映画
『アニメミライ2014 Next Stage』イベントレポ

西川貴教さん&吉田尚記アナウンサーがアニメの未来を熱く語る! 『アニメミライ2014 Next Stage』イベントレポート

 2010年から文化庁によって行われている日本の若手アニメーター人材育成プロジェクト、『アニメミライ』。今回、これまでの『アニメミライ』プロジェクトで制作された全12作品のDVDレンタルが開始されることを記念し、2014年1月22日、東京・TSUTAYA TOKYO ROPPONGIにて『アニメミライ2014 Next Stage』が開催された。

 ステージ内容は、アニメミライの広報大使である「T.M.Revolution」の西川貴教さん、とニッポン放送の吉田尚記アナウンサーによるスペシャルトークショーに加え、アニメミライに関する新たな発表もあるという非常に豪華なもの。本稿では、そのイベントの様子をお届けしていこう。

●会場を圧倒する西川さんのコアなアニメトークで幕が開く!

 割れんばかりの拍手の中で西川さんが登場し、ステージがスタート。まずは司会進行を務める吉田アナからアニメミライという企画の概要が語られる中、西川さんのエンジンはいきなり全開に。アニメの制作スタジオの名前が挙がると、「『進撃の巨人』の裏で、制作協力の(Production)I.Gさんが2つも3つもアニメを請け負っていたり、(WIT STUDIOで同時進行していた)劇場用の『ハル』はどうなっているのかなと心配しながら観ていました」とアニメスタジオに対するコアなアニメファンならではのエピソードを明かし、「これ会場のお客さんついてこれてます?」あまりの濃い話題に、思わず吉田アナが心配をするという面白い一幕も観ることができた。

 次の「これまでのアニメミライ作品の中で一番印象的だったものは?」という吉田アナの質問に対して西川さんは、海外を中心に大きな反響を呼んだ吉成曜監督の『リトルウィッチアカデミア』をチョイス。あまりにも滑らかな動きに西川さん自身も「描いてるなぁ~!」と思わず声をあげるほどに質が高いアニメーションが特徴の作品で、自主制作映画の資金を募る用途などに使われる海外のクラウドファンディング『Kickstarter』では、続編を望む約8000人のファンから62万ドルもの資金が集まったという。今後の続編に関しては、文化庁からではなく市場から資金を集め、新たなビジネスとしてのアニメ制作を目指すとのことで、「アニメミライってこんな事業もやっているんだと、知るきっかけになってもらえれば」と、大きな期待を寄せていた。

 続いて『アニメミライ2014』で制作された作品についての話題に。『イヴの時間』で知られる吉浦康裕監督が手がける『アルモニ』、ドラえもんのテレビ・劇場シリーズに長期に渡り参加しているベテランアニメーター・渡辺歩監督の『大きい一年生と小さな二年生』、売り出し中の若手アニメーター・今井一暁監督の『パロルのみらい島』、『ベルセルク 黄金時代編』をはじめ、名だたるヒット作の作画監督を長年勤めてきた恩田尚之氏の初監督作品となる『黒の栖-クロノス-』と、さまざまな経歴をもつ監督達が参加し、若手のアニメーターと一緒に作品を作り上げているという。

 中でも34名のクラスメイト全員の個性をガヤでの会話の中に詰め込んでいるという『アルモニ』については、「我々の世界におけるマルチトラックレコーディングのようなもので、4分30秒の中で1回しか使われないものが、全てがさっと詰まれて絵になっている」と、T.M.Revolutionの西川貴教さんならでは例え話でその凄さを表現し、会場を納得させていた。

 そしてここでいよいよ、今回初めて明かされる新情報の発表に。これまで放映・劇場公開などの手続きをそれぞれのアニメスタジオが自ら行っていた手間を一括して受け持ち、収益の分配や管理などの運営のため「一般社団法人 アニメミライ」が設立されることが、西川さんの口から明らかにされた。若手アニメーターが海外のイベントに出演するための旅費を負担したり、グッズ展開における権利の管理や企画を一括して受け持つことで、今後は「アニメミライ」のビジネスをより大きく、潤滑に進めることができるようになるという。

 今回のDVDレンタルも、このアニメミライの設立と、カルチュア・コンビニエンス・クラブからの協力の申し出があってはじめて可能になったとのこと。その他にも、テレビ局や出版社の枠を超え、競合関係にある企業が同じサポーターとして名を連ねて協力しあっており、「本当にありがたいお話」と、大使である西川さんも終始感激しきっている様子だった。その一方で会場となったTSUTAYA TOKYO ROPPONGIに対しては、「ウチのCDをあんまりおいてくれてないんですよね……」と寂しそうにぽつり。「テレビ朝日が近いからかな?」と六本木ならではの立地を使ったネタも折り込み、会場の笑いを誘っていた。

 最後に西川さんが「皆様も支援もあってここまで4年間、アニメミライを続けることができました。テレビや映画のスタッフに、これまで参加された方々の名前が増えているのを見るのは僕自身嬉しいですし、そういった応援していこうという気持ちを、次の方々に橋渡ししていく。それが僕達の仕事なんじゃないかと思っています」と本企画への強い想いを語る形で締めくくり、大喝采の中ステージは幕を閉じた。

 なお、2014年1月22日から全国のTUTAYAでレンタルが開始されたのは、『アニメミライ 2013』において制作された4作品で、残る8作品の内『2012』は同年2月19日、『2011』は同年3月5日からのレンタル開始となる。『2014』の4作品については、同年3月1日よりTOHシネマズ六本木ヒルズ他にて劇場公開が予定されている。

 有望な若手アニメーターが多数参加した、アニメのミライを感ることのできる作品の数々。レンタルによって容易に手にとることができるようになったこの機会、アニメファンに是非手にとってみてほしい。

【アニメミライ2014 作品情報】
●「アルモニ」

監督:吉浦康裕
作画監督:碇谷敦
 スタジオ:ウルトラスーパーピクチャーズ

●「大きい一年生と小さな二年生」
 監督:渡辺歩、
 作画監督:松井啓一郎
 スタジオ:A-1Pictures

●「パロルのみらい島」
 監督:今井一暁
 作画監督:亀田祥倫
 スタジオ:シンエイ動画

●「黒の栖 -クロノス-」
 監督:恩田尚之
 作画監督:清水保行
 スタジオ:STUDIO4℃


>>「アニメミライ」公式サイト

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