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恋愛暴君:ピッタリとハマった声優陣について本山哲音響監督が語る!

TVアニメ『恋愛暴君』ピッタリとハマった声優陣について本山哲音響監督が語る!

 TVアニメ『恋愛暴君』(2017年4月より放送中)の声優陣やスタッフにお話を伺っているアニメイトタイムズでの連載企画。今回のインタビューに登場していただくのは、『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズや『一週間フレンズ。』『魔法科高校の劣等生』などを担当してきた音響監督の本山哲さんです。キャストについてのあれこれお伺いしてきました!

 

声と音で語る『恋愛暴君』!
――まず音響監督の役割について教えてください。

本山哲さん(以下、本山):音響監督は言うと、スピーカーから出てくる部分を管理する責任者になると思います。具体的な作業だと、役者さんにこういうふうにしてくださいと指示を出すアフレコでの作業と、声と音楽と効果音を合わせて完成に持っていくダビングという作業が大きなところだと思います。

――アフレコでは、監督の思い描くものに近づけるために、役者に直接指示をするのが本山さんの仕事になるのですか?

本山:そうですね。

――音楽や効果音については?

本山:もちろん曲は僕が作るわけではなく、作曲家さんに発注して作ってもらいます。その劇伴を編集して使わせていただいたり、効果音は効果さんがいらっしゃるので、その方に、「こういう音を作ってほしい」とイメージを伝えて作ってもらいます。

――今回、そのどちらもかなり面白いですよね?

本山:基本的に話全体がだいぶコミカルだったので、音楽や効果音もできるだけバラエティ豊かになりましたね。面白い方向にいこうという気持ちでみんなが動いていたし、監督の意向もあったので、みなさんが作品のことを汲んで面白い方向に進んでいったから、こういう形になったのかなと思います。

――振り切っていますよね(笑)。

本山:もう少しやってもいい部分はあったのかなと思っていますけどね(笑)。

――キャストはどのように決めていくのでしょうか?

本山:キャスト会議というものがあって、そこで決めていきますね。

――原作を読んだ時、声のイメージをある程度考えるんですか?

本山:それがみなさんと一致しているかは分からないのですが、個人で読んでいるときは、だいたいこんな感じかなと大雑把なイメージは思い浮かべます。ただその時具体的な名前は考えないようにしていますね。そこからキャスト会議で方向性を確認する感じになります。


キャスト決めで一番悩んだところとは――

――今作のキャスト決めで、一番考えたところはどこになりますか?

本山:女の子に関しては人数が多いので、聞いたときに分かりやすく区別が付くようなバランスは考えました。青司に関しては、一方的に好きになってもらうところがあるにしろ、魅力がないと引き止めておく事はできないと思うので、ダメなキャラクターではあるんだけど、彼の魅力をちゃんと引き出してくれるような人、表現してくれるキャストを探していたところがあるので、そういう意味ではすごくうまくいったと思います。

――小野賢章さんが絶妙なんですよね。

本山:正直、小野さんにハイテンションなイメージがあまりなかったので、オーディションで大丈夫、とは思っていても少しの不安はあったんです。また、カッコよくなりすぎてしまうんじゃないかとか。でも結果、日常のおちゃらけているキャラをうまいバランスでやってくれたかと思います。

――モテそうだけど、イケメンになりすぎないところがすごく良いんですよね。

本山:本当に小野さん含め、キャストには助けられることが多かったと思います。

――他に、原作を読んで、この役は肝だなと思ったキャラクターはいますか?

本山:茜は振り幅が大きいので、大事だなと思いました。かわいく見せないといけない時はかわいく見せないといけないですし。それは樒にも言えるんですけど、怖いけど嫌われてはいけないので、そういうところは気にしましたね。

――そういう意味では、茜役の沼倉愛美さんや樒役の原由実さんも素晴らしいです。

本山:茜は怖さも出さないといけないと思ってたんです。前半は物理的にナイフを持っていて怖いんですけど、後半は恋のライバルとしても怖い部分があって、その演じ分けもしっかりしていただいてありがたかったです。(新人でもある)グリと柚がうまくいった要因として、それに絡む役者さんによって引き出された部分も大きいと思うので、そういう意味でも感謝しています。

樒に関しては、色っぽすぎずに青司をふらっとさせてしまうような、ちょうどいい加減でやっていただけたと思います。特に後半はストーリーテラー的な役割もあって、うまい具合にグリをそそのかしてくれて良かったです。

 
グリを通して成長していった青山吉能さんの姿

――では、主人公のグリについてたっぷりと伺いたいのですが、ひとりでの主演は初めての経験なのですが、青山吉能さんは、キャストからやスタッフからもすごくハマっていたと言われていました。

本山:僕もみなさんと同じような感想になると思うのですが、一番大きかったのは、空気を読まずに無茶なことをしても「嫌われなかったこと」ですね。それは青山さんの声の感じがあったからなのかなと思います。グリのかわいさや毒っ気を面白い方向に持っていってくれたのがすごく良かったです。

――成長もすごく感じたのではないですか?

本山:初回のアフレコが終わって、青山さんがミキサールームにいらっしゃった時は、「最終的にグリが恋を知っていくお話になるから、それにともなって青山さんも成長していければいいよね」って話をしたんです。最初はいろいろ言うことが多かったんですけど、最終回に近づくにつれて、こちらから言うことが少なくなっていったので、キャラクターをしっかりと掴んで、お芝居のほうもいろいろと考えてやってくれていたんだなと感じました。こんなに成長を感じることってなかなかないんですけど、青山さんはすごく成長したと思います。

――毎回アフレコ終わり後にミキサールームに行っていたとも聞きましたが。

本山:たぶん不安だったんでしょうね。でも、終わったということは大丈夫だということだよとお伝えしました。

――青山さんのアドリブについてはどうですか?

本山:面白いことを言ってくる感じですね(笑)。台本上で「うっ」って書いてあるところで、何か違う事を言ってみたりとか、いろいろとしてくれていました。

――ちょっとそれはやり過ぎ!みたいな(笑)?

本山:何回かありましたね(笑)。あれだけ不安なのに、結構やってくるなと思いましたけど(笑)。

――後半のシリアスな演技についてはどうですか?

本山:青山さんは、本当に台本もしっかり読んできてくれて。原作もいっぱい読んでくれたんでしょうけど、キャラクターの心境をよく考えてきてくれて、こちらが細かく指示を出すこともなくやってくれました。


気になる『恋愛暴君』、アニメでの結末とは……!?

――柚役の長野佑紀さんも新人でした。

本山:キャラクターにすごく合っていましたね。品の良さがありつつも行動がぶっ飛んでいるところが、長野さんがやることですごくいい方向にいきました。名前があるキャラクターをやるのは初めてということで不安はあったみたいですけど、初回の収録を聞いていても、不安があるような印象もなく……いろいろと言うこともなかったんです。演じやすいキャラクターだったんだと思います。

――そういったキャストの面々がいる中、ベテラン声優陣も強力でした。

本山:周りにキャリアのある方々がいて、すごくバランスの良いキャスト陣だったと思います。スケジュールもあるので難しいところもあったのですが、希望しているキャストで収録できたのは良かったです。

――個人的に、コラリさんがすごく面白くて。

本山:檜山(修之)さんは最初から、我々が思っているイメージと違う声でいらっしゃったので、どうしようかと監督含めてお話をしたのですが、確かに天使の使いなのでそれもありなのかなと(笑)。

――現場でもあの声は意外だったんですね(笑)。

本山:全然違いましたね。キーの高いところでくるとは全然思わなかったので(笑)。

――アフレコで印象的だったところはありますか?

本山:あまりなかったのですが、1話か2話でコラリの人形があったんです。最初役者さんが自分たちの方向に顔を向けてテストをしていたのに、いつの間にか後ろを向いていたことがありまして、やっぱり見られていると気持ち悪かったのかなと思いました(笑)。結構リアルな人形なので。

――笑ってしまってできないでしょうね(笑)。では、9話の放送後の公開となりますので、印象的だったシーンや、あらためてここを見直してほしいシーンなどがありましたらお願いします。

本山:この回は柚の話だったと思うんです。自分の青司への恋心に気づいてしまうところで、それに向き合おうとしている柚の心の動きに注目してくれたらいいなぁと思います。また、それを分かった上で、茜が「そんなぐちゃぐちゃに悩むくらい私のことが好きなんだって」と言っていた、あそこは僕の中では少しずるい人だなって思いました。

――あそこの茜さんは難しい心境ですよね。

本山:青司のことはそれぞれ好きなんだけど、青司を好きな他の人のことまでちゃんと考えて行動しているので、いろいろと難しいところがありましたね。この先この話が続いていくと、役者さんのほうがどんな気持ちで演じていかなくてはいけないのか、どんどん難しくなっていくなって9話の最後で感じました。たとえば柚も、青司に対する恋心を強くすればするほど、周りとの関係を崩していかないといけないわけですし、それまで分かってはいたけど外に出さないでいた部分が、ちょっとずつ見えてきた話だったのかなと思います。

――ただ、今後のクライマックスでは、またちょっと違う大きな出来事がありますね。

本山:そうですね、またグリに戻っていくので。今、最終話のダビングの前で、最後どう持っていこうかと考えているところなんですけど……どうなるかは放送を楽しみにしていてください。

[インタビュー・文/塚越淳一]

 
■TVアニメ『恋愛暴君』

【放送情報】
2017年4月6日からテレビ東京にて、毎週木曜日深夜2:35~
2017年4月8日から?BSジャパンにて、毎週土曜日深夜0:30~
2017年4月8日からAT-Xにて、毎週土曜日夜11:30~
リピート放送:毎週日曜深夜2:30~/毎週火曜午後3:30~/毎週金曜朝7:30~

【STAFF】
原作:三星めがね(COMICメテオ連載)
監督:濁川 敦
シリーズ構成:高橋ナツコ
キャラクターデザイン:いとうまりこ
総作画監督:谷津美弥子
美術設定:小山真由子 松本浩樹
美術監督:松本浩樹 菊地明子
色彩設計:いわみみか。
音楽: MONACA
音楽制作:DIVEⅡentertainment
音響監督:本山哲
音響制作:HALF H・P STUDIO
編集:近藤勇二(REAL‐T)
撮影監督:岩崎敦
撮影:T2studio
アニメーション制作:EMTスクエアード

【CAST】
グリ: 青山吉能
藍野 青司:小野賢章
緋山 茜: 沼倉愛美
黄蝶ヶ崎 柚:長野佑紀
白峰 樒: 原 由実
ほか

【音楽】
OPテーマ:恋?で愛?で暴君です!/Wake Up, Girls!
EDテーマ:「スキ」を教えて/smileY inc.

>>公式サイト
>>公式Twitter(@boukun_PR)

(C)三星めがね・COMICメテオ/恋愛暴君製作委員会
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