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WEAVERが歌う『山田くんと7人の魔女』OPテーマの魅力に迫る

「とにかく耳に残るフレーズを探した」──TVアニメ『山田くんと7人の魔女』OP「くちづけDiamond」歌うWEAVERに直撃!

 3人組ピアノロックバンド・WEAVERの1年振りとなるニューシングルが5月20日(水)にリリース! 人気アニメ『山田くんと7人の魔女』のオープニングを彩っている『くちづけDiamond』をタイトルに、C/Wには映画『ライアの祈り』主題歌として書き下ろされた『Beloved』、全国ツアーで一足先に披露されていた新曲『Inception』、初回盤には元電気グルーヴの砂原良徳氏とタッグを組んだ新曲『Time Piece』を収録している。

 アニメファンからも“神曲”などと賞賛を受けている『くちづけDiamond』は、キャリア初となるアニメタイアップソングである。どんな想いで制作に挑んだのか、伺った。


●「ロンドンで暮らした意味があったと思える作品に」(河邉)

――現在、WEAVER Live House TOUR 2015 「Bring A Diamond ~Sing Like Dancing In Your Home!!~」を回られている最中ですが、ツアーはいかがですか?

杉本雄治さん(以下、杉本/ボーカル&ピアノ):もちろんですが今までで一番良いツアーになっています。今回のツアーは初めての地、久しぶりに行く場所ばかりなので、音源でしか聴いたことない方や長い間ライブを観てない方には今のWEAVERはこんなにも進化してるんだ、と感じてもらえるツアーになってると思います。

奥野翔太さん(以下、奥野/ベース&コーラス):なかなかライブをしに行けてなかったところや、初めての場所ばかり回っているので、ファンのみなさんの熱気がすごくて、本当に来て良かった!またすぐに会いにきたい!って思えるライブばかりです。どんな場所で、どんな人たちが僕らの音楽を待っていてくれているのかを直に感じることで初めてわかることもたくさんあります。こういうツアーは今後も定期的にしていきたいですね。

河邉徹さん(以下、河邉/ドラム&コーラス):3年ぶり、2度目の全国ライブハウスツアーです。前回より一回一回、ちゃんと世界観を伝えられるツアーになっているかなと思います。今回のツアーは初めて行く場所も多く、それぞれの会場で反応が違ってそれも楽しんでます。ライブは生ものだなと改めて実感してます。


――今作は、『こっちを向いてよ』1年振りの新作となります。まずは、この1年を振り返ってみるといかがでしょうか。そして、どんな気持ちで新作に向かっていったのでしょうか。

杉本:やはり去年はロンドン留学で日本での活動が減ってしまったので、今年はこのシングルで今まで応援してくれてる方はもちろん、もっとたくさんの人の心を掴みに行くんだという意気込みが詰まった作品になっています。

奥野:デビュー5周年、そして半年間のロンドン留学と、間違いなくWEAVERのキャリアの中でターニングポイントとなる一年だったなと思います。去年一年は次のステージに進むためのインプットの一年、そして今年はそれを遺憾なく発散して、ライブも制作も、責めの一年にするつもりです。

河邉:1年前はロンドンにいたということで、この1年はこのバンドにとって大きな変化のある1年だったと思います。今年は日本にいるので、どんどんライブや音源で自分たちの音楽を届けていきたいと思っています。そんな中でも『くちづけDiamond』は、きっと多くの人に聴いてもらえるという僕たちの期待が込められた歌になっています。


――やはりロンドンでの経験が新作には活かされていますか?

杉本:3曲目『inception』はロンドンに行って最初に出来た曲です。渡英した最初の一ヶ月はなかなか音楽ができる環境が作れず、デビューしてからどれほど自分たちが恵まれた環境にいたかを痛感しました。それと同時に音楽が出来るありがたさを感じ、バンドを始めた頃のような衝動をこの曲には詰めれたんじゃないかと思います。まさにロンドン留学がなければ出来なかった曲です。

奥野:留学を経ての単純な技術面での成長はもちろん、物事の考え方をより柔軟に考えた上で自分たちのやりたいことをやる、という精神面での変化が、このシングルの楽曲のバラエティーの豊かさに繋がっているかなと思います。

河邉:海外で暮らしたことで、今まであった崩せない価値観のようなものを変えられた気がします。何事をフラットに見られるようになったというか。今回もそんな気持ちがあったからこんな曲ができたのかと思います。5月20日に発売されるシングルには初回盤に4曲入っていますが、ほぼ英語の詞の曲があるなど、ロンドンで暮らした意味があったと思える作品になりました。


――『やまじょ』のオープニングのお話をもらったときの率直なご感想を教えて下さい。また、アニメを観た感想もお願いします。

杉本:やはり今までのリスナーとは違う層の方々に聴いてもらえるチャンスだと思ったので、とても嬉しかったです。アニメは主人公の中身が入れ替わるという割と古風な設定ですが、ストーリーのスピード感だったりPOPな要素が飽きさせないですし、エッチなシーンも女性目線で描かれてるのがあっさりとしてて楽しんで観れるので一話が本当にあっという間です。

奥野:最初はアニメ曲は得てしてハッピーでカラフルでポップなものだというイメージがあったので、留学後の初のシングルとしてWEAVERが見せていきたい音楽性と、そことの共存がうまく出来るのか不安な部分はありました。でも杉本がこの曲なら大丈夫だと自信を持って、この『くちづけDiamond』の元となる曲を出してきてくれたので、挑戦してみよう、ということになりました。

河邉:もともと知っていた作品だったのでそのアニメのオープニング曲を担当できるというのは嬉しく思いました。ただ自分たちの持ち味とアニメの世界がうまく合わさるところがないと、みんなが楽しめる曲に仕上がらないだろうなとも思いました。アニメは第一話から観てますが、そんな懸念もクリアできた、とても良いオープニングになったなと思います。毎週楽しんで観てます!



――初のアニメタイアップとは思えないほど、軽快なリズムとエモーショナルなピアノが作品のイメージとマッチングしていて、特にサビのファルセットがクセになります。アニメタイアップを作るということを意識されて、いつもとは違った制作方法をとられたのでしょうか。

杉本:今回もともとあった曲をアニメに合うPOPさだったり、オープニング曲ということで何か新しいストーリーが始まるような高揚感を意識してアレンジし直しました。元々はサビがなかったり、もっとUKサウンドを意識して作ってたのですが、そこへJ-POPのテイストをうまく混ぜれたのではないかと思います。

奥野:やはりアニメ曲としては一度で覚えてしまえるキャッチーさはキーになる部分だと思うのですが、このサビはまさしくそこを意識して作られているなあと感じます。歌詞との相性もいいですね。

河邉:『くちづけDiamond』はデモの段階ではサビもない曲でしたが、アニメタイアップが決まってからサビがつきました。そして、タイトルにもなっている『くちづけDiamond』という言葉ですが、アニメでもキスがキーワードになっているので、そうした世界観の共有ができたらと思い、そんな言葉が出てきました。


――あえて“くちづけ”というはんなりとした響きを選んだ理由は?

河邉:アニメでもキスがキーワードになっていたので、そこからインスピレーションを受けました。歌詞はいつも曲ができた後に書くのでメロディーとの相性もありますが、とにかく耳に残るフレーズを探した結果でした。ポップに聴こえますが、ちゃんと書きたいことを書けた満足のいく歌詞になりました。


●「ポップな楽曲に、いかに毒をもるか」(奥野)

――レコーディングはいかがでしたか? エピソードなどがあれば教えて下さい。

杉本:『くちづけDiamond』は河野圭さんにプロデュースしていただいたのですが、レコーディング前にも一緒にスタジオに入ってその場でアレンジを詰めていきました。メンバーそれぞれ新たな発見もありましたし、レコーディング後ご飯にも行って音楽業界の裏話などもいろいろ聞かせてもらいとても楽しい現場でした。

奥野:レコーディングに向けて、編曲をしてくださった河野さんと一緒にスタジオに入ってアレンジをしていく作業が新鮮で楽しかったです。ポップな楽曲に、いかに毒をもるか、というところを突き詰めていきました。

河邉:今回のレコーディングはアレンジャーに河野さんを迎えての作業でした。4人でスタジオに入り、様々なフレーズを実際に演奏してみて、どちらが良いかを比べたり、とてもバンドらしい作業で刺激的でした。


●「ストーリーと自分の想いがピタッと一致」(奥野)



――カップリングには、2015年初夏ロードショーの映画『ライアの祈り』主題歌『Beloved『』が収録されています。この曲のコンセプトを教えて下さい。

杉本:最近はライブの演出や照明、パフォーマンスも込みで作る楽曲が多いので派手になりがちなのですが、この曲に関してはどこにいても目の前にいる人に歌だけで気持ちを伝えられる、シンプルでストレートな曲にしたいという想いの中この映画のお話をいただき、ストーリーと自分の想いがピタッと一致して出来ました。


――また、『Time Piece』では、元電気グルーヴの砂原良徳氏とタッグを組まれています。砂原さんとはどんなお話をされたのでしょうか。制作エピソードと合わせて教えて下さい。

杉本:この曲は昨年のツアーでも披露したのですが、エレクトロ色が強い楽曲でレコーディングも今までと全然違うアプローチをしたかったので打ち込みが得意なプロデューサーとやりたいと思っていました。その中で砂原さんのデジタルの派手さだけでなく浮遊感のあるノスタルジックな空気感が、この曲と合うと思いお願いしました。2度お会いしてミックス作業などしましたが、シンセの使い方だったり僕の好きなアーティストと共演した時の話など聞けてすごく刺激的でした。


――アニメそのものには以前から興味を持たれていたのでしょうか。好きなアニメソングなどがあれば、その理由と合わせて教えて下さい。

杉本:アニメはあまり観ないですが、最近だと『魔法少女まどかマギカ』は面白かったです。ストーリーも伏線がたくさんあって引き込まれましたし、それと相まって後半に行くにつれテーマ曲のコネクトがストーリーとリンクして凄くゾクゾクする曲になりました。

奥野:アニメはよく見ます。『化物語』の『君の知らない物語』は好きです。作品とのリンク感も良かったし、アニメソングの良心が詰まってる気がします

河邉:幼い頃に観てた『ドラゴンボール』やワンピースの歌などは、当時の思い出もあって、今でも聴くとわくわくしますね。比較的最近の歌ではガリレオガリレイの『青い栞』が好きです。『あの花』(あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。)を泣きながら観てたことを思い出します。


●「アニメのサウンドトラックを作りたいです」(杉本)

――ところで、『やまじょ』の舞台は高校ですが、WEAVERも高校で結成されています。話は遡ってしまいますが、みなさんはどんな高校時代を送られていたのでしょうか。

杉本:誰とでも仲良くやってましたが、集団が苦手で1人でみんなとは違う事ばかりしてました。早くから音楽家になるんだと決めていたので高校もあまり行ってませんでしたが、先生が「こいつはここに留めるよりも早く社会に出した方が良い」と無事卒業させてもらいました(笑)。

奥野:軽音楽部がなかったので、街のスタジオを借りて、みんなが部活や遊びに費やす時間をバンドに費やしていました。逆にもし軽音楽部があったら、バンドはただの部活で終わってしまっていたかもしれません。

河邉:特に目立つことのない、教室の端っこにいたタイプだと思います。部活の盛んな学校でしたが、部活に入ってませんでしたので。放課後に街のスタジオの行くのが楽しみでした。


――また、何度も聞かれているお話だとは思うのですが、なぜギターレスという形を選んだのでしょうか。

奥野:元々はもう一人メンバーもいて、杉本もギターを弾いていたいわゆるツインギターバンドだったのですが、大学進学の際その彼が脱退したのを機に、杉本が昔からやっていたピアノに転向して今の形になりました。スリーピースギターバンドという選択肢もあったのですが、自分たちのやりたい音楽像を考えた時、スリーピースピアノバンドという編成を選ぶことになりました。

――メンバー3人のなかで入れ替われるとしたら、誰と入れ替わりたいですか?理由も合わせて教えて下さい。

杉本:奥野。1番平和そうだから。

奥野:杉本。単純に自分がボーカルでバンマスのバンドをやってみたいです。

河邉:杉本くんに入れ替わって、絶対音感というのを経験してみたいですね!


――コンセプチュアルなミュージックビデオは、オープニングの映像とはまた違った魅力があって、釘づけになりました。撮影はいかがでしたか?

杉本:以前は衣装もセットアップのスーツを着る事が多かったのですが、ビジュアルも含めいろんな面で今までのWEAVERとは違う新しい面を出せるよう意識しました。今回も演奏シーンはもちろんしっかり撮りましたが、今まであまりなかったメンバーのクスッとなるような短いアクションシーンもあって、撮っていて楽しかったです。撮影のスタッフさんもデビュー当時お世話になった方が多く、凄く良い雰囲気の撮影でした。

奥野:監督の志賀さんが本当に才能溢れる方で、絵コンテでの打ち合わせの段階から色んなアイデアが飛び交っていて、とても楽しく積極的に参加することができました。とてもいいミュージックビデオになったと思います。

河邉:とても楽しい撮影でした。演奏シーンだけでなく、今回は少し変わったシーンも撮っていたこともあって、現場は良い雰囲気でした。監督の志賀さんとはデビュー当時に一緒に作品を作って以来だったので、今回一緒にできたことも嬉しいです。アイデアと才能が溢れる素晴らしい監督です。



――アニメの世界へと踏み込んで、また新しい武器を手に入れたWEAVERですが、今後挑戦してみたいことはありますか。

杉本:アニメのサウンドトラックを作りたいです。ぜひよろしくお願いします!(笑)

奥野:最近ライブで他のアーティストと自分たちの曲のマッシュアップ(2つの曲のインストトラックとボーカルトラックを混ぜ合わせる技法)をよくやるんですが、マッシュアップアルバムとか楽しそうですね。著作権とか大変そうですが笑。単純に他のアーティストのカバー曲集とかもいつかやりたいです。

河邉:アニメのファンの方の中でも、バンドのライブに行ったことがないという方もいるかもしれません。そういう方にとっての新しい楽しみへの入り口になれたらすごく嬉しいなと思います。


[取材&文・逆井マリ]


■シングル「くちづけDiamond」
発売日:2015年5月20日(水)

【初回盤】
M1.くちづけDiamond <TVアニメ「山田くんと7人の魔女」オープニングテーマ>
M2.Beloved <映画「ライアの祈り」主題歌>
M3.Inception
M4.Time Piece

価格:1,700円(tax out) 
品番:AZZS-34
形態:CD+DVD

[初回盤DVD収録内容]
(1)2015年3月31日(火) WEAVER Special Live 2015「Guess What!? We Have A Guest!! WEAVER × ゲスの極み乙女。」at 恵比寿LIQUIDROOM LIVE映像
1.夢じゃないこの世界
2.Shall we dance
3.君と僕のテーマソング
4.2次元銀河
5.Beloved

(2)「くちづけDiamond」ミュージックビデオ

[初回盤特典]
1『山田くんと7人の魔女』描き下ろしイラストワイドキャップステッカー
2ダイアモンドカットスリーブ&メンバージャケットカード

【通常盤】
M1.くちづけDiamond <TVアニメ『山田くんと7人の魔女』オープニングテーマ>
M2.Beloved <映画『ライアの祈り』主題歌>
M3.Inception

価格:1,200円(tax out)
品番:AZCS-2042
形態:CD only
通常盤特典:
1『山田くんと7人の魔女』描き下ろしイラストワイドキャップステッカー (初回プレス分のみ)
2『山田くんと7人の魔女』封入ステッカー (初回プレス分のみ)

【予約/購入特典】
・「くちづけDiamond」オリジナルクリアファイル(A5サイズ)
(対象CDショップ&オンラインショップ)タワーレコード、ASMART

・「山田くんと7人の魔女」描き下ろしイラストミニポスター
(対象ショップ)アニメイト、ゲーマーズ

【WEAVER Live House TOUR 2015会場予約/購入特典】
会場限定アザージャケットカード(直筆メッセージ入り)


>>シングル「くちづけDiamond」特設サイト
>> WEAVER Official Site
>> TVアニメ『山田くんと7人の魔女』公式サイト

(C)吉河美希・講談社/2014「やまじょ」製作委員会
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