄り添ってきたReoNaさんですが、異世界転生作品は意外にも今回が初めてなんですね。
ReoNa:はい。異世界転生、いわゆる“なろう系”と呼ばれる作品は初めてでした。今までの人生を持ちながら、まったく別の人生を歩み始めることや、何者かになろうとすること。今回は、その“なろう”という部分に大きくフォーカスを当てました。
──だから、「何者かになりたい」という思いが楽曲全体にあるんですね。
ReoNa:はい。お歌だけでなく、MVも含めて、全体的にそこへフォーカスを当てました。だから、いい意味で、今までとは違うところまで踏み込みきれたお歌だと思っています。
──この物語は、主人公・エルマの生き様も魅力的ですよね。
ReoNa:ちゃんと失敗もするんですよね。タイトルにも「追放された」とあるように、自分の居場所を失い、不名誉なレッテルを貼られて。自分が座っていた椅子には、すでに別の人が座っているという、一度落ちるところから始まります。
絶望の種のようなものがちゃんとありながら、そこから芽吹いていく物語がすごく爽快ですし、いい意味で手のひらを返され続けるというか。
──これからどうなっていくのか、すごく楽しみです。
ReoNa:どんな無双を見せてくれるんだろうと、ちゃんとワクワクさせてくれる作品だと思います。
でも、彼自身は攻撃力がものすごく高いわけではなく、あくまでスキルや知識を生かして戦っていて。ステータスのすべてが振り切れていて最強というわけではないのに、あの世界で勝つための、確固たる自分だけの何かを持っているところが、見ていて本当に爽快だと思います。
──これからの展開が楽しみですね。オープニング主題歌「Awake」はSPYAIRさんが担当されています。
ReoNa:「Awake」が重騎士の盾のように、しっかりと重たくて、格好良く駆け抜けるオープニングだからこそ、エンディングでは少し軽快に、陽気に作品へ寄り添えていたらいいなと思います。































