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- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。

2026年4月に第1期が放送され、続編となる第2期の放送が10月1日よりスタートしたアニメ『氷の城壁』(原作・阿賀沢紅茶先生)。
人と接するのが苦手な主人公・氷川小雪と幼馴染の安曇美姫、美姫の友達・雨宮湊と日野陽太の4人を中心に、不器用にすれ違う高校生たちの群像劇が描かれる人気作です。
本稿では、各話のレビューをお届け! 今回は第16話「停止と進行」です。
第1期に比べてよりキャラクターたちのすれ違いや思いが交錯する様が描かれていく今期。みなさんも複雑な人間関係や恋愛模様について、いっしょに考えてみてくださいね。
変わらず桃香からグイグイアプローチされる湊。桃香に誘われた軽音部のライブには他の友達も誘っていたので、ちゃんと距離を置いているなヨシヨシ、と思ったのも束の間、押し寄せた人波から桃香を庇うという罪深いことをやらかす湊に私は頭を抱えてしまいました。
やっていること自体は優しくて良いことだとは思いますが、桃香相手には悪手としかいいようがありません……。思わせぶりですし、湊にその気がないのにもっと好きにさせてしまうでしょあんなの……。
湊は「人を拒絶しないことが悪く言われる道理がわからない」と言っていましたが、受け入れるばかりが優しさではないと私は思いました。期待を持たせておいて、結局気持ちに応えられないのなら初めからはっきりと線引きしてくれた方が相手が苦しまずに済むのではないでしょうか。
拒絶することは一見するとマイナスの行いのように見えますが、実は誠実な態度とも言えると思うのです。ともすれば相手から嫌われてしまう可能性も孕んでいるのに、それをわかったうえで相手を深く傷つけないために拒絶するのは勇気も体力も必要とする行為ではないでしょうか。
しかしながらそうするとモテる湊は多くの女の子を拒絶しないといけないでしょうし、受け入れてしまった方が楽なのもわかります。特に好きな子がいなければ、それでもよかったのかもしれませんが、今は小雪のことが好きだと自覚しているわけなので、なおさら桃香に期待させるようなことはすべきではありませんでした……。
小雪からは脈なしだと思っているからなのでしょうが、それでも自分の心の声をちゃんと聞いて初めての恋を貫いてほしかったです。
一方、女子サイドは小雪が美姫にも気持ちを明かしたため、美姫がさりげなく(わかりやすく?)アシスト。美姫が完全に味方というだけでこんなにも心強いなんて! その安心感たるや! 私も美姫と友達になりたいです。
しかし、いくらアシストがあっても本人たちが及び腰であれば上手くはいかないもの。湊の「こゆんちゃんは友達」という言葉を信じる小雪は勘違いしないように心にブレーキをかけ、その態度から湊はやはり脈なしだと思ってしまいました。
どちらかがあと一歩踏み出せば上手くいきそうなのが歯痒いですが、友達としての関係が上手くいっているからこそ、その一歩を踏み出す勇気が出ないんですよね。一歩踏み出して上手くいかなかったらもう友達には戻れないと思うと、好きだからこそ踏み込めないのもよくわかります。
まさに踏み込んで上手くいかなかった美姫と陽太のことを見たばかりですから、余計に勇気は出ないでしょうね……。あの2人のように友達に戻(ろうとでき)るほど、湊も小雪もメンタルは強くなさそうですし……。
特に小雪は閉ざしていた心をつい最近開けたばかり。やっと人と関わり始めて高校生活が楽しくなってきたところですし、期待したうえに失恋なんてショックに彼女の心は耐えられないでしょう。
せめて月子が小雪の気持ちを知っていれば……! 美姫と陽太は小雪の気持ちを知っていて、月子は湊の気持ちを察していて、桃香だけが2人が両想いだと知っている……なんだか人狼ゲームを見ているような気分になってきました。
いつ来るんだ……と思っていた桃香の告白が本話で来るとは。既に「友達」という関係を得ている小雪と違って失うものがない彼女のコマンドは「ガンガンいこうぜ」しかないのでしょう。
これまで通り告白を受けちゃうんだろうなと思っていた湊がちゃんと断っていて、ヨシ、えらいぞ! と思った私の気持ちを返してほしい。桃香の涙と粘りに押されて結局付き合うことにするなんて……。
過去の行いを理由に一旦は断るほど、彼女のことは眼中にないというのに、どういう思いで付き合うのか……。小雪への気持ちが届かない自分と桃香を重ねてチャンスをあげようと思ったのでしょうか。湊の心の脆さを痛感すると同時に、陽太を振った美姫がいかに真面目で誠実で強い心の持ち主だったかがわかります。
一方念願叶って彼女の座を得た桃香にも、それでいいのか? と疑問を投げかけたくなってしまいます。いくら彼女とはいえ明らかに自分のことが眼中にないのは虚しくならないのでしょうか。
桃香のことなので、これから好きになってもらう気持ちでいるのでしょうけれど、そう簡単にいくとは思えません。もう小雪に対して勝った気になっているのも早計すぎるというか……。とはいえ、小雪がショックを受けるにはこれで十分。
視聴者目線では湊と小雪のすれ違いにも、その隙をついた桃香の告白とカップル成立にもモヤモヤを感じてしまいますが、これが自分の心に嘘をつき続けた小雪の代償であり、目標に向かって行動を起こした桃香の成果なんですよね。
正直、諸悪の根源はどっちつかずの態度を取る湊ではないかと思ってしまいます。付き合ったからにはちゃんと桃香に向き合ってほしいですし、小雪を諦めきれないなら覚悟を決めて桃香を拒絶してほしいものです。がんばれ湊ー!!
| 作品名 | 氷の城壁 第2期 |
|---|---|
| スケジュール | 2026年10月1日(木)~ TBS系28局にて |
| あらすじ | 人と接するのが苦手で、他人との間に壁を作ってしまう高校生・氷川小雪。幼なじみの安曇美姫以外誰ともつるまず、静かに日々を過ごしていた彼女の前に、なぜかぐいぐい距離を詰めてくる男子・雨宮湊が現れて――?孤高の女子・小雪、学校のアイドル・美姫、距離ナシ男子・湊、優しく穏やかなバスケ部員・陽太。不器用で、じれったくて、それでも愛おしい。青春のすれ違いが織りなす群像劇が今、幕を開ける |
| キャスト | 氷川小雪:永瀬アンナ 安曇美姫:和泉風花 雨宮湊:千葉翔也 日野陽太:猪股慧士 霜島月子:新福桜 五十嵐翼:小林千晃 栗木桃香:鬼頭明里 安曇優希:波多野翔 熱川秋音:川井田夏海 |
| スタッフ | 原作:阿賀沢紅茶 監督:まんきゅう 助監督:石井輝 シリーズ構成:中西やすひろ キャラクターデザイン:荻野美希 サブキャラクターデザイン:伊藤依織子 プロップデザイン:濵田悠示 衣装デザイン:琴乃 笛木優奈 美術監督・美術設定:前田慎 色彩設定:のぼりはるこ 3DCGディレクター:酒寄直哉 撮影監督:渡辺実花 編集:吉武将人 劇伴:佐久間奏 田渕夏海 劇伴制作:日音 音響監督:吉田光平 原作協力:マーガレット編集部 チーフアニメーションプロデューサー:柴宏和 アニメーションプロデューサー:伊藤太貴 アニメーション制作:スタジオKAI |
| 主題歌 | OP:「エスコート」THE BEAT GARDEN ED:「花蔭」Superfly |
| 電子書籍 | 『氷の城壁』電子書籍(コミック) |
