“引退覚悟で勝負”山本寛監督最新作に向けて「声明文」

山本寛監督“アニメ最新作”は岡田麿里氏&東浩紀氏とのコラボで送るオリジナル作品『フラクタル』“ノイタミナ”で2011年1月放送開始!

声明

アニメについて、随分悩みました。
もう一年以上になるでしょうか。それくらいずっと。

それでも細々とアニメに関わったり、
いろいろなところでアニメについて語ったりし続けましたが、
語れば語るほど、考えれば考えるほど、暗澹たる気持ちでいっぱいになる、
そんな毎日でした。

「もうアニメは駄目かも知れない」
そんな言葉がこっそりと、しかし何度も脳裏を過ぎりました。

しかしやはり、このまま諦めるのは、あまりに後ろめたい。
自分をここまで育ててくれたアニメに、あまりに不義理なのではないか、
最近になって、漸くそう思えるようになりました。
いや、あるいは意地のようなものかも知れません。

犬死覚悟で、もう一本だけアニメを監督してみようと思います。

これは本当の意味で、わが身を賭した勝負となるでしょう。
これが失敗すれば引退も辞さない。覚悟はもうできています。
しかしそれでも、今の皆さんに伝えるべきものがきっとある、
私のことばで伝えなければならないことがある、
そう信じる心、私の中にひとかけらだけ残った、信仰心と言ってもいい、
それを胸にもう一度、もう一度だけ、
アニメを作ろうと決意しました。

どうなるか解りませんが、切なる祈りを込めて。
アニメの未来に光が差す日を夢見て。
『フラクタル』でお会いしましょう。

                                 山本 寛

 この衝撃的な「声明文」は、本日マスコミ向けに送られた山本寛監督の言葉だ。

 ここまでの決意を持って監督が望むアニメ最新作の情報が発表された。その名は『フラクタル』。2011年1月より“ノイタミナ”で放送されるオリジナル作品となる。

 物語は、世界を管理する“フラクタル・システム”が完成し、人類が働かなくても生きていけるようになって千年が経った未来。“フラクタル”が崩壊し始めたある大陸の片隅の島で、少年・クレインが少女・フリュネを助けたことから、冒険に旅立つという、山本監督の“原点”ともいえる冒険ファンタジーだ。

 今回、山本監督とコラボレーションするスタッフも豪華。ストーリー原案には、『動物化するポストモダン―オタクから見た日本社会』などの著書で現代を深く考察、小説『クォンタム・ファミリーズ』が第23回三島由紀夫賞を受賞した東浩紀氏。シリーズ構成には『黒執事II』『CANAAN』『とらドラ!』の岡田麿里氏。キャラクター原案には「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」の左氏。アニメーション制作は『宇宙ショーへようこそ』のA-1 Pictures。プロダクション協力は『BLACK★ROCK SHOOTER』のOrdetとなっている。

 また『ガンガンONLINE』(スクウェア・エニックス)にて9月よりコミカライズ連載も開始される。詳細は続報を待とう!


>>『フラクタル』公式サイト

(C)フラクタル製作委員会
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