「sweet pool Drama CD -everblue..

ゲームの雰囲気そのままに更なる広がりを見せる新エピソードをドラマCDで―― 「sweet pool Drama CD -everblue-」について~ニトロプラス キラル シナリオライター淵井鏑氏インタビュー

2008年12月に、既存のBLゲームの概念を覆す異色作としてNitro+CHiRALよりリリースされたPCゲーム『sweet pool』。
どこか影を持つキャラクターたちと物語全編に渡って展開していく「日常」から「非日常」世界への移り変わり、そして今までのBLゲームにはなかったダークでグロテスクな内容に、多くのユーザーを驚かせ、新ジャンルを開拓したゲームとも言えるが、このゲームのドラマCDが、本日6月29日に発売された。

ドラマCD化にあたり、原作ゲームのシナリオを担当した淵井鏑氏が本CDのシナリオも担当。本編の延長上のエピソードを新たに書き起こしており、キャラクターのエピソードをより濃密に描いている。ドラマCDには、蓉司を中心に哲雄・善弥・睦が登場するシリアス展開のオムニバスのエピソードと4キャラクターが勢ぞろいするコメディタッチのアナザーストーリーの2タイプが収録されている。
今回、ドラマCD発売を記念して、淵井氏にインタビュー。改めて原作ゲームについてやキャラクターについて、そしてドラマCDについてお話を伺った。

■「sweet pool Drama CD -everblue-」<br>2009年6月29日(月) 発売 3675円 (税込)

■「sweet pool Drama CD -everblue-」<br>2009年6月29日(月) 発売 3675円 (税込)


●本当に自分がやりたい方向で突き詰めたいというのが強くありました。(淵井氏)

――まず、ドラマCDの原作となるゲーム『sweet pool』について改めて教えて下さい。

淵井氏:普通の男子高校生・崎山蓉司は、体が弱いことから学校を休学していたのですが、久々に来た学校で少しずつ異変が起こり始め、そこから周囲をも巻き込んでいく、「日常」が「非日常」に変わっていく様を描いたホラーテイストでダークな作品です。

――『sweet pool』は、どのようなきっかけで制作されたのでしょうか?

淵井氏:企画をしたきっかけは、「自分がやりたい」というインスピレーションからです。いわゆる恋愛ADVといえばキャラクターのバリエーションを揃えたり、エンディングも多数あったりするものですが、今回のゲームは、キャラクター同士の関係性や心理描写などを深く突き詰めたいという気持ちが強くあったので…その中の一つとして、グロテスクなテーマがあり、それも合わせて妥協なくやろうと思って制作に踏み切りました。

――制作中、大変だったことや苦労したことなどはありましたか?

淵井氏:題材が題材なので、イベントCGや文章表現をどこまで見せるかというのが悩みどころでした。女性の中にはこういったものが苦手な方も多いだろうと思っていたので、そこに気を遣ったということと、あまりたくさんしゃべらないタイプのキャラがメインだったので、初めから濃い関係があるわけでもなく、同性愛者でもない2人が近づいていくまでを、ユーザーさんにも共感して分かって頂けるようにどう展開させていけばよいのかというのは悩みながら作りました。

――いわゆる2人が結ばれての“ハッピーエンド”ではないエンディングを何故描いたのでしょうか?

淵井氏:「恋ではなく、愛でもなく。もっとずっと、深く重い――」が『sweet pool』を表すキャッチになっています。
最初から男の人を好きになるという前提ではなくて、もし普通の日常生活を送っていたら女の子と恋愛していたかもというような男子学生たちが、男同士でなければならないという状況に置かれてしまい、恋愛感情について考える余裕もないけれど、もっと深い部分での心の繋がりみたいなものを描きたいというのがありました。
蓉司と哲雄の2人が辿っていった運命を、それがたとえ悲しい結末であったとしてもありのままに描きたいというのがありました。


●様々な境遇にあるメインキャラクター4人

――登場するメインキャラクター4人(蓉司・哲雄・善弥・睦)についてどのようなキャラクターなのか教えて下さい。

淵井氏:蓉司ですが、物語が進むにつれてプレイヤーを世界の中へ導く役目も持っていて、物語の中で彼が色々と葛藤したりするのですが、同じように感じてもらえればと思って、最初は事情を全く知らないまっさらな状態からスタートさせています。性格的には、人付き合いがあまり得意ではないタイプです。
蓉司は表面上は大人しく、無意識に人と関わることを避けていて、他人からの働きかけに疎いんです。「友達って何?」「恋や愛はよくわからない」というところがあるんですが、そういう風になったきっかけというのももちろんあって、静かな存在でありながら実は彼なりに大きいものを抱えて生きている。でも、自分ではそれを自覚していません。

――哲雄については?

淵井氏:哲雄はストーリーの序盤では怖い存在として描かれています。何を考えているか分からないし、威圧的だし、あまり話さないし、という感じで…。
蓉司に対しては、哲雄自身が一つの大きな謎という存在になっているんですが、終盤では彼の考えや行動理由がちょっとずつ見えてくるような流れになっています。ただ怖いだけの存在ではなくて、蓋を開けてみれば普通に生活していて、ちゃんと両親もいて。極端に不器用なので感情が表には出ないけれど、実際には色々な気持ちが揺れ動いているというのを描きたかったというのがあります。

――では、続いて善弥というキャラクターについて教えて下さい。

淵井氏:哲雄とある意味“対”になる存在が善弥です。哲雄のライバルというような立ち回りをしているんですが、実際には彼も不器用な人で、自分が出来損ないだということ、このまま死んでいくんだろうということを自覚しています。なので、蓉司に対する執着や哲雄への対抗意識も全てそこから来ているところがありますね。
彼自身は、本当は心の底で愛情を望んでいたという可哀相な境遇のキャラクターです。


――最後に、睦はどのようなキャラクターなのでしょうか?

淵井氏:哲雄、蓉司、善弥とは違い普通の人間なのですが、非日常の世界に普通の男の子が巻き込まれてしまったら…というコンセプトで描かれているのが睦です。彼は今までずっと平穏に生きてきて、特別不幸な目にあったこともなく、その明るい性格から友達も多く、大きな失敗もせずに伸び伸びと育ってきた子です。
でも、ずっと光の中を歩いてきたように見える人間でも、どこかしらに影の部分があるのではないかというのがありました。逆を言えば、ずっと影を歩いてきた人間にしか分からない部分というのもあって、そこを対照的に描いてみたいと思いました。


●ドラマCDでは、シリアスとコメディタッチのエピソードが聞ける!

――ドラマCDには、オムニバスとアナザーストーリーが収録されていますが、オムニバスストーリーはどのような内容なのでしょうか?

淵井氏:蓉司とエンディングを迎える哲雄、善弥、睦それぞれのエピソードになっていて、本編のED付近で描かれなかった部分がメインになっています。
睦とのエピソードでは、本編での衝撃な結末を迎えるまでに、蓉司とどういう時間を過ごしたのかを窺い知れる内容になっています。
善弥とのエピソードでは、やはり同じく本編の結末に至るまで、善弥がどういう気持ちで蓉司と一緒にいたのかという、ゲームではあまり描かれなかった部分が聞けるようになっています。
哲雄とのエピソードでは、2人の思いが通じ合った後の空白の部分が聞けるようになっています。束の間ですが、2人が過ごした穏やかな時間の話です。

――次にアナザーストーリーですが、今までのシリアスなお話とは違ったコメディな内容になっているそうですね。

淵井氏:アナザーということで、パラレルストーリーになっています。本編の暗さとは少し違った雰囲気で、彼らが普通の学生として過ごしていたら…というエピソードが聞けるようになっています。
具体的には、蓉司、哲雄、善弥、睦の4人でカラオケに行くことになるのですが、善弥と蓉司はカラオケ初挑戦で、みんなで終始ワイワイ楽しくやっている様子が聞けます。主に睦がツッコミ役として大活躍しています。

――では、最後にファンの方へのメッセージをお願い致します。

淵井氏:このドラマCDはゲーム本編に沿ったものなので、本編の雰囲気を残したシリアスなものになっていますが、それもキャラクターたちの一部として聞いていただければと思います。また、アナザーストーリーの方は明るい内容ですので、そちらの方は肩の力を抜いて楽しんでいただければと思います。


CD■「sweet pool Drama CD -everblue-」
発売日:2009年6月29日(月)
価格:3,675円 (税込)

(C)Nitroplus(C)DIGITURBO/HOBiRECORDS
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