
TVアニメ『ロメリア戦記』小笠原 仁さん×大野智敬さんインタビュー|アルとレイ、それぞれの成長をどう演じる? 物語の転機で求められた芝居の変化
2026年10月より放送・配信がスタートしたTVアニメ『ロメリア戦記』(原作:有山リョウ「ロメリア戦記~魔王を倒した後も人類やばそうだから軍隊組織した~」/小学館「ガガガブックス」刊)。
本作は、魔王討伐後にアンリ王子から「婚約を破棄する」と告げられたグラハム伯爵令嬢・ロメリアが、自らのやり方で祖国のために奮闘する物語。その導入となる第Ⅰ話では魔王討伐から婚約破棄、ロメリアの旅立ちに至る経緯が描かれ、第II話からはロメリアが組織した通称“ロメ隊”と呼ばれる軍隊を中心に、ロメリアと彼女を支える騎士たちとの物語が展開されていきます。
アニメイトタイムズでは、ロメ隊の中心人物を演じる小笠原 仁さん(アル役)、大野智敬さん(レイ役)にインタビューを実施。演じるキャラクターや作品全体のこと、主人公であるロメリアと彼女を演じる根本優奈さんのこと、さらにはお互いの印象までたっぷりとお話をうかがいました。
対照的なアルとレイの第一印象や、自身との共通点は?
──第II話からアルとレイが本格的に登場しました。まずは、原作を読んだときのアルとレイの印象からお聞かせ下さい。
アル役・小笠原 仁さん(以下、小笠原):アルは芯のある男で、基本的にはパッション担当のキャラクターだと思いました。器用に物事を計算で進めていける性格ではないから衝突も起こしがちだけど、それもすべては仲間を思うがゆえで。そういうところを自分のお芝居で表現できたらなと、原作を読んでいるときから考えていました。
レイ役・大野智敬さん(以下、大野):実はオーディションでは、アルとレイのどちらも受けたんですよ。
小笠原:僕もそうですね。
大野:2人はまったくタイプが違っていて、レイは気弱なところがあり、とにかくひとつの目標に向かって一生懸命なキャラクターだなと感じました。自分的にはレイの方がしっくり来たので、合格通知をいただけて本当に嬉しかったです。
──ご自身と似ているところも多いのですか?
大野:気弱なところはそこまで似ていないですが、ひとつの目標に向かって盲目的になるところは似ていると思います。僕は声優の仕事が本当に大好きなので、その気持ちをレイの盲目さに変換しやすいというか、同じ気持ちを持っているなという感覚がありました。
──小笠原さんはアルに対して共通点を感じましたか?
小笠原:共通点はそれほど多くないですが、あえて言うなら感情が表に出やすいところですかね(笑)。それに、アルは仲間や自分のいるコミュニティへの愛情が深いから、ロメリアという異分子が外から入ってくることに反発しますよね。そこはちょっと似ているかもしれないです。僕も仲間に対しては100%ラブだけど、新たな要素が入ってきたときに「この人は和を乱さない人間だろうか?」と警戒心を持ってしまいます。
──もし実際にロメリアのような女性が身近にいたとしたら、いかがですか?
大野:もっと本音を見せて欲しいなと思っちゃいますね。彼女はすごく聡くて、本音を表にあまり見せないじゃないですか。人を操るというか、場を掌握している感覚があって。僕は、本音が見えない人、自分を開示していない人って苦手なんですよ。ロメリアって開示しているようでも本音は見せない。それが彼女の特徴ではあるのですが、「本音で喋りませんか?」ってなると思います。
小笠原:僕が同じコミュニティに居なければいけなくなったら、早めに説教すると思います(笑)。本音を見せない方が上手くいくのかもしれないけど、「それだったら信頼される努力をしなさい!」と言っちゃいますね。
大野:わかる。彼女は行動で見せる派だけど、もっと本音を言って自分を開示しようよって。
──ただ、ロメリアの美しさにレイは一瞬で見とれていましたね。
大野:そうなんですよ。そういうところもレイは可愛いです。
小笠原:アルからしたら、ふざけんなってなりますけどね。頑張って仲間たちを守ってやろうと思っているのに、レイはふらふらとロメリアのことが気になっていて。でも、全体としてはシリアスで厳しい世界観の物語ですから、初っ端にレイがそういう雰囲気を出してくれるのはワンクッション、緩衝材になっていたのかなと思います。
「キャラクター全員の人生を描いてやるぞ!」という気概を感じました
──作品全体のこともお聞きします。戦記物にはシリアスな作品からコミカルな作品までさまざまありますが、『ロメリア戦記』の魅力や面白さはどのように感じましたか?
大野:戦記物とは言いつつも、成長や挫折などいろいろな人生も描かれていて素敵な作品だなと感じました。ただ、僕は俯瞰で読むのではなく、自分が演じるキャラクターや、オーディションを受けるキャラクターの目線で読んでしまうことが多いんです。今回もレイの感情にすごく注視しながら読んでいたので、彼の成長や想いを大切にしたいなと思っていました。
小笠原:タイトルにある通り、この作品はロメリアが軍隊を組織して厳しい世界を正していく様が描かれます。一般的にこれだけのキャラクターが登場するとまとめて“一般兵”や“雑兵”として扱われがちですけど、この作品は全員に人生があって、生活があって、譲れないものがある。人間がすごく生っぽく描かれているんです。いわゆるメインキャラとカテゴライズされるキャラクターは限られているかもしれませんが、「全員の人生を描いてやるぞ!」といった気概や迫力が、原作小説からもコミカライズからも伝わってきました。アニメもそのためのⅡクールだと思います。
──現状のキャラクターページを見ても多さがわかります。その全員に出番があるのですね。
大野:そうなんです。それぞれのキャラクターに見せ場が来たと思える瞬間が絶対にありますから。
小笠原:味方だけでなく敵側のキャラクターも魅力的なんですよ。もはや敵側が主人公だと思うときがあるくらい、格好良さもあるし、ユーモアもあるし、信念もある。自分が視聴者だとしたら、敵キャラ側に負けて欲しくないと思ってしまう瞬間がたくさんあるだろうなと。そのくらい魅力的です。
大野:ただ湧いてきた魔物ではないところがいいよね。
──設定や導入部分を見て、よくある“パーティーから追放されて云々系”の作品かなと思ってしまうかもしれませんが、そうではないと。
大野:まったく違いますね。「婚約を破棄されて」というところから始まりますが、そこからたくさんの出会いがあり、それぞれに人生があって……結構珍しいアニメだなと思います。
小笠原:最初の設定だけを見れば、“パーティーから追放系”や“悪役令嬢系”のように感じますよね。でも、そういう世の中に溢れ返っている大人気フォーマットの大前提を使いつつ、「違うものを書くぞ!」という有山先生の強い意思を感じるんです。有山先生はアフレコにも来てくださったのですが、自分が書いた作品について話すのが本当にお好きな方で。「自分の作風の背景にはこういう作品があって」とか「こういうカルチャーが好きで」といった、先生のバックボーンも骨太であるのが伝わってきました。あえてこういうポップな入口にしたのかなと感じるくらい、先生の作家性がド頭から表れていると思いました。
──そういう意味でも、序盤で視聴をやめてしまうのはもったいないですね。
大野:本当にそうです。登場人物は多いですが、みんな個性がちゃんとあるので、ぜひ続けて見ていただきたいです。
小笠原:ロメリアの可愛さで持っていけるから大丈夫だよ(笑)。
大野:それは間違いない(笑)。ロメリアがいないと絵面が男臭すぎる。ロメリアは声も明るいし、見ていて気持ちがいいから、そこもこの作品の見どころです。








































