
「根っこから悪意で動いていたわけではない人物」後半に進むにつれて変化した瑶太の見え方──TVアニメ『鬼の花嫁』連載インタビュー第11回 狐月瑶太役・逢坂良太さん
シリーズ累計750万部を突破し、待望のTVアニメ化を果たした和風あやかしシンデレラストーリー『鬼の花嫁』。本作は人間と“あやかし”が共に暮らす日本を舞台に、家庭に居場所をなくしていた女子高生・東雲柚子と、あやかしの頂点に立つ鬼の次期当主・鬼龍院玲夜の運命の恋を描く物語です。
優れた能力と美しい容姿を持つあやかしたちは、社会の中核を担い、絶大な権力を誇る存在。そんな彼らが本能で見つけ出す、たったひとりの運命の相手が「花嫁」です。妖狐の花嫁である妹・花梨と比べられ続け、家庭の中で傷ついてきた柚子。
ついに心が折れかけたその日、彼女の前に現れたのは玲夜でした。
「見つけた、俺の花嫁」
その一言をきっかけに、柚子の運命は大きく動き始めます。
今回は第10話までの放送を記念して、狐月瑶太役・逢坂良太さんにインタビューを実施。序盤では柚子の前に立ちはだかる存在として強い印象を残しながら、その内側には単純ではない事情や感情ものぞかせる瑶太を、逢坂さんはどのように捉え、演じたのか。作品全体の印象からキャラクターとの向き合い方、アフレコ現場で感じたこと、そしてこの先の見どころまで。たっぷりと語っていただきました。
前回のインタビューはこちら
後半に向かうにつれて変化した瑶太の見え方
──まずは、『鬼の花嫁』という作品全体にどんな印象を持たれたのか教えてください。
逢坂良太さん(以下、逢坂):あやかしという存在がごく当たり前にいる世界、という設定がまず面白いなと思いました。その中でさらに、“花嫁”という存在がある。虐げられていた女の子が、まさか一番格の高い鬼に見初められて、幸せになっていく物語なんですよね。シンプルではあるんですけど、やっぱりすごく惹かれるものがありました。
その一方で、周囲からの妨害があったり、少ないながらも味方になってくれる人がいたりして、柚子の葛藤がすごく丁寧に描かれている。僕は敵役ではあるんですけど、やっぱり柚子に注目して見てしまうというか。健気で、まっすぐで、芯の強い子だなと思いながら読んでいました。
──そんな中で、瑶太というキャラクターをどのような人物として捉えていましたか。
逢坂:最初のうちは、まず自分がぱっと受けた印象でやってみようかなと思っていたんです。後々花梨に惚れたうえで、彼女を守ろうとした結果の行動だった、ということが見えてくるんですけど、序盤の段階ではまだそこまで明かされていなかった。だから、最初はかなり嫌なやつとして演じていました。
でも、結果的にはそれが正解だったのかなと思います。やっぱり序盤は柚子目線で描かれている部分が大きいので、柚子からどう見えるかを強く出したほうがよかったんだろうなと。今振り返ると、あの見せ方でよかったんじゃないかなと思います。
後半に向かうにつれて、瑶太の見え方も少しずつ変わっていくんですけど、僕としては、根っこから悪意で動いていたわけではない人物だと捉えています。
もちろん、やってしまったこと自体はよくないですし、その責任は負うべきです。ただ彼の行動には花梨を幸せにしたいという思いが強すぎた結果、悪い方向に転がっていってしまった側面もある。
そういう意味では、少しだけ報われない部分もある人物だなと感じています。狐月家のこともありますし、本人なりに必死だったぶん、余計にそう見えるところはありますね。
──後半になるにつれ、狐月家の事情も少しずつ見えてきましたね。第10話までの展開を踏まえて、あらためてどんな印象を持たれていますか。
逢坂:瑶太はかなり苦しいところにいるんですよね。もちろん柚子もつらい立場に置かれているんですけど、瑶太も瑶太で板挟みの中でもがいている。その泥臭さが、このキャラクターの人間味につながっているのかなと思います。
この作品って、かなり振り切れているところがあるんですよ。ものすごく悪く見える人もいれば、逆にすごくまっすぐに見える人もいる。その中で、柚子の純粋さやまっすぐさに触れることで、玲夜にも少しずつ変化が表れていくのが面白いなと感じています。
最初は近寄りがたい雰囲気をまとっていた玲夜が、物語が進むにつれて、周囲との関係の中で少しずつ別の表情を見せるようになっていく。そうした変化が見えてくると、人物同士の関係性もまた違って見えてくるんじゃないかなと思います。
瑶太に対する向き合い方にも、そうした変化は表れている気がします。反省している相手を必要以上に追い詰めるのではなく、その先を見ようとする姿勢が見えてくる。そこにも、玲夜の変化がにじんでいるように感じました。
──役を演じるうえで、特に意識されたことや大切にされたことがあれば教えてください。
逢坂:瑶太に関しては、後から見え方が変わっていく余地をちゃんと残しておきたい、という意識はありました。
最初は柚子にとって脅威として立ちはだかる存在だから、その印象はしっかり出したほうがいい。でも一方で、後になって振り返った時に、ただ乱暴で身勝手だっただけではないと感じられるような……どこか人間臭い部分もにじませられたらいいなと思っていました。
難しい役ではありましたけど、単純ではないからこそ面白さでもあった気がします。
──音響監督とのやり取りや、収録現場で印象に残っていることはありますか。
逢坂:そこまで大きなディレクションがあった印象はないですね。割と自分の思う感じでお芝居をさせていただいて、細かいところで「ここはもう少しこういう言い方で」といった調整をいただくことはありましたけど、根幹の部分で何か大きく言われた記憶はあまりないです。
なので、すごく悩んだとか、何かを言われて「これは難しいな」と思ったこともなかったですね。比較的、自然に役に入れた現場だったと思います。
この作品は周りを固める方々が、とにかく本当に素晴らしいんです。僕はどちらかというと、自分が引っ張るというより、皆さんのお芝居に乗っていくタイプなので、そういう意味ではすごく乗っていきやすい現場でした。
瑶太はずっと出ずっぱりの役ではないので、途中から入っていく難しさもあるんですけど……今回はそれをあまり感じませんでした。周りの役者の皆さんのおかげだなと思います。































