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『映画プリキュア』ゲスト声優・宮野真守さんにインタビュー

声優・宮野真守さんにインタビュー『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』最強の敵・ミデン役|レジェンドとの収録に感動!!

2018年10月27日(土)より全国公開の『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』は、2004年2月に『ふたりはプリキュア』がテレビ放送されて以来、人気の「プリキュア」シリーズ15周年記念作品。

現在放送中の「HUGっと!プリキュア」(通称、はぐプリ)と初代「ふたりはプリキュア」が力を合わせて戦う夢のコラボ作であり、2年半ぶりの復活となる「プリキュアオールスターズ」で、シリーズ史上最多の歴代プリキュア55人が大活躍するという超豪華作品となっています。

本稿では、てるてる坊主のような姿で【プリキュアの想い出】を狙い、想い出を奪われたプリキュアが小さくなってしまう一方、想い出とともにプリキュアのパワーも口癖もコピーする最強の敵・ミデン役の宮野真守さんにインタビュー!

キャラクターの印象や演じるにあたっての思い、収録現場の雰囲気、「プリキュア」にまつわるエピソードなどを伺いました。

 

プリキュアの全ての技が使える夢のようなキャラクター!

――まず、出演が決まっての感想をお聞かせください。

ミデン役・宮野真守さん(以降、宮野):15年前の『ふたりはプリキュア』が放送された当時、僕も楽しく見させていただいていたので、15周年の記念すべきタイミングで大好きなプリキュア作品に出られることが本当にうれしくて、光栄だなと思いました。

――『ふたりはプリキュア』を初めて見た時の印象や、思い出があれば教えてください。

宮野:衝撃的でした。アニメが始まった時には僕は声優の仕事に就いていたので、いろいろな作品を気にして見ていましたし、もともとアニメも好きで、女の子向けの新しいアニメだなと見ていたら、かわいい女の子たちが肉弾戦で戦っていて(笑)。かっこいいなとも思いましたし、男の子の心もガッチリつかむ、すごくチャレンジにあふれた作品だと思いました。

「プリキュア」は、いろいろと衝撃的な演出方法で紡がれて見逃せなくなっていたんですけど、その中で女性声優さんや男性声優さんが演じるかわいい妖精が出てきて、僕もいつか入れるんじゃないか思ってました。そしたら、入野自由くんが出演してずるいなあ(笑)と思いながら(『Yes!プリキュア5』にナッツで出演)、もしかしたら自分にも出演機会が来るんじゃないかと家で妖精の声色を練習したりしていましたね(笑)。

なので、今回ミデンをやらせていただき、念願がかなったと。

――そんな最強の敵・ミデンの印象はいかがでしたか?

宮野:てるてる坊主のお化けみたいな姿形をしていて、あまりに見た目がかわいらしいので、自分の声がこのかわいいキャラクターから出ているところが想像できず、まず驚きました。ミデンの成り立ちなどを聞いて、このキャラクターと寄り添って演じることで、僕にできるアプローチがあると思ったので、魅力的に彼を演じられるように臨みたいなと思いました。

それから台本を読ませていただいたら、今回の映画に関して芯の部分、根幹の部分をミデンが担っていると感じて。子供たちには怖いかもしれないんですけども、ミデンの苦しい思いや悲しい思い、欲求などを表現することによって、この物語のテーマを知っていただくのは大事なことで。だからこそのラストシーンであり、伝えられるものがあると思ったので、本気で役に向かいました。

▲ミデン(CV:宮野真守)

▲ミデン(CV:宮野真守)


――いわゆる敵キャラですが、演じられる上で意識したことがあれば、教えてください。

宮野:僕が役をいただいた時には、どんなキャラクターであっても、そのキャラクターの一番の味方でありたいと思うんですね。アニメーションでの素敵なところは、「物」であっても魂が宿った時にいち個人になるというか。その個人を形成するのが記憶や経験だと思うので、どのキャラクターに携わる時も、その過去や生い立ち、本質や目的を大事に、しっかりと僕の感情で表現できればいいなと意識しています。

今回も、プリキュアの前に立ちはだかる敵だからといって「敵」のお芝居をするのではなく、なぜミデンがこういう思いを抱いているのかというところをしっかり膨らませたいと思いました。そして、ミデンというキャラクターは、そこがすごく考えさせられる部分でした。ミデンにとっての不条理さや、どうしようもない気持ちみたいなものを表現できればいいなと。

――特に、こんなことに挑戦したというような部分はありますか?

宮野:僕自身が実感としてミデンの心情を感じて、ちゃんと実のある思いを音に乗せて出すというところは大きな挑戦でもあって、集中して臨みました。同時に、プリキュアの記憶を奪い口癖や能力をコピーできて、全ての技が使えるミデンは夢のようなプリキュアなわけで、このとんでもない特殊能力は「最強じゃないか!」と(笑)。そこは、アニバーサリー的要素でもあるので、各シリーズの各キャラクターの言い回しだとかニュアンスを大事にしたいし、反映させてほしいという演出の意向もあったので、資料をもらったり、現場で監督に映像を見せてもらったりしました。ニュアンスを踏襲しながら、みんなのかわいさをいかにミデンらしく演じるかというのはチャレンジでしたね。

でも、オールスターズのセリフを全部言えるのは今回のゲストである僕の特権ですし(笑)、ミデンが自分になかったものを手に入れられてすごく楽しんでいる、ハッピーになっている気持ちを楽しんで演じました。

▲ミデンの歴代プリキュア変化

▲ミデンの歴代プリキュア変化

――それぞれのキャストさんからアドバイスをもらったりというような、収録でのエピソードがあれば教えてください。

宮野:はぐプリチームや初代のチームがいるところに、僕自身はお邪魔するという形で最初は入ったんですけど、小倉唯ちゃん(キュアエトワール/輝木ほまれ役)に、「ずっといるようでしたね」と言ってもらえて、確かにすごく居心地が良かったです(笑)。僕の発言することにもみんなが反応してくれるし、テストの時には笑いが起こったり、和やかな雰囲気で進んでいました。

僕自身、はぐプリチームの一生懸命な姿にすごく影響されましたし、はぐプリチームも初代が一緒にいてすごく刺激を受けただろうし、そんな刺激的な場所にいられるということがすごくうれしかったので心底楽しんで現場にいました。

思わず「えっ!?」と言っちゃったことがひとつあって、はぐプリチームの想い出を奪った時にミデンがいうセリフを最初は喜びのままに言ったんですけど、「違うんです。宮野さん、実はこれ1行ずつ、マシェリで、エトワールで」と指示があって。すごく驚きましたけど、そこは1行ずつ雰囲気を変えて頑張りました。

 

前向きな言葉でも、時に武器になってしまう怖さが伝わっていてほしい

――完成した映像を見ての感想や、見どころはありますか?

宮野:ここまでいろいろなことを話しましたが、完成された映像を見たら……自分で演じながら、子供がトラウマになっちゃうんじゃないかというくらい、ミデン結構怖いなと思いました(笑)。本気で臨んだ結果、映像や音の力、周りのキャラクターたちの思いが相乗効果で、豪華なエンターテイメントになっていると思います。

特に15周年記念作品なので、最初のキュアブラックとキュアホワイトの登場シーンに、僕もただいちファンとして興奮しました。僕はアフレコ現場でも、生でレジェンドの変身「デュアルオーロラウェーブ!」を聞いて感動しましたし、少女なのに豪快に変身したり、ドタバタ降ってくるブラックと、華麗なのにめちゃくちゃ強いホワイトと、僕が見ていた「プリキュア」の魅力がふんだんに描かれています。

55人のプリキュアたちが勢ぞろいするわけなんですけども、映像の作り方の移り変わりも感じさせていただいたのが、CGを駆使しているという部分だと思います。実は、CG部分は先に声を収録して、後で映像を作るプレスコという手法で、手書きの部分はみんなと一緒にアフレコをするという、今だからできる技術もふんだんに取り込まれているからこそ、より臨場感のある戦闘シーンや、最後に流れるテーマソングを全員で歌い踊るエンタメ感は圧巻でしたね。

――子供たちはもちろん、「ふたりはプリキュア」を見て育ったファンの方や大人でも楽しめる要素がたくさんありますよね。

宮野:深いテーマをしっかり描いていくところに、大人も考えさせられる部分が大きいんじゃないかと思いますね。「プリキュア」という作品はそこを今までもしっかりと描いてきたと思いますし、最新作のはぐプリは育児がテーマで、その時々の時代背景や時代のテーマも取り入れているのが、このシリーズの強いところだと思います。

キュアエールが、小さくなってしまった仲間が自分の言うことを聞いてくれなくて、周りで泣きわめいていてもどうすることもできなくて、情けないと自分も涙してしまうシーンで、もしかしたらお母さんたちは「分かる!」という共感性みたいなものを抱いてくれるかもしれません。そういうところをまっすぐしっかり描いて、それでも立ち向かっていくエールの強さにも励まされるし、自分にもフィードバックさせてもらえるのかなと思いますね。

ただ、ついに全員の想い出を奪ったミデンが、エールとブラックのセリフで「なんでもできる、なんでもなれる。ぶっちゃけ、ありえな~い!」と、すごく喜ぶシーンがあって。はぐプリの「なんでもできる、なんでもなれる」というテーマはすごく前向きで、自分の好きなものや大事なものを諦めずに、まっすぐどんどん好きになっていこうというすごくキラキラした素敵なテーマをこのシリーズで子供たちに伝えてきてると思うんですよね。でも、それをミデンが言った時に武器になってしまう、凶器になってしまうという瞬間がすごく怖くて。同じ言葉でも方法を間違えちゃいけない、誰かを陥れてまで押し通してはいけないんだなという怖さみたいなものが、子供たちに伝わっていればいいなと思いました。

――では、キッズ向けアニメのやりがいを感じるところは、どこでしょうか?

宮野:たまに特撮や、地球を救ったりもするんですけど(笑)(註)。イベントに参加させていただくと、全力で子供たちが応援してくれていて涙が出ます。その力が、キッズ向けの一番大事な瞬間なのかもしれない……あの声があるんだということを忘れないで作っていく、マイクの前に立っていたとしても、目をキラキラさせて応援してくれる子供たちが待ってるからこそ、キッズ向けでも変わらず本気で自分の役に臨んで、子供たちに刺激を与えていきたいし、全力で応援してもらいたい。時に全力で「ミデン、嫌い」と言われてたとしても、彼らの感情が育まれる上で大事なことなのかなと思います。

(註) 宮野さんは、ウルトラマンセブンの息子、ウルトラマンゼロの声を担当しています。

――ご自身も子供の時は、そういったヒーロー作品などに憧れていたと。

宮野:特撮ものは余すことなく見ていましたし、アニメも大好きだったので、結構大きくなってからも瞬間移動の練習をしたりしていました(笑)。夢が詰まっていますし、自分が憧れていたところに今自分がいるというのは、その責任感も感じながらやらせていただいていますね。

――作品にちなみ、声優としてキラキラした想い出、支えられている想い出があれば教えてください。

宮野:声優をやらせていただいたこと自体がキラキラした想い出で。今までうまくいかないなという思いや劣等感を抱く時期もありました。そんな時に声優のお仕事をさせていただいたので、そこへの感謝の気持ちがあって、その記憶は失くしたくないです。

――最後に、心待ちにしているファンの方へメッセージをお願いします。

宮野:15年前に「ふたりはプリキュア」を見ていた人たちも大人になって見に来てくれると思うんですけど、なぎさとほのかの激アツなシーンがあります! アフレコ現場で見ていても2人の絆がすごく素敵で、築き上げてきた15年があるんだなと感じられるシーンで。ほのかを取り戻すためになぎさが頑張って、結果ほのかが思いを伝えるというところはアツい展開でかなり泣けます。

 

作品情報

▲キービジュアル

▲キービジュアル

『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』
2018年10月27日(土)ロードショー
配給:東映

★本作は、プリキュア15周年を記念して、現在放送中の「HUGっと!プリキュア」と初代「ふたりはプリキュア」が力を合わせて戦う夢のコラボ作。「プリキュアオールスターズ」2年半ぶりの復活で、シリーズ史上最多の55人が大活躍するという超豪華な作品でもあります。

<スタッフ>
原作:東堂いづみ
監督:宮本浩史
脚本:香村純子

<声の出演>
引坂理絵
本泉莉奈
小倉 唯
田村奈央
田村ゆかり
多田このみ
野田順子
本名陽子
ゆかな
田中理恵
樹元オリエ
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美山加恋
福原 遥
村中 知
藤田 咲
森 なな子
水瀬いのり
関 智一
矢島晶子

<ゲスト声優>
宮野真守
山本美月

映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア公式サイト
映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』公式ツイッター(@precure_movie)
プリキュア15周年公式サイト
プリキュア15周年公式ツイッター(@precure_15th)

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