榊原ゆいさんアルバム『LOVE×Singles 2』インタビュー

2007年以降自社シングルリリースの楽曲をふんだんに収録! 榊原ゆいさんシングルコレクション『LOVE×Singles 2』インタビュー

 昨夏に発売したアルバム『Fractal』から5ヶ月。今年第1弾となる便りが“ゆいにゃん”こと榊原ゆいさんから届けられた。それが、07年に出したシングル『Far Away』以降自社レーベルでリリースになったシングル曲たちをコンプリートした2013年1月30日(水)発売の『LOVE×Singles 2』。3月30日(土)には、赤坂BLITZを舞台に「Battle★LOVE×Live2013」の開催も決定!! さっそく今回も、彼女の言葉へ心を傾けてください。

●LOVE×TRAXレーベルからリリースしたシングル曲を集めた、シングル・コレクション作品になっています。

――これまでにも榊原さんは、かなりの数のシングルをリリースしてきましたが、このシングルコレクションはどのようなコンセプトになっているのでしょうか?

榊原ゆいさん(以下、榊原):LOVE×TRAXレーベルからリリースしたシングル曲のみをコンプリートした、シングル・コレクション作品になっています。

――歩み続けてきた形を一つにまとめあげるのは、榊原さんにとっても嬉しいことですよね!

榊原:嬉しいですよ! 一枚目の『LOVE×Singles』のときもそうだったんですけど、LOVE×TRAXレーベルから出している楽曲って、私が作詞/作曲をしている歌が多いんです。だから今回も、それぞれの曲たちを作っていた頃のことをいろいろ思いだしながら、こうやって1枚の作品にまとめあげていきました。

――PCゲームのタイアップ歌が多いように、収録した曲たちは、ゲーム作品の世界観へ寄り添った形で誕生しています。その結果として、非常に感情/曲調豊かな歌たちが中からあふれ出しました。

榊原:この作品は、それぞれにテーマ性を持って作ったシングル作品を、発売した順番に並べてあるように、大体が、共通した2曲の世界観を描いたうえで次の表情へ変わってゆく流れになっています。なので、最後に新曲の『Kyuru-Run☆Star』を入れ、全体的なバランスも考えながら制作していきました。

――そうは言いつつ、いい流れも描いてますよね。『Fly Away』『アイノウタ』とPCゲーム『Figurehead』の世界観が続いたあとに、『宇宙(そら)』繋がりで『SHINING STAR』が流れたり。

榊原:たまたまですけどね(笑)。でも『Let's start now』以降の曲たちは、作品は違っていても、同じシリーズだから、世界観が一致してるなとは思います。『LOVE×Singles 2』には、もうシングル盤として手に入らない楽曲も入ってるんですけど、今でもライブで唄うことがあって。当時手に出来なかった人たちにも、最近ファンになってくれた人たちにも改めて「ぜひ聴いて!!」という想いがあるんです。もちろん、新曲も入っているので、「また新たな気持ちで聴いていただけるのもいいんじゃないか!!」という想いも込めて、1枚にまとめてみました。

●やっぱり、「みんながどんな反応をしてくれるのか」が一番の楽しみでもあるから。

――収録した曲たちの大半が“作品のテーマ曲”。やはり、物語へ寄り添ったほうが楽曲のイメージも具現化しやすい形なのでしょうか?

榊原:まず作品があって、その作品の中でイメージを作り上げていく。そういう“縛り”があったほうが作っていて楽しいんです。それに、作品の物語に紐付いた主題歌やエンディング曲のほうが、ゲームをプレイしたうえで聴いてくれる人たちにとっては嬉しいことじゃないですか。改めて楽曲を聞きながら、プレイした物語のことを思い返して「あっ、この歌詞はここのことなんだ」って共感してくれたり、言葉の中から、重なる場面や想いを見つけてくれたり。

 もちろん、ゲームをプレイしてない方が聴いても、「いい歌」だと思ってもらえるように作ってはいるんですけど。やっぱり、ゲームに寄り添ってこそのテーマ曲と言いますか。「あっ、ゆいにゃんはこのことを言ってたのか」「この歌詞は、この場面だ」と見つけ出してくれる事が、作り手側の醍醐味かなって。そういう聴き方をしてもらえると、より嬉しいですね。

――オリジナル曲の場合は、どんな想いを投影していくことが多いんですか?

榊原:『LOVE×Singles 2』で言うなら、冬の時期をテーマに作った『Happy⇔Lucky X'mas♪』や『I remember』のように、オリジナル曲に関しては、自分がそのときに好きなことを表現していて、自由度は高いです。「何でも自由に」ってわけでもなく、「どうやったらライブで盛り上がるかな?」とか、ライブで楽しんでるみんなの笑顔や、聴いてるときにグッとくる想いなどを想像しながら作っています。そうやって作ることが、わたしは楽しいので……。

――聴いてくれる人たちの想いや反応を意識してるってことですね。

榊原:そうなんです。なんか、みんなの顔を思い浮かべながら作ることがすごく好きで。毎年9月に開催しているバースデー・ライブもそうですけど。毎回のセットリストを考えるときも、「ここでこの曲が来たら絶対に感動するよね」「ここで怒濤のこの曲たちが続いたらさ、みんなウワーッ!! と思うよね」と、想像を巡らせながら作り上げたり。やっぱり、「みんながどんな反応をしてくれるのか」が一番の楽しみでもあるから、オリジナル曲でも、そういうのを考えながら作るのが好きみたいです(笑)。

●わたしの場合、ゲームをプレイしていただいたほうが、より作品とリンクして楽曲の世界観を楽しめると思います。

――榊原さんの場合、作品の世界観へ完全に寄り添っている楽曲が主軸ですけど。中には、物語の世界観を覚えつつも、自身の心模様を感じられる歌もありません?

榊原:作品のテーマ曲を唄う場合、ヒロインの声も演じさせていただくことが多いので、その場合は、ヒロインの気持ちに寄り添って書きますね。そうじゃないときは、出来るだけシナリオや資料に目を通し、主人公やヒロインの気持ちになるようにしています。基本は作品の世界観重視ですが、テーマによってはわたしの気持ちと重なりあうところがあって、そういう風に聞こえるんだと思います。

 もう一つ気を付けているのが、さきほども言いましたが、ゲームをプレイしていなくとも、その物語に登場する人たちの気持ちが伝わっていくことなんです。感情の描写の仕方によっては、聴いてる人たちの気持ちにも重なりやすいのかなとは想像します。それでもわたしの場合、ゲームをプレイしていただいたほうが、より作品とリンクして楽曲の世界観を楽しめるように作っているので、ぜひゲームも楽しんで欲しいなと思っています。

●新曲に求めたのは、魔女っ子萌え系!!

――『LOVE×Singles 2』には、新曲『Kyuru-Run☆Star』が収録されていますが、この歌、思いっきり弾けた“萌えソング”になっていますよね。まさに、榊原さんに似合う曲調と言いますか。

榊原:先にもう1曲のことを語っても良いですか(笑)?

――どうぞ、どうぞ。

榊原:PCゲーム『Chaos Labyrinth』の主題歌として発売した『Desire』は、疾走感のあるダークめな楽曲です。この歌をフル・バージョンで収録したので、こちらもお得だと思います。新曲の『Kyuru-Run☆Star』は、ジャケットに映し出したイメージをもとに作った楽曲なんですけど。モチーフにしたのが「魔法少女」なんです。

――あっ、魔法少女ですか。

榊原:魔法少女と言っても、最近の魔女っ子は、正義や、仲間と一緒にという形が多いと思うんですけど。わたしが求めたのは、少し前の魔法少女のイメージなんです。作品で言ったら『クリィミーマミ』や『魔女っ子メグちゃん』みたいな。昔の魔法少女作品の歌って、けっこうワガママな、小悪魔的な歌詞が多いんです。『キューティーハニー』など、あっち(セクシー正義)系もそうなんですけど。そういうのが好きだから、小悪魔的な魔法少女のイメージを、キュンキュンとした萌え系の楽曲と可愛いメロディーラインに乗せて表現しました。

楽曲制作をお願いしたのが、PHANTASMでいつもお世話になっている林(達志)さん。林さんご自身も「キュンキュンソングの依頼が来ちゃった」と悪戦苦闘されたみたいですが(笑)、PHANTASMに於けるダークコンビががんばって作りあげたまさかのキュンキュンソングが、ここに誕生しました(笑)。

――榊原さんって、萌えや電波系ナンバーもすごく似合う人じゃないですか!

榊原:わたし自身が好きですからね。でもわたしの場合、可愛いチックな歌はあっても、意外と、キュンキュンとした電波系ソングって、過去をさかのぼってもあまりないんです。自分でも「意外にその手の歌って少ないんだなぁ」と思ったことから、「じゃあ、キュンキュンなの作っちゃえ!!」みたいな(笑)。

このジャケットに映っている姿も、超がんばって“ブリっ子”していますからね(笑)。でも、ジャケットのイメージに合わせて、可愛い服からセクシーな洋服、格好いい系など、いろんな洋服の七変化ができることも、毎回のアルバム制作の楽しみのひとつですね。

――『Kyuru-Run☆Star』の歌詞に記した内容もそうですけど、榊原さんの場合、ただ可愛いだけじゃなく、そこへセクシーなスパイスを詰め込んでいるところが、魅力をつかさどってゆくポイントだなぁと感じます。

榊原:格好いいセクシー系の方がわたしの性にあってるのは、自分でもわかっていて(笑)。もちろん、可愛い系も好きなんですけど、あまり自分のキャラじゃないと思っています……が(笑)、みなさんが「可愛い」と言ってくださるのであれば、今後もがんばります。ただし、その反応の弱さ次第では無くなるかも知れませんから(笑)。

――そこは、ファンの方の声次第なんですね。

榊原:わたしも、ファンの方たちも、同じことをずっとやってると飽きちゃうと思うんです。だから、いろんなことを表現しながら、ときには意表を突いたり。そういうサプライズなこともあったほうが、一緒に過ごしていても1年がアッと言う間に過ぎて、それを楽しんでくうちに「こんなに年月が経ってたんだ」となれるんですね。そういう関係がいいなとわたしは思っています。

●今回のライブで行うのが「ゆいにゃん曲VSゆいにゃん曲」なんです(笑)。

――榊原さんは、ファンの人たちの声をとても大切にしていらっしゃいますよね。

榊原:はい、もちろん!ただ、表現していくうえで、わたしのやりたい事100%でも、ファンの方が求める想い100%でも、なんか違うと思うんですね。わたしの場合、身近に寄せられるファンの方々の声を参考にしつつ、「次、どういったことが求められているのか?!」「どういうことをしたら喜んでもらえるのか?」と、自分の中でいろいろ消化したうえで、そこへ自分のやりたいことを加えていくのが楽しいんです。こうやって長く続けていくうえでも、そのバランス感はすごく大事じゃないかと思っています。

――ファンたちの期待に応えつつも、嬉しい裏切りも見せてくような?

榊原:そうなんです。そのぶん、裏切るときは“最強に格好よく楽しく裏切ろう!”と思ってるんですけど(笑)。3月30日(土)に赤坂BLITZで開催する「Battle★LOVE×Live2013」では、今年も「ファン参加型」の企画を行います。タイトルにも「Battle★LOVE×Live」と付けてるように、今回行うのが「ゆいにゃん曲VSゆいにゃん曲」なんです。

――「ゆいにゃん曲VSゆいにゃん曲」?

榊原:はい。今回のライブで歌う楽曲をテーマごとに2曲一組で並べ、「並べた2曲のうち、この春はどっちを聞きたい?」とファンの方々に選んでもらおうと思っていて。セットリストはわたしが用意するんですけど。1曲ごとに対比する2曲を並べ、それをみんなから選んでもらう形を取ることで、みんなも早い時期から、一緒にライブを作りあげてゆくことへ参加していけるじゃないですか。そうすることで、すごく面白いライブになりそうと思って。

 しかも、どっちの曲が選ばれたかの結果は、当日のライブに足を運ばないとわからない。だけど、ライブへ行く前に、どの曲を聴いて楽しめば良いのかの予習は出来るじゃないですか。その按配がこの楽しさだと思うんですよね。

――榊原さんの場合、ライブで演ることを想定し得る楽曲が膨大だから、それは嬉しい楽しみ方かもしれませんね!

榊原:ライブって、知ってる曲のほうが楽しめるじゃないですか。しかも、「投票した曲が流れるかも!」と思ったら、「あっ、そっちかー!」みたいな楽しみ方もできる。そうやって楽しみが膨らんでいくことも、ライブの醍醐味かなと思っています。



●CD+DVD合わせて3990円で発売します。

――ライブと言えば、『LOVE×Singles 2』には、2011年に中野サンプラザで行った「Happy☆LOVE×ライブ2011」の模様をおさめたLIVE DVDも収録になっています。これ、すっごい嬉しいボリュームじゃないですか?

榊原:当日の模様がほとんど収録になっているように、3時間というボリュームになっています(笑)。ただし、すでに一昨年のライブになることや、みんなにも榊原ゆいのライブの楽しさを知って欲しいことから、CD+DVD合わせて3,990円で発売します。

――それ、すごくお得じゃないですか!?

榊原:今回の作品はとくに、榊原ゆいのことを多くの人たちに知って欲しいからこそ超お得な、スペシャルな形で届けたいなーと思って。と言うか、わたしがその値段を見てビックリして、思わずメーカーの方に「この数字間違ってません?!」と聴いてしまったくらい(笑)。この日のライブは、初ゲストになるDJ SHIMAMURAくんとコラボレートし、超熱い盛り上がりを作ったライブだったので、ぜひ観ていただけたらと思います。

――今年も榊原さんは、いろんなことを仕掛けていくんでしょうね。

榊原:今年もイベントやライブ、CDのリリースなども重ねながら、「気が付いたらアッと言う間の1年だった」と思ってもらえる活動をしていきたいと思います。今年も、バースデー・ライブに向けたアルバムを無事に出せるのか?!ということも含めて頑張りたいと思います(笑)。

◆ベストアルバム『LOVE×Singles2』/榊原ゆい
発売日:2013年1月30日(水)
価格:CD+DVD 3,990円(税込)
発売元:LOVE×TRAX
販売元:メディアファクトリー

【収録内容】
[CD]
1.「Far Away」(PCゲーム『Figurehead』主題歌)
2.「アイノウタ」(PCゲーム『Figurehead』EDテーマ)
3.「SHINING STAR」(PS2ソフト『いつか、届く、あの空に。~陽の道と緋の昏と~』2nd OPテーマ)
4.「Marionette」(PCゲーム『PYGMALION』主題歌)
5.「背徳の円舞曲」(PCゲーム『PYGMALION』EDテーマ)
6.「Happy⇔Lucky X'mas♪」
7.「I remembers」
8.「Let's start now」(PCゲーム『空を仰ぎて雲たかく』主題歌)
9.「I don‘t wanna forget」(PCゲーム『空を仰ぎて雲たかく』EDテーマ)
10.「Blue mind」(PCゲーム『時を奏でる円舞曲』主題歌)
11.「eternity」(PCゲーム『時を奏でる円舞曲』EDテーマ)
12.「Desire」(PCゲーム『Chaos Labyrinth』主題歌)
13.「Kyuru-Run☆Star」(新曲)

[DVD]
・『Happy☆LOVE×ライブ2011』感動のライブ映像を収録!
※一部収録されないパートがございます。


>>榊原ゆいOfficialWebsite「LOVE×TRAX」

[インタビュー&文・長澤智典]

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