
「作品も曲も、長く愛してほしい」『ヤニねこ』だからこそ生まれた「なんもねえ」と「煙とブルー」──忘れらんねえよ・柴田隆浩×ネクライトーキー・朝日が語る作品と音楽が“ちゃんと接着する”ということ
「終わってる人たち」なのに眩しい。二人が『ヤニねこ』に見る青春
朝日:いや、でもマジでいいっすよ。「なんもねえ」。
柴田:ずっと、本当にアニメのオープニングが欲しかったのよ。もう飢えに飢えてて、10年間ぐらいお預けを食らってたから。友だちのバンド、後輩のバンドがアニメのオープニングやエンディングをやって、わーっと注目されているのを見て「もし俺だったら」って思ってたんです。「クソ!」って(笑)。
だからずっと「俺にやらせてくれよ」って気持ちがあった。今回、10年ぶりに話しが来て、すごく前がかりでやれたのが良かったのかもしかもしれない。
朝日:僕は忘れらんねえよのことをずっと知ってるから。最初に『ヤニねこ』の第1話を見たとき、Aパートで〈なんもねえ なんもねえ〉とドーンって入った瞬間に、なんかめちゃくちゃ……感無量になって。
柴田:あはは!
朝日:もともと忘れらんねえよが好きだから、やっぱりフラットには見れてないんですよね(笑)。しかもあんなに作画枚数の多いアニメーションが付いた忘れらんねえよを見て、もう嬉しくて!
柴田:ねえ、しかもさ(SNSで)めっちゃ褒めてくれてたじゃん。忘れらんねえよのことを。あれ、嬉しかったっすね。気持ちよかったなあ。
忘れの曲が合いすぎてる https://t.co/DTgSag5GU7
— 朝日 (@ishi_furo) May 31, 2026
── 実際に「なんもねえ」「煙とブルー」がアニメで流れているのを見て、いかがでしたか?
柴田:もうさ、オープニングからエンディングまで、全部ハマってるじゃない?
朝日:俺も、ちゃんと良いエンディングを書けたなと思っていて。
柴田:ね! 素晴らしい。あと「煙とブルー」の〈嫌になったり〉もヤニにかけてるでしょ? エンディングの映像も、当て書きなのかな? すごくいいよね。
朝日:確かに。〈吸い殻拾って〉という歌詞のところで吸い殻を集めてる絵があったんで、そうなのかなと思いつつ……。第1話は真っ黒な画面にスタッフロールが流れるだけだったじゃないですか。第2話であの映像がきて、嬉しかったですね。
── お二人から見て『ヤニねこ』はどのような作品に映っていますか?
柴田:『ヤニねこ』って終わってる人たちの集まりじゃないですか。いわばカスが集まってんだけど、でもなんか“青春”なんですよね。エンディングテーマも「この人たちはちゃんと青春してるんだよ」っていうふうに俺には見えて。
朝日:もう30代半ばにきたからか、眩しく見えるんですよね。
柴田:眩しい、眩しいよ! 曲が終わったあと寂しくなるもん。「この人たちとお別れしたくない!」みたいな。
朝日:何にもなかった大学時代とか……そういう青春の影を見ちゃってるのかもしれないですね。みんな汚い汚い言うけど、あの本編ですらキラキラ輝いて見えるというか。
柴田:綺麗ですよ。
朝日:いいですよね。あのウイスキーの水割りも(笑)。
※中ジョッキに大量のウイスキーを入れ、そこにガムシロップとレモン汁を加え、水道水で割ったアルねこ特製ウイスキー。
── 『ヤニねこ』はところどころ妙にリアルですよね。
朝日:そうなんですよ。度々、作者さんのリアルな体験なんじゃないか、と思うところがあって。水道水割りウイスキーも「金がない時代にめっちゃやってそう」「やってたんだろうな」って。そんなエピソードを見ると、ちょっと嬉しくなっちゃいますね。
── ちなみに柴田さんは、とりわけ好きなエピソードがあるとか。
柴田:アニメで今期やれるかどうかはわからないですけど、原作漫画227mgの字書きねことその友だちのエピソードですね。
友だちが「ドラゴンメイジャー」の絵を描いてSNSで発信してくれるけど、字書きねこがうまく反応してくれない……。あの話が大好きで! もう共感性羞恥で「いたたたたた」ってなる。
朝日:あはは! 俺も超好きです。というか柴田さん、字書きねこ好きそう。
柴田:好き!
朝日:字書きねこがヤニねこに小説を読んでもらって「ようわからん」って言われる描写とかも、すごい好きそうだなと。
柴田:そうなんだよ。そこから早口でめちゃくちゃ言い訳するじゃん。あの解像度がすごいんですよね。先生方の視点というか、みんなが身に覚えのある「いたたたた」っていうところをとんでもない解像度で描くから。それって俺は愛だと思うんですよね。
ちゃんと見てるし、馬鹿にしてないんです。「そういうところあるよな」「でも今日も一生懸命やってんじゃん」っていうベースで描いてるから大好き。だから……やっぱり『ヤニねこ』は青春ものだと思うんですよ。
朝日:絶妙なバランス感覚ですよね。ギャグもギリギリじゃないですか。
柴田:うん(笑)。
朝日:字書きねこの小説が全然伸びなくて……とか。それってつまり、読む人によっては、ちょっと笑えない可能性もあるラインのことをやってるわけで。そのバランス感覚が絶妙なんですよね。
柴田:そうね。でもちゃんとチャーミングになってるもんね。「ドラゴンメイジャー」の絵もたまんないっすね。
朝日:応援しちゃいますよね。中学・高校生ぐらいの画力というか。
柴田:そう。愛おしい。愛おしいのよ。




































