高橋美佳子さんら主要キャスト陣が集合！ TVアニメ『シャングリ・ラ』製作発表イベントが「TAF2009」で開催

　4月5日からチバテレビ他で放送スタートとなるTVアニメーション『シャングリ・ラ』の製作発表が、3月19日、「東京国際アニメフェア2009」2日目の特設ステージにて行なわれた。ステージには別所誠人監督をはじめ、北条國子役の高橋美佳子さん、美邦役の有賀由衣さん、草薙国仁役の石井真さん、石田香凛役の井口裕香さんらキャスト陣が勢ぞろい。さらにスペシャルゲストにはオープニングテーマを歌うMay'nさんも登場し、トークを繰り広げた。

●別所監督「原作をアニメならではの方法で映像化できた」

　『シャングリ・ラ』は月刊ニュータイプで連載され、現在角川文庫で刊行中の池上永一さんの同名小説が原作。貨幣経済が崩壊し、“炭素経済”という新しい概念が支配する近未来。地球温暖化防止のため森林都市に生まれ変わった東京では、タワー状の積層都市アトラスに住む特権階級と危険なジャングルと化した地上に住む庶民との間に格差が生じていた。一方的な森林化を進める政府に対して、武装ゲリラを率いる18歳の北条國子が真っ向から戦いを挑んでいくという物語だ。

　最初に原作を読んだ感想は「かなり破天荒なお話」だったという別所誠人監督。初監督作品でもある『シャングリ・ラ』について、「たとえば“モモコが使うムチが50mあります”とあっても、そのまま映像化するのは難しい。しかしアニメーションならではのやり方がきっとあるはず。登場キャラクターの性格は変えることなく、原作の面白いところを映像化するように作っています」続け、原作のテイストは汲みつつもアニメーションならではの映像作りを心がけたことを説明した。


●『シャングリ・ラ』への意気込みをキャスト陣が語る！

　天才的な身体能力を持ち、本作の主人公・北条國子を演じる高橋美佳子さん。「元気なだけでなく、リーダーとしても風格や人を引っ張る力がセリフの端々に感じられたり、母親代わりのモモコに対しては甘えん坊な一面も持っていることもアフレコの中でだんだん分かってきました」という。また、演じるにあたり監督や音響監督から「そのまま、まっすぐにやってほしい」と言われたことに触れ、「自分の信じた道をまっすぐ進めば“國子”というキャラになると信じて頑張っています」と意気込みを語った。

　特権階級に属する8歳の不思議少女・美邦役の有賀由衣さんは「見た目は可愛らしい少女ですが実はすごく恐ろしい一面を持っていたり、高貴なのに甘えたがりだったり。自分の中に二律背反するものをいっぱい持っています。思っていることがそのまま言葉に出るキャラではないので、そこを表現にのせていくのはまだ試行錯誤中。そこが面白いところです」。

　國子が率いるゲリラを追い詰める陸軍少尉・草薙国仁役の石井真さんは「軍人なので自分の中に正義はありますが、やりたいことはしっかり考えて邁進しているキャラ。でも内面は正直で素朴なお兄ちゃんだというところを何となく匂わせる芝居ができるように演じていきたいです」とコメント。

　「子どもらしさは意識せず、冷たく醒めたところを意識して」と音響監督にイメージを伝えられたという井口裕香さんは、10歳にしてマネーゲームを繰り広げる天才少女・石田香凛を演じる。「“やったー”というセリフでも、普通の10歳の女の子が喜ぶような表現をしない。世間に対しての見方が違う、お金第一という醒めた女の子だということを意識して演じています」と語った。

　個性的なキャラクターが多数登場する『シャングリ・ラ』。最初の段階で音響監督へ「今回はお芝居が上手な人を」とリクエストしたという別所監督は、アフレコ現場について「若手からベテランまで入り混じって和気あいあいとした雰囲気。人数が多いので毎回賑やかです」という。高橋さんも「ベテランの役者さんがいらっしゃるので刺激的。ありがたい現場だなと思います」とコメントした。


●ブーメランで「富士山を切ってみたい！」（高橋さん）

　ここで登壇者の皆さんへ『シャングリ・ラ』らしい質問が。「ある日、自分が住んでいる地域がジャングルになったら？」と聞かれ、「ハックルベリーみたいに木の上に家を造って暮らす」という別所監督をはじめ、「安全を確認しないと怖いですよね」と慎重派な有賀さん、石井さん、井口さん。しかし高橋さんだけは「喜んで探検に出かけます！」と答え、そのプラス思考に井口さんが「ジャングルで美佳子さんに会ったら付いていきます（笑）」と付け加える一幕も。

　さらに「國子が持つカーボン製のブーメランで切ってみたいもの」という質問にも、「富士山とか切ってみたいですね！」と豪快な答えを出す高橋さん。ほかに「イチゴ畑を一気に刈り取る」（有賀さん）、「目の前の風景を真っ平らに」（石井さん）、「会場のバルーン」（井口さん）とキャスト陣が答えるなか、別所監督は「無くなりつつあるスケジュール」と話して笑いを誘っていた。


●アニメのOP映像が会場で初公開！

　また会場では本邦初公開となる『シャングリ・ラ』のOP映像が上映され、ステージにはOPテーマ曲「キミシニタモウコトナカレ」を歌うMay'nさんが登場。「“生きてみろ”“死ぬな”ということをメッセージとして伝えたい。國子をはじめ登場するキャラクター全員の想いを込めることができました。“戦わなくてすむならどんなに幸せだろう、でもみんなを守るためには戦わなくてはいけない”。そういう気持ちで歌いました」というMay'nさん。好きなキャラクターは「ミーコ」だというMay'nさんは「ミーコが可愛らしく見える瞬間が欲しいです」と別所監督にリクエスト。ちなみに國子の母親代わりとなるニューハーフのモモコとミーコの2人は、キャストが公開されていない。第1話の放送終了後に声優を当てるクイズ企画が実施されるということで、監督にヒントを聞くと「2人とも名前の中に大きさを示すものが入っている」とのこと。

　最後に「今回は初監督で、どこまでできるかという不安だらけでここまで来ましたが、お話は自分なりに満足してきちんと考えて作っています。ぜひ期待してください」という別所監督の挨拶に続き、「今年は私の声優デビュー10周年。この役に出会えたのも何かのご縁だろうと思っているので気合いが入ってます」（高橋さん）、「皆さんといい雰囲気で、和やかに、時にピリリと辛く、撮っていきたいと思っています」（有賀さん）、「第1話のアフレコでは僕らの先輩方が、個性豊かなキャラづくりに四苦八苦されていた現場でした。それを見ながら僕ももっと勉強しないといけないと思ってしまう現場ですので、作品共々よろしくお願いします。」（石井さん）、「香凜という役はこれまでにやったことがないような役ですが、先輩のお芝居を観ていろんなことを学んでいきたいと思います」（井口さん）、「ただの作り話ではなく、もしかしたら自分たちの未来かも知れない。そういうテーマの作品に参加することができて嬉しく思っています。ただの戦いや強さというだけじゃなく、人間味のある部分を私自身がすごく楽しみにしているので、みなさんも楽しみにしてください」（May'nさん）と、登壇者それぞれのメッセージが会場に送られた。


TVアニメ『シャングリ・ラ』
2009年4月5日よりチバテレビほかにて放送開始

チバテレビt4月5日から毎週日曜日　24：00～24：30（予定）
テレ玉tt4月5日から毎週日曜日　25：30～26：00（予定）
KBS京都tt4月6日から毎週月曜日　25：00～25：30（予定）
テレビ神奈川t4月6日から毎週月曜日　25：15～25：45（予定）
サンテレビt4月7日から毎週火曜日　24：00～24：30（予定）
TVQ九州放送t4月7日から毎週火曜日　25：53～26：23（予定）
TOKYO MXt4月8日から毎週水曜日　25：30～26：00（予定）
テレビ北海道t4月9日から毎週木曜日　25：30～26：00（予定）
テレビ愛知t4月9日から毎週木曜日　25：58～26：28（予定）

※放送日時は予告なく変更の場合がございます。あらかじめご了承の程お願い致します。


＜スタッフ＞
原作：池上永一（角川書店刊）
監督：別所誠人
シリーズ構成：大野木寛
クリエイティブ・プロデューサー：もりたけし
キャラクターデザイン：村田蓮爾
アニメキャラクターデザイン：石井久美
アニメーション制作：GONZO

OPテーマ：「キミシニタモウコトナカレ」／May'n
EDテーマ：「はじまりの朝に光あれ。」／midori


＜キャスト＞
北条國子：高橋美佳子
美邦：有賀由衣
石田香凛：井口裕香
草薙国仁：石井真
モモコ：▼▼▼（▼はハートマーク）
ミーコ：▼▼▼
武彦：堀内賢雄
小夜子：石塚理恵
鳴瀬涼子：五十嵐麗
奏総一郎：平川大輔
九土省吾：櫻井孝宏
今木烈音：中村悠一
今木紫音：福山潤
クラリス：渡辺久美子
山崎友香：山下百合恵
蒲郡由里：三澤紗千香
メデューサ：柿原徹也

『シャングリ・ラ』製作発表に登壇した（左より）別所誠人監督、高橋美佳子さん、有賀由衣さん、石井真さん、井口裕香さん、May’nさん。