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【少年探偵団 取材手帳 第1回】山下さん、逢坂さんが見た世界とは

【少年探偵団 取材手帳 第1回】山下大輝さん、逢坂良太さんが見た第1~2話のTVアニメ「トリックスター」の世界とは?

 ついに放送がスタートした『TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-』。放送後、多くの反響を呼んでいますが、明智小五郎と怪人二十面相の関係性、少年探偵団の面々に隠された素顔など、未だに多くの謎を秘めています。

 そこでアニメイトタイムズでは【少年探偵団 取材手帳】と題し、連続インタビューを実施。連載第1回は小林芳雄役の山下大輝さん、花崎健介役の逢坂良太さんに、第1話と第2話を演じての感想や第3話の見どころをお伺いした模様をお伝えしていきます。

 死ぬために花崎に付いて行く小林。小林の能力に興味を持ち、探偵業に協力させる花崎。二人の関係性は今後、どうなっていくのでしょうか? 取材手帳の第1ページ目が開かれます。

GACKTさんとがっしりと握手!

──とうとう放送がスタートしましたが、心境はいかがですか?

山下大輝さん(以下、山下):やっと来たなっていう感じですね……。先行上映ではGACKTさんと共演し、さらに第1話を先行して見させていただきましたが、改めてみなさんが見られる環境でスタートするのは、また違ったドキドキがあります。嬉しい気持ちが強いですね。


──放送前はソワソワしたりするものですか?

山下:そうですね。オリジナル作品だし、どういう展開になるのか全く分からない第1話になると思うので、やっぱりドキドキしますよね。ワクワクドキドキです。

逢坂良太さん(以下、逢坂):第1話の収録の時点で絵がかなり出来上がっていたので、絵の方は全然心配していなかったんですが、僕らの声と音が入って、どういう感じになるのかなっていうのは考えました。

完成した作品を見て、「ああ、大丈夫だ。この作品は」と思いましたね。これがみなさんの目に触れたときに、どういう反応になるのかはまだわからないので、その辺はwebラジオもやりますし、感想を聞いてみたいですね。

──キャストにGACKTさんがいらっしゃったりと、なかなか挑戦的な作品だと思いますが。

山下:そうですね。結構チャレンジしているなって思います。GACKTさんがまさか実際に生放送に出演して頂けるとは思っていませんでしたし(笑)。一緒にトークできるなんて思ってもいなかったので、すごく攻めている作品だなと思います。


──お二人はGACKTさんに会ってみてどうでしたか?

山下:握手が強かったですね(笑)。

逢坂:みんなその話は聞いていたので、「どのぐらいかな?」って思っていたんですけど……。

山下:「これが噂の!」っていう。

逢坂:時間差で感動が来たって感じだよね。

──僕たち取材陣も含め、スタッフのみなさんにも握手してくださいましたよ。

逢坂:クールなんですけど、すごく気さくな方で。向こうから話しかけてくださったんですよ。

山下:そうでしたね。サングラスの先の瞳を見ようと、スゲーがんばってました(笑)。

逢坂:俺、結構見えたよ。

山下:見えましたよね! キラキラしてませんでした?

逢坂:そうそう。

山下:めっちゃキラキラしてましたよね、目が。


──ほんといい人なんだろうなって思いましたね。

逢坂:収録が始まる前に「何て呼べばいい?」って話しかけてくださって、僕は「ああ、名字で大丈夫です」って言いましたね。

山下:僕は「大輝で」って言いました(笑)。

物語にクズばかり登場!?

──ここからは第1話を振り返ろうと思います。まずは、印象に残ったシーンや演技はありますか?

山下:第1話は初めましてという回なので、「このキャラクターはこういうキャラクターなんだよ」っていうところを伝えられればと思っていました。それぞれの個性が出ているカットがたくさんあったので、ちゃんと印象に残る話だったんじゃないかなと思います。

こういう世界観で、こういう人たちがいて、今からこの人たちが活躍していきますよっていうことが伝わっていればいいですね。

まだ登場していない人もいますが、主要メンバーが出てきて、「あ、なるほど!」と思う感じ。一瞬一瞬で個性が分かる作りは「ああすごいなあ」って思いながら見ていました。がれきの下敷きになったおじさんが、小林にあからさまな態度をとっていましたけど、スゲーよかったです(笑)。

逢坂:この作品、クズが多いですからね。


──(笑)。

山下:ほんとに。だから、そういうところも面白いんですよね。

逢坂:アニメならではというか。

山下:ちょっと過剰な反応をする人が結構いるので、そういうところは「おお!」ってなります。

──確かに、今逢坂さんもおっしゃいましたけど、ほんとにとがった面々が……。

逢坂:個性的なメンバーですね!


──そうそう、個性的な。

逢坂:でも、山下くんと同意見ですね。印象に残ったシーンというよりは、全体的にキャラクター紹介な回だったなと。事件は起こりましたが、小林の能力を見せるための展開だったのかなと思いました。

山下:「遠距離攻撃できるんだぜ、おら!」っていう。

逢坂:そうそうそう。花崎が直情的に突っ走ってしまうっていうところも見られたし、井上が意外と仲間想いだったっていうところも見られたし。

山下:野呂が引きこもりっていうところも見られたし、明智さんは助けに来ないっていうところも……。

一同:(笑)。

逢坂:明智は自由奔放っていう感じですよね……。まだまだ見えてないところもいっぱいありますけどね。

「少年探偵団」はまともなやつじゃ務まらない!

──小林と花崎の出会いのシーンはどのように演じたのでしょうか?

山下:どのようにか……。台本を読んだままですよ、ほんとに(笑)。

逢坂:だよね。特に花崎は基本的に何も考えないやつなので、僕も特にそんなに深く考えずに演じました。その時の本能のままに、という感じですかね。

山下:そうですね。花崎は特に感情マンなので(笑)。小林は基本的に人を寄せ付けたくないし、人と関わりたくない。自分から他人に歩み寄れず、闇を抱えている。閉鎖して、会話をしないっていうところは意識しました。あとは、第1話に関しては、小林の性格がまたちょっと違うというか。

逢坂:そうだね。

山下:「ちょっとかわいそうな子に見せたい」と監督がおっしゃっていたので、同情してしまうような感じは出しました。咳き込んだり、嗚咽したりする部分はリアルに汚くして。

──山下さんは音の演技が多いですが、二人のセリフ量を比べるとすごく差がありますよね。

山下:そうなんですよ。圧倒的に花崎のセリフ量が多いんです。逆に小林は「ああん」とか「うん」とか、リアクションだけで表現しなきゃいけないから難しくて。セリフが多いと、気持ちを入れる余地が増えるんですけど、そのセリフの中だけしか入れられないから大変なんですよね。


──なるほど。このセリフの差は、これからも変わらず……?

逢坂:基本的には変わりませんね。花崎がワーって喋って、小林が反応して、花崎がワーって喋って、小林が反応して、の繰り返しです。なんだか、決まり事みたいになってきてますね、だんだんと。

他のキャラクターも含めて、キャラクター立ってますよね。それが人間っぽいというか、完全に「いい人」っていう人がいない感じがすごく人間らしいというか。絶対に誰しも、いやらしい部分とか変な部分とかがあると思うんです。そういうのがちゃんとあるので、いいなあって思いますね。井上も突然キレたりするから。きっと「少年探偵団」はまともなヤツはいられないんだと思うんですよ(笑)。

山下:確かに!

逢坂:だからこそ「少年探偵団」になれたんじゃないか、そこにいられるんじゃないかって思います。

山下:普通に考えて、探偵団に入ろうって思わないもんね。

徐々に見えてきた小林と花崎のキャラクター性

──ここからは第2話のお話を。徐々に小林と花崎の人となりがわかってきた回だったと思いますが。

山下:ゲストキャラクターのナオキが可愛そうだったなって思いましたね。意外とチャラそうに見えて、実はすごく愛のためにやっていたというか……。

逢坂:完全に死ぬ必要なかったよね。

山下:そう。「なんで死んでしまったんだろう?」ってずっと考えてましたよ。彼女のために命をささげる覚悟があって、そうしたら、ほんとに毒が入っていて死んじゃう……。もうそのシーンに尽きるなって思いました。

あとは小林が、すごく自己中なところが見えてきましたよね。「小林かわいそう……。あれ、でもコイツ自己中?」みたいな変わり方で。

逢坂:花崎は今回、真面目なところを見せていたので、ちょっと正義感の部分を見られた回だったかなと思います。

山下:花崎が真顔でしたよね。第1話でも「うっそー♪」っておちゃらけて言ってましたけど、実はあそこは嘘じゃないんだろうなって……。

逢坂:「あれ」は多分本当です。だから、人の思いを踏みにじるっていうことが恐らく大嫌いなんだと思う。

次の第3話でも、「お前、話してくんねえと分かんねえじゃん」っていうセリフがあって。

山下:あった、ちょっとクサイ言葉! 正義感があふれるまっすぐな子なんだなって感じました。このころから、小林は「ちょっとコイツは自己中心的だな」って思われるようになって……。あと、「食べることが好きなのかな?」「おいしいものに飢えているのかな?」っていうところが見れますね。

逢坂:金がないから……。

山下:そう、金がないからあまりいいものを食べていない。だから、おいしいものに興味津々だし、「僕、食うの好きかも……」っていう感じのところが出てくるんですよね。


──第2話は「食」に関することがテーマになっているような感じもしましたね。

山下:小林はガソリンを飲んだことがあるのが分かったり……。でも、体に毒だと思うものは全部吐き出しちゃうんですよ。ただ、死ななくてもやっぱり栄養は採らなくてはいけないからそこら中のものを靄に無理やり突っ込まれるということが分かるシーンもあって、大変だなって思いました。

だからこそ、食に関しては貪欲なんだと思いますね。今回は、初めて食べるものがたくさんあって、小林がビックリする新鮮な反応がいいですよね。手掴みで食べているところは、考えながら演じました。

逢坂:自動販売機で買えないくだりとかね。

山下:ボタン押すのも「めんどくせえ」って思っちゃって、「チッ」ってしちゃう。そういえば、ここから舌打ち魔になっていきますね(笑)。第2話からの舌打ちの数は是非、数えてください!

小林と花崎の関係性はどうなっていくのか?

──二人の関係性についてはどう思いましたか?

山下:花崎は完全に、小林が死なないのを面白がっているだけですよね。

逢坂:面白がってるし、小林の使い方を知っているだけで、便利に使っているような感じです。小林は「食えるんだったらいいか」みたいに思ってて。

山下:「殺してやる」って、ただその言葉だけの関係なんですよ。

逢坂:花崎も本気で言ってるとは思うんですけど、いざ聞かれると「え? ああ、考えてる考えてる」みたいな気持ちでいるような気がします。「何とかなるっしょ」みたいな。

山下:だからこそ小林は、花崎にはイライラしますよね。「いつ殺してくれるんだ。全然死ねないじゃないか」って言うんですけど、でも藁にも縋る気持ちで付いて行っている。

第2話の中では、「靄が薄れてきている」と気付くところもあって、希望もちょっとだけ大きくなっているのかなって思います。

逢坂:生きたいと思うのが先か。

山下:死ぬのが先か、みたいなところが。

──出ましたね。

逢坂:これは確か、オーディションゼリフだったんですよ。第1話の行動があるから、第2話になってこういうセリフになっていくんですよね。

山下:そう考えると、花崎の変化が面白いんですよね。


──第2回では、花崎がまさに探偵といった活躍をするシーンが多かったですが、こちら演じてみていかがでしたか?

逢坂:割と人に迷惑をかけていますよね。勝手に侵入したりしているから。おちゃらけたことも言うけど、あれは照れ隠しなのかな? ただ、ほんとに思っていることは確かだと思いますね。

山下:おちゃらけて「冗談だけどな」っていうような感じではない。多分、全部本気で言っている感じはありますね。

逢坂:個人的には、「小林と本当に仲間だったらいいな」みたいなところが隠れているのかなとちょっと思っていますね。

山下:基本的に花崎は嘘つかないんですよ。言っていることが全部本当なんです。だから、いい感じに憎めないけど、言い方によっては、人に不快なイメージを与えてしまうんです。

逢坂:脊髄反射ですよ。

即興で歌う明智の歌に注目!?

──ちなみに、ひとつひとつの事件は繋がっていたりするんでしょうか?

逢坂:今のところ、事件自体は繋がってませんが、裏を想像すると楽しいかもしれませんね。

山下:表立っては全然関係ないんですけど、「その時は一体何をしていたんだろう?」みたいな。繋がってくるんじゃないかな。


──他に気になったシーンなどはありましたか?

逢坂:明智さんの歌ですね。

山下:「明智さん、いったい何をしているんだ?」って思いました(笑)。「こいつは……ほんとに探偵かよ」と。

──明智の歌は小野さんの即興なんですか?

山下:それっぽく歌っているから、僕らが「音のデータあったんですか?」って聞いたら、「いや、今やっただけ」って言ってました。「今度、また録るんだ」と言っていたので楽しみですよね。


──先ほど取材前に小野さんが「なんか明智のカッコいいこと言っといてよ」って言ったので、ノルマ回収しときましょうか。

山下:そうですね……。今のところないです!

逢坂:ないね。

一同:(笑)。

山下:大輔さんはカッコいいんですけど……。

逢坂:明智のカッコいいところはまだない!

山下:それで、完璧ですよ。

逢坂:ノルマ達成。


──ノルマ達成(笑)。了解しました。

山下:あとは、大輔さんは、お菓子を買ってきてくれるから好きです。この前はカントリーマアムをくれました。

第3話は現代にも関わる物語が……

──では第3話放送前なので、見どころをお聞かせください。

逢坂:これは本当に今の問題を取り上げてるなと思いましたね。

山下:未来の話と思いきや、「あ、もしかしたら近い未来……本当にあるかもしれない」っていう話を題材にしている回だと思います。

──小林と花崎の活躍はどうですか?

山下:二人で行動してるんだなあっていうのが分かるので、小林の扱いをちょっと分かった花崎が面白い。その掛け合いみたいなところは見どころですね。「嫌々付いて行く小林」っていう感じが。

──では最後にファンの方へのメッセージをお願いします。

山下:この作品はゆっくりと話が進んでいくので、みなさんも置いて行かれる心配なく、自分のペースで見られるんじゃないかなと思います。キャラクターの心情や抱えているものが、すごく丁寧に描かれているので、それぞれのペースで見ていただけたら嬉しいなと思います。

そして今後、怪人二十面相がキャラクターたちにどう絡んでくるのか……。怪人二十面相、「GACKTはまだか!」という気持ちで注目して見てくださると嬉しいです。花崎と小林が今後、コンビネーションをできるのかというところも注目してもらいたいですね。

逢坂:1話完結的な話が多いので、見逃して欲しくはないですけど、もし見逃してしまったとしても、すんなり物語に入れるんじゃないのかなと思います。

でも、何となく予想できるんですよ。「ああ、こういう事がもしかしたらあったんだろうな」って。キャラクターたちの歩み寄り方によって立場が変わっているので、「なんか変わってるぞ」っていうのが感じられると思いますね。それを徐々に感じていって、改めてまた第1話とかを見直してもらうと、さらに面白く感じてもらえるんじゃないのかなと思います。第5・6話あたりを見た後で、第1話を見返してみると面白いと思いますよ。引き続きよろしくお願いします。

──第3話も楽しみですね! ありがとうございました。

[インタビュー/石橋悠]

<放送情報>
2016年10月3日(月)よりTOKYO MXほかにて放送開始!
TOKYO MX:10月3日より毎週月曜25:05~
読売テレビ:10月3日より毎週月曜25:59~
BS11:10月4日より毎週火曜25:30~
※放送時間は予定です。変更になる場合がございますので、予めご了承ください。

<あらすじ>
彼は死ぬために、探偵の道を選ぶ……
時は2030年代。謎の探偵、明智小五郎の下に集う『少年探偵団』。
彼らは大小様々な事件を持ち前の行動力で解決に導いてきた。
ある日、メンバーの花崎健介は謎の少年、小林芳雄と出会う。
『正体不明の靄(もや)』により「死ねない」身体となってしまった小林は、自身の死を望み、他人との接触を拒んでいた。
そんな彼の存在に興味を抱いた花崎は「『少年探偵団』へ入らないか」と持ちかける・・・
小林と花崎。彼らの出会いはやがて、世紀の犯罪者である怪人二十面相と明智小五郎の因縁と絡み合い、
二人の運命を動かしていく・・・

<STAFF>
監督:向井雅浩
脚本・シリーズ構成:吉田恵里香
キャラクターデザイン:PEACH-PIT
アニメーションキャラクターデザイン:ヤマダシンヤ
音楽:林ゆうき
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント、シンエイ動画
OP主題歌:GACKT「キミだけのボクでいるから」
ED主題歌:田所あずさ「1HOPE SNIPER」

<CAST>
小林 芳雄:山下大輝
花崎 健介:逢坂良太
井上 了:梅原裕一郎
野呂 誠:木戸衣吹
勝田雅治:増元拓也
大友 久:古川慎
山根たすく:山谷祥生
中村奈緒:田所あずさ
明智小五郎:小野大輔
怪人二十面相:GACKT ほか

>>『TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-』公式サイト
>>『TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-』公式ツイッター(@trickster_anime)

(C)Jordan森杉 / TRICKSTER製作委員会
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