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乃木坂46の4人が声で見せた新たな一面|映画『グロテスク』インタビュー

映画『GROTESQQQUE-グロテスク-』で乃木坂46の4人が声優に挑戦! 井上和さん、中西アルノさん、一ノ瀬美空さん、冨里奈央さんが明かす役作りと声だけで感情を伝える難しさ

経験が少ないからこそ自分ができることをやる――

──声で表現することの楽しさや難しさも感じられたのではないですか?

井上:息遣いとか、声だけで伝えるというのは当たり前に難しかったです。個人的には、目を合わせられないというのが難しくて……。同じブースの中にいるし、横に存在は感じているけど、キャラ同士は目を合わせているのに私が見ているのは台本と目の前のモニターだから、自分の感情をぶつける方向がわからなくなるんですよね。だから「これは果たして会話として成り立っているのだろうか?」という悩みはすごくありました。

でも、声で届けるということに関しては、アイドルとして歌を届けるということに近い部分はあって。私たちは声優さんのように、頭から最後まで一気に録っていくことはできないので、楽曲のレコーディングのように、ひとつひとつのセリフをしゃべっては、聴き直して、こうしようああしようと、アプローチの仕方を考えながら収録していったんです。そういう意味では、レコーディングに少し近いのかなと思いました。

中西:私が難しいと思ったシーンはラストなんです。台本には息遣いとしか書いていなくて。しかも収録をしたときは、まだ完成前の状態だったので、そのシーンを想像しながら、自分の音で表現するしかなかったんです。息遣いで、どれだけそのときのシオンの感情を伝えられるか、その景色を表せるかということだったので、それは声優さんならではのことだなと思いました。そこは苦戦をしましたし、印象に残っています。

冨里:声だけで感情を伝えるのは難しいですよね。映像であれば体も表情も使えるけど、アニメとなると、声だけで伝えなければいけない。でもアニメだから、こういう現実世界ではないヴァンパイアとか戦いが描ける。だから楽しいんだなと思いながら、演じていました。

一ノ瀬:声優という仕事は未知の世界だったので、初めての経験が多くて楽しかったです。こういうふうにブースに並んでいるんだとか、みんなで一斉にしゃべって、1シーンを録るんだとか、何秒でしゃべるとか尺に合わせるんだとかいったことなど、知らなかった世界に触れられたことがまず楽しかったんです。難しかったことは、普段は言わない台詞や、動作に伴う息遣いなど、日常では意識しないけれどアニメでは表現する必要がある音がたくさんあったので、それは初めてでしたし、苦戦もしました。

──でも、すごく皆さんキャラクターに合ったお芝居をされていたと思います。普段のメンバーとは違う部分も見られたのかなと思うので、作品で観て感じた印象をリレー形式で聞かせてください。まず井上さんから中西さんへ。

井上:すごく失礼かもしれないんですけど、「こんなにかわいいいんだ」って改めて気づきました(笑)。彼女の特性というか癖なのかな? アイドルだけど、かわいいことをするのが多分得意ではないんですよ。そういうときに、ちょっと面白おかしいエピソードとか、ちょっと……。

中西:笑いに逃げるよね(笑)。

井上:そう! そこが彼女の魅力でもあるんですけど、こんなに声もかわいいんだ!と。さっきシオンを魔性と言っていましたけど、そういう少女の魅力をアルノははらんでいるんですよね。だからこそ、彼女(中西)が持っているアイドルとしての魅力とはまた違う、かわいらしさが溢れ出る中西アルノの声を聞くことができて、アイドルってすごいなと改めて思いました(笑)。

中西:奈央は4人の中では、奈央自身と対極にあるキャラを演じていたと思うんです。この4人の中では一番妹っぽいけど、カンナは一番お姉さんで、引っ張ってくれるしっかり者のリーダーなんですね。そんな対極にあるキャラクターを、巧みに声色を使い分けて演じていたなと思いました。奈央自身も、楽観的というか、ポジティブに物事を捉えてくれるから、カンナのような引っ張り方ではないけど、収録現場では奈央に引っ張られた感じがあったので、カンナに重なる部分も感じていました。

冨里:嬉しい! 

中西:みんながちょっとネガティブになっている中、「良かったよ」とか言ってくれるんですよ。それが精神的な支えになっていたんです。

冨里:美空は、普段からかわいくて、元気なところもあるけど、いろいろ考えているところもあるんです。モモは、ずっとはっちゃけているじゃないけど、少女のように明るく元気に振る舞っているので、そういうところは似ているなと思いました。自分で「苦戦している」と言っているときもあったんですけど、私から見たらめちゃめちゃ良かったし、完成した映像を見ても、めちゃめちゃ美空の声が映えていたので、すごく声が好きだな!と思いました。

一ノ瀬:ありがとう。和は基本的にテンション感が変わらないイメージといいますか。大人な分、佇まいも他の3人とは違う空気感があるんです。アヤメを演じるのは難しいのかなと思うこともありましたけど、基本的に声がいいのはもちろん、スピード感とか息の使い方とか、自分の声を使うのが上手なんですよね。技術的にも飛び抜けて上手でした。あと、殻を破るスピードが早いんですよ。結構普段出さない声だったりするから、恥ずかしさとか、怖さもあったはずなんです。でも、普段から声優さんにリスペクトを持っている人ですし、そういう殻を破って、真摯に取り組んでいたので、尊敬しました。

井上:嬉しいです。私たちは経験が少ないからこそ、自分にできることってそれしかなかったんですよね。そういう姿を「良かったよ」と言ってもらえると、演技を褒めてもらう以上に嬉しいなと思っちゃいました(照)。

──今回、4人が声を担当していることもあって、アニメファン以外の方も観てくださると思っているんです。もし4人がこの作品を人に勧めるのなら、どんなことを言ってアピールしますか?

井上:映像がとっても素敵なんです。『ノクターン~このグロテスクな夜に~』に限らず、『GROTESQQQUE-グロテスク-』の3作品すべて、絵柄、雰囲気、世界観が違うので、映画を通して、飽きがないし、いろんな一面を見せてくれるんですよね。それをまず楽しんでほしいです。その中でも、『ノクターン~このグロテスクな夜に~』は影と光がテーマになっていると思っていて、キャラクターそれぞれの目で見る世界の美しさが違うように、この映画を観る人にとって、感じる美しさも違うと思っているんです。だからこの物語を観て、何を美しいと思ったのかが気になるし、それが映像なのか、キャラクターの心の揺れ動きなのか、観る人それぞれが感じていただけるご自身の感情の変化にも注目してほしいなと思っています。

中西:参加していないメンバーだったり、同期だったりも観るかもしれないので、私たちが声を当てているということを考えずに観てほしいです(笑)。やっぱりソワソワしちゃうじゃないですか。しゃべってるしゃべってる!みたいに思っちゃうと思うので。

──それはファンにとってもそうかもしれないですね。

中西:ダイナミックな美しい絵柄とか音響、すべて含めて作品として成り立ってるし、映画を観るというより、ひとつの体験に近いと思っているので、「声優、頑張ってるな!」と思うより、この作品そのものを体験してほしいなと思っています。

冨里:映像がすごくきれいでした。アニメってずっと昔からあるものだけど、どんどん進化していっているなとすごく感じたんです。一瞬一瞬に詰め込まれている情報量がすごく多いので、それを感じつつ、私たちの声も感じてほしいです。『GROTESQQQUE-グロテスク-』はどのエピソードも内容と物語がすごくしっかりしているので、ぜひ考えながら観てほしいです。

一ノ瀬:ひとつの映画に短編が3作品入っているので、普段アニメを観る方はもちろん、アニメにそんなに触れないよという方も楽しんでいただけると思います! 絵柄がキャッチーだったりきれいな分、どの作品にもゾクッとする感じとか、何とも言えない奇妙な怖さがあるんですよね。絵がきれいだからこそ、その対比が楽しめると思うので、『ノクターン~このグロテスクな夜に~』含め、全エピソード、楽しんでいただけたらと思います!

 
[文&撮影・塚越淳一]

 

作品情報

GROTESQQQUE -グロテスク-

あらすじ

歪で、不揃いで、どこまでも美しい3つのエピソードがキメラのように溶けあい、
心揺さぶるオリジナル音楽とともに瑞々しく沸き立つ。

メインキャラクターを務めるのは、声優・市ノ瀬加那、俳優・南沙良、
そしてアイドル・乃木坂46から井上和、中西アルノ、一ノ瀬美空、冨里奈央。
活躍の場は異なるが、それぞれが表現者としての魅力溢れる面々に、人気と実力を兼ね備えた声優陣と、
かねてより錦織と親交のあった俳優の星野源が加わり、
唯一無二の世界が鮮やかに立ち上がる。

劇中を彩る楽曲は
テクノポップ、ボカロ、シティポップ、ラウドロック、ラップ、EDM、クラシックなど
様々なジャンルを横断
いずれも強烈な個性とインパクトを放つ総勢35組のアーティストが参加。

ポップでエッジィな映像と音が重なり、世界が脈打つ。
異星人、ギャル、ヴァンパイア。
錦織敦史が描く“グロテスク”な少女たちの物語が、いま動き出す―――。

キャスト

『エリィアンズ』
エリー:市ノ瀬加那
國蔵謙人:星野源
宇宙局局長:大塚明夫

『夜露死駆★少女』
ステラ:南沙良
名無し:長谷川育美
ヒカリン:早見沙織
ゴージャス☆MIKA:内田真礼
ソード:安済知佳
しふぉん:富田美憂
ぱぴこ:大久保瑠美
ポヨミ:釘宮理恵
美棘:日笠陽子
ミモザ:杉山里穂
カヴァ:大橋彩香

『ノクターン~このグロテスクな夜に~』
アヤメ:井上和(乃木坂46)
シオン:中西アルノ(乃木坂46)
モモ:一ノ瀬美空(乃木坂46)
カンナ:冨里奈央(乃木坂46)

(C)ATSUSHI NISHIGORI, CloverWorks/Project GTQ

 

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