スーパーミュージカル『聖闘士星矢』上演!星矢役の鎌苅健太に直撃

スーパーミュージカル『聖闘士星矢』がついに上演――星矢を演じる鎌苅健太さんが意気込みを語る!

 車田正美氏原作の人気作品『聖闘士星矢』が“スーパーミュージカル『聖闘士星矢』”として舞台化される。

 今作は1987年に公開されたアニメーション映画『聖闘士星矢 邪神エリス』を基にしたストーリーで構成されており、全労済ホール/スペース・ゼロにて7月28日から7月31日の期間中、全8回公演が行われるほか、ニコニコ動画にて舞台の生中継を行なうことが決定している。

 主人公のペガサス星矢を演じるのは、ミュージカル『テニスの王子様』や『エア・ギア』などの熱演でも知られる実力派俳優・鎌苅健太さん。今回のインタビューでは鎌苅さんに、舞台に対する意気込み、見所を語ってもらった。

●「主要のキャラクターの中から自分に近いキャラを選ぶとしたら、100パーセント星矢だなと」

――最初にスーパーミュージカル『聖闘士星矢』の主演の話を頂いたときはどんな気持ちになりましたか?

鎌苅さん(以下鎌苅):名前のある作品ということもあって、最初は星矢をどういう風に演じようかなって考えました。でも、自分が星矢をどう演じるかというよりかは、この舞台がどんな風になるのか、そっちのほうが凄く楽しみだなと。

――鎌苅さんは幼稚園のころから『聖闘士星矢』のアニメを見られていたとか。

鎌苅:はい。見ていました。この作品の舞台に立つに当たって、アニメや映画を見直したんですけど、やっぱりオープニングは覚えてるんですよね。覚えていることが凄いなって。

――それだけインパクトがあったということですもんね。今改めて作品を見た印象はどうでしたか?

鎌苅:“こんなにサクサク進んでたっけ?”“こんなに黄金聖衣(ゴールドクロス)早く出たっけ?”って(笑)。そういう意味では子供の頃に見る印象とは違いましたけど、やっぱり『聖闘士星矢』の魅力は変わらないなと。

――鎌苅さんから見た『聖闘士星矢』の魅力というのは、具体的にどんなところでしょう。

鎌苅:やっぱりキャラ立ちが凄いですね。聖衣(クロス)とギリシャ神話をモチーフにした設定も凄い。俺は水瓶座だから水瓶座のカミュがやっぱり印象的で、“オーロラエクスキュージョン”という技や細かな設定までちゃんと覚えてて──多分、僕に限らず、みんな小さいころは自分がどの星座でどのキャラクターかっていうのを調べたと思うんですよね。そうやって自分のなかにあるものとリンクさせる設定も凄いと思うし、技もキレイだし、魅力的ですよね。

――例えば、鎌苅さんと星矢が人間的にリンクする部分というのはありますか?

鎌苅:う~ん。なんだろう。素直なところかな。俺もどちらかと言えば素直な人間なので、主要のキャラクターの中から自分に近いキャラを選ぶとしたら、100パーセント星矢だなと。一番人間味もありますし、脆さもちゃんとありますし……。あと、俺が一番誇れることは、周りの人に恵まれているということなんですよ。星矢にもそれはあるし、プロデューサーさんも“(星矢は)鎌苅だよ”って言ってくれているので、自分を信じて、自分の演じたいように演じれば星矢になれるんじゃないかなと。

――じゃあ、ある意味演じやすい役でもあります?

鎌苅:そうですね。あまり考えすぎないで、自分の中から出てくるものを大事にしたいなと。良い意味で気負って、良い意味で気負わないようにしたいなと思っています。

――そういう意味でも、やりがいのある舞台になりそうですね。

鎌苅:そうですね。難しさもありますけど、凄く良いものにしたいなと──いや、なるように必ずします。



●“格闘よりも葛藤を見せたい”

――現在稽古に入っているとのことですが、実際稽古に入ってみてまた心境も変わってきたと思います。その辺りはどうでしょう?

鎌苅:「あ、なるほど。こうやって演出するんだな、(演出家の)茅野イサムさんは」という感じですね。今は歌や振りの練習、立ち稽古に入っている段階なんですけど、出演者全員熱気があって、凄く熱いカンパニーが出来たなと。本番までにどこまでアガっていけるのだろうかっていうのが凄く楽しみです。

――稽古で演じているうちに色々な発見があったりもします?

鎌苅:そうですね。少年漫画だから熱いところはもちろんありますけど、ただの格闘アクションにならないように音楽と振りで、上品かつ泥臭い――格闘よりも葛藤を舞台では見せたいなと最近は思っていますね。ただの殴り合いにならないように、キャラクターが動いているだけにならないように、板の上に“人間として”立てるようにしたいなと。

――葛藤のシーンというのは具体的にどんなシーンなんでしょうか。

鎌苅:敵と闘うなかでも色々な出来事があるんですよね。例えば、ただの“痛い・辛い・苦しい”だけじゃなく“友を思う気持ち”を見せられたら良いなとか──そこまでセリフはないんですよ。初めて見るひとのために説明のセリフは少しはありますけど、必要最低限なので、そのなかでいかに魅せれるかっていうのを大切にしたいなと。

――じゃあ目線ひとつが大事になってくる舞台らしい舞台というか。

鎌苅:そうですね。本当にひとつひとつの動きに意味のある舞台になると思います。心の動きが全て分かるような舞台になるんじゃないかなと。あと、踊りとアクションの融合が多い舞台なので、演じていても凄く楽しいです。

――その“踊りとアクションの融合”というのは、今回の格闘シーンのテーマでもありますか。

鎌苅:そうですね。そこが凄く面白いと思いますし、ファンタジーの世界観が出る部分だと思います。

――そういう部分も踏まえて、今作の見所っていうのはどんなところだと思いますか?

鎌苅:ミュージカルなので、やはり音楽を楽しんでもらいたいですね。佐橋俊彦さんが作る音楽が素晴らしいんですよ。凄く耳に残るんです。しかも、その音楽が“ただの音楽”であるだけじゃなくて芝居を膨らます音楽になっていて、そこに本山新之助さんの振りがついてきて──全部がひとつになると凄く面白いものになると思うんですよね。

――やはり歌のシーンはあちこちに出てくるんですか?

鎌苅:多いと思います。ナンバーも多いですし、音楽中に見せる闘いもありますので、ただのアクションにはならないように、自分もたくさん練習しなきゃなと。

――鎌苅さんはココア男。のヴォーカルも務められていますが、舞台で歌うというのはまた違った気持ちですよね?

鎌苅:そうですね。ココア男。のほうがもうちょっと自分に近いと思うんですけど、ミュージカルではもっと役に近付きたいなと思いながら挑むので。舞台ではひとつとして意味のない曲はないですし──だからこそ楽しみですね。

――では、今の意気込みとしてはどうでしょう。

鎌苅:良い意味で原作ファンの方々を裏切れる舞台にしたいですね。さらに、アニメともまた別物になると思いますけど──舞台だからこそ出来ることをしたいなと。もちろん、原作だからこそ、アニメだからこそ見らせれるものもあるんですけど、舞台ならではの強みを作りたいなと思っています。実際僕がマッハ2の拳を撃てるかって言ったら撃てないので(笑)。でも、それを実際に撃っているように見せるのも僕のお仕事なんじゃないかなと思うので、本番までに芝居も歌もダンスもアクションも少しでもクオリティを高めて、見ている人に色々な面を見てもらえるように頑張りますので、ぜひその熱気を感じて欲しいですね。また、舞台を見に来れない人はぜひニコニコ動画で見て欲しいです。ニコニコでしか見れない楽しさもあると思うので、そちらも楽しみにしてて下さい。

<Text:逆井マリ Photo:河井彩美>

>>スーパーミュージカル『聖闘士聖矢』オフィシャルサイト


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