音楽
織田かおりさんの豊かな表現力に魅せられる3rdアルバム制作秘話

TVアニメ『ノルン+ ノネット』EDなどの話題曲も収録 ―― 織田かおりさんが語る3rdアルバム制作秘話

 実力派シンガー、織田かおりさんの3rdアルバム『Make it』が2016年4月27日(水)に発売となりました。織田さんはFictionJunctionや、Sound Horizonなどへの参加でも知られる実力派。2013年のソロデビュー以降は、女性向けゲームブランド・オトメイト作品をはじめ、数々のゲーム/アニメ作品でその気高い歌声を響かせてきました。

 今回リリースされる3rdアルバムには、2016年1月放送のTVアニメ『ノルン+ ノネット』ED『ゼロトケイ』、ゲームソフト『AMNESIA World』OP『追想カノン』などのタイアップ曲や新曲を含む13曲を収録。抜群の表現力を持つ織田さんの豊かな感性、表現力がとことん発揮された1枚となっています。彼女の今のモードは実に前向き。自分を信じる強さを手に入れたことで、歌声がさらに洗練されたように感じます。実際どのように制作に挑んだのかお伺いしました。


■ 「物凄くポジティブなアルバムに仕上がった」

――前作『Colors』から、織田さんの中でどんな心境の変化や成長があったと思いますか? また、2015年はライヴ活動も多かったですが、それは織田さんにどんな影響を与えましたか?

織田かおりさん(以下、織田):『Colors』の時はとにかく目まぐるしくて、色々な制作やライブツアー等が重なっていました。何かに追われている毎日だったと思います。その後はライブな日々で、ソロで海外ライブも経験出来ましたし、自分の在り方を考える時間が徐々に増えた2年間だったと思います。それは本当に幸せな日々でしたね。ソロシンガーとして、何を伝える事が出来るのだろうかと悩む時期も長かったので、一つ一つの出来事が自信に繋がっていったように思います。


――アルバムでは初となるアップのジャケ写からも攻めの姿勢を感じました。どんなコンセプトで制作されたアルバムですか?

織田:2年振りのアルバムになるのですが、過去2枚のアルバムを経て、自分自身が何処へ向かって歩いて行きたいのかを考える事が制作のスタートになりました。ファーストアルバムを出す時の不安な想いや、セカンドアルバムを作っている時の葛藤など、そういった苦しみはあまりなくて、とにかく楽しみながら作っていました。それだけ自信に繋がる2年を過ごして来れたのかなって。更なるステップアップに繋がる1枚にしたかったので、自分の中で物凄くポジティブなアルバムに仕上がったと思います。


■ 「表現もストレートに勢いがついた」

――スタートを切る『Make it Real』が強烈なインパクトを与えてくれます。アルバムタイトルにも言葉が使われている『Make it Real』は歌詞を織田さんが書かれていて、織田さんの凛とした姿が目に浮かぶようなロック・チューンとなっています。どんな想いで歌われた曲ですか?

織田:とにかく今の自分に素直に向き合うだけでした。今まで歌詞を書く時に、迷いや苦しみから抜け出そうと希望を目指して頑張る、そのような表現にしなければという想いが勝手に根付いていました。でも、迷ったり苦しかったりしたら、それはそれで別にいいや、むしろそんな考え方が出来るくらい余裕がある方が好きだなって。

だから言葉のチョイスも今回はちょっと緩めな所もあります。無理する事が本当は嫌いなんです。でも無理して頑張っちゃう自分もいる。そういった中で、今の自分だったら凄くポジティブに、誰かを明るい世界に連れて行ける事も出来るのかなと。そんな曖昧ささえ、素直に表現したらいいんじゃないかなって思ったら、楽になれたんです。素直になれた分だけ、表現もストレートに勢いがついたと思います。


――霜月はるかさんのラジオ企画CD『れっつごー☆シモツキン』にも収録されていたファンタジックな
ワルツ『piacere!』を始め、人気クリエイターもアルバムに名を連ねています。楽曲制作は基本的にどのように行われるのでしょうか?


織田:作品タイアップとそうでないものとで大きく違うと思います。タイアップ曲は作品に合わせたサウンド感や言葉が必要ですから。逆にそうでないものは、自由に好き放題やらせてもらっています。漠然と、“Rockやりたい”、“ミステリアスなのやりたい”みたいな感じで(笑)。

今回の収録曲は、タイアップ曲を並べた段階で世界観に良い意味で統一感がなかったので、だったら何やっても逆にまとまるんじゃないか?と思っていました。そういう意味では狙い通りでしたね(笑)。自由に出来る分、新曲に関してはアレンジ面で細かく意見を反映して頂きました。私の“好き”を詰め込んだ楽曲制作でした。


――アルバムには『AMNESIA World』を始め、人気コンテンツのタイアップ曲も数多く収録されていますが、タイアップ曲のレコーディング、作詞等で想い出深いエピソードがございましたら教えて下さい。

織田:どの曲も一瞬でその作品の中に入り込めるものばかりですが、『AMNESIA』シリーズや『猛獣』シリーズで歌詞を書いて頂いたrinoさんの言葉は、日常生活にリンクしやすいんですよね。逆に、『忍び、恋うつつ』シリーズや『ノルン+ノネット』の日山尚さんは、作品から逃れられない。それぞれの作品のカラーもありますが、その違いを楽しみながらレコーディングをしています。逆に自分が書いたものだと、最初は照れ臭かったりしますね(笑)。


■ 「私の知らない私が、この数年で掘り起こされている」

――『Make it Real』をはじめ、さらにロック色を強めた『TRAP』など、織田さんが歌詞を書いている楽曲も多数収録されています。これまでに比べて、織田さんの言葉の表現がよりシンプルに、世界観が伝わりやすくなったようにも感じました。前回の『ノルン+ノネット』ED『ゼロトケイ』(アルバムには12曲目に収録)のメールインタビューで「ここ最近、言葉が溢れてくる事があるんです」とおっしゃっていましたが、それは織田さんにとってどんな変化があったからなのでしょうか。また曲によって届けたいメッセージは変わってくるとは思うのですが、アルバムの歌詞はどんなことを思い浮かべながら書かれましたか。

織田:自分の中で、苦しかった事や向き合いたくない現実を消化していく作業が、音楽だったり作詞だったりするみたいなんです。向き合おうとすると、ただただ辛いけど、向き合おうとせずに、だらだら言葉を書き留める事も大切だなって。“言葉が溢れてくる”というのは、そういった所なんです。

なんでも、その時の感情を日記みたく記録しておこうって。結果として好きな自分も嫌いな自分も記録されちゃうんですけどね(笑)。でもそれを読み返してみても、その時にはもう他人事なんですよね。そうやって消化していくのが私のストレス解消法なのかな?(笑)。

『TRAP』なんかはちょっとヒヤヒヤしますが、凄く等身大な女の子だと思うんです。あれだけの熱量で、誰かに夢中になりたい自分がいたんでしょう(笑)。それに比べて『Maze』はちょっと大人なお姉さんかな。イメージ的には『TRAP』を仕掛ける側ですね。誘ってくる感じ。そういう女性に憧れているのかしら(笑)。


――改めてアルバムを聴いて織田さんの抜群の歌唱力と豊かな表現力に驚かされました。技術を持っていらっしゃるのは充分承知ですが、織田さんはなぜここまで幅広い表現ができるのでしょうか? また、今後織田さんが挑戦してみたい表現はありますか。

織田:ありがとうございます! とにかく作品や作家チームの力が大きいですね、本当に鍛えられました(笑)。私の知らない私が、この数年で掘り起こされていると思います。求められている事に辿り着く行程が大好きなんです。その中で自分らしさと出逢えた時の“キター!”というマッチングの喜びは、何度経験しても高まります! ジャンルという意味では、常に何でも受け入れられる体制で臨み続けて行きたいです。まだやれてない事だと、アカペラかな。山下達郎さんみたいに! ライブだと表現し切れないかもしれないけど、アルバム作品として挑戦してみたいです!


――織田さん自身がアルバムを聴いた感想を教えて下さい。

織田:素直な感想としては、個性的だな~、どの曲も尖ってるな~って(笑)。13曲全てが誰にも譲れない世界を貫き通しているんですよね。よくまぁこれだけ被らない曲が集まったものだなと笑いが込み上げてきました(笑)。愛おしくてたまらない1枚です!! この愛おしい子供(楽曲)達が、一人でも多くの方に届いていく事を願っています。


■ 「(イベントで)精一杯、歌をお届け致します!!」

――現在『Make it Real』のPVが公開されていますが、撮影はいかがでしたか?……また寒かったのでしょうか?(笑)

織田:暑いか寒いかと言われれば、寒い方でしょうか(笑)。でも今回は光に包まれて、というよりは、囲まれての撮影でしたし、動きも激しかったのでいつもよりは暖かかったかな。とはいえ、体を温める事は大事なので、メイキングにもありますが撮影の合間はずっと体を温めてました。


――アルバムとは話が違いますが、織田さんは海外からの人気も高いですよね。基本的に歌詞は日本語ですが、それでも海を越えて織田さんの歌声が支持される理由とは、ご自身でどうご自覚されていますか?

織田:特別に意識した事はありませんし、理由は人それぞれなのかなって思います。様々なプロジェクトを通して私を知って下さった方も多いですし、その一つ一つの現場の偉大さを感じながら、現地の方々の愛を感じます。きっかけが何であれ、織田かおりの音楽を好きだと言う人が海外にもいらっしゃるという事は、非常に嬉しい事ですよね。


――アルバム発売イベントなどを控えられていますが、そこに対する意気込みを教えて下さい。

織田:今回は過去最大規模のリリースイベントになります。普段なかなか行けない土地や初めて行く場所も多いので、その都度、集まって下さるお一人お一人と素敵な思い出を作れたらと思います! 最高のゴールデンウィークになるよう、リリースイベントツアーで精一杯、歌をお届け致します!!




[文・逆井マリ]

<リリース情報>
■織田かおり 3rdアルバム『Make it』
発売日:2016年4月27日(水)
価格:初回限定盤 3,800円+税 / 通常盤 3,000円+税


<ライブ情報>
■「織田かおり 9th SOLO LIVE“Make it”」
日時:2016年7月29日(金) 開場 / 開演18時15分 / 19時00分
会場:渋谷・WWW


<イベント情報>
CD発売記念、店舗イベントを各地で開催!

■公演日:2016 年 4 月 29 日 ( 金・祝 )
【開演】 (1)13:00 ~ (2)15:00 ~
【会場】山口県下関市・シーモール下関 2F セントラルコート
※観覧フリー

■公演日:2016 年 4 月 30 日 ( 土 )
【開演】 14:00 ~
【会場】福岡県・キャナルシティ博多 B1F サンプラザステージ
※CANAL FRINGE FESTIVAL での出演となります。
※観覧フリー

■公演日:2016 年 5 月 1 日(日)
【開演】 (1)13:00 ~ (2)15:00 ~
【会場】福岡県北九州市・あるある City 2F マチ★アソビカフェ
※観覧フリー

■公演日:2016 年 5 月 4 日 ( 水・祝 )
【開演】12:00 ~
【会場】東京・タワーレコード新宿店 7F イベントスペース
【集合】タワーレコード新宿店 7F エレベーター横階段

■公演日:5 月 5 日(木・祝)
【開演】 (1)13:00 ~ (2)15:30 ~
【会場】兵庫県・阪急西宮ガーデンズ 4Fスカイガーデン 木の葉のステージ
※観覧フリー

■公演日:2016 年 5 月 8 日 ( 日 )
【開演】14:00 ~
【会場】名古屋・アスナル金山 明日なる!広場
※観覧フリー

■公演日:2016 年 5 月 8 日 ( 日 )
【開演】17:30 ~
【会場】名古屋・イオン八事 4F G.G モールイベントスペース
※観覧フリー


【アニメイト】イベント
≪イベント日程・会場≫
【日時】5/3(火) 14 時 00 分~ (開場時間 13 時 30 分)
【会場】アニメイト横浜

【日時】5/6(金) 14 時 00 分~ (開場時間 13 時 30 分)
【会場】アニメイト大阪日本橋 5F イベントホール

【日時】5/7(土) 14 時 00 分~ (開場時間 13 時 30 分)
【会場】第 3 太閤ビル ( 名古屋 )

【日時】5/15(日) 14 時 00 分~ (開場時間 13 時 30 分)
【会場】アニメイト仙台 animate hall SENDAI

【日時】5/28(土) 14 時 00 分~ (開場時間 13 時 30 分)
【会場】アニメイト札幌 5Fanimate hall SAPPORO


>>織田かおりArtistSite

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