
TVアニメ『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』第3期ED「来れ恋・至れ愛」、1分超えの“ギターバトル”ができるまで|『100カノ』だからこそ生まれた“令和のメタルアニソン”!
2026年9月9日に、TVアニメ『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』のOP/EDテーマと第3期4話(第28話)で流れた挿入歌を収録した「大好き♡ずっと永遠に♡/来れ恋・至れ愛」がリリースされる。そのリリースを記念し、各楽曲を手掛けたクリエイターの座談会を実施! 第2回は、EDテーマ「来れ恋・至れ愛」を制作した作詞・安藤紗々さん、作曲/編曲・seraさん(Neko Hacker)、ebaさん、睦月周平さんら4人が登場。メタル好き3人のギタリストが作り上げた衝撃作について語る。
メタルとかわいい声の相性は絶対にいい!
──『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』のどんなところに衝撃を受けましたか?
睦月周平さん(以下、睦月):僕とebaさんは第1期の劇伴から携わっているので、漫画を見て受けた衝撃がまずあるんです。ビビーンとかも、「これはアニメでどうなるんだ!?」みたいな。そこの音楽は僕が担当しているんですけど、この衝撃的なシーンを音楽でどうするのかというプレッシャーはありました。それと僕が「羽香里のテーマ」を書いて、ebaさんが「唐音のテーマ」を書いているんですけど、そこでキャラクターのフォーマットができてしまうから責任重大だ!と思いながらやっていた記憶があります。アニメのキャラクターデザインもかわいくて、みんな目指すところは同じだというスタッフに囲まれていたので、作業自体はすごく楽しいです。
お話自体は、かなりギャグが強めというのが意外とないところだし、そもそも100人彼女を作るってどういうこと?という衝撃がありました。
ebaさん(以下、eba):令和っぽいなと思いました。テンポ感がBPM200くらいあるけど、ちゃんとキャラはひとりひとり濃厚に作られていて、観たことがないアニメだなと衝撃を受けました。
自分は『I"s』とか『いちご100%』といったラブコメがすごく好きなんですけど、あの時代にはなかったような感じなんですよね。あと、読みながら100人は無理でしょと思っていたんですけど、よくよく考えたら『グラップラー刃牙』でも、そのくらいの人数が出てきているんですよね。しかもそれぞれキャラが濃いから、いけるんじゃないかと思い始めて、今は安心感すら感じています(笑)。
平成以前のラブコメって主人公がもっと平凡だった印象で。でも恋太郎って、何なら一番個性的なんですよね。そのあたりも令和っぽいと思いました。
──主人公が魅力的なのが良いですよね。
eba:時代が変わりましたよね。なろう系を見ても、主人公が強いということをみんな求めている気がするし。
睦月:主人公のハードルが高くなっているし、ラブコメもこのくらいのインパクトが必要になってきている気がする(笑)。
eba:そのくらい刺激を求めているところはあるかもしれないですね。こうなりたい!って。
seraさん(以下、sera):『いちご100%』とかやったら、誰と結ばれるのかな?という楽しみがありますけど、『100カノ』を観てこうなりたい!って思っても、難しそうですね(笑)。
──もうすでに10人以上と恋太郎は結ばれていますからね。でも恋太郎になったら、自分の時間はないでしょうね(笑)。seraさんはいかがですか?
sera:僕はNeko Hackerというユニットで、主に編曲を担当しているんですけど、第2期のEDテーマ「Unmei?」でギターを弾かせてもらったのが『100カノ』に関わる最初だったんです。アニメはずっと観ていたんですけど、ラブコメでワチャワチャラブラブだけでなく、ひとりひとりの暗い部分とか、何でそういうキャラクターになっているのかをテンポ良く表現してくれているところが衝撃を受けたところです。この言動は、過去のこういう体験から来ているんだろうなとか想像して、感情移入することがあったりするので、そういうシーンは印象に残っています。
──EDテーマ「来れ恋・至れ愛」はどのように作っていったのでしょうか。
eba:田淵智也さんが初めにどういう曲にするかの方向性を示して、そこから作っていったよね?
sera:みんなでブレストして、令和のメタルアニソン作ろう!みたいな感じだったと思います。
睦月:そこに至る前段階もあって、音楽プロデューサーとミーティングをして、そのとき、「OPテーマのイメージはあるけど、EDに関してはイメージがないから自由度は高いです」みたいな話になったんです。じゃあ何をする?となったとき、かわいい女の子が歌うゴリゴリのメタルで、ebaさんとNeko Hackerのお2人はメタルが大好きなので、みんなでメタルを作ろう!みたいな感じになったんですよね。もちろんかわいい範疇で。でも完成したらヤバいことになっていたという。
eba:そのメタルという言葉が出る前に、僕もメタルを作りたいと思っていたんですよ。たとえば「冬もマシンガン」という女の子が歌うメタル曲があるんですけど、それの令和版みたいなのが作れたら面白いと思っていたんですけど、まさにそういう感じのオーダーだったんですよね。
睦月:まさに今風のメタルですよね。
sera:僕は常にメタルを作りたいと思っているくらいメタル大好きなので、この話が来たとき「来たか!」と思いました。
睦月:僕も常に作りたいと思ってる(笑)。
──皆さんメタルがルーツなんですね。
eba:はい。シンプルにルーツがメタルで、好きになった音楽が最初はメタルだったんですよ。
sera:だからやっと作る場所ができた!みたいな。
eba:なかなかそういう機会はないんですよね。
睦月:(アニメでは)発注がないからね。こういうの作りたいというストックはいくらでもある。
──メタルに限らず、ハードロックとかわいい声って、相性が良いですよね。
eba:絶対にいいと思います。だからチャンスが来たなと思って、本当に嬉しかったんです。
──チャンスが来たのか、そう仕向けたのかはわからないですが……(笑)。
sera:半分くらい仕向けたかも(笑)。
eba:作ったあとに、一度投げたら「これはやりすぎみたい」になったよね?
睦月:一度だけリテイクがありましたね。「入りからメタル色が強過ぎないほうがいいかも」となったんです。入り口がseraさんのゴリゴリのメタルフレーズだったのを、ちょっとかわいい感じにしたと思います。
sera:そうでしたね。歌とかも変えて、OKになった気がします。
eba:この曲も、OPテーマ同様、リレー式で作っていった感じです。
睦月:seraさんから始まり、ebaさん、僕と続いて、サビが田淵さんなんですけど、その段階ではまだメロディがないんですよ。オケしかできてないんです。
──オケから先に作ったんですね。
睦月:Neko Hackerのもうひとりのメンバーであるかっさんが、いつもNeko Hackerのメロディを作っているんですけど、かっさんが最終的に全部メロディを作るという、一番大変な役を担っていたんです。
sera:最初に1コーラスを順番で作るんですけど、ギターリフを見せびらかし合う感じで、とても楽しかったです。
eba:映画の『クロスロード』みたいな感じだったよね。田淵さんの中では、みんなでギターバトルをやってほしいイメージがあったみたいで。
sera:「歌は考えんでいいから」となっていたんです。
eba:滅茶苦茶なオケを作ってくれればいいからって感じで(笑)。
睦月:結局、かっさんが上手くまとめてくれた1コーラスができて、そのあと、田淵さんが言っていたギターバトルを本当にやろうという流れになって、あの異常に長いギターソロが出来上がったんです。今の時代に、こんなギターソロある?っていう。
sera:あれで自信をもらいました。ギターソロって年々聴かれづらくなっているみたいなんですけど、とにかく長いんですよ。
睦月:1分以上あるので。
eba:80~90年代くらいのメタルですよね。
──でも、田淵さんがメロディを考えるのかと思いきや、かっさんが作ったんですね。
sera:正確にはサビはメロディ付きで田淵さんが作ってくれていたのかな。なので、それ以外をかっさんが作っていました。
eba:サビ以外が結構むずいけどね(笑)。無茶振りで全部丸投げでしたから。
sera:これ、どうやって歌入れるんだよという(笑)。
──5人で作曲する楽曲って、なかなかないですよね?
eba:特殊なやり方だと思いますね。しかもオケが先だし。
睦月:『100カノ』は音楽を作る人が、何故か増えていくんですよ。
安藤さん(以下、安藤):あははは(笑)。恋太郎ファミリーが増えるのと共に…。
eba:意外と必然だったのかもしれない。
作曲と作詞間で打ち合わせをせず共通で意識していた「温泉」の秘密
──安藤さんは、お話が来た時どんなお気持ちだったんですか?
安藤:すごいのが来た!という感じで、パンチが凄かったです。でも、田淵さんの仮歌詞があったので、それにはめるように書いていったんですよ。たとえば最初の〈Finding 恋、YES!〉も、英語→日本語みたいな感じに仮歌詞もなっていたので、そこは一緒にしていたり、雰囲気は似せているつもりです。
eba:毎回作詞の作業がめちゃめちゃ速いですよね。根性がすごい。
安藤:根性(笑)。リテイクはサビにいくつかあったので、さっき田淵さんがサビを担当していたと聞いて納得しました。歌詞のイメージがあっていたか心配、私が勝手にテーマを温泉にしたので……。
sera:そこが、ちょっと気になりました。どこで温泉になったのかな?と思って。
安藤:〈愛してる愛してる 湧き出る温泉ドバドバ愛してる〉をやりたかったんですよ。
それで全体的なテーマを温泉にしたら、すごくしっくりきたというか。しっくりきているのかわからないですけど(笑)。
sera:オケを作っているチーム的には、最後にふわ――っとなるパートがあるんですけど、神聖な世界に旅立つみたいな表現として、こちらでも「名湯」と言っていたんです。なのでオケにもちょっと温泉的要素が背景にあったんですね。それがどこかで安藤さんに伝わったんかな?と思っていたんです。
睦月:ぽちゃんって音も入れてましたよね?
sera:そうですそうです! そういう要素が元から入っていたんですよ。
安藤:あー! それで温泉が頭に浮かんだのかもしれない。
sera:いや、すごいです。音楽を通じて温泉が繋がるなんて思わなかったので。
安藤:音楽を通じて、直接語りかけられましたね(笑)。
──楽曲を聴いていると、この歌詞だから最後のアレンジを変えて、天に召されるような感じにしたんだなと思っていました。
睦月:最近のアニメ主題歌は、作詞家さんのところにいくときは、もうアレンジまで全部できていることが多いんですよ。
安藤:そのほうがありがたいんです。水のぽちゃんも拾えて、そこから温泉に繋がったりもするので。作詞をするに当たって、音は聴きまくるし、あの音がなければ、この発想にならなかったかもしれないですね。
sera:いや、嬉しいなぁ。ぽちゃんを入れておいて良かった。あそこはかっさんに「神聖な世界で、名湯に入って、どこかへ行ってしまう感じがやりたい」と言われていたので、とりあえずぽちゃんを入れとこうかと思って入れていたんです。そしたら歌詞に〈名湯〉と入っていて! 名湯を音楽で表現したら、本当にその言葉があったから、噛み合い過ぎてすごかったです。
安藤:本当にすごいですよね。
睦月:なかなか熱い展開ですね(笑)。そういうミラクルが起きることがたまにあるんです。
eba:読み取り力がハンパないんです。
安藤:嬉しいなぁ(笑)。『100カノ』って、関わっている人が作品のことをめちゃめちゃ好きなんですよね。情熱をすごく感じるから、それに応えなきゃ!と思って、私もめちゃめちゃ音楽を聴くし、歌詞も深みへ入っていくんです。OPテーマより、EDテーマのほうが早く書き上げられたのは、波に乗れた感覚があったからで、それも奇跡的だったのかもしれない。
eba:でも、主題歌を3期分書いたら、書きたいことなくなりませんか? 本当にすごいと思う。
安藤:なくなるので、タイトルだけストックしておこうとしているんですけど、やっぱり音楽を聴くと、歌詞は何かしら出てきます。











































