『うみねこのなく頃に』ED曲をリリースするJIMANGさんインタ

『うみねこのなく頃に』ED曲「la divina tragedia~魔曲~」が9月16日にリリース! 作詞・作曲&歌唱を担当するJIMANGさんに直撃インタビュー!(前編)

 現在、放送中のアニメ『うみねこのなく頃に』のED曲「la divina tragedia~魔曲~」が9月16日にリリースされる。
「la divina tragedia~魔曲~」の作詞・作曲・歌唱を担当するのはJIMANGさんで、2006年にメジャーデビュー後、シンガーソングライター、DJほか、Revoさん率いるSound Horizonではゲストボーカル、MCを担当するなど幅広い活動で人気のアーティストだ。

 この曲はクラシックやオペラのような壮大さと、サビから一気に転調して速く激しくなるメタルサウンドが融合したサウンドに、JIMANGさんの重厚でエモーショナルなボーカルが響く。

詞の世界観も「登場人物の金蔵をイメージした」と語るように、心の闇や苦悩、狂気、悲哀が入り混じっている。作品の世界に留まらず、自身のメッセージも込められたという詞は深く、作品同様にその真意を読み解く楽しさもあるだろう。

 そんな「la divina tragedia~魔曲~」のリリースを控えたJIMANGさんにインタビューを行った。その模様を2回に分けてお送りする。

前編となる今回は音楽活動を始めたきっかけ、自身の音楽性、盟友とも言えるSound HorizonのRevoさんとの出会いなどについて語ってもらった。

●カラオケのパフォーマンスがきっかけで消防士からミュージシャンへ

――まず音楽活動を始めたきっかけを教えてください。

JIMANGさん:昔、地元の長崎で消防士をやっていた時、友達がバンドをやっていて、ライブでボーカルやってみないかと誘われたのがきっかけかな。それまで音楽を聴くのは好きだったけどやろうとは思っていなかったし、どちらかといえばマンガ家になりたいなと思ったことがあったくらいでしたが、一度、ステージに上がったら自分に合ってるんじゃないかと。

――音楽経験がない、JIMANGさんがどうしてライブに誘われたんでしょうか?

JIMANGさん:カラオケパブのステージでよく僕が歌ったり、バック宙したりして盛り上げているのを見て決めたみたいです(笑)。音楽を本格的にやろうと思っていたら東京のミュジーシャンとツテができて、あるバンドがボーカルを募集している話を聞いて、デモテープを送ったら「じゃあ、やってみる?」と言われ、月に1回、上京してリハーサルなどするようになりました。そのうち、バンドもなくなって、「自分でやらないといけない」と思って、ギターとパソコンを買って、作曲活動をするようになりました。


●ネットラジオを聴いた王様から誘われてSound Horizonに

――ご自身で作詞、作曲を手がけるようになって、表立った音楽活動が始まったのはいつ頃ですか?

JIMANGさん:DECO LECOというバンドを作って、99年に『core 1 style』をリリースしました。僕はピアノを弾きながら歌うスタイルで、R&Bやソウル、アースウィンド&ファイアのようなポップなサウンドをやろうと。バンド活動を始めた頃、インターネットラジオ『じまんぐTHEエンターテイメント』のパーソナリティも始めました。当時は今ほどネットラジオがなかったので、たくさんの人が注目してくれて、メールマガジン登録者も13万人と当時としては破格でした。ネットラジオをやるようになってから僕に対する認知度が上がって、それは大きかったですね。

――大きな出会いの一つとして、現在もゲストボーカルなどで参加しているSound HorizonのRevoさんは欠かせないと思いますがどういう経緯で知り合ったんですか?

JIMANGさん:ネット番組の中で僕が作ったショートストーリーを自分一人で演じるコーナーがあって、語りの部分を聴いたSound Horizonの王様(Revoさん)が僕に関心を持ってくれたようで、「こっちでもやってみない?」と誘ってくれて。そして2003年に自主制作でリリースされたサードアルバム『Lost』に参加することになりました。それがスタートです。そして2004年10月に『Elysion~楽園への前奏曲~』でSound Horizonがメジャーデビューして、翌年にライブをやることが決まって、「観に行きますよ」と言っていたらなぜか出ることになって(笑)。楽曲だけでなく、ライブにも出るようになりました。


●ソロアルバムではラジオで培った物語性と語りで魅力を発揮

――JIMANGさんもSound Horizonと同じレーベルから2006年4月に『じまんぐの世界~胎動~』でメジャーデビューを果たしたんですよね。

JIMANGさん:最初は「語りのアルバムを作ってください」という感じでスタートして、これまでの楽曲をプロデューサーに聴かせて「語り4割、音楽6割で行こう」と。Sound Horizonの音楽も僕の音楽もストーリー性があるのが共通点ですが、それも僕がラジオでショートストーリーをやっていたことを思い出して提案したら、スタッフものってくれて。結果としてこのスタイルが現在にも受け継がれています。

――『じまんぐの世界~胎動~』は全体に一つの世界観が流れ、それぞれの曲が世界観を構築しているようなアルバムだったんですか?

JIMANGさん:10分くらいのショートストーリーを100本くらい書いているんですけど、アルバムでは初代地球連邦大統領という物語が中心になっています。石油が枯渇した時代……僕は2300年としていますが、新しいエネルギーを発見した人が覇権を握り、権力を把握しながらも苦悩していく近未来のお話で。でも舞台が近未来でもメッセージやテーマはあきらめずに生きていくことの尊さなど普遍的なことを一貫して訴えているつもりです。


●ライブでも再現できるサウンドを目指して


――サウンド的にはどういう楽曲になっていたんでしょうか?

JIMANGさん:『じまんぐの世界~胎動~』ではSound Horizonのファンの方も意識してストリングスなど入れたりしましたが、基本は自分がバンドをやっていて、ライブ畑にいた人間なので、ライブでもCDと同じようにパフォーマンスできるような、シンプルなバンドサウンドですね。レコーディングもほとんど一発録りでした。ある意味、ライブそのものという感じで。だからライブを重ねるごとにCDよりもライブのほうが良くなるジレンマがあったりするんですけど(笑)。

――アルバムリリース後の11月にリリースしたライブDVD付きのマキシシングル「じまんぐの世界-Core-」はインディーズチャート5位を記録するヒットとなりましたね。その後、2ndアルバム『じまんぐの世界~Balance~』、サードアルバム『じまんぐの世界~儚きものたちへ~』をリリースして……。

JIMANGさん:3rdアルバムは自分にとってターニングポイントになりました。自分の中のポップな部分をわかりやすく出してみようと。ショートストーリーの中の蓄積されたメッセージが歌詞の中に反映されているんですけど、サウンドでちょっとポップにすることによって伝わりやすくなればいいなと思って作りました。またSound Horizonのライブを見るとSEなどライブに負けない音源なんですよね。CDというメディアをあそこまでエンターテイメントに仕上げたというのは、すごいと思うんです。僕ももっとストリングスやコーラスが聴こえるようにしないといけないと意識した部分もありました。


●圧倒的なライブパフォーマンスで「胡散臭い」と大好評!?

――いろいろな楽器を使った分厚いサウンドとコーラスの多重録音、壮大なスケール感がSound Horizonの持ち味だとすれば、シンプルでライブ感のあるJIMANGさんの楽曲の存在も対極的であり、ボーカルスタイルやパフォーマンスも独特でインパクトがあると思います。だからライブに来てくださる方も多いのでは。

JIMANGさん:それは本当に皆さんのおかげです。僕の声は決してきれいなわけではないし、ジョージマイケルや玉置浩二さんのような、ささやくウィスパーボイスも試してみましたが、皆さんから「胡散臭い」と言われる部分を「もっと胡散臭く!」と求められて、「もっと素でいいのか」と。皆さんの声が蓄積になって、少しずつ自信につながっています。これからも胡散臭さを追求していこうと思います。

――昨年のアニメロサマーライブでのSound Horizonのステージでも存在感が際立っていました。

JIMANGさん:ありがとうございます。皆さんに喜んでいただくようにとリハーサルから考えていますが、Sound Horizonではガチガチに決められた形でなく、ある程度、自由にやらせていただいてるので、そこも感謝しています。


●音楽活動は常に仕事以上の気持ちで

――ソロの音楽活動とSound Horizonへの参加と並行していますが、ご自身にとって影響やプラスな面はありますか?

JIMANGさん:王様から僕に渡される楽曲がポジティブシンキングなものが多くて、感情移入しやすくて、演じている部分がまったくないんです。無理なメッセージでなく、ほろっとくるような。例えば『Roman』に収録された「黄昏の賢者」は、最初は胡散臭く始まるけど、メッセージは素晴らしいもので。それはありがたいなと思うし、お互いにいい大人になっているかなと(笑)。今後も両方でいい音楽をやっていければいいですね。


――音楽活動をしていく上でのこれは譲れないという信念はありますか?

JIMANGさん:消防署をやめて音楽活動を始める時から音楽を仕事モードではやらないと決めていました。音楽をやる時は仕事以上の気持ちで臨もうと。そこは昔から今に至るまで変わらないです。そしてこれからもその気持ちは変わりません。

(後編に続く/9月3日掲載予定)

JIMANG「la divina tragedia~魔曲~」
9月16日発売
1,260円(税込)
発売:フロンティアワークス

>>JIMANG公式サイト
>>アニメ『うみねこのなく頃に』公式サイト

JIMANG「la divina tragedia~魔曲~」

JIMANG「la divina tragedia~魔曲~」

(C)2009 竜騎士07/右代宮一族
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