二人になって再出発のStarmarieが語る!(前編)

海外のアニソン・フェスティバルへの想いから、新アルバムの全曲コメントまで、二人になって再出発のStarmarieが語る!(前編)

昨年より、積極的に海外でもライブ活動を行い始めているStarmarie。活動から6年目を迎え、存在感も音楽性も、さらにワンステップ飛躍。その姿を投影したのが、発売して間もないアルバム『ファンタジーワールド3』。が、そのアルバム・リリースを記念したTSUTAYA O-EASTでのワンマン公演前日に、唯一のスターティング・メンバーだった青木栞の脱退が発表された。翌日のワンマン・ライブは二人で実施。そのときに二人が舞台上で語ったのが……。

今年に入り、海外公演、大阪ツアー、アルバム発売、ワンマン・ライブ、さらにメンバーの脱退といろんなニュースが飛び交っているStarmarie。二人に、海外公演に賭ける想いや青木栞の脱退までの心境を聞きました。

前半では、海外公演での様子と、最新アルバム『ファンタジーワールド3』の話をお伝えします。気になる脱退の真相については、後編のインタビュー記事までお待ちください。


■ 海外のフェスティバルを通したStarmarieに対する反応は!?

――今年3月に海外公演を実施。5月1日には、フィリピンで行われるフェス「BOA SUMMER LIVE!」への出演も決定しています。最近のStarmarie、積極的に海外公演を行い始めていませんか!?

高森紫乃(以下、紫乃):昨年、ロサンゼンスで行われたアニメ・フェスティバルへ出たことをきっかけに、その後、フィリピンで開催になったアニメ・フェスティバルにも昨年参加。そして今年は、テキサスで開催になった「サウス・バイ・サウス・ウェスト」という音楽フェスティバルと、同じく、ニューヨークで行われた「ジャパン・ナイト」と題した音楽イベントに参加と、3回目となった今年は、日本の音楽を紹介するフェスティバルに出演してきました。5月1日にふたたび出演するフィリピンでのフェスティバルは、アニメ系になります。

――毎回、趣旨の異なるフェスティバルでライブを行っていますけど。イベントごとの反響を、メンバーはどのように受け止めているのでしょうか??

紫乃:ライブでの盛り上がりという面では、日本も海外の人たちも熱狂的なように、そこは同じだと思います。ただアニメ系フェスティバル会場の場合、衣装姿で歩いてると写真を撮られる比率は高くなります。テキサスで行われたフェスティバルのときは、音楽フェスという理由もあるんでしょうけど、写真を撮ることよりも、みんな夢中になってCDを買ってくれてました。そこに、アニメフェスと音楽フェスの違いを感じてます。

――音楽フェスティバルでは、まわりはみんなバンドさんという環境でしょ。そこへアイドルが出演するのは、かなり異色だったんじゃない??

紫乃:そうなんです。出演しているのはバンドさんばかりだから、Starmarieのようなアイドル・グループが一緒に出てるのはすごく珍しい感じでした。

面白かったのが、お客さんの反応なんです。アニメ系のフェスティバルだと和装やゴスロリ系衣装のほうがウケやすいんですけど、音楽フェスではドレス系衣装のほうがウケが良かったこと。多かったのが「君らはBABY METALなのか!?」って質問。

木下望(以下、望):多かったー!!一人や二人にそう聞かれるどころか、何人もの人に「君らはBABY METAL??」と聞かれたんです。「向こうも三人組だし。それだけBABY METALの名前が海外に浸透してるんだなぁ」というのにビックリしました。

紫乃:音楽フェスだと、Starmarieの持ち曲の中でもロックな要素の強い楽曲ほど反応が良いんです。『お化け屋敷に就職しよう』を唄うと、すごく反響が高いんですよ。アニメ系フェスでは『綺麗なレオナの肖像』とか明るい曲のウケがいいですね。

テキサスの音楽フェスでは最初からノリノリだったけど。ニューヨークで開催になった音楽フェスでは、最初は様子見をしながら、曲が進むごとにどんどんノッてくる感じでした。あと、ニューヨークでは写真を撮っている人たちも多かったんです。

望:ニューヨークでは、最前列の人たちみんな写真を撮ってたし。中には、ズーッとファインダー越しでしかライブを観てない人までいたくらい、写真や映像を撮り続けている人たちもニューヨーク公演では多かったです。

紫乃:日本の場合、自分たちが盛り上がることが最優先だけど。ロスやフィリピンでは、自由に撮影していい理由もあるのか、写真や動画をズーッと撮っている人たちも多いんです。場所やライブの内容によっていろいろ違うなぁというのは、ホント、行くたびに感じますね。

■ ダークファンタジーな物語を唄うことがStarmarieの個性!!

――Starmarieは、積極的に海外へと視野を向けていますよね。

紫乃:海外も活動の一つの場にしていきたいとは思っています。

――なぜ、その戦略を打ち出し始めたのかの理由も気になります。

紫乃:これだけ沢山のアイドル・グループがいる中、「Starmarieは海外でも積極的に活動している」という色が個性を打ち出す一つの強みになっていけたらなという想いもあります。なので、今後も積極的に海外で活動はしていきたいと思ってます。

――でも、英語は…。

2人:しゃべれません(笑)。

望:しゃべれるように勉強します。

紫乃:最近では、ようやく多少は言葉を聞き取れるようにもなってきたんですけど。たとえ意味をわかったとしても、ちゃんと言葉で返せない。とくに物販のときに、握手をしながら会話をしていくって大事だからこそ、もっともっと英語を勉強しなきゃとは思ってるんですけど…。

――むしろ、海外のファンたちのほうが日本語を知ってるんじゃない??

望:そうなんですよ。「ありがとう」は当たり前。普通に、みんな日本語で話しかけてくれるからすごく嬉しいんです。

紫乃:でも、そこに甘えてちゃ駄目なんですよね。

――先にも言ってましたが、海外の場合は激しい楽曲のほうがウケやすいんですか??

望:そうなんです。今回の海外ライブでは、『お化け屋敷に就職しよう』のウケが一番良かったです。

紫乃:海外公演も増やしたいけど。同時に、昨年より積極的に行っている大阪でのライブ活動も含め、4月には北海道にも行ったように、地方でのライブ活動も増やしていきたいなと思ってます。

――今や、日本全国に数多くのアイドル・グループが存在しています。その中で、どう自分たちの個性を発揮していくのか!?その辺は、どう考えてます??

望:Starmarieの曲って、ホントに人がいっぱい死んでるんですよ。そういう曲を唄うグループってうちらしか居ないと思うので、そこを、もっといろんな人たちに知ってもらえたらなと思います。

紫乃:他にはない、ダークファンタジーな物語を歌った歌詞はStarmarieの強みだからね。

――でも、海外の人には、なかなか歌詞を伝えるのは難しいよね。

紫乃:そうなんですよ。海外公演では、表情などで必死に歌詞の内容や想いを伝えようとするんですけど。歌詞を理解してもらうまではなかなか難しいことなんです。だから、歌詞カードを配るとかやったほうがいいのかも知れないですよね。

■ アルバム『ファンタジーワールド3』、駆け足で一気に全曲解説!!

――ここからは、最新アルバム『ファンタジーワールド3』の話に移ります。このアルバムには、エレクトロな要素からギター・サウンドの効いた激しい曲、メッセージ性の強いバラード曲など、いろんな表情を詰め込んでいます。もしやこのアルバム、国内のファンたちはもちろん、海外の人たちの耳も意識していた面はあったのでしょうか??

紫乃:直接その話を聞いたわけではないから、本当のところはわかんないですけど。収録したいろんな曲調を聞いてると、海外受けを狙った面もあると思います。

望:なんか、ありそうな感じだよね。

――1曲目を飾ったのは、シュールなニュース番組のキャスター,ハマムラ氏が登場する『グッモーニンッ!!ハマムラSHOW』です。

紫乃:最初にタイトルを聞いたときにはビックリしたよね。

望:この曲、とても早口で唄ってるから、唄うのが大変なんです。

紫乃:歌詞の最後に♪ファンタジーワールド3へいってらっしゃい♪という言葉も出てくるように、アルバムでも導入部に当たる曲なんです。きっと、ライブでも1曲目に唄うことが多くなっていくのかな??

――2曲目は、『帝王の華麗なアリバイ』。これ、主役となっているのが…。

望:2時間ドラマの帝王です。

紫乃:のんちゃんが社長と同じ車に乗って帰ったときに、「新曲ではどんな歌詞を唄いたい!?」という話をしていたそうなんです。そのときに、何故かのんちゃんが最近見たサスペンス・ドラマの話をし出したんだよね。

望:そうなんです。のん、サスペンス・ドラマとか好きなんですよ。だから社長に「サスペンス・ドラマみたいな歌詞がいい」と言ったら、♪まるで2時間のドラマ♪という歌詞も出てくるこの歌が出来上がりました。

紫乃:歌詞で♪主婦のハートをワシ掴みした2時間ドラマの帝王♪と唄うと、お客さんたちの間からも若干の笑いが起こるんですよ。

望:みんな、「2時間ドラマの帝王ってあの人か…」って想像してるみたい。

紫乃:そこに面白さがあったりもします。

――3曲目の『本田教授のダイイングメッセージ』は…。

望:もう、ライブでもお馴染み曲です。

紫乃:みんなも、すごく盛り上がってくれるからね。



――4曲目は、何処かセンチメンタルな表情から一転、一気に切なさを持って躍動していく『狂おしき月下の舞踏会』が流れ出します。

紫乃:この曲は、二人とも大好きな押しナンバーです。

望:歌詞も曲も、のんは一番好きかも…。

紫乃:歌詞の内容もStarmarieっぽい、ちょっとダークファンタジー系なんですけど。人が死んじゃうんではなく、心の闇を歌ってるというか、こういうダークファンタジーな世界も好きなんです。

望:覚えやすいメロディーの歌だしね。

――5曲目は、『パペットマニア/Mr.Joeと秘密の館』になります。

紫乃:これは、初めて海外の作曲家の方に書いていただいた曲になりました。最初に聞いたとき、みんなで「レディーガガっぽい曲」という話もしてました。わたし的には、♪左見て政治家先生~♪のパートの、のんの唄い方がめちゃくちゃツボなんですよ。

望:「海外のシンガーっぽく歌って」と言われたから、自分なりに海外のシンガーっぽく歌ったら、そこへ変なノリが出ちゃったみたいなんです。

紫乃:「日本語なんだけど英語っぽく」って言われて歌ったところが、すごく面白くって、この歌のポイントになっています。この曲も、これまでのStarmarieにはない感じの楽曲になったなと思います。

――6曲目は、激しく疾走してゆくエレクトロなダンスポップ・チューン『宇宙人なりのテーマパーク考察』になります。

望:これ、すっごいStarmarieって感じがする。

紫乃:間奏の部分にモゴモゴしゃべってるところがあるんですけど、そこを担当したのはわたしなんです。ここでは、すっごい早口でしゃべってます。

望:のんもそこは挑戦したんだけど、一行も早く読めなくて脱落しました。

紫乃:その間奏の部分をがんばったので、ぜひ聞いて欲しいです。

――7曲目は、『ママは天才ギタリスト』です。

紫乃:この曲は、ぶっ飛んでます!!

望:でも、好きです。

紫乃:こういう、テンポも良くってギターの音も強力なバンドっぽい曲は、きっと海外のイベントではウケが良さそうだなと思いました。

――8曲目に流れてきたのは、エレクトロポップな『恋するボーカロイド』。

紫乃:これは、Starmarieらしい明るいファンタジー系の楽曲です。

望:『綺麗なレオナの肖像』を作ってくれた方が手がけたように、この手の曲って、海外のイベントでもすっごいウケそうな気がする。

紫乃:今やボーカロイドって世界的にも有名な存在だし。ぜひ、歌詞も含めて伝えていきたい楽曲です。

――9曲目は、過去の戦争の悲劇を歌った、バラードナンバー『あの日から生まれた日から』になります。

望:Starmarieにとって2曲目となるバラードです。

紫乃:もぅ4年近く前に出した『賢者のローブ』がバラードとしては1曲目になるから、本当に久しぶりのバラードなんです。

望:最初、この曲をアルバムに入れるか入れないかでプロデューサーが迷っていたんですけど。結果的に入れて良かったなと思います。

紫乃:この曲を入れたことで感動も生まれたみたいな。歌詞が切ないんですけど。でも、すごく現実味を持った切なさを、この曲では歌っています。

――10曲目は、ダンサブルでトランシーな『さよならお弁当』になります。

望:これ、すでにライブでも演ってるんですけど。ファンの人たちが「いいね」と言ってくれる人気の高い歌です。

紫乃:『浦薬剤研究所の新薬実験』や『モノマネ師ネロ』『涙のパン工場「コンセル・カマタ」』を作ってくださった方に、今回もこの曲を作っていただいたんですけど。どの曲もトランスっぽい音の要素を取り込んでいるように、『さよならお弁当』も、ライブで盛り上がるのに相応しい新たな鉄板曲になりそうです。

――最後を飾ったのが、『ぐらんぱぐらんぱ』になりました。

紫乃:これを聞いてると、ほっこりします。

紫乃:Starmarieの曲って変な振りが多いんですけど。この曲は可愛い振りが多いから、ファンの人たちにも「可愛い振りだよね」と言ってもらえることが多いんです。

望:この歌詞が、超いいんですよ。歌詞にはぜひ注目してもらいたいです。

――完成した『ファンタジーワールド3』に対して、どんな手応えを覚えています??

紫乃:どれも違う曲調だから、いろんな場所やイベントの特色に合わせて、いろんな風にセットリストを組んでいける。そういう曲がたくさん増えました。


前編では、海外公演での想いや、最新アルバム『ファンタジーワールド3』の魅力について語っていただきました。後編では、青木栞脱退についての二人の想いを記します。では、続きを待っていてくださいね。

TEXT:長澤智典

《CD》

『ファンタジーワールド3』
01. グッモーニンッ!! ハマムラSHOW
02. 帝王の華麗なアリバイ
03. 本田教授のダイイングメッセージ
04. 狂おしき月下の舞踏会
05. パペットマニアMr.Joeと秘密の館
06. 宇宙人なりのテーマパーク考察
07. ママは天才ギタリスト
08. 恋するボーカロイド
09. あの日から産まれた日から
10. さよならお弁当
11. ぐらんぱぐらんぱ

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