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- 五六七八千代
- 徳島出身のフリーライター&歌人。現在は、特撮、アニメ、DOMOTOが生きがい。

「なんだか忙しくて疲れたかも」
そんな日に、何気なく見たアニメのキャラクターに励まされた経験はないでしょうか。私にとって、その存在が『アイカツ!』でした。
2012年から放送された 『アイカツ!』は、主人公・星宮いちごをはじめとするアイドルたちが、アイドル育成学校・スターライト学園でレッスンやオーディションに励み、アイドルとして、人として成長していく物語。2026年秋、そんな初代『アイカツ!』帰ってきます!
10月9日からは、テレビ東京系でアニメ1stシーズンのアンコール放送がスタート。さらに前日の10月8日には、データカードダス(DCD)『アイカツ!アンコール』も稼働を開始。
さらに、新たなオープニングテーマ「AIKATSU!× AIKATSU!」、エンディングテーマ「アイカツ!INVITATION」も制作されるなど、ただ過去の作品を放送するだけではない、新たな『アイカツ!』が始まるんです!
本記事では、人生の辛い時期を『アイカツ!』に支えてもらった筆者の思い出を交えながら、『アイカツ!』の魅力をご紹介します。
私が『アイカツ!』のアンコール放送を知って真っ先に思い出したのは、キラキラしたステージでも懐かしいカードでもなく、就活で疲れていた頃の自分と、ビジネスバッグの中に入れていた“お守りのアイカツカード”でした。
私が『アイカツ!』をリアルタイムで見始めたのは、アニメ第70話あたり。大学4年生で、当時は嫌々ながら就活に励んでいました。面接のために都内まで電車で1時間ほどかけて通う日々。「今日は面接に行きたくないな」と思うことも、たくさんありました。
そんなとき、ビジネスバッグに忍ばせていたのがアイカツカード。「面接が終わったらDCD(データカードダス)ができる」と思うと、なんとか頑張れたのです。
今思えば、カードそのものが“私の味方”になっていました。緊張する予定のときに好きなものをひっそり持っていると、少しだけ心が落ち着く。私にとってアイカツカードは、お守りのような存在だったのです。
そして就職してからも、私は『アイカツ!』に何度も背中を押してもらいました。
新卒で入った会社では長時間の研修が続き、慣れない寮生活も重なって、毎日を過ごすだけで疲れてしまうことも。そんな私を動かしてくれたのが、「仕事終わりになんとか1プレイだけできそう」「次の休みには、STAR☆ANISのライブツアーが待ってる!」という気持ちでした。
さらに、新卒で入った会社を思い切って辞める決断ができたのも、その後いろいろなことに挑戦してみようと思えたのも、『アイカツ!』からもらった勇気があったからだと思います。
振り返ってみると、私にとって『アイカツ!』は、就活中だけ、仕事が辛かった時期だけに寄り添ってくれた作品ではありませんでした。人生の節目で「もう少し頑張ってみよう」「一歩踏み出してみよう」と思わせてくれる、ずっと身近な存在だったのです。
🎤DCD『アイカツ!アンコール 1弾』稼働日決定🎤 データカードダス『アイカツ!アンコール1弾』が 2026年10月8日(木)に稼働スタート決定❣ テレビアニメ「アイカツ!」アンコール放送は テレ東系10月9日(金)18:25~より開始✨📺 10月からテレビアニメもデータカードダスも たのしめちゃうよ🌈🌈 みんなでアイカツ!はじめよう🎶 #アイカツ #アイカツアンコール #aikatsu #aikatsuencore
— アイカツ!アンコール公式 (@aikatsu_dcd) September 1, 2026
私にとって『アイカツ!』が特別な理由は、登場する女の子たちが「完璧なアイドル」ではなかったことにもあると思います。
主人公のいちごちゃんは、とにかく前向きで行動力があります。思い立ったらすぐ行動に移し、時には周囲が驚くようなこともする、ちょっぴり破天荒な女の子。一方で、入学オーディションでは難しいスペシャルアピールを成功させるなど、アイドルとしてのカリスマ性も持ち合わせています。そんな彼女を見ていると、こちらまで明るい気持ちになり、「失敗するかもしれなくても、まずは挑戦してみよう」と前向きな気持ちになれるのです。
そんないちごちゃんをアイドルに誘った霧矢あおいちゃんは、勤勉でアイドルが大好き。アイカツやアイドルに関する知識も豊富で、いちごちゃんをすぐそばで支えながら、自分自身も努力を重ねていきます。
ただ、そんなあおいちゃんも最初は自信がありませんでした。圧倒的な才能を持ついちごちゃんを間近で見ているうちに、自分と比べて落ち込んだり、少しだけ劣等感を抱いたりすることも。それでも腐らず努力を続け、やがてトップアイドルへと成長していくいちごちゃんの隣で、あおいちゃん自身も人気アイドルへと成長していきます。誰よりもいちごちゃんを思い、自分の“好き”を突き詰めていくあおいちゃんの強さに、私は惹かれていきました。
そして、いちごちゃんとあおいちゃんとユニットを組むことになる紫吹蘭ちゃんには、子役時代から培ってきたプロとしての意識の高さがあります。自分に厳しく、仕事に対しては一切の妥協はナシ。しかし、蘭ちゃんも決して「何でも一人でできる完璧な人」ではありません。
たとえば、アイドルとしての自分の将来に悩んだり、周囲の才能に刺激を受けて自分の力不足を感じたりすることもあります。それでも、悩みを抱えたまま立ち止まるのではなく、自分にできることを考え、少しずつ前に進んでいく。そんな強さも、蘭ちゃんの魅力です。
もともと親友だったいちごちゃんとあおいちゃんを見守りながら、時には一歩引いて2人を支える。無理に間に入ろうとするのではなく、自分なりの距離感や役割を見つけていく姿も印象的でした。
過去も、性格も、考え方も、得意なことも、それぞれ違う。だからこそ、「応援したい」と思えるアイドルにも出会えるのだと思います。
そして、今あらためて見ても好きだと思うのが、スターライト学園の人間関係です。
もちろん、アイドルを目指す以上、オーディションに落ちたり、ライバルに負けたり、悔しい思いをしたりすることもあります。努力したからといって、必ず結果がついてくるわけではありません。
それでも、作品全体に流れているのは「誰かを蹴落として自分が上に行く」という空気ではなく、ライバルである友達の成功を喜んだり、落ち込んでいる仲間を支えたりと、相手の努力をちゃんと認める。そんな温かい人間関係。歌やダンスが得意な子もいれば、苦手なことに向き合い努力する子もいる。それぞれに得意なことや苦手なことがあって、自分なりの方法でアイドルという目標に向かってひたむきに頑張っています。
だからこそ、誰かが一歩前に進んだときには、その努力を知っている仲間が一緒に喜べる。競い合いながらも、お互いの存在によって成長していくのです。
現実の学校や職場では、どうしても人間関係に疲れてしまうこともあります。誰かと比べてしまったり、自分だけ置いていかれたような気持ちになったりすることもあるでしょう。
そんなときに『アイカツ!』を見ると、「人の成功を素直に喜べるって、こんなに素敵なことなんだ」と思えるのです。そして、誰かが頑張っている姿を見て、「自分ももう少し頑張ってみよう」と思える。
最初から完璧じゃなくてもいい。それぞれが自分にできることを一つずつ頑張っていけばいい。当たり前だけれど見落としがちなことを、スターライト学園のアイドルたちは教えてくれました。
そして、『アイカツ!』を語るうえで外せないのが、個性豊かな楽曲の数々です。
『アイカツ!』では、基本的に毎話のようにステージパートが登場します。物語の中でレッスンやオーディションに挑み、その先に待っているステージでアイドルたちが歌って踊る。ストーリーだけでなく、ステージそのものにも見ごたえがあります。
そして何より、楽曲がとにかくいい……!
『アイドル活動!』や『ダイヤモンドハッピー』のように、アイドルらしいキラキラした前向きさを歌った曲がある一方で、『ヒラリ/ヒトリ/キラリ』のように、努力や競争の厳しさを感じさせる楽曲もあります。
明るく元気な王道アイドルソングだけではありません。切なさを感じる曲や、クールでスタイリッシュな曲など、それぞれのアイドルやユニットの個性に合わせて、実にさまざまな楽曲が登場します。
思わず鳥肌が立つようなメロディラインや、歌とダンス、衣装、ステージ演出が一体になったパフォーマンスも魅力。楽曲を聴くだけでも楽しめますが、ステージで披露されることで、その曲がさらに印象に残るのです。
大学生だった当時の私も、就活や人間関係に悩みながら『アイカツ!』の楽曲を聴いていました。今になって改めて聴いてみると、当時とは違う歌詞が心に残ることもあります。
さまざまな楽曲があるからこそ、その日の気分や自分の状況に合わせて「今日はこの曲を聴きたい」と思える。元気を出したい日にも、少し落ち込んでいる日にも寄り添ってくれる。
それもまた、『アイカツ!』の大きな魅力なのだと思います。
「とにかく挑戦を楽しむこと」「最初から完璧じゃなくてもいいこと」「自分なりのやり方で頑張ること」「誰かの成功を素直に喜べる美しさ」など……。アイドルたちの姿を通して、まだ社会に出たばかりだった私はたくさんのことを『アイカツ!』に教えてもらいました。
あの頃、データカードダスで遊んでいた女の子たちも、今ではすっかり大人になっていることでしょう。私もかつて夢中になった作品を、今度は成長した自分の目線で見返せることにも、なんだか特別な感慨があります。
もちろん、『アイカツ!』を知らなかった人や、リアルタイムでは見ていなかった世代がこれから新しく出会ってくれることも楽しみです。
あの頃『アイカツ!』に夢中だった人も、今回初めて出会う人も。それぞれの世代、それぞれの楽しみ方で、これからまた『アイカツ!』を盛り上げていきたい。
「今日はちょっと疲れたかも」と思った日に、いちごちゃんたちスターライト学園のアイドルに会いに行ってみませんか。『アイカツ!』が、誰かの毎日に小さな楽しみや勇気をくれる作品になりますように!
[文/五六七 八千代]
