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劇場アニメ『楽園追放』キックオフイベントレポート

神谷浩史さんの出演が発表され、公開日も明らかとなった、劇場アニメ『楽園追放 -Expelled from Paradise-』キックオフイベントレポート

 2014年3月21日(金)、東京の映画館「新宿バルト9」において、劇場アニメ作品『楽園追放 -Expelled from Paradise-』(以下、『楽園追放』)のキックオフイベントが開催された。

 本イベントにはアニメ制作スタッフとして、監督の水島精二さん、脚本の虚淵玄さん、プロデューサーの野口光一さん、キャラクターデザインの齋藤将嗣さん、造形ディレクターの横川和政さんらが登壇。現在製作中の『楽園追放』の製作裏話や、今後の展望などを話してくれた。

 さらにステージにおいて、新キャストとして神谷浩史さんの出演が発表、加えて劇場公開日が2014年11月15日となったことが明らかにされた。本稿では、そんなイベントで発表された情報を、製作陣のトーク内容とあわせてお届けしていく。

●公開日が2014年11月15日に決定! 神谷浩史さんの出演も明らかに

 まずは、野口さんによる企画概要の説明が行われた。野口さんによると、『楽園追放』の企画がスタートしたのは今から5年前(2009年)のことだったそうだ。企画当初は“メッセージ性の強い作品”の構想を思い描いており「虚淵さんの短編小説『敵は海賊』に感銘を受けて、ぜひこの人と仕事をしたいと感じました」(野口さん)といった理由から、虚淵さんへと声がかけられたらしい。

 また、全編3D映像で製作されている本作だが、この方針は最初の時点から決定していたようだ。2年前に行われたマチ★アソビでは『楽園追放』の造形展示が行われていたが、これは3Dアニメーションの制作手順として、先に造形を制作することからプロジェクトがスタートしたためだと、野口さんは語る。これは、ディズニーのアニメ映画を制作する、ピクサーと同様の制作手法だ。前編3Dアニメ作品が増え始めた昨今においても、珍しい制作手順と言えるかもしれない。

 そんな、野口さんによる事前知識解説が終了すると、水島監督や虚淵さんらがステージへと登壇。続けて、明日より劇場で上映される30秒の予告映像が、スクリーンに上映された。以前に行われたマチ★アソビでは90秒の予告映像が上映されたが、今回の映像にはそれとは別の新規カットが挿入されている。興味がある人は、劇場へと足を運んだ際にチェックしてみよう。



 映像が終了すると、続けて新情報の発表が行われた。今回明らかにされた新キャストの神谷浩史さんが、どんなキャラクターとして出演するのかは、今後の発表待ちだ。なお、公開館は「増える可能性もある」とのことなので、こちらも今後の情報に期待したい。

▲マチ★アソビで公開されたフィギュア

▲マチ★アソビで公開されたフィギュア

●謎のベールに包まれた『楽園追放』の一端が、ついに明らかに

 ここからは、製作の内側へと迫るクロストーク・セッションが行われることとなった。まずは、虚淵さんによる簡単なストーリーの解説から。こちらは、以下に虚淵さんが話した内容を要約して掲載する。


虚淵さん
 映像の中では、荒野とか砂漠ばかりが映っていましたが、これは地球の環境がぶっ潰れた後だからです。ポスターには摩訶不思議空間が映っていたりしますが、これは地球は住めなくなった人類が移住した電脳空間。主人公のアンジェラさんは、そんな電脳空間の住人です。

 ある時、地球から電脳空間へとハッキングが仕掛けられました。アンジェラは体だけがクローニングで再生され、その捜査をするために地上へと降り立つ……。というようなお話です。

 現在のところ、細かな情報は発表されていない本作だが、このあらすじを聞くだけでも、色々と想像ができそうだ。現在公開されている予告映像も設定を聞いた上で観ると、また違った印象が浮かび上がってくるかもしれない。

 現在公開されているキャラクターには、主人公の「アンジェラ」のほかに、謎の男性キャラキター「ディンゴ」も存在する。虚淵さんによると「人類のうち数%は、電脳空間のシステムを管理するために必要ですから、地上で原始的な生活を営んでいます。ディンゴもそのひとりで、いわゆる地上の案内役的な存在にあたる。という感じですね」とのこと。虚淵さんは本作を「バディもの」と位置づけているとの言葉もあり、この「アンジェラ」と「ディンゴ」の関係は、作品のキモの部分になりそうだ。

 ストーリーだけでなく、全編3Dで制作される本作の技術面についても話された。水島監督は、本作の映像について「作り始めた時点では、全編3Dの作品なんてないだろうと思っていたら、(『楽園追放』を)作っている間に色々とやられてしまって(笑)。これはその後に出すものですから、より進化した技術で、より良いものを提供したいです」と語り、そのクオリティに自信を示した。

 製作の内情に関しては、メカデザインにはかなりの苦労があったらしく「アーハン(アンジェラが搭乗するロボット)なんかは、デザインを3Dに起こしたらコックピットが入りきらなくなったりして。後から立体の検証なんかをしてもらって、いろいろと頑張って、後からなんとかしました」(水島さん)とのこと。やはり、無駄なく変形するロボットの設計には、専門家の力が必要になるようだ。

 ひとしきりのトークが終わると、サプライズで「アンジェラ」の等身大(?)フィギュアが登場。非常に高いクオリティは写真をご覧になっていただければお分かりいただけるかとは思うが、注目ポイントは“胸”にある。そう……このフィギュアの胸部分だけは、人肌を再現した特別製となっているのだ。

 そして、代わる代わるヒロインの胸をもんでいく製作陣。なんだか、別のイベントなんじゃないかとカン違いしそうである。

▲虚淵さんの豪快なも揉みっぷりを御覧ください

▲虚淵さんの豪快なも揉みっぷりを御覧ください

 なお、当フィギュアは別の機会に展示が予定されているが、残念ながら胸に触れることはできない。いつか、我々にもその果実へと触れられる日がやってくることを、心の底で願っておこう。

 そして最後に、来場者へのプレゼント抽選が行われ、本イベントは終了となった。なお明日から開催される「アニメジャパン2014」の東映アニメーションブースには、ここで公開された「アンジェラ」フィギュアも展示されるとのこと。残念ながら、実に残念ながら、触ることは許されないので、その点はご留意いただきたい。

■『楽園追放 - Expelled from Paradise -』
2014年11月15日 劇場公開!

【スタッフ】
原作:ニトロプラス・東映アニメーション
脚本:虚淵玄(ニトロプラス)
監督:水島精二
キャラクターデザイン:斎藤将嗣
メインコンセプト&ビジュアルデザイン:上津康義
メカニックデザイン:石垣純哉
スカルプチャーデザイン:浅井真紀
グラフィックデザイン:草野剛
設定孝証・コンセプトデザイン:小倉信也
絵コンテ:水島精二、京田知己
CG監督:金子友昭、阿尾直樹
造形ディレクター:横川和政
色彩設定:村田恵里子
モニターグラフィックス:宮原洋平(カプセル)、佐藤菜津子
美術監督:野村正信(美峰)
撮影監督:林コージロー
編集:吉武将人
音響監督:三間雅文(テクノサウンド)
音響効果:倉橋静男(テクノサウンド)
音楽:NARASAKI
アニメーションプロデューサー:吉岡宏起
プロデューサー:野口光一
アニメーション制作:グラフィニカ
企画・製作:東映アニメーション

【キャスト】
アンジェラ・バルザック:釘宮理恵
ディンゴ(ザリク・カジワラ):三木眞一郎
ほか


>>『楽園追放 - Expelled from Paradise -』公式サイト

(C)東映アニメーション・ニトロプラス/楽園追放ソサイエティ
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