LiSA アジアツアー初日・日本武道館公演レポート

「私としか作れない最高の未来を一緒に作るって約束します」──LiSA アジアツアー初日・日本武道館で目撃した最高の景色

LiSAさんが、6月14日に日本武道館にて行われたワンマンライブを皮切りとしたアジアツアー【LiVE is Smile Always~ASiA TOUR 2018~[eN]】をスタートさせた。このアジアツアーは国内4公演、海外5公演で合わせて約6万人を動員する予定。今回の記事では、日本武道館初日の模様をお伝えする。


 

8角形の武道館で、8つの演出を

LiSAさんの歌、生き方に共鳴したLiSAッ子1万3000人。日本武道館にここまで人がびっしりと詰まった光景は個人的に初めて見た。今回のライブは、アジアツアータイトルである[eN]をキーワードに、8個の[eN]をモチーフにした演出ブロックで構成。360°(円)ファンに囲まれたなか、LiSAさんはどんな景色を見せてくれるのだろうか。「期待しかしないでね」とは彼女がよく言う言葉だが、この光景に期待とワクワクしか湧かない。

暗転すると当然のように大歓声が沸き起こり、客席が一気にピンクに色づいていくと──吊るされた巨大モニターにマスコットキャラクター“モモコ”のおたまじゃくし姿が映る。英語によるアニメーションで(日本語訳が字幕で映る)、「モモコ、さあ時間よ。目を覚まして」とモモコが目覚めていく。モモコは、モモコをLiSAさんの元に導く者と、eNというキーワードが散らばる会話を経て、縁を辿りながら泳いでいったところで、センターステージにスポットライトが当たる。

<Believe in myself いつか この曲聴いた 誰かが 今を 愛せたらいい>──と「Believe in myself」の一節を登壇と共に届けたLiSAさん。一瞬の静寂のあと「行くよ、武道館!」と叫び、モニターに「炎」の文字が映し出され「Rising Hope」で幕開け。ステージ内にある特殊なモニター映像とスピード感のある曲調が、エモーショナルなボーカルを一層引き立てる。間髪入れずに「traumerei」「oath sign」。今日にかける覚悟が伝わってくるような、鬼気迫る声に圧倒される。序盤からファンと一体となって武道館を燃え上がらせた。

会場をぐるっと一周ながめて、「すっごい! 今日どこ見て歌おう!」と最初のMC。いつもの笑顔のLiSAさんだ。しかし次の「ただいま、武道館!」という言葉から、大きな感慨が伝わってきた。


「3年振りの武道館。そして、4回目の武道館。武道館には良い思い出も悪い思い出もいっぱいあります。でも今日は、こんなにたくさんの人と遊びますし! ベストアルバムをリリースして武道館に帰ってきたので、最高の日にならないわけがないと思ってます! みんな力貸してくれる!?  休む暇ないと思うので頼んだよ! 最後までついてきてよ! 愛と思いやりを大切にここに居るみ~んなで! 最高に楽しんで行きましょうー!ピース!」

いつものキメ台詞から「だってアタシのヒーロー。」、「No More Time Machine」、「WiLD CANDY」とポップなナンバーが続く。ステージを歩きながら、目を合わせるように客席に手を振ったり、観客にマイクを預けたり、ファンとのコミュニケーションを楽しみながら、観客と一緒になってハッピーな空間を作っていく。このブロックのテーマは「援」。広い武道館が、とても近く感じた瞬間だった。

ここで「怨」の文字が大きく映し出され、スモークが焚かれ、照明が変形……と、ダークな雰囲気に切り替わったところで、マント姿のLiSAさんが「EGOiSTiC SHOOTER」を歌唱。マントと脱ぎ、今度は黒いドレス姿で「L.Miranic」をセクシーに届けると、息つく間もなくステージで早着替え。花魁風の衣装で和傘をさして、スタンドマイクの用意されたセンターステージで「DOCTOR」「罪人」を熱唱する。このブロックは「艶」の演出で、モニターにLiSAさんがアップで映るたびにドキッとさせるような表情を魅せた。後姿が凛としていたことも印象的だった。歌い終えたLiSAさんがステージに倒れ込み、暗転する。

後半戦はよりエモーショナルに

モニターに再びおたまじゃくしの“モモコ”が登場。おたまじゃくしのモモコが、LiSAさんに「早く会いたい」と泳いでいくまでの物語であった。上映が終わると、「泳いでいった、光の先」を想像させるような、幻想的なピアノの音色が武道館に響く。旋律が「シルシ」の伴奏に変わっていくと、モニターには「円」の文字が現れ、純白ドレス姿のLiSAさんが登壇して歌唱。白のペンライトが客席を染めあげる。「シルシ」は着席してじっくりと聴き入っている観客が多かったのも印象的であった。

歌い終わると、ドレスをちょこんと掴んで丁寧にお辞儀をする。「ピースって言ってからあっという間に白い衣装になりました(笑)。そろそろ色々な“eN”掴めた?」と客席に問いかける。そして「そうそう、モモコはまだおたまじゃくしだったねぇ!」と映像について言及。「モモコは、初めての武道館のとき “全国行脚47杯いただきますっ”ってテーマで47都道府県に握手会に行ったんです。そのときに47都道府県の方からパワーをもらって武道館に初めて立つ!ってときにお供してくれたカエルです。モモコにも小さいときがあったんですね。“おたまモモコ”です」とクスっと笑った。

そんなモモコの物語を自分の“これまで”に重ね合わせるように、MCを続ける。

「ここは色々なeNの場所です。歌の活動をしてきて、色々な人に出会って、お別れもあって、それにいちいち傷ついて、悲しくなって。それでもまた色々な人に出会って……。武道館を一周してくれるようなステキな“円”を作れるなら、それも悪くないなって思えるようになりました。みんなにも出会いと別れがあると思うんですけど……みんなにも良い縁があると良いなと思って、新曲を作りました」

そんな言葉から繋がっていった「ハローグッデイ」。ピンク色に染まった客席と、桜のようなライトの演出が曲調に相まって美しい。<いつも信じてくれたからカッコつけた私で ちゃんといられたの 未来へ続け!>という言葉が、今日はなんだか染みる。「みんな一緒に歌ってくれる?」と後半はファンとシンガロング。LiSAさんの声がさらに伸びる。ファンとの信頼関係が伝わってくるような、ピースフルな空間だ。

「行くよー!」とドレスを掴んでステージを走り出したLiSAさん。バックバンドのメンバーも前に出て、「Hi FiVE!」を一丸となって熱演する(キーボードの白井アキトさんはタンバリンを持って観客のほうへ!)そこからガラりと雰囲気を変えた次のステージのテーマは「演」。ステージには8本の火柱が上がり、メタリックなドラムビートとギターが刻まれていく。始まったのは「ROCK-mode’18」「Thrill, Risk, Heartless」と展開の激しいロックナンバーを、ファンと共に刻んでいく。

一転、「Psychedelic Drive」ではピンクの扇子を片手にダンスモードに。「踊れ踊れ!」と煽る。「みんなこんなもんじゃないっしょ! 今日初日なんで、もっともっと頼むよー!」とアジテートしていると、モニターには「宴」の文字が。ポップな衣装で「LiTTLE DEViL PARADE」「crossing field」で激しく会場を揺らし、間髪入れず「一緒に歌って!」と叫んで「Catch the Moment」「Mr.Launcher」とファンと共に熱唱。迷いなく駆け抜けていく、この流れが最高だった。「ピース!ピース!」と何度も笑顔をファンに向けていた。

「私としか作れない最高の未来を一緒に作る」

ここでモニターにVTRが流れる。「Believe in myself」をBGMに表れた文字は「いつかの君へ」。昔のライブ映像などが流れ、ファンから「おぉ~!」と感慨の声が上がる。彼女にとって大切な曲である「Believe in myself」ができたときのこと、「気づけばキミの歌になってた」こと、そして「キミに届いたから歌ってこられたこと」などを映像で伝え──直後にステージに表れたLiSAさんが歌ったのは、「Believe in ourselves」。

<見つけだしてくれたキミの笑い声が/続きますように 続きますように>と願いを込めるように、切実に歌う。モニターに表れた文字は「縁」。これまでの歩みとこれからの未来を感じて、なんだか感無量だ。

「武道館初日、遊びにきてくださった皆さん、本当にありがとうございました! ベストアルバムをリリースするまでに7年。ベストアルバムっていうのは、いい意味でも悪い意味でも色々なことを思い出しますね。「Believe in myself」のころから……もっと前のガルデモから一緒にいてくれている人も、一回離れたけどまた戻ってくれたひとも……色々な人がこのベストアルバムを受け取ってくれたかと思います。この7年間、色々な人に会って色々なことがあって、くじけながら、支えてもらえながら、ひとつひとつ立ち向かって続けてこられました。ひとつひとつ作ってきたうたが、1人1人に伝えてきたことが繋がって、凄い“eN”ができたなって思っています」

声を少し詰まらせながら、ゆっくりと話していく。


「初めて武道館に立ったとき、3曲目でまったく声が出なくなってしまったんですけど……そのあとみんな盛りあげてくれましたけど(苦笑)、そのときもくじけそうになったし、毎日色々なことがいっぱいある。でも、こうやって遊べるみんながいてくれるならイヤなことがあっても良いなって思いました。みんなはLiSAがいなくなっても生きていける。でも私がいる限り、うたを歌っていける限り、私としか作れない最高の未来を一緒に作るって約束します。色々な経験をしながら“音楽あって良かった”って思ってもらえるような曲を作っていきます。なので、力貸してね! 全部音楽にするから、また一緒に遊ぼうね!」

ラストソングは、客電を上げた状態で「best day, best way」。彼女が“いま、伝えたいこと”が詰まった曲を笑顔で届ける。繋げる。ダンサーをつけず1人ほぼノンストップの状態で、全身全霊でうたを届けたLiSAさん。彼女の生き方そのものを見せつけられたかのような、圧巻のステージだった。

写真撮影の後、最後は「モモコ」と後姿のLiSAさんが朝日を眺めるエンディング映像でお別れ。今日もいい日だったし、明日もきっといい日になる。そんな予感がした。

[取材・文/逆井マリ]

LiSA’s Profile

LiSA (読み:リサ) 岐阜県出身、6月24日生まれ。

2010年春より放送されたTVアニメ「Angel Beats!」の劇中バンド「Girls Dead Monster(通称:ガルデモ)」2代目ボーカル・ユイ役の歌い手に抜擢され、ガルデモ名義でのシングル・アルバム累計40万枚以上をセールスし、人気を集める。2011年春にミニアルバム「Letters to U」にてソロデビュー。
その後、TVアニメ「Fate/Zero」、「ソードアート・オンライン」、「魔法科高校の劣等生」など数々の人気作品の主題歌を担当し、国内のみならず世界中にてヒットを記録。2017年2月には「劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-」の主題歌を担当し、大ヒットセールスを記録(オリコンデイリー1位、ウィークリー4位、各配信サイト1位など)。
また、圧倒的な熱量を持つパフォーマンスと歌唱力、ポジティブなメッセージを軸としたライブは瞬く間に人気を集め、次々と完売公演(日比谷野外大音楽堂、日本武道館、幕張メッセ、横浜アリーナ2daysなど)を記録。アニソンシーンにとどまらず、数多くのロックフェス(ROCK IN JAPAN FES、RADIO CRAZY、SUMMER SONICなど)でも活躍するライブアーティストとして、その存在感を示している。

座右の銘:今日もいい日だっ。

LiSA BEST ーDay-&-Way- 全曲試聴MOViE 視聴URL
LiSA BEST ーDay-&-Way- 特設HP
LiSA Official Website
LiSA Official YouTube

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