『クラシカロイド』はクラシックの入り口になればいい　藤田監督、杉田さん、梶さんが登壇した試写会をレポート

『銀魂』や『おそ松さん』などでもお馴染みの藤田陽一監督が参加していることでも話題となっている10月よりEテレにて放送されるTVアニメ『クラシカロイド』。本作はクラシックをテーマに、高校生の歌苗や奏助、不思議な事が起こる音楽“ムジーク”を操るベートーヴェンやモーツァルトをはじめとした作曲家の名前を持つ個性豊かなキャラクターたちが登場する作品となっています。

また、劇中歌のクラシック曲は様々な有名クリエイターによってアレンジされ、ベートヴェンの楽曲に布袋寅泰、モーツァルトの楽曲にtofubeats、バッハの曲につんく♂、リストの曲に浅倉大介などがプロデュースすることでも大きな話題となっています。

そんな本作の試写会が8月25日に行われ、藤田陽一監督とキャストの杉田智和さん（ベートーベン役）、梶裕貴さん（モーツァルト役）も登場。本作にまつわるトークを繰り広げました。本稿ではその模様をお伝えしていきます。

■クラシックをテーマとしたギャグ満載のアニメに

上映された第1話ではヒロインの音羽歌苗を中心に物語が展開され、歌苗の幼なじみの神楽奏介や、餃子を焼くことに強い執念を持つベートーヴェン、やんちゃ過ぎるモーツァルトなど、個性的なキャラクターたちが物語を展開していきます。また、作品の雰囲気は全編を通してギャグがふんだんに盛り込まれているだけではなく、第1話最後には思わず感動するシーンなどもあり、これからの展開も気になる第1話となりました。

また劇中では布袋寅泰が編曲を行ったベートーヴェンの楽曲なども登場。ギターアレンジが施された楽曲は、筆者が個人的に抱いていたようなクラシックの堅苦しいイメージを感じさせない印象を受けました。

そんな第1話の試写会が終わると、監督とキャスト陣の挨拶へ。「Eテレっぽくないかもしれないけど、Eテレでしか成立しないというバランスになればいいなと思って作りました」と藤田監督からは狙いが語られると、続いて杉田さんからは「第1話で皆様が一番良く聞くであろうベートーベンの曲のフレーズを実際に口で発したところ、音響監督から「そういう面白くしようとするのいらないから」と言われて、芝居の方向性が固まりました」と、得意のトークで会場の笑いを誘います。試写会当日に初めて第1話を観たという梶さんは、アフレコは既に結構先のエピソードまで収録されているというところで、「第1話の内容に触れるのが結構久しぶりだったんですけど、収録した最新の『クラシカロイド』に対する印象よりも真面目でした。もっともっとふざけている作品です」と、話数を重ねるごとに更にギャグ要素が強くなっていく事を話しました。

続いてキャラクターについて聞かれると、元の作曲者の特徴もキャラクターの設定に組み込まれているようで、杉田さんは元のベートーベンを“苦悩する孤高の天才”と紹介し「彼がもし現代に現れた場合、同じように悩むと思う。苦悩する孤高の天才なら現代でこう悩むんだという所が伝わればいいなと思います」とコメント。梶さん演じるモーツァルトは女性関係のエピソードもあることから、少しスケベに描かれてると話し、加えて「とにかく無邪気に子供らしく演じて欲しい」とディレクションもあったことも明かされました。

また本作の音楽について話が振られると、3人共「本作がクラシックの入り口になると良い」と回答。杉田さんは本作を演じていく上で「この曲もベートーベンの作曲なのか」という発見もあったとのこと。藤田監督も劇中歌には聞き馴染みのあるフレーズを意識して選んでいるということで、クラシックを知らない方でも十分楽しめる作品であることが分かります。

そんな、「クラシカロイド」は2016年10月8日の17時30分からEテレにて放送がスタートされます。クラシックを知らない方も本作を入り口にしてみてはいかがでしょうか。

［取材・文：イソベアラタ］

【番組情報】
タイトル：クラシカロイド
放送日：Eテレにて10月8日（土）17時30分から毎週土曜日放送

【キャスト】
ベートーヴェン：杉田智和
モーツァルト：梶裕貴
音羽歌苗：小松未可子
神楽奏助：島崎信長
リスト：能登麻美子
シューベルト：前野智昭
チャイコフスキー：遠藤綾
バダジェフスカ：M・A・O
バッハ：楠大典
パッド君：石田彰

>>TVアニメ『クラシカロイド』公式サイト