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『鈴村健一の超・超人タイツジャイアント』イベントレポート

鈴村健一さん、岩田光央さん、櫻井孝宏さんがガチンコアドリブ舞台に挑む!! 『鈴村健一の超・超人タイツジャイアント~ついにスケジュールがあいました 2012秋~』レポート!

 当サイトで配信中の『鈴村健一の超・超人タイツジャイアント』のプロジェクトの一環、「アドリブ舞台」の第3弾、『鈴村健一の超・超人タイツジャイアント~ついにスケジュールがあいました 2012秋~』が11月10日~11日、東京・ヤマノホールで行われた。共演の岩田光央さんと櫻井孝宏さんとの3人。驚きと感動のステージの模様と、終演後の3人のインタビューをお届けします!

■アドリブ舞台初の3人芝居。コンビニを舞台にコメディ&スリリングな物語を展開!

 『鈴村健一の超・超人タイツジャイアント』のアドリブ舞台は、当サイトで配信中の同名WEB番組から派生するプロジェクトの一つ。鈴村健一さんプロデュースによる舞台で、最低限のアウトラインだけを決めて、あとは出演者同士がアドリブで物語を進めていくもの。番組HPにてキーワードを事前募集、また、当日会場のお客さんから開演前にセリフを紙に書いてもらい、それを直前に回収。そのセリフを入れたバックを各出演者は肩に掛け、芝居の中でアットランダムに引いたセリフを発して、話をつなげていく。舞台上で演技力に対応力、構成力が求められる究極のガチンコステージ!

 前作ではアパートに隣り合う2人という設定だったが、今回はコンビニエンスストアの店内で起きるシチュエーションドラマ。今までのアドリブ舞台に全て出演している岩田光央さん、櫻井孝宏さんを迎えて、今回は初めて3人が同時に出演するステージに挑戦! 

 2日目・昼公演では、コンビニエンスストアのアルバイト店員役を櫻井さん、私立探偵役を鈴村さん、コンビニにやってくる謎の男役を岩田さんの配役。

 ドレッドヘアでまるでヒッピーのような衣装とメイクで登場した櫻井さんに会場は爆笑。そこにお客さんと自動ドアから現れた鈴村さんは黒のスーツの上下にサングラス、帽子と松田優作そのまま。開店したばかりのコンビニの店内で、店員と探偵のトボけたトークが繰り広げられる。櫻井さんのチャラ男風の言動に、鈴村さんはツッコミまくり。そこにハンチング帽にセーター姿の岩田さんがキョロキョロあたりを見渡す。その外見と挙動不審な行動は昭和ドラマによく出てくる泥棒像だ。ちなみに衣装やメイクも出演者自身が決めて、お互いにステージで顔を合わせるまでわからない。

 レジにいる店員に「金を出せ!」と要求するが、探偵に取り押さえられ、あえなく失敗。探偵は「なぜこんなことしたのか?」と問い詰めると、ペットの手術費用捻出のために翌日までに現金が必要だったと明かす。情にほだされた探偵は男に金を貸すことに。一見落着かと思いきや、男が店を出ようとすると電流が流れ、阻止される。泥棒を捕らえた時に、店員が付けたブレスレットが関係しているらしい。困惑する3人の前に警察官が訪れる。絶体絶命! その時、3人がとった行動とは?

 櫻井さんの飛び道具のようなキャラ、鈴村さんが常に冷静に行動しながらも、バックから次々にセリフの紙を引いて浴びせるセリフとそのシーンのミスマッチぶり、そこに一人シリアスな状況に置かれる岩田さんという3人の絶妙なバランスがおもしろい。
 また引いたセリフとシーンがピッタリ重なった時も。岩田さんが「このコンビニは何でツナおにぎりばっかりなんですか?」とアドリブで言うと、鈴村さんがバックから引いた紙がなんと「ツナマヨおにぎり」。これにはお客さんも拍手喝采で、鈴村さんもすごく気持ち良さそうだった。

 コメディテイストで進んだ舞台だったが事態は意外な方向へ、そして予期せぬ結末へ。まさかサイバーパンク的な局面になるとは……。

 3人の卓越した役者力、予想できないストーリー、会場全体でステージを作るライブ感など、楽しくも刺激的なステージだった。またコンビニ店内のマンガ雑誌、お菓子、水などの商品も実は特製だったり、店名など細部へのこだわりも感じられた。まったく予定調和のない、演じる側も観る側も楽しみつつもドキドキする最高にエキサイティングなアドリブ舞台に魅せられた役者達のステージをぜひその目で観てほしい。

■終演後インタビュー

──まず公演を終えての感想をお聞かせください。
鈴村健一さん:アドリブ舞台は3回目となりますが、遂に念願だった3人芝居が実現しました。テンション上げ上げでやってきましたが、やっぱり3人っていいな、と。今まで2人でやってきたアドリブ舞台とはまったく違ったものになって、心強い仲間がいてくれることの素晴らしさと、みんなで作り上げていく舞台なんだということを改めて感じました。一緒に舞台に上がってくれた最高の仲間に感謝してます。

岩田光央さん:面白いですね。3人になると、2人芝居の時よりも頭脳を回転させなくてはいけない場面が多くて。特に3回目(11日昼)の公演では謎の男役で、出番が2人より10分遅くて、2対1みたいな形になるのでバランスを考えながら出なきゃいけなくて、非常にしびれました。ただ、自分を試される場であることは変わらなくて、ドMの僕としてはこういう追い詰められる状況はやりがいを感じます。ドSの鈴村君も喜んでいるのがおもしろいなと(笑)。

鈴村さん:ドSは言うなればドMですから。自分に対してドSになるので(笑)。

櫻井孝宏さん:2人と3人では単に1人増えたというだけでなく、色々な要素が絡み合ってくるので、遊びの幅が増す分難しくなりますね。2人がどんなキャラで、どんなアプローチでくるのか、それを本番で初めて知るわけですから。あっという間に時間が過ぎていくので、上演中の集中力は半端ないですよ。めちゃくちゃ疲れるんですけど、その疲労感が心地良くもあります。客席の皆さんの笑い声がエネルギーになってます。何より出演させてもらえることが最高の喜びですね。

──公演の中で印象に残っているシーンやエピソードを教えてください。
鈴村さん:お客さんからアンケートに書いてもらった言葉を、そのままセリフに換えるスタイルをこれまでやってきましたが、毎回奇跡がいっぱい起きるんですよね。一番ビックリしたのは2日目(11日)の昼公演で、岩田さんが「このコンビニは何でツナおにぎりばっかりなんですか?」とアドリブで言った後、僕がバックから引いた紙が「ツナマヨおにぎり」で。見えない何かに呼ばれて、僕らはセリフを紡いでいるのかなと思うと奇跡を感じてしまいます。

岩田さん:昨日(10日)の夜から今朝にかけて面白かったです。とにかく頭を使うので、昨日の夜公演が終わった後、とにかく眠くて。お風呂に入って、ビールを飲んで、酔ってすぐにベットに入ったのに眠りが浅いんです。一度、フル回転した頭はそう簡単には落ち着かないみたいで、夢の中にこの舞台が現れたり、何度も目を覚ましたりして。なかなかない経験でした。

櫻井さん:岩田さんの毎公演のビジュアル完成度が高すぎです(笑)。僕は毎回、このアドリブ舞台では奇をてらったことをしているんですけど、岩田さんのリアリティに負けました。2日目の昼公演なんて、正に“THE泥棒”と太鼓判を押せるほどのクオリティでしたね。

──最後にこのアドリブ舞台の魅力、面白さとは?
櫻井さん:毎回、お客さんも含めて、そこにいる人たちにしか作れない、ライブ感溢れるステージですね。あの、手に汗握る緊張感と楽しさはクセになるし、それがこのイベントの醍醐味だと思います。

岩田さん:実験的であり、ヘタをするとコケるリスクも孕んだ企画ですが、座長の鈴村君の志の高さに触発されて、僕も櫻井君もいい舞台を作ろうと全力を出し切れるんです。その結果、お客さんも僕らも予想がつかない空間になるのかなと。やっている僕らも頭フル回転ですが、お客さんもイメージが膨らんで気持ちが豊かになれると思うので、見たことがない方はぜひ一度見てほしいです。今後またやらせていただく機会があるなら、役者の引き出しに詰め込んでいく日々もいっそう楽しくなりそうです。

鈴村さん:まずご来場頂いた皆さん、素敵な空間を作って頂き、ありがとうございました。僕らも作っていて楽しいけど、すごく難しい企画で、スタッフさん、共演者の皆さん、見て頂くお客さんに支えられて、毎回奇跡のステージが生まれ、ここまで続けて来れました。今回、初めて見に来たという方が沢山いらっしゃいました。「アドリブ舞台」というと、何かハードルや敷居の高さを感じてしまうのかもしれません。でも一度、会場で見ていただければ、100%笑っていただいて、100%心に何か残って、何かを持って帰っていただけるイベントだと自負しています。今後もライフワークとして続けていくつもりですので、次回公演がありましたらぜひ遊びに来てください。損はさせません!

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