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『銀の墓守り』で福山潤さん、斉藤佑圭さんが感じた懐かしさとは?

古き良き日本がそこにある? 福山潤さん、斉藤佑圭さんが感じた懐かしさと王道感とは? 『銀の墓守り』声優インタビュー

 累計閲覧数が40億回を超える大人気Webコミックのアニメ化作品として、現在放送されている『銀の墓守り』。中国で連載されているWebコミックを日本でアニメ化するという試みも多くの話題を集めています。メインキャストは、陸水銀役に福山潤さん、陸怜役に斉藤佑圭さんと、個性的なお二人が参加。

 今回は、そんな『銀の墓守り』に出演する福山さんと斉藤さんにインタビューを行いました。取材中も、福山さんが斉藤さんを笑わせたり、本作ならではのネーミングセンスについて盛り上がったりと、楽しげな雰囲気が印象的でした。第2話以降の見どころなども伺ったインタビューの模様をお楽しみください!

少し懐かしい王道感が詰まった作品
──まずは役が決まった時のご感想を教えて下さい。

陸水銀役・福山潤さん(以下、福山):『銀の墓守りは、1年前以上前にお話をいただきました。中国の作品を日本でも同時に作っていくという、そんな作品の主人公をやらせていただけるのは、企画自体に興味が凄く大きかったですね。キャラクターだけじゃなく、コンテンツとしての興味が大きかったです。

陸水銀については、1000年に渡って墓守をしてきた一族の末裔という設定しか知らされていませんでした。主人公の個性が凄いというよりも、周りの個性豊かなキャラクターとの対比でキャラクター性が成り立っているような感じです。

そういう意味では懐かしい感じがします。僕が20代中盤のころに演じさせていただいていた、周りのキャラクターとバランスをとっていく立場の主人公の感覚に近いなと思いますね。自分の今までの経験にプラスして改めて新鮮さを感じます。

陸怜役・斉藤佑圭さん(以下、斉藤さん):陸怜は私が演じてきたキャラクターとはちょっと違う正統派なヒロインです。私は完璧超人なヒロインを演じさせていただける機会ってあまりなかったんですよ(笑)。私がこの役を演じられるんだろうか、という不安はあったんですが、実際にアフレコが始まって色んな方と共演して、現場で陸怜の方向性が定まりました。今はやりがいがありますし、陸怜として色んなことを挑戦させていただいているので、ありがたい現場だと思っています。

──完璧なヒロインを演じるにあたって、何か準備はされたのでしょうか?

斉藤:何もしていません(笑)。ありのままで臨んで、現場では福山さんにかなり助けていただいてます。

福山:現場も楽しくやらせて貰っています。


──台本を読まれた時の印象はいかがですか?

福山:キャラクターやストーリーを見ていると、僕がこの業界に入る前に好きで見ていたアニメのような“安心して観られる王道感”がふんだんに入っていていると感じました。「こういうテイストの作品を自分はアフレコでやって無かったな」と思いました。アニメを視聴者として観ていたころは声優の仕事もしていなかったので、自分が慣れ親しんでいたころの雰囲気を持った作品に参加させてもらえるのは初めてだと思います。

斉藤:福山さんも仰った王道で言えば、設定が「あるある」って思える雰囲気がいいんですよ。例えば、お嬢様の陸怜と身寄りのない貧乏学生の水銀が、身分違いの恋をしたりするんです。しかもヒロインが本当にヒロインなんですよ。最近の作品って女性が強いパターンも多くて、女性が男性を助けるみたいなものもあったりするんですけど、本作に関しては守られているヒロインなんです。陸怜も女性として魅力的ですし、これからどう展開していくのか、ワクワクさせられる様な王道の展開が満載です。

──お二人が感じた本作の見どころはどんなところですか?

斉藤:後半でどんでん返しがあって「まさかそんな展開!?」と思うようなこともありますので注目して欲しいですね。

福山:『銀の墓守り』を見れば、中国のコンテンツがアニメーションに力を入れていることも分かりますし、画作りもかなり気合いが入っていると分かっていただけると思います。中国からもハイクオリティな劇場版作品は作られていますが、TVシリーズのアニメでもこういったレベルの物が作られていることを知っていただけるいい機会になるんじゃないかなと思います。僕もこういったテイストの作品をメインでやらせていただける喜びもあって、良い雰囲気のまま、みなさんが楽しんでいただける作品になればいいなと思います。

アフレコ現場は福山さんのお陰で和気藹々
──福山さんは実際に斉藤さんと共演した印象はいかがですか?

福山:難しいのは、物語が進んでいくと陸怜と逆に絡まなくなってくるんですよ。

斉藤:確かにあんまり水銀と絡んでいないかもしれません。

福山:序盤の登場人物が少ない間は、他のキャストさんと馬鹿話とかしながら一緒に協力して作っている感じでした。僕としては心強いパートナーですね。僕がうるさいことも含めてちゃんとついてきてくれるので、助かるなと。

──逆に斎藤さんは福山さんのお仕事ぶりを見ていていかがですか?

斉藤:私はどちらかと言うと福山さんが活躍されているのをテレビで見ていた年代なので、第一印象は「あっ福山さんだ」っていう感じですね(笑)。

福山:珍獣と同じです。

一同:(笑)。

斉藤:なので結構遠慮しているところから入っています。何か失礼があってはいけないと思って。でもお芝居ではそうもいかないので、ヒーローとヒロインとして共に歩んで行かないといけないと思っています。大先輩なので学ぶことは沢山ありますし、やっぱり現場の雰囲気作りが素晴らしいんですよ。

福山:そこだけですからね、僕は(笑)。

斉藤:本当に現場の雰囲気って主役の方で決まるじゃないですか。主役の方が明るい方だと現場全部が明るくなりますし、若手の方も居やすいですし、ちょっと失敗しても「大丈夫大丈夫!」っていう空気を作ってくださるので、凄くありがたいなと思います。私もその空気の中に居ると「福山さんだったらこう投げてもきっと返してくださるだろう」って思ったりするので、そういう意味では心強くてありがたいですね。

福山:やっぱり現場はいい雰囲気にしたいですね。登場人物がどんどん増えていくので、最初の第1話から第3話ぐらいまでは僕がキャリアでは上の方で、だんだん先輩も増えていくので、序盤の間に共演者同士のコミュニケーションは深めたい?なと思いました。やっぱり第1話って新人の方も多くて緊張感があったんですよ。でもその沈黙に耐えきれなくて(笑)。言葉には出してませんが、「どれくらいで第1話の嫌な緊張感を打ち破れるかが勝負だ」という感じでやらせていただきました。

──収録現場での印象的なエピソードなどはありましたか?

福山:途中から参加されるキャストの方々が、役にピッタリの方ばかりが来るんですよ。先の展開を知らない分、キャストも誰が来るかは知らないので、毎回キャスト表を見て「この方が来るんだ!」って思うんです。今のところイメージどおりの方ばかりが来るので、不思議だなと思うくらいです。

あと、第5話以降から登場する“プレシャス”っていう組織があって、そこの頭領が“ダークタイガー”っていうんですけど、このプレシャスとダークタイガーをみんな言いたがるっていう(笑)。

斉藤:だってなかなか無いですよね。敵の頭領がダークタイガーですよ(笑)。このネーミングチョイスが素晴らしい!(笑)

福山:それが僕らはたまらなくて、言いたいんですよ! 最初に宮本充さんが「我々プレシャスの……」って言って、次に鳥海浩輔さんが「プレシャスのダークタイガー様」ってめちゃくちゃ格好良く言うんですけど、言ったあとニヤリとしていて(笑)。ネーミングとかも僕らが観ていたアニメのような感じがして、お洒落よりも王道でいくのが好感を持てますね。

斉藤:キャストの方たちも本当に豪華ですよね。私としては「この役にこの方が来るんだ」っていう驚きがありました。ダークタイガー様は一体誰が演じられるんだろう?

福山:今、僕らの中でダークタイガーに対する期待値が大きすぎるんですよ。


──役を演じるにあたって、音響監督の高桑一さんからどんなディレクションがありましたか?

福山:僕はしきりに「二枚目過ぎるから二枚目にするな」って言われまして……。駄目なんでしょうけど、なんか嬉しいっていう(笑)。若手のころは格好良くしなきゃいけない時に格好良くできなかったことが多かったので。「監督が格好良過ぎるって言ってたよ」って高桑さんもフランクな感じで言ってくれるんですよ。それで「恐縮です。駄目なんですけど、なんか良いっす」って思っちゃう(笑)。

斉藤:陸怜は、最初のころに「ちょっと年齢感を若くして下さい」と言われたくらいでした。あと、作品の中で陸怜が遊んでいるゲームのアバターを演じるときは「もっとコミカルにキャラ物っぽくやってくれ」って言われて結構変化を付けましたね。そういう意味では陸怜は色んな顔があって、普通の陸怜とアバターの陸怜は全然違うキャラクターとして演じました。

昔の日本のアニメの雰囲気を感じる理由とは
──本作は日本での放送の他に中国でも配信されます。海外の方にも観ていただくお気持ちはいかがですか?

福山:僕達の仕事は日本語の仕事なので、世界で観てもらうことが元々頭にありませんでした。海外の人は、なるべくオリジナルボイスでアニメを観て下さるということをこの仕事を始めてから知ったんです。もちろん中国の声優の方が演じるバージョンもあるので、両方楽しんでいただけたら嬉しいですね。僕としても初めての試みなので、どんな風に観てもらえるのか楽しみにしています。

斉藤:日本のアニメは、海外でも人気ですよね。私も中国で放送されるアニメにヒロインとして参加できるのは、嬉しいなと思います。中国の方が私を知って下さるのってすごいですよね。一気に世界が広がる感じがします。現地の方達がどんな風にアニメを観て下さるのか、不安もありつつ、期待もありつつですね。

──普段参加されている日本のアニメーションと違いを感じた部分はありましたか?

福山:技術面で言うとほぼ変わらないと思います。スタッフ陣も含めて100%中国で作っているわけでは無いので、絵作りの部分で言えば僕らが普段やっている事と違和感はありませんでした。感覚が違うところを挙げるとすれば、ストーリーの構成として国の世情が違う部分かなと。

先ほど言った僕がユーザーとして観ていたころのテイストに近いというのは、ストーリー構成やキャラクターではなく、原作の連載が始まった当初の中国がどういう経済状況や世情だったかが盛り込まれていると思うんです。アニメってその時代の世情に影響を受けますよね。

斉藤:善と悪がハッキリしていますよね。こういうのって最近あまり無かったと思います。

福山:ヒロインが大企業のご令嬢で、色々な人から求婚されるっていうのが今の日本では考えづらいじゃないですか。だから僕らが懐かしいとか、良い意味で王道だって思ったのかというと、いわゆる昔の日本がなんとなく垣間見えた気がしたからなんです。

斉藤:確かに、花束を持って一人の女性に対して何人かの男性が花束を持って「好きだ」って告白するシーンは、日本では最近あまり見ませんね。

福山:日本も90年代や80年代の後半は、そういう設定がいっぱいありましたよね。これから2、3年後には、今日本で描かれているキャラクターの葛藤とか、表面的じゃない部分も向こうの作品でも描かれるようになるのかなと思います。

斉藤:日本のアニメの良いところが踏襲されている気がしますね。

福山:そんなノスタルジーを感じる部分もあるんですけど、今の10代の子達はそこに触れてきていない方が多いので、どういう反応になるのか楽しみですね。

──では、2人が思う本作の魅力はどんなところしょうか?

福山:僕は中国原作のコンテンツは魅力的だと思います。僕自身も関わらせていただいて1番楽しみなのが、国によって物語の展開やキャラクターの配置の好みが全然違うと思うので、今中国で人気のある作品がどういう風に話が進んでいくのかを見られるところです。原作にアニメとしてどんな演出を加えていくのか大変楽しみです。

斉藤:展開が読めないところが魅力です。1話が15分なので「あれ? もう終わっちゃった? じゃあ次はどうなるの?」って興味をそそられると思います。ストーリーを追う毎にキャラクターが増えるんですが、どれも色の濃いキャラクターなので、その中の誰かにはきっとハマると思いますよ。色んな人に楽しんでいただける作品だなと思います。

──第2話以降の展開の見どころを教えて下さい。

斉藤:陸怜には大変な事が起こります!

福山:観ている方のほぼ8割は「この親父からあの娘って、DNAどうなっとんじゃい!?」って思われると思います(笑)。あとプレシャスとダークタイガーが出てきた瞬間にみなさんの心が掴まれるんじゃないかなと思います。ここは声を大にして言いたくて、SNSとかで「きた! ダークタイガー!」って言ってもらいたいですね。

斉藤:一回聞くと忘れられないですよね。

福山:そんなシーンは無いんですけど、いつか僕らも「我らプレシャス!」ってやりたいんです。あと、推したいのはサブタイトル。第1話だと「水銀、陸怜と会う」とか。この響きが好きなんですよ。

斉藤:『サ○エさん』みたいなね(笑)。

福山:全盛期の『ド○ゴンボール』を彷彿とさせる内容を隠さないタイトルも面白いので、世代を超えて楽しんでいただきたいですね。

斉藤:あと、なんで私がこの役を私が演じたのかというところにも注目してもらいたいです。最後まで観た時に「なるほどね。あの時取材で言っていたのはこういう意味か!」って納得していただけたら、私的には成功だったかなと思います。是非、最後まで観ていただいて、物語の行方を楽しんで欲しいなと思います。

[取材・撮影/イソベアラタ]

作品情報
TVアニメ「銀の墓守り」
2017年4月1日(土)からTOKYO MXにて毎週土曜21:00~21:15放送開始

(21:15~21:30は、絵梦制作アニメ『To Be Hero』の再放送になります)


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神の力を守護する最後の継承者、墓守り(ガーディアン)
主人公・陸水銀(リクスイギン)は身寄りもなく天涯孤独の高校生。生活のためのバイトに明け暮れる毎日を送っていた……。ある日、水銀にとって唯一の取り柄である『ゲーム』が、彼とこの世界の行く末を握ることとなる!何者かに連れ去られた憧れの美少女を助けるため、水銀は託された100億という遺産と共に『ゲームと繋がった異世界』へと飛び込んで行く――!


原作:零盟工作室(灰仔、??)「レイメイスタジオ(ハイクン、ミンシン)」
原作協力:テンセント動漫「テンセントアニメ」
監督:大倉雅彦
シリーズ構成:きむらひでふみ、大倉雅彦
キャラクターデザイン・総作画監督:津幡佳明
色彩設計:辻田邦夫
美術監督:池田繁美、丸山由紀子
美術設定:西本成司
撮影監督:野口龍生
2Dworks:小嶋美幸
編集:肥田文
音楽:関美奈子
ラインプロデューサー:高橋亜希
制作デスク:荒井衣智子
設定制作:荒井衣智子
3Dプロデューサー:横佩まさる
3Dディレクター:檜垣賢一
制作:HAOLINERS絵梦


陸水銀(リクスイギン):福山潤
陸怜(リクレイ):斉藤佑圭
テムジン:谷昌樹
ツインスター:小清水亜美
ファリン:西田望見
フィービー:水樹奈々
陸游七:菅生隆之

>>TVアニメ「銀の墓守り」公式サイト
>>TVアニメ「銀の墓守り」公式Twitter @ginno_guardian

(C)Tencent Inc./銀の墓守り製作委員会
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