声優
「コンベンション2017」に臨む早見沙織さんのちょっといい話

2年前のあのステージに再び──「コンベンション2017」に臨む早見沙織さんのちょっといい話

 デビューコンベンションライブから2年。「早見沙織コンベンション2017」と題し、再び、早見沙織さんが自身の誕生日でもある5月29日にコンベンションライブのステージに立ちます。来場者はすべて関係者、一般のファンは配信の視聴のみという見るからに緊張するライブを見事成し遂げた早見さんは、2年の歳月の末、どのようなパフォーマンスを披露してくれるのでしょうか?

 今回、AbemaTVでの配信も決定し、さらなる期待が予想される中、その真っ只中にいる早見さんにインタビューする機会を得ました。

「アーティスト・早見沙織」をイメージして取材に臨みましたが、こちらの意に反して、浮き彫りになったのは「一個人としての早見沙織さん」でした。物腰柔らかで気取らない早見さんの思いに迫ります。

人前でやりたいという気持ちはあんまりなかったんですよ(笑)
──本日はよろしくお願いします。そもそもアーティストデビューした理由は何だったのでしょうか? 大学卒業を期にというお話は聞いたことがありますが。

早見沙織さん(以下、早見):歌うことはずっと好きで、CDを出すとか関係なく歌を歌い始めたのは、幼稚園生のころなんです。小さい頃から母が歌を教えてくれていて、教わった歌をクリスマス会で歌ったりしていましたね。成長してからも音楽好きは変わらずで、学生の頃もいろんな曲を聴いていました。本当のそもそもの話をすると、歌自体に親しみはあったからのデビューなんです。

声優さんというお仕事を始めさせていただいて、デビューの作品でも歌を歌わせていただいたんです(※)。そういうこともあって「歌には何かご縁があるなぁ」と思っていました。歌は好きだから「いつかやれたらいいな」と思っていたところ、いろんな縁が重なってお声掛けいただいたので、「じゃあ、やるか」と決めましたね。

※早見さんが演じる川壁桃花名義で、TVアニメ『桃華月憚』オープニングテーマ「ゆめおぼろ」、エンディングテーマ「この世界がいつかは」の2曲を2007年にリリース。


──「いつかやりたいな」「いつかやれるんだろうな」くらいの気持ちだったんですか?

早見:そこが不思議で、声優さんを始めるときもそうだったんですけど、お芝居することや歌うことは好きでも、人前でやりたいという気持ちはあんまりなかったんですよ(笑)。


──(笑)。

早見:今言うのも変なんですけどね(笑)。小さい頃、車の中でいつもカセットテープで音楽を聴いていて、曲に合わせて歌って、音程が外れたら最初からやり直して……みたいなことを母とやっていたんです。この話、Wikipediaにも書いてありますよ(笑)。そういう歌うこと自体は小さい頃から好きで。でも、いざクリスマス会で歌うとか、友達と一緒にカラオケで歌うとかは、本当に苦手だったんです。理由はわからないんですけど、引っ込み思案だったんですかね。

デビューするときは、歌うことが好きな気持ちと、人前で歌うことが苦手な気持ちとを、探り探りしながら決めていったような気がします。だから、この場所にいること自体、不思議です。


──早見さんは大勢の前に立つ仕事をしているので「デビューってすごいな」とみんなに思われていますが、誰しもがある「めぐり合わせ」に遭遇してデビューすることになっただけなのかもしれませんね。歌うべくして歌うことになったというか。

早見:そう言っていただけると万感の思いです。声優デビューをしてからずっと、その葛藤は抱えていたんです。もちろん、キャラクターソングを歌ったり、イベントに出たり、人前に立つお仕事をさせていただいている間も。でも、今は幸せです。


──今では早見さんもアーティストとして活躍されていますが、周りの声優仲間がアーティストデビューしていくのを当時どう見ていましたか?

早見:そのときは自分と繋げて考えていなかったんですよ。単なるいち視聴者みたいな。「え、すごいねー!」みたいに、一般ピープルになってましたね。ライブに行くのが好きなので、「ライブあったら絶対呼んでね!」って声をかけて、いろんな方のライブに遊びに行ってました。

ライブに行くと、知っている人なんだけど、知らない人みたいな感じがあって、なんだか素敵だなって見てましたね。


──今や、早見さんもその一人です。

早見:本当に不思議なんですよ。家に帰ってソファーに寝っ転がっている自分と、歌っている自分はあんまり結びつきません……(笑)。

いろんな方がイメージを形にしてくださっているので、本当に私だけではできませんでした。今の私がいるのはみなさんのおかげですね。


実は関係者も緊張していたコンベンションライブ
──そして、早見さんの誕生日である5月29日に、ご自身の2年ぶり2度目となる「早見沙織コンベンション2017」が開催されます。この2年間を振り返っていかがですか?

早見:2年経ったという気がしないんですよ。去年の5月29日は大崎のショッピングモールでフリーライブをしました。それから1年が経ったというのも信じられないんですが、出来事を時系列で捉えていないからかもしれませんね。

「こういう歌を歌った」「こういうイベントに出た」というのは鮮明に覚えているんですけど、「そこからどれくらい経ったか」というのはあまり考えていなくて。だから気持ちは2年前とあまり変わってないんです。大きな変化があったら、ここでも言えるんですけどね(笑)。2年も経ったということが信じられませんね。

ただ、2年前は「これからどうやって歩いていくんだろう?」という気持ちがあって、声優さんのお仕事を始めたばかりの頃に似ていました。何かもわからない状態で進んでいく、みたいな。だから前回のコンベンションのときも緊張を超えた未知の境地にいて、わからないままステージに立って、自分の歌を歌って、いつの間にか終わったような感覚でしたね。

今回は、2年も経っているので、「こういうふうに進んで、こういうふうにするんだ」という予想図はできているので、そこは変化できた部分かなと思っています。


──やはり、見えない道を歩いていくのは辛いものですか?

早見:うーん、そうですね。この2年間、新しくチャレンジさせていただける機会が多かったんです。新しいことにチャレンジすることはドキドキするし、緊張感もありますよね。でも不思議と、ライブをしているときは楽しいんですよ。


──僕もたまたま前回のコンベンションをニコ生で見ていたんですが、言葉を濁さずに言うと「よくこんなところで歌えるな!」と思いました。

早見:本当にそうなんですよ〜。会場にいらっしゃっている方がみなさん、お仕事の関係者だから緊張するんですよ。関係者のみなさんもお仕事として来られている訳ですからライブを楽しむというよりも、どうしても難しい顔になっちゃいますし。

「あれ? 私が行っているライブと違う……」って思いましたね。でも、「今回は大丈夫だ」と思えることがあるんです……!

前回のコンベンションが終わった後に、来場した関係者の方とお話できる機会が何度かあったんですけど、どうやらみなさんも緊張していたみたいで(笑)。「どうやって応援したらいいんだろう……」「一人だけ大きく手拍子してもな……」と思っていたみたいで、「何だ、私と一緒だ!」ってわかったんです。

だから次のコンベンションでは、「笑ってないけど笑っているんですね?」という気持ちを持ちながら歌えると思います(笑)。そこの意思疎通はできているんじゃないかなと。だから今回は絶対に大丈夫だって思っています!


──なるほど! もしかすると、今回はワーッと盛り上がるかもしれませんよ?

早見:そうですかね? どちらにしろ、みなさんがよい感じで見ていただければと……(笑)。

実は、今回はいろんな施策を考えていて、この一晩のために詰め込めることは詰め込んでいます。なんとかそれをお伝えできればいいですね。


──今回のテーマなどはあるのでしょうか?

早見:テーマはひとつだけじゃなくて、いろんなものをイメージしています。前回のライブ(早見沙織 1st CONCERT TOUR 2016 “Live Love Laugh”)を振り返りつつ、遊びも入れながら、未来へ向かっていくような、時間軸を感じられるライブにしようと思っています。


──前回のコンベンションの「頑張ります!」みたいなものは残しつつ?

早見:そうですね。「頑張ります!」はいつもなんですけど、今回はちょっとマニアックになってるかもしれませんね(笑)。

それは自分のアイデアを言えるようになった、というのがあるからかもしれません。2年前の私は何もわからなかったので、「いいな」と思ったことをどうやって形にしたらいいのかもわからなかったんです。

これは私のアーティスト生活で一番苦労したことなんですけど、「自分の好きなこと」や「やりたいこと」をどうやって言葉にすればいいのかをずっと考えていました。その成果が今回は少し出たかもしれないなって思っています。


──今回はいろいろと詰まっていそうですね。

早見:なんか“ゆるい空間”になるかもしれません。


──“ゆるい”?

早見:穏やかな感じですね!


──まだ全貌はつかめませんが、それは当日のお楽しみですね。

早見:デトックスできるような夜になればいいなと思っています。

歌があるから今の自分がある
──未来というお話が出ましたので、次の質問へ。お芝居に歌と活動の幅を広げていますが、今何か挑戦したいことはありますか?

早見:具体的に「これをやりたい!」というものは無いんですけど、私にとっては全部が挑戦みたいなところがあるんです。お芝居も歌もそこまで分け目を考えてなくて、「どんなことを表現しようかな?」「どうやって表現しようかな?」という手段が違うだけで、根本は変わらないんです。だからこそ、新しいことがやってくると、何でも挑戦になるんです。

去年や今年は、全然やったことがない役にチャレンジしたり、歌も歌ったことがないようなものに挑戦したり、曲と詞を作ったり、自分からアイデアを出して行動したり、いろいろとやらせていただきました。それをもっとスルスルとやっていければいいですね。


──早見さんにとって歌とは何でしょうか?

早見:うーん……。


──少々、禅問答のような質問ではあるんですが……。

早見:確かに! 私、「修行が足りない!」って言われそう(笑)。

なんだろうなぁ。お芝居の勉強を始める前から、歌はずっと私のライフスタイルではあって。それはミュージシャンやアーティストみたいにかっこいい感じではなく、“早見沙織ちゃん”という小さい女の子が家で一人ただ歌っているようなイメージです。

いろんな方の歌からパワーをもらっていたので、私はたぶん歌があるから今の自分があるんだと思います。1曲も聴いてない人生だったら本当に違う人になっていたと思いますね。だから歌は私の一部、だと思います。

私の人生でも節目節目に聴いていた曲があって、匂いみたいなもので、改めてその曲を聴くと当時を思い出します。

私、ラベンダーの香りを嗅ぐと、受験の頃を思い出すんです。受験シーズンに友達が藁をもつかむ思いで、「ラベンダーの香りを嗅ぐと落ち着くから」とか言って、筆箱に匂いをつけまくっていたことがあったんです。私も一緒にやって、ラベンダーの香りがついたハンカチを筆箱に入れていましたね(笑)。そのせいか、今でもラベンダーの香りを嗅ぐと、思い出してなんだかそわそわしちゃうんですよ。

そういうのと同じで、卒業シーズンに聴いていた曲とか、この坂道を歩いていたときによく聴いていた曲とか、雨の日にこれ聴いていたなとか。歌って、そういうものかなって思います。


──きっと早見さんの曲もそういうふうになるんでしょうね。

早見:いやー! そうなってくれると嬉しいですね(笑)。

素敵な夜をお届けしますので、楽しんでください
──ちなみに、今回のコンベンションは、AbemaTVでも配信されます。早見さんは普段、AbemaTVを見ますか? という質問もありますが(笑)。

早見:あ! 私、アプリ入れてるんですよ! 起動したら「テテテテッテテ♪」って鳴りますよね(笑)。

外で見るよりは家で見ることが多くて、布団に寝っ転がりながらメールやLINEを返信し終えてから、「あ、自由な時間がある……!」って思ったときに観てます(笑)。でも、いろんなチャンネルがあるから、観たいのがかぶっちゃうんですよ!

しかもアニメのチャンネルが多くて。アニメだけでもたくさんのチャンネルがありますよね。懐かしい作品も放送されていて。あ! そういえば、昔私が出演していたアニメが放送されていたのを偶然発見してしまって……。「これ私が出てたやつだ!」と思って観てみたら……ムズムズしました。

一同:(笑)。

早見:「わー! これAbemaTV観てる人は、みんな観てるんだー!」って思っちゃって、それ以降、そのチャンネルはあまり観てません(笑)。


──(笑)。宣伝もバッチリできたんじゃないですかね! では最後に、コンベンションへの意気込みや楽しみにしているファンのみなさんへメッセージをお願いします。

早見:2年ぶりにコンベンションができて嬉しいです。コンベンションは私もすごく好きな形式のライブで、願わくば今後も続けていけたらいいなと思っています。私も関係者のみなさんもお仕事で集まってはいますが、お互いにそういう枠を取っ払って、お仕事という名目を盾に、のんびりしていただけたら嬉しいですね。

今回も配信が行われますが、画面越しでも私の緊張が伝わると思います。いつも応援してくださっているみなさんも、はじめて私のライブを見る方も、ステージの幕間から見ているような気持ちで、ご覧になっていただければなと。幕間でステージを見ているときって、パワーをもらっているんだけど、一緒にお届けしているような気持ちになるんです。そんな気持ちで見ていただけると嬉しいですね。

素敵な夜をお届けしますので、楽しんでください。


[インタビュー/石橋悠]

「早見沙織コンベンション2017」AbemaTV放送情報
【生中継】早見沙織コンベンション2017
2017年5月29日(月)20:00~21:00
視聴URL:https://abema.tv/channels/new-anime/slots/8dxxvUXBfBv7P5
※放送後は期間限定で無料の見逃し視聴も可能です。

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