音楽
スフィアのライブメンバー平井武士さん独占インタビュー

2ndアルバム『Rays of the jet』発売! スフィアのライブメンバーとしても活動中の平井武士さん独占インタビュー!

 声優ユニット"スフィア"のバンドマスターを筆頭に、浅倉大介、コタニキンヤ、氣志團、ゴスペラーズなど、数多くのアーティストのサポート・ギタリストとして活動中。通称「jet」ことギタリストの平井武士さんが、2ndアルバム『Rays of the jet』を10月8日に発売する。

 オリジナル曲を中心に構成しながらも、中にはスフィアのメンバーが全員参加した「Y.M.C.A.(YOUNG MAN)」をはじめ、沢田研二の「勝手にしやがれ」、ショパンの「別れの曲~Relative Style~」などのカバー曲も収録。参加メンバーも、渡辺剛(P)や外薗雄一(Dr)、岩切信一郎(B)など、スフィア関連の楽曲ではお馴染みの方々が勢ぞろい。

リリース後には、2ndアルバム『Rays of the jet』を軸に据えた全国ツアーも計画する。同アルバムの魅力を、平井武士さんがじっくりと語ってくれました。

■礼儀正しいスフィアのファンたちには、こちらが恐縮

――4年ぶりとなるソロ・アルバム『Rays of the jet』が、完成。中では、3曲カバーナンバーを収録しています。平井さんは、定期的にライブ活動中の本厚木CABINのステージでも、よくカバー演奏を行っています。

平井:「Y.M.C.A.(YOUNG MAN)」も「勝手にしやがれ」も、ライブでよく演奏してきた楽曲たち。とくに「Y.M.C.A.(YOUNG MAN)」は、お客さん全員が“Y.M.C.A.”とやるまで演奏を終えない(笑)。おかげで、みなさんやってくれるどころか、サビ以外でも振りをしてくれてる人たちまでいますからね。

 勝手にしやがれ」は、僕と同い年。ジュリー(沢田研二)が「勝手にしやがれ」を発意したのが77年5月で、僕が生まれたのが77年6月。「Y.M.C.A.(YOUNG MAN)」も勝手にしやがれ」も、何かのきっかけで楽曲人気が再浮上したわけではなく、発売した当初からズッと変わることなく愛され、支持を得続けてきた曲たち。誰もが親しみを覚える曲たちをインストにして聴いてもらい、そこでインストと歌物の垣根を取っ払っていきたかったんですよね。

 僕が、定期的にライブ活動を行っている本厚木CABINのライブでは、他にも「オペラ座の怪人」やシャネルズの「ランナウェイ」、美空ひばりのさんの「真赤な太陽」、ロイ・オービソンの「オー・プリティウーマン」などなど、いろんな名曲をカバー演奏しています。

――普段、ポップスの世界に身を置いて活動している平井さん。だからこそ、柔軟な姿勢でインスト曲の制作を行っているのでしょうか??

平井:そこは大きいと思います。よく日本武道館や代々木競技場第一体育館など大舞台でバックメンバーとして演奏しながら、「これだけの人たちにインスト音楽の楽しさを伝えられたら」「インスト音楽を楽しみたくて、これだけの人たちが大きな会場に集まったら」と想像しますもん。

 この間もスフィアのライブを通し、メンバーの転換の合間に、日本武道館で満員の観客たちを前にインスト・ナンバーを演奏してたときも、「すごく気持ちいい」と思ったんですね。この風景を、インスト・ナンバーを届けるアーティストのワンマン・ライブでも作りあげることが、僕の目指している夢なんです。

――声優ファンの方々は、本人不在でも熱く盛り上がってくれますよね。

平井:そうなんです。僕が初めて女性声優さんのステージで演奏する機会に恵まれたとき、知り合いの方に言われたのが、「ファンの人たちが嫌な想いをするから、声優さんには一切絡むことなくバックバンドに徹して演奏しなさい」ということ。なので、スフィアさんのライブ現場に声をかけられたときも、僕はその意識を持って最初はライブへ臨んでいたんですけど…。

 僕は大の赤色好きで、服も、アンプもと、何から何まで赤色にしているんですね。そのうち客席に、スフィアのイメージカラーにはない赤色のサイリウムを振り出す人たちが現れれば、「たけしー!!」と声を上げてくれる人たちが増え始めました。ファンの人たちは、僕らが勝手に思い込んでいた意識などまったくないどころか、僕ら演奏するメンバーも含め、スフィアを形作るチームとして認め、応援してくれている。きっと僕がファンの立場だったら、何色かわかんないような髪の毛をしている奴がメンバーの側で弾いてたら、「引っ込め」と思ってしまう気がするんですけど(笑)。

 スフィアファンたちは、新幹線の帰りのホーム上でも「今日はお疲れさまでした」と礼儀正しく挨拶してくれる人たちばかり。むしろ、「こちらこそありがとうございます」と恐縮してしまいますからね。

 
■男性や大人の女性に子供の声まで。スフィアのパートはすべて4人の声のみで構成されたもの。

――アルバム『Rays of the jet』にも、スフィアのメンバー関連現場で演奏している人が多く参加していません??

平井:スフィアのライブメンバーの初代バンドマスターだった渡辺剛(Org/P)さんを筆頭に、同じくスフィアや各メンバーのライブ現場でもよくご一緒している外薗雄一(Dr)さんや岩切信一郎(B)さん、籠島裕昌(Org/P)さん。山田章典(B)さんは戸松遙さんのソロ作品に参加。まさに、いつものメンバーが参加しているように、それぞれの演奏の中からも、「あの曲のイントロ、あの楽曲の演奏の雰囲気が出てない??」など、スフィア関連曲たちを演奏しているメンバーたちだからこその個性的な表情を、この『Rays of the jet』からも感じられると思うので、スフィアファンの方ならそういう楽しみ方も出来るかと思います。

――スフィアの4人も、「Y.M.C.A.(YOUNG MAN)」に掛け声で参加しています。収録もアッという間だったそうですね。

平井:もう、アッという間でしたね。何が大変って、それぞれに忙しい4人を、限られたレコーディング日程の中、本当に集められるのか??ということ。最初は、それぞれに来れる時間に来てもらい、バラバラに収録したのを編集でひとまとめにしようと思っていたら、スフィアのスタッフチームが「やるからには全員揃えましょう!!」と言ってくれて。みなさん早起きし、スタジオに集まって頂いて録ったんですけど。あれは嬉しかったですね。

 現場では、まず4人に楽曲を聴いてもらい、「ここの尺の間に4人の盛り上がった“Y.M.C.A.”の声を入れたい」と依頼。一度楽曲を聴いた4人は、ものの数分話した中で、あの収録したテイクを一発で録ってくれました!!

――中に男性も参加していますけど、平井さんも一緒に叫んでたんですね。

平井:そう思うでしょ?!。あれ、僕じゃなくて。あのパートに出てくる男性や女性、子供など、ガヤを含めたいろんな人の声は、すべて4人のみで出しているんですよ。しかもスフィアのパートは、先に行った言葉以外具体的な指示は一切なし。すべて、その場で4人が作り上げたもの。やっぱり、声のプロってすごいですよね。

 実際にスフィアのライブ現場でも、「ここの曲のこの部分の尺を伸ばして、ここに4人の挨拶を入れようか」と言うと、4人は振り順も含め、その場ですぐに完璧に仕上げてみせる。その勘の良さが卓越しているからこそ、本業の声のお仕事でも、飲み込みも早ければ、望んだことを求められた以上の形で返す。そこの評価を受け、多くの作品に関わっていけてるんでしょうね。改めて、スフィアの4人に、その感覚を実感させられた体験でした。


■スフィア関連の楽曲に触れている人たちなら、いろんなフレーズに共通点を覚えると思います。

――完成した、2ndアルバムの『Rays of the jet』。平井さんにとってどんな1枚になりましたか??

平井: どれも、楽しく口づさめるインスト楽曲ばかりで、とてもハッピーな1枚になりました。

――このアルバムの聴きどころも、ぜひ教えてください。
平井:たとえ1曲とはいえ、スフィアの4人が参加した「Y.M.C.A.(YOUNG MAN)」は、聴いてて思わずニヤければ、何度も繰り返し再生してしまいたくなるくらい、楽しさの伝わる声が入っています。しかも、スフィアや、それぞれのメンバーのソロ作品でプレイしているミュージシャンがこのアルバムにも参加しているように、スフィア関連の楽曲に触れている人たちなら、「あっ、これは籠島さんの演奏っぽいよね、外薗さんのドラムって、いっつもこうだよね。このフレーズは岩切さんだよなぁ」と、共通点を覚える表情もいっぱい入っていますから、そういうのを発見してもらえたら嬉しいなぁと思います。

 余談ですが、何時だって本気で全力なスフィアのメンバーの姿には、毎回見習うことばかり。ライブのリハーサルのときも、それぞれに声優としての仕事を終えてからスタジオに集まり、夜中までリハーサルをすれば、その後にダンスのレッスンを行ったり。どんなに忙しくても、まったく疲れを見せないどころか、いつも笑顏で挨拶を返してくれる。その姿を見るたび「僕らが"疲れた"なんて口にしちゃいけない」という気持ちになるように、彼女たちからはいつもたくさんのことを学ばせて頂いてます。

 あと、楽器をプレイする人なら、ぜひ真似して弾いてもらいたい。初心者でもコピーしやすいです。何年、何十年も楽器の演奏をやめていた方でも、押し入れから久しぶりに楽器を取り出し、楽器を弾く楽しさを思い出してもらえたらなと思います。細かく聴き込むほどに、いろんな難易度も見えてきますから。

――リリース後には、10月28日の目黒ブルースアレイジャパン公演を皮切りに「平井武士『Rays of the jet』発売記念ライブ」活動も行われます。

平井:いわゆる短期間で各地を回るという形ではなく、参加ミュージシャンたちのスケジュールの都合もあるように、月1-2本などのペースになるとはいえ、この『Rays of the jet』を手に、じっくり時間をかけながら全国各地を回ります。本厚木CABINでのライブも定期的に行っていますので、いろんなカバー曲を聴きたい方は、ぜひ足を運んでください。もちろん、カバーの新曲もどんどん増やしていくつもりですから。

■CD情報

『Rays of the jet』
平井武士
発売日:2014/10/08
KICJ-684
定価:¥3,000+税

<トラック>
1.Future
2.Good humore
3.Make Merry
4.別れの曲~Relative Style~
5.Ravel Spider
6.Y.M.C.A.(YOUNG MAN)
7.Dedicated to you
8.勝手にしやがれ
9.Three-legged race
10.Dearest

 
>>平井武士 HP

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