山本寛監督『私の優しくない先輩』は「ぶっ飛んだ作品になった」

山本寛監督初実写『私の優しくない先輩』撮影現場レポート――ワイヤー宙吊り撮影に挑んだ金田哲さん&川島海荷さんに山本監督「あらゆる意味で“ぶっ飛んだ”作品になった」

 アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』『らき☆すた』『かんなぎ』の山本寛監督による初の実写映画『私の優しくない先輩』。10月1日にクランクインしていた同作が、10月31日、CG合成に使うシーンの撮影現場を公開した。

 『私の優しくない先輩』は、『狂乱家族日記』などの日日日(あきら)さんによる恋愛小説コンテストラブストーリー大賞受賞作が原作。女子高生・西表耶麻子(川島海荷さん)が、大好きな南先輩(入江甚儀さん)へ渡せずに“賞味期限切れ”になっていたラブレターの存在を、苦手な不破先輩(金田哲さん)に知られてしまい、おせっかいな不破先輩が無理矢理「南先輩への告白大作戦」を始めてしまうというラブコメディ。CMやドラマで活躍中の女優・川島海荷さんと、若手お笑いコンビ“はんにゃ”の金田哲さんのダブル主演で、2010年夏に公開が予定されている。


●川島さんと金田さんがワイヤー吊りに挑戦!

 今回はスタジオでの撮影となり、川島さん演じる耶麻子の妄想シーンでは、不破役の金田さんと川島さんがワイヤー吊りに初挑戦。かなりの高さまで吊りあげられた2人は、体を水平に保ったまま手をつなぎ、そのまま空中でくるくると回転。何度もテイクを繰り返す難易度の高い作業となったが、見事に撮影は成功をおさめた。続いては、花火をバックに不破が耶麻子に熱く語るというシーン。CG合成前の現場ではブルーバックのなか、金田さんの声だけが響く。そしてこの日、金田さんがクランクアップ。熱演を終えたばかりの金田さんに、山本監督から花束が贈られた。


●山本監督とキャスト陣のインタビューをお届け!

 撮影後、山本監督をはじめ、川島海荷さん、金田哲さんらメインキャスト陣にインタビュー。全体のクランクアップを前日にひかえ、撮影の感想などを伺った。


――撮影を振り返っての感想をお願いします。

金田哲さん(不破風和 役):今日で僕はクランクアップしちゃったんですけど、終わってほしくないというか、イヤです。終わるのがイヤです。本当に一生の思い出になるくらい、いい秋でした。演じていてどうなるか分からない状況で撮っていることもあったので、出来上がりが楽しみな部分もあります。現場も楽しかったし、仕上がりも楽しみです。

川島海荷さん(西表耶麻子 役):1カ月という短い撮影期間だったんですけど、あっという間のようで長かったなと感じます。初日に雨のシーンを撮っていて、それがもう何カ月も前のようで。そのときはあまり監督とも金田さんとも距離がある感じでしたが、今はこうやって和気あいあいとできていて、すごく楽しい現場だなと思いました。

入江甚儀さん(南愛治 役):最初は雨や台風で撮影できない日がありました。でも、その撮れない日があったからこそ皆さんと頑張る意欲が出てきたのかなと。朝から夜遅くまで、全員がすごく元気で明るい撮影現場でした。またこういう現場に出会えたら嬉しいです。

児玉絹世さん(筧喜久子 役):撮影している裏でもみんなで同じ部屋に集まって、いつもご飯を食べたり、色々な話をしていました。本当に楽しい現場で、全部が思い出に残っています。完成するのがすごく楽しみです。

山本寛監督:大変でした。ほぼオールロケなのに天候に左右されたり、夏の設定なのにけっこう寒かったりとか色々ありまして。冗談じゃなく、『地獄の黙示録』を撮っているコッポラのような気分でした。実写としては新人監督なので、右も左も分からないままオロオロしている僕を、キャストとスタッフの皆さんが本当に支えてくださったなと思います。スタッフの熱い思い、優しい思いがワンカットごとのフィルムに込められているので、それを最終的に仕上げるのは僕の責任。今まさにそのプレッシャーを感じながら、次の作業を考えている次第です。皆さんの期待を反故にしないように、仕上がりまで頑張っていこうと思っています。


――金田さんは本日でクランクアップですが、撮影で苦労されたところは?

金田さん:けっこうハードなことが多かったんですけど、そのなかでも今日のワイヤーはめっちゃ大変でした。すぐに撮れると思っていたのに、裏はこんなに大変なんだと思いまして。僕、CGをナメてました。腰と股間が痛いし、肉体的なキツさは今日が一番です。


――川島さんと金田さんは今回ダブル主演ということで、お互いに共演された印象は?

金田さん:これは撮影中にもずっと言っていたんですけど、「ずっと変わらないでいてほしい」。「空がキレイ~」とか、言っていることが基本的に小学生みたいなんですよ。そのまま純粋な感じを保っていてほしいです。

川島さん:テレビで見るイメージとは違って、普段はおとなしかったりするのかなと思っていたんですが、普段もそのままの金田さんでした。常に笑いを探し求めているというか、大変なシーンでも、ずっと笑っていたりして。話していても楽しかったし、最初は監督から「距離感がある」と言われていたので、だんだんと距離が縮まってきて良かったなと思います。

金田さん:でも最後までかみ合わない2人でした(笑)。

川島さん:かみ合わない役なので、普段でもかみ合わなくていいかなって(笑)。


――キャストの皆さんにお聞きしますが、山本監督は現場ではどんな監督でしたか?

金田さん:アニメをやっている方なので、芸人の僕とは見方も全然違えば、考えていることも違う。しゃべっていて飽きないから面白いですよね。僕は監督としても好きですし、人としても魅力のある方だなと思いました。

川島さん:コメディ作品は今回が初めてだったので、最初は耶麻子のイメージがつかなかったんです。でも監督に表情のアドバイスをいただいたり、ちょっとアニメっぽい動きとかも教えてもらったりしました。最近監督から「表情豊かになったね」って言われたので、そういうところで勉強になったし、日々成長できたかなと思います。

入江さん:昨日も皆さんと話をしていたときに監督の武勇伝をお聞きして、ひとつのものに対してそこまでストイックになれるのは本当に凄いなと。自分も監督に負けないように、俳優として高めていきたいと思いましたね。理想の先輩という役で結構プレッシャーがあったんですけど、監督にたくさんアドバイスをいただけたので、楽しく愛治を演じることができました。

児玉さん:私が演じた喜久子は、ちょっとオカルトっぽいというか、みんなの自然な感じとはちょっと違いました。台本をいただいたときには「すごく暗い子なんだな」と思っていたんですけど、撮影中どんな役なのか不安になったとき、監督に確認したら「喜久子はそれでいいよ」って。すごく安心しましたし、こういった役を演じたのは初めてだったので勉強になりました。

――最後に、山本監督から映画の見どころを。

山本監督:とにかくあらゆる意味で“ぶっ飛んだ”作品になっていると思います。ワンカットごとに大事件、毎日がクライマックスのような作業でした。なにか凄いことが起こっている、そういう意味での手ごたえを強く感じています。2人の主役が、その才能をいかんなく発揮していますので、キャスト陣の輝きを見るだけでも充分に価値のある作品に仕上がっていると思います。仕上がっていなかったら僕の責任です。ぜひ楽しみにしていてください。


映画『私の優しくない先輩』
2010年夏公開予定

<スタッフ>
原作:日日日(あきら)「私の優しくない先輩」(講談社刊行予定)
監督:山本 寛
脚本:大野敏哉
音楽:神前 暁
製作:「私の優しくない先輩」製作委員会
制作:アスミック・エース エンタテインメント、ブロードマークス
配給:ファントム・フィルム

<キャスト>
西表耶麻子:川島海荷
不破風和:金田 哲(はんにゃ)
南 愛治:入江甚儀
筧 喜久子:児玉絹世
小学生時代の耶麻子:永野芽郁
西表美千代:小川菜摘
西表 誠:高田延彦

>>『私の優しくない先輩』公式サイト

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