映画
『シン・ゴジラ』出演・マフィア梶田さんへインタビュー!

なぜ、マフィア梶田は『シン・ゴジラ』に出演していたのか? 本人に聞いてみた!

実写監督としての庵野秀明さんの姿とは?

――庵野監督が現場で細かく指示を出されるという話を聞くのですが、実際に現場での様子はいかがでしたか?

梶田:庵野監督樋口さんに限らず、スタッフはみなさんモチベーションが高くてコチラも身が引き締まる思いでした。ワンシーンを様々なアングルから撮影しますし、両監督の画作りに対するこだわりもかなりのものでしたね。それこそ、立ち位置をミリ単位で調整するような。実はオレも、庵野監督から直々に演技指導をしてもらったんですよ!

――ちなみにどんな指導内容だったんですか?

梶田:カヨコ(演:石原さとみ)の動きに合わせて書類を渡すシーンですね。最初は恭しく両手で差し出していたんですが、「秘書じゃなくてSPだから、動きの無駄を少なく片手は必ず空けた方がいい」と言われまして、片手でサッと差し出す演技に変えたんです。

――タイミングも重要になるシーンですよね。

梶田:石原さんとも演技の打ち合わせをしました。ストーリー的にも非常に重要な書類を広げるシーンなんですが、カヨコの「ここからはpersonal service」というセリフに合わせて、ボディーガードがサッと前に出てくるところ。カヨコの望むことは全て把握しているかのように、阿吽の呼吸で動かなければいけないので細かくタイミングを詰めました。

――そのシーンを撮るのにも結構なリテイク数があったのでしょうか?

梶田:実のところ、リテイクというのはそんなになかったんですよ。しかし、先ほども話したようにカメラアングルを変えて何回も撮影するんですよね。ボディーガードは座ることが無いので、どのシーンも長いこと背筋を伸ばして立ちっぱなしでした。映像で観るとほとんど立っているだけで楽そうに思えるかもしれませんが、これが中々に大変だったんですよ……。

――噂に聞く角度を変えて何カットも撮影するというのを実際に体験されたんですね。

梶田:庵野監督の頭のなかでは映像が出来上がっているんですよ。的確に必要な素材を集めていく感じ。一方で役者さんの演技に対しては、ほとんど口出しをしていなかったと思います。

――演技に関しては全て役者さんに委ねているということなんでしょうか?

梶田:例えば、自分の動きに関しても台本にはほとんど何も書かれていないんですよ。現場で何か指示があるのかと思いきや、何も言われないまま撮影が始まってしまいまして。みなさん、自分なりに芝居を用意してきているわけです。監督によって異なるのかもしれないですが、庵野監督はほとんど口出ししないタイプだったように思います。いやはや、最初は戸惑いましたよ……いきなり石原さんが何の打ち合わせもなく手をバッと(資料を要求する動作)差し出してきて(笑)。

一同:(笑)

梶田:台本にはそういう流れでボディーガードが書類を渡すなんて、書いてないんですよ(笑)。現場で初めて知ったわけです。

――現場で変わるというのも多いみたいですね。

梶田:変わったところといえば、机に広げる資料も台本上では"カヨコが広げる"ことになっているんですよ。これも現場でいきなり渡されて、「えっ!?」となりました。勝手な憶測ですが、カヨコが自分で動くよりも誰かにやらせた方が“大物感”出ますし、それでボディーガードの役割に変更されたのかなと。

『シン・ゴジラ』マフィア梶田

――確かに、大統領を目指している強い女性、という印象にビッタリだったと思います。

梶田:自分は映画ライターもやってるので、そういった意味でも良い勉強になりました。以前に声優の浪川大輔さんが初監督をやられた作品(※7)に出演したこともあったのですが、やはり監督によって映画の撮り方は違うんだなと思いましたね。

※7:映画『Wonderful World』(2010年)。宮野真守、森久保祥太郎、杉田智和、関智一、小山力也、藤原啓治、山寺宏一と言った声優陣が参加の実写映画。マフィア梶田さんは、「龍興」という坊主役で出演。

――撮影日数的にはどれくらい参加されていたんですか。

梶田:かなりの強行軍だったと思います。なにせ、キャストさんのスケジュールを合わせるのが大変ですから……。自分が参加した撮影だけで言えば、2015年の10月からスタートして月内に終わっています。ほとんどが石原さんと同じシーンで、オールアップのタイミングも同時でしたね。実は、こちらが撮影日程を合わせることができずに泣く泣く出演を諦めたシーンもあるんですよ。

――差支えがなければどういったシーンか教えていただいてもいいでしょうか?

梶田:「石原さんが出ているのにボディーガードがいない」シーンの一部がそれに当たります。ただ、映画を観れば分かるように石原さんだけでも成立するっちゃするんですよね。そういえばカヨコと矢口蘭堂(演:長谷川博己)が二人きりで会話するシーンにボディーガードを配置するか否か、結構ギリギリまで検討していたようなんですが、結局は無しでOKということになっていましたね。そりゃ、画面端でボディーガードが“ぬ~ん”と立っていたら気が散りますわな(笑)。

『シン・ゴジラ』マフィア梶田

――どうしても視線が移ってしまいそうですね(笑)

梶田:ただ、それでも実際に撮影したシーンの9割は使われてるんですよ。唯一自分の出番でカットされてしまったのが、立川の災害対策本部予備施設屋上での矢口とカヨコの会話に邪魔が入らないよう扉の前に立っているシーンです。珍しく自分をピンで映していたのですが、あれだけ情報がギュッと詰まった作品ですし、入れ込む余地がなかったんじゃないかと。実は画面に映っていない部分でもちゃんとカヨコを警護しているんですよと(笑)。

――ほとんどカットされずに使われているのは凄いですね。

梶田:まあ、ほとんどのシーンでメインヒロインである石原さんと一緒に映っているわけですから。そりゃカットされませんよね(笑)。 

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