
新宿で再びスペシャルイベント!「『伏 鉄砲娘の捕物帳』公開記念イベント第二弾 宮地昌幸監督×米林宏昌さんトークショー」レポート! 2人の監督が明かす映画制作裏話!
2012年11月3日(土)、東京・テアトル新宿にて、映画『伏 鉄砲娘の捕物帳』公開記念イベントの第2弾として、本作の宮地昌幸監督と、映画『借りぐらしのアリエッティ』で監督を務めた米林宏昌氏(スタジオジブリ)によるトークショーが行われた。
実は宮地監督、かつてスタジオジブリに在籍し、米林氏は先輩にあたる。映画『千と千尋の神隠し』では、宮地監督は監督助手、米林氏は原画として活躍していたのだ。
今回は2人から、長編映画を作る苦労や、制作時における監督の視点などが語られた。イベントは、この日の最終上映後に行われ、観終わったばかりのファン達は興味津々だ。
2大監督によるスペシャルトーク!
●監督からみた長編映画の裏側!
最初の話題「長編映画をやったものが分かる苦労とは?」というもの。宮地監督曰く「作っている期間が、約2年と長いので、色々な人の考えが集まったり、アニメーターさんの力量だったりで、映画が暴れ馬みたいになって、自分の扱えるレベルを超えてくるんです(笑)」という。しかし、そうなればなるほど、映画が生き生きしてくるので、制作の後半は、振り回されながらも手綱を握っている印象だったそうだ。
一方、米林氏は「『アリエッティ』が初の監督作品で、どうにか完成させなきゃという想いでいっぱいでした」とのこと。しかも、最初はイメージボードを作って、企画者である宮崎駿氏にプレゼンテーションしていたが、なかなかOKがでなかったという。
2人の和やかな雰囲気に、会場もまったり!
その後は、脚本を務めた宮崎氏から、どうやって作品を見せていくかを学んだそうだ。例えば、原作でアリエッティが床下にいるところから始まるのだが、それでは画的に地味ということで、映画では草むらからスタートしている。原作では、「外に出るアリエッティ」は見せ場なのだが、それを最初にもってくることで、観客を引きつけているのだ。
この点について宮地監督は、「“映像としての快感”と“文章としての快感”に違いがあるためなんです」とコメントしてくれた。それは映画『伏』でも言えることで、原作で浜路は、冬の日に江戸にやって来ている。だが、引越しといえば春! そして、少女が大人になる時に江戸に出てくる(上京する)となれば、映画では春のほうがいいんじゃないかと考えたそうだ。
●女性主人公を作る男性監督!
また、「男性である2人が、女性を主人公にすることについて」という話題で、米林氏は「僕の中の少女性を出していく様な感じですね(笑)」とコメント。そんな米林氏について、宮地監督は「以前、雨の日に女子高生が傘もささないで自転車に乗っているのを見て、米林さんは、“濡れたかったのかもしれませんね”と言うんです。そういう詩情を持っている人なんです」と話してくれた。
一方、宮地監督は、「男性主人公の作品を多くやってきたんですが、男性だとロジック(論理)で成長物語が語れるんです。だから今度は、アリエッティが翔君に角砂糖を返しに行ったように、女の意地で男の子にものを突っ返すような、女性の繊細な部分に興味がわいていますね」と話してくれた。などなど、さまざまな裏話が明かされ、観客たちも大いに興味深い夜を過ごしたのだった。
なお、映画『伏 鉄砲娘の捕物帳』は、現在上映中で、今週末11月10日(土)には、イベント第3弾も予定されている(※公式サイト参照)。第3弾では、信乃を演じた宮野真守さんの朗読劇、宮地監督も加えた舞台挨拶が行われるとのことなので、こちらも超期待である!
■映画『伏 鉄砲娘の捕物帳』
【キャスト・スタッフ】
浜路/寿美菜子、信乃/宮野真守、冥土/宮本佳那子、道節/小西克幸、船虫/坂本真綾、 凍鶴/水樹奈々、馬加/神谷浩史、家定/野島裕史、
住職/竹中直人、世四郎/劇団ひとり、滝沢馬琴/桂歌丸
原作/桜庭一樹著「伏 贋作・里見八犬伝」(文春文庫刊)
監督/宮地昌幸
脚本/大河内一楼
ビジュアルイメージ/okama
人物設計/橋本誠一
美術監督/吉原俊一郎
美術設計/青木薫
音楽/大島ミチル
主題歌/Chara『蝶々結び』(Ki/oon Music)
アニメーション制作/トムス・エンタテインメント
配給/東京テアトル
>>映画『伏 鉄砲娘の捕物帳』公式サイト
>>寿美菜子と宮本佳那子のふせらじ!






































