
「すべてをこの瞬間のためにやってきた」るるかと手を取り合って臨んだ第31話を振り返る――『名探偵プリキュア!』キュアアルカナ/森亜るるか役・東山奈央さんインタビュー
TVアニメ『名探偵プリキュア!』で、“神秘と秘密で包み込まれた”存在として登場したキュアアルカナ・シャドウ/森亜るるか。怪盗団ファントムの一員としてキュアエクレールの前に立ちはだかってきましたが、その行動の裏にはくれあを、そして世界を守るために、すべてを一人で背負おうとする覚悟がありました。
第31話では、キュアアルカナ・シャドウとして抱えてきた使命と、心の奥にしまい込んでいた願いがぶつかり合い、ついにキュアアルカナへと変身します。るるかの過去と使命を知らされたときの衝撃や、くれあとの対峙、マシュタンとの絆、そして「すべてをこの瞬間のためにやってきた」という第31話への思いを、森亜るるか/キュアアルカナ役の東山奈央さんに伺いました。
るるかと歩んだ半年間を振り返る
ーー第31話まで驚きの連続でした。
キュアアルカナ/森亜るるか役・東山奈央さん(以下、東山):ついにここまできました。キュアアルカナについてお話しさせていただくのは初めてで、少しドキドキしています。
ーー前回、アニメ放送スタート時にお話を伺ったとき、東山さんご自身も「まだ何も知らない状態なんです」とおっしゃっていました。
東山:アフレコが始まったばかりの頃は、本当に何も聞かされていなかったんです。途中でキュアアルカナ・シャドウがいろいろとセリフを話すようになった頃に、「そろそろ東山さんには伝えておかなければいけないことがあります。こちらの部屋に来てもらえますか」と言われて。
アフレコブースではなく、スタッフさんがいるコントロールルームに一人で呼ばれて、シリーズディレクターの川崎弘二さんや、プロデューサーの荒牧壮也さん、シリーズ構成の村山功さんから直接、「実はるるかにはこういう使命があって、くれあを守るため、そして世界を守るために、自分の意思で怪盗団ファントムに入っています」という説明を受けました。
また、るるかとくれあがロンドンで初めて出会い、先にるるかが名探偵になり、くれあを助手として日本のキュアット探偵事務所に連れてきたこと、そしてキュアエクレールに変身したくれあが記憶を失ってしまったこと。さらに、大王とはくれあのことだと知ってしまったために、記憶を失ったまま平和にパティシエとしての人生を送ってもらうために、「彼女を再びキュアエクレールにさせるわけにはいかない」と、るるかが一人ですべてを抱え込み、「キュアエクレールのマコトジュエルを砕きに行く」と聞かされて「……え?」と。
ーーそうなるのも無理はないですよね。
東山:私の脳の容量がパンクするくらいの情報を、その日に一気に教えていただいて、放心状態になってしまいました。
るるかはキュアエクレールを復活させるために怪盗団ファントムにいて、ウソノワール様からマコトジュエルを取り返す機会をうかがっているのではないかと予想していた方が多かったんじゃないかなと思うんです。でも、るるかの目的は、マコトジュエルを砕くことだった。
最終的にはキュアエクレールと激しくぶつかり合う展開も待ち受けています。挿入歌も歌わせていただいたのですが、そうしたすべてのいきさつを知ってからの半年間は、私もるるかと一緒に重たい使命を背負って過ごしてきたつもりです。だから、キュアアルカナになったことで、その荷物をようやく下ろして、るるかが仲間と一緒に歩めるようになったことが本当に良かったと思っています。
ーーその事実は、東山さんだけに知らされたのでしょうか。ほかのメンバーは知らなかった?
東山:キュアエクレール/帆羽くれあ役の長谷川育美ちゃんだけは知っていたのかな、という感じです。最終的に二人が対峙することは、キャラクターソングを歌ううえでも必要な情報だったと思うので、そこは知らされていたと思います。ほかのメンバーは誰も知らなかったので、みんなアフレコ現場で予想合戦になっていました。「どういうこと?」みたいな感じで(笑)。
ーー(笑)。東山さんが歌われた挿入歌も楽しみです。
東山:アフレコ練習用の映像にはすでに私が歌った挿入歌もフルサイズで入っていたんです。長谷川育美ちゃんが自宅でアフレコの練習をしていたとき、それを聴いて「大号泣しました」と連絡をくれて。あの曲を聴き、あのシーンと重ね合わせたときに、るるかへの愛情でいっぱいになってくれたそうで、「もう、頑張りましょう!」と。すごく良いフィルムに仕上がるんじゃないかなと思いましたし、私も良いお芝居を乗せられるように、自分のすべてを懸けて演じたいと思いました。
くれあが記憶を失って、るるかがひとりで頑張ってきたのが物語の中では半年間くらいなんです。私自身がるるかと出会い、演じてきた期間もちょうど半年くらいで、るるかが一人で頑張ってきた期間と、私がるるかと出会って演じてきた期間がほぼ同じなんです。
ーー運命的ですね。
東山:もちろん、偶然ではあるのですが、お互いにこの半年間、一人で抱えて頑張ってきたという共通点が、るるかと私にはあったので、「すべてをこの瞬間のためにやってきた」という思いで、るるかと手を取り合って第31話に臨みました。
ーーキュアエクレールの変身が一つの大きな山場になりましたが、まさかそれだけでは終わらず、そのあとにもう一つ、これほど大きなドラマが待っているとは思いませんでした。
東山:キュアエクレールの正体については、皆さんの推理もかなり白熱していましたよね。本当に、どの子がキュアエクレールになってもおかしくないくらい、候補となった四人が魅力的でした。キュアエクレールになるかどうかは別としても、皆さんがそれぞれのキャラクターへの愛を膨らませてくださった期間だったと思います。これほど注目していただき、みんなで一つの「キュアエクレールの謎」について考える時間を過ごせたことで、大きな思い出を作ることができたと思います。ただ、そのあとにも一波乱、二波乱あることが分かっていたので。「まだまだ油断せずに見ていてください」という思いがありました。
るるかを信じ続けたマシュタンとの絆
ーー先ほど、荷物を背負っていたというお話がありました。ただ、彼女の隣には、羊宮妃那さん演じるおとも妖精のマシュタンがいつもいて。東山さんにとって、マシュタンはどのような存在になっていますか?
東山:もう、マシュタンのことが好きすぎて……! マシュタンは、おしゃまでしっかり者のように見えて、少しポカもしてしまうという(笑)、唯一無二のかわいらしさがあります。るるかは一人で決断して怪盗団ファントムに入っていきますが、マシュタンはそんなるるかをどこまでも信じて、肯定して、ついてきてくれて。その心の大きさに対して、本当に「ありがとう」という気持ちでいっぱいです。
愛おしくて仕方がない存在でありながらも、ずっとそばにいてくれて、「あなたがいたから私がいる」と思える存在でもある。るるかのパートナーがマシュタンで良かったですし、マシュタンを演じるのが羊宮妃那ちゃんで良かったと心から思います。羊宮ちゃんの声が乗ることで、マシュタンのチャーミングさが引き立てられているように感じていて。
ーー特にそれを感じたお話というと?
東山:しるくの回(第22話「しるくの覚悟」)で、お芝居が好きなマシュタンが一人で盛り上がって、謎のスイッチが入っているところは絶妙に面白かったです。「マシュタン、どうしたの?」「おかしくなっちゃったのかな?」と思うような場面も、本当にチャーミングに演じられていました。見ていて思わずクスッと笑ってしまう、みんなから愛されるマシュタンを羊宮ちゃんが作り上げていると思います。ほんっとに、マシュタンから目が離せないですね。
ーー第31話でのマシュタンの行動にグッとくるものがありました。今こうやって話しているだけでも涙が出てきそうですが……。
東山:そうですよね。怪盗団ファントムのニジー役の松岡禎丞さんも、ゴウエモン役の石川栄一さんも「マシュタンを見ていると泣いちゃいそうなんだよね」「すごくわかります。やばいですよね」とおふたりで話されているのが聞こえてきました。
マシュタンはここまで、るるかを信じてついてきてくれました。でも、るるかがあそこまで闇に身を落として、もう駄目になってしまうかもしれないという極限状態を目の当たりにして、「何とかしなければいけない」「ここまで来ては駄目なんだ」と、キュアエクレールに助けを求めるんですよね。
これまでは、るるかを止めずについてきてくれたマシュタンが、初めて「何とかしなきゃ」と助けを求めてくれたところは、もう「心配をかけてごめんね。そして、ありがとう」と私もうるっとしてしまいました。守り守られる、かけがえのないバディです。





































