この記事をかいた人

- まりも
- ゾロとONE PIECEを偏愛するフリーライター。アニメ、推し活、恋愛、結婚、睡眠など、幅広く執筆しています。

海賊王を目指し海へ出た主人公モンキー・D・ルフィとその仲間たちの活躍を描く、週刊少年ジャンプで連載中の漫画『ONE PIECE』(原作:尾田栄一郎氏)。
未知の島での心躍る冒険や強敵との痛快なバトルを通して仲間たちと絆を深め強く成長していく様は、まさにジャンプの三大原則「友情・努力・勝利」のど真ん中。その一方で、消された歴史や差別・奴隷制度などをめぐる世界の闇をも緻密な伏線と壮大な世界観で描き出す本作は、まもなく連載30周年を迎える現在も怒涛の展開で読者の心を掴んで離しません。
11月2日(月)発売の週刊少年ジャンプに掲載された『ONE PIECE』第1197話“愛とは防御力”では、サンジが弱点として指摘されていた“自虐”を克服。ついに覇王色覚醒へと至ります。ラストの激アツ展開にも注目が集まりました。本記事では、SNSでの反響とともに、最新話の注目ポイントを振り返っていきます。
※本記事には『ONE PIECE』最新話(第1197話)のネタバレを含みます。コミックス派やアニメ派の方など、ジャンプ未読の方はご注意ください。
“自虐”という大きな課題を乗り越えるべき局面に立たされたサンジは、己と向き合うなかで過去にイワンコフに指摘されたことを振り返り、「死にたがってた」「この体を殺したがってた」ことを自覚します。重い自虐マインドの背景にあったのは、“いつか自分もジェルマのように感情のない怪物になってしまうのなら、死んだほうがマシ”という思いだったのです。
しかし、ここで彼は愛する母や恩人たち、これまでの壮絶な旅路を思い返し、大事なことに気づきます。
たくさんの愛情をくれた母が命懸けで産んでくれた自分の体は、ジェルマの血筋だからではなく、ゼフたちに鍛えられたからこそここまで強くなった。そんな自分の体があったから、仲間とともにいくつもの戦いを乗り越えて来られた。だから、自分の体は大切にすべきものだと。そしてこの先、神の騎士団やそれ以上の強敵に勝って先へ進んでいくには、まず自分をしっかり守ることが大前提であると思えるまでに成長を遂げます。
こう思うことができたのも、優しさに愛情に、たくさんの感情をもつサンジだからこそ。これまでのサンジを見守ってきたファンにとっては、たまらないシーンだったのではないでしょうか。
これまで作中でも幾度となく見え隠れしていた自虐を克服したことで、さっそく戦い方にも変化が表れます。
サンジが身につけたのは、足を何よりも硬くすることで防御する「度を超えた武装色」。受けているのにもはや攻撃をしているかのような硬度で、キリンガム自慢の聖命槍 (ロンギヌス)をも壊す威力を誇りながら、サンジ自身に痛みはありません。
この防御を極めた戦い方で、これまでのように自身がボロボロになるようなことなく、自分も仲間たちも守っていけるでしょう。“愛とは防御力”、まさにサンジの優しさと強さが重なり合って生まれた新境地です。
さらにこのとき、サンジは気づかぬうちに、覇王色もまといはじめていました。
最初は「パリ!」と小さく発現した覇王色が聖命槍 (ロンギヌス)にヒビを入れ、ラストシーンでは「バリッ」と覇王色特有のイナズマが音をたて、覇王色でなければ壊せない「魔気の鎧(オーメンパンツァー)」を粉砕します。
この短時間で己を振り返り、究極の武装色と覇王色、2つの新たな戦い方にたどり着いたサンジ。これからは防御しつつ相手にもしっかりダメージを与えるという、賢い強者のバトルを魅せてくれそうです。
そして今回、多くのファンが湧き立ったのが、サンジの“ゾロ”呼び。
自虐を乗り越え防御を極め、さらに覇王色も覚醒しはじめたサンジは、心の中でゾロにこう呼びかけます。
「──おいゾロ…お前はルフィの…「剣」になれ…!!おれがあいつの…「盾」になる!!!」
未来の海賊王を支える両翼であるゾロとサンジ。両者が新たな境地に立ったことで、ゾロはルフィの「剣」、サンジはルフィの「盾」と、それぞれが担うべき役割もみえたようです。
しかも、普段は“クソマリモ”“緑”などのあだ名で呼ぶことが多いサンジが、ゾロの名をストレートに呼んだことも相まって、ファンは大盛り上がり。
SNSでは、「ゾロって呼んだのいつぶり!?」「心の中ではゾロって呼んでるんだ…」「ここぞというシーンで捻りなく名前を呼ぶのかっこいいな」「サンジがゾロって言ったの嬉しい!」と多くのコメントが集まっています。
ちなみに、対するゾロは現在まで原作内でサンジの名を呼んだことはありません。真の強さを知ったサンジの覚悟を認めたゾロが、いまだ口にしたことのない彼の名を呼ぶ日もきてほしいと思わずにはいられません。
また、今回の第1197話では、扉絵にもゾロとサンジが登場しています。
そこでゾロが着ている服に書いてあるのは「(Rop)tú mo chathsciath,rop tú mo chlaidheb」という古いアイルランドの詩で、訳すと「私の戦いの盾となれ、私の戦いの剣となれ」という意味。本編でサンジが語った両翼の「剣」と「盾」に繋がっています。
双璧から両翼へ、両翼から剣と盾へ。ルフィを支える2人の重要さが改めてわかるシーンとなりました。
死ぬことが恩返しだとすら思っていたサンジが、周囲の愛や自分を守るべき理由をついに理解し、防御を極める戦いへと着地した第1197話。彼が身につけた防御力は、自分と仲間を守る愛の盾といえるでしょう。死にたがりだったサンジが自分も愛す強さを手に入れたことは、読者にとっても喜ばしく、往年のファンからは「号泣」「近年でも屈指の神回」「ずっと読んできて良かった!」といった声が相次ぎました。覇王色をまとう「剣」と「盾」が共闘するのも楽しみですね。
[文/まりも]