
劇場アニメ『SEKIRO: NO DEFEAT』歴史監修・佐多芳彦さんオフィシャルインタビュー&場面カットが解禁!
2026年9月4日(金)から全国劇場にて3週間限定で上映中の劇場アニメ『SEKIRO: NO DEFEAT』。
このたび、本作の歴史監修を務めた佐多芳彦さんのオフィシャルインタビューと本編場面カットが到着しました。
<以下、公式発表の内容を引用して掲載しています>
歴史監修・佐多芳彦よりオフィシャルインタビューが到着!
NHK大河ドラマ『麒麟がくる』『鎌倉殿の 13 人』『光る君へ』などで風俗考証を務め、アニメーション作品では『平家物語』『犬王』の監修も手掛けてきた佐多芳彦。この度、新たな場面カットの解禁と合わせて、本作『SEKIRO: NO DEFEAT』で歴史監修を務めた佐多のオフィシャルインタビューが到着した。
依頼を受けた当時について、佐多は「戦国期の時代劇ということでワクワクして二つ返事でお引き受けいたしました」と振り返る。テレビドラマでの時代劇考証、そして数々のアニメーション作品を手掛けてきたことの手ごたえから、「時代劇はアニメーションに向いている」という確信があったことも背中を押したという。
制作現場でのやり取りで特に印象に残ったものとして佐多が挙げたのが、「当時の寝ている人の姿を教えてください」というスタッフからの問い。戦国期前後の風俗画から該当する場面を集めて応えたという佐多は、そのスタッフ陣の熱量に「なにか、とてもいい『こだわり』を覚えました。制作姿勢と言うべきかもしれません」と語る。
さらに、一心が城内で切腹するシーンについても数回のやり取りを重ねたといい、「『死』という厳粛なシーンをしっかり描こうとされていることが伝わりました。劇的、かつ厳粛に描こうとされていることが、監修者としてはとても嬉しかった」と、制作陣の姿勢を評価している。
⻯胤や回生といった超常の要素を抱えた本作について、佐多は本作は伝奇物語であると明言しつつ「戦国時代を背景とした空想(ファンタジー)」であると捉えたうえで、「制作の皆さんのやりやすさを最優先して監修しよう」と考えていたと、その立ち位置を明かした。
<歴史監修・佐多芳彦 オフィシャルインタビュー全文>
Q1 今回、劇場アニメ『SEKIRO: NO DEFEAT』の歴史監修としてご参加された経緯をお聞かせください。ゲームを原作とする作品からのご依頼を受けて、はじめにどのような印象を持たれましたか。
佐多芳彦さん(以下、佐多):おぼろげな記憶なのですが、以前一緒に仕事をさせていただいた方から打診をいただきました。過去、『平家物語』『犬王』で同様の監修をしましたが、戦国期の時代劇ということでワクワクして二つ返事でお引き受けいたしました。
テレビドラマとしての時代劇をそこそこお引き受けした経験から、加えて上記2作品の監修をお引き受けした手ごたえとして、時代劇はアニメーションに向いていると思っていたことも背中を押してくれました。
Q2 制作現場でのやり取りで、特に印象に残っているものはありますでしょうか。スタッフから寄せられた質問や先生から投げかけた問いなど、舞台裏のエピソードがあればお聞かせください。
佐多:2つあります。1つめは、「当時の寝ている人の姿を教えてください」というもので、戦国期前後の風俗画から該当する場面を集めてお応えしました。なにか、とてもいい「こだわり」を覚えました。製作姿勢と言うべきかもしれません。
また最後の方でしたが、城内での切腹シーンの監修は数回のやり取りをした気がしますが、これも「死」という厳粛なシーンをしっかり描こうとされていることが伝わりました。劇的、かつ厳粛に描こうとされていることが、監修者としてはとても嬉しかったです。
Q3 本作は戦国末期を舞台としながら、⻯胤や回生といった超常の要素を抱えた物語です。史実と物語が交わる部分について、どこまでを史実に寄せ、どこからを物語に委ねるか、どのように線を引いていかれましたか。
佐多:本作品は伝奇物語です。最初からそう考えました。「戦国時代を背景とした空想(ファンタジー)」と思いました。自分はそれを否定も過小評価もしない。ただ、そういう物語と考え、制作の皆さんのやりやすさを最優先して監修しようと考えていました。
Q4 ご専門である服飾史・有職故実の観点から、狼、九郎、葦名弦一郎、エマといった主要人物の装いはどのように組み立てられていますか。それぞれの立場や境遇が衣装のどこに表れているのか、読みどころを教えてください。
佐多:非常に日本中世末期のまだ順(まつろ)わない武士の姿を「実際にこういう人もいたかもしれない」気にさせてくれるものでした。色も美しく、鬱陶しかったり、違和感を感じるようなものがないのはおどろきました。
背景の絵が手描きの良さなのでしょうが「自然の空気感」がとてもいい具合で、人物が浮いて見えないこともこう感じる一因かもしれません。エマも強いアイデンティティをもつ女性としての姿で個人的には問題ありません。服の色合いも好きです。
Q5 本作は全編手描きで、背景美術も絵具を用いて紙に描かれています。こうした画作りは、歴史考証の面でどのような可能性、あるいは難しさをもたらしましたか。美術・作画のスタッフとのやり取りがあれば併せてお聞かせください。
佐多:人の手による筆致には当事者の個性やその場面に関する認識がにじみ出ます。この作品では人物描写も緻密だし、背景もうるさくないし、場面の空気感が自然な印象を受けました。CGではできないことですので、映像のすべてを拝見するのが楽しみです。
Q6 これまで数多くの実写作品で考証を務めてこられました。実写とアニメーションでは、考証の勘所はどのように違うのでしょうか。線と色で描かれるアニメーション特有の難しさ、あるいは自由さについてお聞かせください。
佐多:実写は、衣服の準備から配役の所作まで、「必要なものが準備できない」「俳優さんのメンタルや演技」「カメラの画角の限界」など数限りない制約があります。しかし、アニメーションはこうした問題をすべてクリアできます。その意味では実写に勝っています。
しかし、映像ということでは「陰影の施し方」「人物の自然な動き」「実写では役者さんが負われる『雰囲気・佇まい』の出し方」「ものの質感」などが出しにくい、表現が難しいというイメージです。ただ、こうした難しいことが生じるのはCGに多く見られる気がします。そこを背景やアニメーターさんの手描きの活用によりクリアできると思っています。
Q7 最後に、本作をご覧になる方へ。「ここを見てほしい」という歴史的なディテールを3つ挙げるとすれば、どこを挙げられますか。あわせて、公開を待つファンへのメッセージをお願いします。
佐多:重みのある「物語」、誰もが観たいと思っている激しいけど流れるような「剣劇」、フィクションとノンフィクションが程よく融合している作品。日本の中世末期を独特の伝奇観で描いたファンタジーです。
史実に基づいた本格的な時代劇物語を切り取った場面カットが解禁!
あわせて解禁となったのは、佐多による監修と史実を緻密に表現した本編シーンを捉えたカット。
滝を背に佇む大伽藍とその前に立つ狼を捉えたカットや暗闇の中を疾走する狼を捉えたカットでは、幾重にも重なる瓦や高欄をめぐらせた回廊まで、細部が一筆ずつ描き込まれていることが窺える。佐多は本作の背景美術についても触れ、「背景の絵が手描きの良さなのでしょうが『自然の空気感』がとてもいい具合で、人物が浮いて見えない」と語っており、その言葉を裏づけるカットとなっている。
また、結い上げた髪に、朱の小袖と暗色の羽織を重ねた装いのエマの姿も。服飾史・有職故実を専門としている佐多は、本作に登場するキャラクターたちの装いについて「日本中世末期のまだ順わない武士の姿を『実際にこういう人もいたかもしれない』という気にさせてくれるものでした」と評し、エマについても「強いアイデンティティをもつ女性としての姿で個人的には問題ありません。服の色合いも好きです」とコメントを残している。
さらに、箱枕に頭を預け、夜具にくるまって眠る九郎の姿を捉えたカットも。「当時の寝ている人の姿を教えてください」――制作陣が投げかけた問いと、佐多が風俗画から集めたその答えが、この静かなワンカットに結実しているようだ。
最後に佐多は、本作を「重みのある『物語』、誰もが観たいと思っている激しいけど流れるような『剣劇』、フィクションとノンフィクションが程よく融合している作品」と表現し、「日本の中世末期を独特の伝奇観で描いたファンタジーです」とメッセージを寄せた。
作品情報
あらすじ
狼は、葦名の戦場で拾われ、忍の技を仕込まれた熟達の忍びである。狼が仕える少年・九郎は、「竜胤(りゅういん)」と呼ばれる特別な血を引く一族の末裔。二人は寄る辺なき孤独な主従であった。
九郎の竜胤の血は、人を不死に変える力を持つ。それを狙う葦名の侍から逃れる狼と九郎だったが、そのさなか竜胤が不死の見返りに人々に「竜咳(りゅうがい)」という致死の病をもたらしていることを知る。
竜咳を治める方法を探す九郎は、自らの命を代償にそれがなせることを知り、苦悩の末に竜胤断ちを決意する。一方、九郎が隠していた覚悟を知った狼は、独り九郎の運命を変えるべく苦難に満ちた戦いへ――
キャスト
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