
「Japan Expo」でぱすぽ☆がライブだ!――“日本のファンがヲタ芸を伝道!”した興奮の瞬間、そして新たな局面に突入したヨーロッパアイドルシーンをレポート
6月30日から7月3日までの4日間、「Japan Expo 2011 12e Impact」が開催された。「Japan Expo」は毎年この時期にフランス・パリで開催されるマンガ・アニメ・ゲームを始めとする日本のポップカルチャーを紹介するヨーロッパ最大のイベントで今回で12回目の今年は19万人の来場者を見込んでいる。
「Japan Expo」の主な客層は10代後半から20代のマンガ・アニメを見て育った世代であるが、中には50代以上の夫婦や、親子二代で来ているお客さんも見られ、フランスやその近隣諸国の老若男女幅広い層から注目を集めている一大イベントだ。
「Japan Expo」には毎年数組の日本人ミュージシャンが来て、コンサートが開かれることが恒例となっており、2009年にはAKB48ら、昨年2010年にはモーニング娘。らのコンサートがそれぞれ開かれ好評を博した。
2011年の今年はぱすぽ☆、May’n、ゴールデンボンバーらのコンサートが催され、4日間のイベント開催期間中に複数回の公演を行い、日本の音楽文化の伝播に努めた。
ぱすぽ☆は「Japan Expo」での各公演でそれぞれ数百人の観衆を集め、会場を熱狂の渦につつんだ。
フランスでは、日本のアイドルはマンガ・アニメファンを中心に一定の評価を得ており、今回のぱすぽ☆の公演もそれに乗じたものだ。ぱすぽ☆自体はブレイク中のグループでもあり、ヨーロッパではまだ大きな知名度はないが「Japan Expo」にはヨーロッパ全土から日本ファンが集まっており、ヨーロッパで公演を行う日本のアイドルは珍しいことからも「日本から来たアイドルグループ」という触れ込みで、ある程度の集客を見込むことが出来る。
実際のコンサートのお客さんは、「Japan Expo」同様若者がほとんどで、カップルでコンサートを楽しんでいる姿も珍しくない。中にはモーニング娘。やAKB48のグッズを身につけてぱすぽ☆の応援をしているフランス人もいた。
また熱狂的な日本人のファンのグループがぱすぽ☆を応援するために日本からフランスのコンサート会場につめかけていて、曲ごとに異なる合いの手や、手拍子・拍手のタイミングなどの日本式の応援スタイル、いわゆるオタ芸を持ち込んでいた。普段のコンサートではリズムに合わせて体を揺らすだけのフランス人にとって、これらの応援方法は新鮮だったようで、見様見真似で彼らのスタイルを模倣したり、はたまたぱすぽ☆のパフォーマンスよりもオタ芸に気を取られていたりした。
言葉が通じず、お客さんへの細かい指示のできないフランス公演において、彼ら日本人ファンの存在はぱすぽ☆たちにとって、ライブを盛り上げる上で助かっていたのではないだろうか。
マンガ・アニメファンの外国人にとって日本は憧れの国であり、日本の文化に興味をもつきっかけはアニメ・マンガからという人がほとんどだ。だから、海外においてマンガ・アニメとアイドルとの親和性はとても高い。「会いに行けるアイドル」として日本で国民的アイドルにのし上がったAKB48であるが、海外のファンが求めるのは身近さではなく、アニメから飛び出してきたような「カワイイ」アイドルなのかもしれない。
また、モーニング娘。らが築いたと言っても過言ではないヨーロッパにおけるアイドル市場は、長らく日本人アイドルの独擅場であったが、近年では日本と同様、K-POPアイドルの台頭が著しい。そんななか日本のアイドルがどんな頑張りをみせるのかにも注目していきたい。
<取材・文:坂井 拓也>
>>Japan Expo公式サイト(英語)
>>ぱすぽ☆オフィシャルサイト






























