音楽
忘れらんねえよ×ネクライトーキー『ヤニねこ』がつないだ必然の出会い【インタビュー】

「作品も曲も、長く愛してほしい」『ヤニねこ』だからこそ生まれた「なんもねえ」と「煙とブルー」──忘れらんねえよ・柴田隆浩×ネクライトーキー・朝日が語る作品と音楽が“ちゃんと接着する”ということ

「やっぱり愛してほしかったから」

── 「なんもねえ」のサビには、有名イタリアンチェーンでお酒を注文するときのメニュー番号が出てきますよね。あの数字を歌詞に入れるアイデアも、すごく素敵だなと思いました。

柴田:あれも単なる思いつきで、なんとなくやっただけなんですけど……ネットでは陰謀論とか食品コードか何かとか言われてました。

朝日:それ見ました。でも、多分……?

柴田:うん、深い意味はない(笑)。「サイゼのビールうめえな」ってぐらいで(笑)。

朝日:でも跳ねる(流行る)曲って、不思議と謎や偶然を引き寄せるパワーみたいなものを持ってるんですよ。

── サビも最高だなと思っていました。忘れらんねえよらしさもありつつ『ヤニねこ』らしさもありつつ。

柴田:それは本当にラッキーというか……。オファーをいただけた時点でバンドと作品の相性はきっと良かったんだと思うんですけど、曲を作るにあたっては、すごく時間をかけたんです。監督たちとの打ち合わせも4、5回やって。曲も何曲も書いて、渡して。「ああでもない、こうでもない」と、じっくりやらせてもらった。普通はそこまでやらせてもらえないと思います。それも良かったのかなって。

作品に合ってないタイアップはお互いにとって良くないと思うし、その曲は愛されないと思うんです。やっぱり愛してほしかったから、『ヤニねこ』を好きな人たちに。しっかりやれてよかったなって。

── 先ほど朝日さんが「メロディーに悩んでいるところが見える人が好き」というお話をされていました。まさに色々な試行錯誤があったうえで、このメロディーが生まれたのですね。

柴田:最初は実は、別の曲を推してたんです。でも、どうも監督にお聴かせしても「なんか違うな……?」みたいな感じがあって。結局それは「俺が推したい曲」だったんですよね。もともとメロディーの断片があって、それを『ヤニねこ』用にカスタマイズしたような形で。

でも「あんまり刺さってねえな」と。そこから4、5曲作り直したんですよ。そのときに出てきた曲が「なんもねえ」だった。それが「どうやら刺さってるっぽいぞ」と。全体的にも「この曲じゃない?」みたいな空気がありました。

朝日:へえ。

柴田:俺も「へえ」ってなった(笑)。どれが良い曲なのかって、そこまでいくと自分じゃわかんないじゃん。

方向性が決まってから、この曲をしっかり作り込むっていう感じでした。でも今考えると、やっぱり「なんもねえ」が正解だったなって思います。さっきの話じゃないですけど、タイアップはちゃんと作品に合ってないと……まあ、結果論なんですけどね。

── 名作映画のオマージュが入った映像も話題になっています。

柴田:すごいですよね、海外の人からの反響もあって。エンディングもそうですけど、みんなが夢中になってる感じがしています。自分はアニメの現場には行ってないですけど、先日(第5話の)アイキャッチに入る「ヤニねこ」という言葉を録らせてもらいに、アニメチームのみなさんがいるスタジオに行ったんです。

そこでもみんなが「やるぞ!」って夢中になってる感じがあって。活気があるんですよね、このインタビューもそうじゃないですか。そんなチーム、現場に関われてラッキーだなって思います。みんながやる気に満ちているっていうのは、すごくいいですね。

── エネルギーのある現場っていいですよね。一人がちょっとでも欠けちゃったりすると、どこか滞るというか。

柴田:そう。傍から見てるだけですけど、全員が「わーっ」てなってる感じがある。オープニングの映像もエンディングの映像も、やっぱりわかるんですよ。「これ、めっちゃ時間かけただろうな」と伝わってきます。

朝日:いいっすよね。映画の場面チョイスもちゃんと、タバコを吸いたくなるようなものになってて。

柴田:そうなんですよ。とんでもなく時間かかってんだろうなと思って。まず(もとの映画の)シーンを選んで、そのあと描き起こすわけでしょ。

朝日:個人的にちょっと好きなのが、字書きねこのパロディだけタバコじゃなくて、『ロード・オブ・ザ・リング』っていう。

柴田:あはは! そうだったんだ、最高だね!

朝日:「ドラゴンメイジャー」的な(笑)。ちゃんとキャラに寄せてる感じがいいなって。

柴田:ね。しっかり丁寧に考えてあるんだろうな。勉強にもなりますね。やっぱりそういう気持ちは伝わるんだなって。

── エンディングの映像もおしゃれで、色合いもかわいいですよね。

柴田:本当にキラキラしてるんですよ。あれで「今週も見てよかった」って思える。ドロドロした気持ちが、あれで浄化されるというか。キャラたちがアグレッシブに飛んだり、さらに最後は上からピューッて降りてきたりして、なんであんなにかっけーの?

朝日:よく見たら、アルねこはゲロ吐いてるんですけどね。

柴田:あ、そうなんだ。細けえ(笑)。

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