映画

映画『ドラゴンボール超 ブロリー』長峯達也監督インタビュー|悟空とブロリーの戦いは、本当の意味での“純粋なサイヤ人”同士の戦い

12月14日(金)から公開となる映画『ドラゴンボール超 ブロリー』。劇場版20作品目となる本作では、かつて劇場版キャラクターとして、圧倒的な強さで観る者を震撼させた最強のサイヤ人「ブロリー」が鳥山明の手掛けるストーリーに登場します!

アニメイトタイムズでは本作の公開を記念し、メガホンを取った長峯達也監督にインタビューを実施。『ドラゴンボール』にまつわる思い出話から、映画制作時の裏話まで詳しくお伺いしました。

長峯達也

『ドラゴンボール』を見ていると、概念がおかしくなっていくんですよ。

ーー長峯監督と『ドラゴンボール』との出会いについて教えてください。

長峯:出会いは週刊少年ジャンプでの連載当初からです。鳥山先生の作品は『Dr.スランプ アラレちゃん』も好きで、テレビアニメも見ていました。その後に『ドラゴンボール』のアニメ放送が始まって。

録画もできない時代だったから、テレビにラジカセを近づけて録音して、夜寝る時にそれを聞いていたり。

ーー録画ができない頃にはそういうこともありましたね(笑)。どんなシーンが印象深いですか?

長峯:トピックになっている部分でいうと、悟空の修行シーンやレッドリボン軍を倒すシーンに興奮しました。

その後にピッコロ大魔王が出てきて、魔封波で亀仙人が死んでしまったり、あげくサイヤ人が出てきて宇宙での戦いが始まって。

ーー次から次へと予想外のことが起こるのも『ドラゴンボール』の面白さですよね。

長峯:結局『ドラゴンボール』を見ていると、概念がおかしくなっていくんですよ。世界がどんどん広がっていって、神様に会いに行ったりして。

僕らの時代の神様のイメージといえば、ドリフターズのコントで降りてくる感じの存在だったものが、「カリン塔を登れば会いに行ける」くらいの存在になっていたり。

他にも地獄の閻魔大王がサラリーマンみたいになっていたり、死んだ後も修行していたり。『ドラゴンボール』はあの頃の僕の死生観すら変えた作品ですね。

鳥山先生の次から次へと飛び出すネタやアイデアに翻弄されまくりでした。

ーーそんな鳥山先生が今作『ドラゴンボール超 ブロリー』のシナリオを担当されているわけですが、受け取られた際は興奮されたのでは?

長峯:「鳥山先生が書くものは面白いに決まっている」という前提があって、その鳥山先生が用意されたシナリオという材料を自分が料理することに対して「ヤバいな」と思いました(笑)。

材料が良くて、美味しくなるレシピも揃っているわけだから、それに変なアレンジを加えてダメにしないように、みんなで頑張って美味しい料理にしよう!という感覚でした。

ーーストーリーの満足度は言わずもがなですが、映像にも相当な力が入っているなと。

長峯:受け取ったシナリオのまま映像にするということで、それに必要なだけの絵コンテを準備していったのですが、最初から「そのままやったら絶対に指定の95分の尺をオーバーするな」ということがわかっていて。

案の定、作ってみたら70分もオーバーしていました(笑)。それを今度はダイジェストにならないような映像に削っていって。

「鳥山先生から頂いた原案を、そのまま純粋に差し出す」ということをミッションに仕事をしていたので、その想いを大切にしながら編集していきました。

悟空とブロリーの戦いは、本当の意味での“純粋なサイヤ人”同士の戦い

ーー昔の劇場版作品を振り返ると、ブロリーには圧倒的な強さと狂気を感じたのですが、今作では鳥山先生のアイデアも加わり、キャラクターが再定義されている感じがしました。

長峯:昔のブロリーが登場した映画は僕の師匠の山内重保さんが作った作品だったのでよく見ていました。

最近ではTVシリーズの「宇宙サバイバル編」に登場した女ブロリー(ケール)の際にも研究していたんですけど、今作では昔のイメージを意識しつつ、これまでの気狂いな感じとはちょっと違った部分を掛け合わせて演出をしています。

ーー今回「サイヤ人」がテーマとなっていることもあり、より純粋な強さにフォーカスが当たっていますよね。

長峯:純粋なサイヤ人としては、悟空とベジータとブロリーが登場するわけですが、ブロリーには“戦闘民族としての純粋さ”がより濃く出ればいいなというのがあって。

フリーザ軍に侵略された後のサイヤ人は、ベジータ王にしても結構根性が曲がっているというか、「戦闘民族として誇りはどうした!?」というところがあって。

「侵略されているなら死んでもいいからフリーザに戦いを挑むのが戦闘民族だろう!」と思うんですけど、畏まっていたり。逆にいうと、侵略されてからの変な教育を受けていない悟空とブロリーは純粋なサイヤ人ですよね。

ーーなるほど。確かにベジータもフリーザの影響を少なからず受けていますからね。

長峯:ベジータは最初「俺はサイヤ人のエリートだ!」と言っていたところから、悟空と戦うことによって色んなものが外れていって純粋な戦闘民族としての誇りを持っていきましたが、悟空とブロリーの戦いは、本当の意味での純粋なサイヤ人同士の戦いなのではないかと思います。

ーーTVシリーズでも相当な戦闘力インフレが起こっていましたが、今作のブロリーが登場したことで更なるインフレが起こっていますね(笑)。

長峯:『ドラゴンボール』はインフレありきの話ですから。こちらの表現が追いつく限りインフレしていくしかないんですけど、そこはノーリミットなので。

頭良さげに「これ以上強いやつを出して敵わなかったらどうするんだよ!」と制作側が言っても、「どうするんだじゃない、もっとパワー出すんだよ!」と(笑)。それが『ドラゴンボール』ですから。

ーーアフレコ現場はどんな雰囲気でしたか?

長峯:通常の演技もすごく気合いを入れてやられているので、普通の演技ではないんですよね。割とみんなシニカルでドライなんですけど、そこにキャラクター性が乗っかっていたり、表情があって。かつベタベタしない感じでやるというのはすごい技術だなと。

特にバトル中の叫ぶシーンが多かったのですが、そこはマックスでやりきってもらって。ブロリー役の島田敏さんなんかは相当準備をされてきて、来たら仕上がっているという状態だったんですけど、終わった後は真っ白になられていました。逆に野沢さんはケロッとされていましたね(笑)。

ーー(笑)。今作の新キャラクターとして、チライ役に水樹奈々さん、レモ役に杉田智和さんを起用されていますね。

長峯:水樹さんが演じるチライは裏表のないただのチンピラの小娘なので、優秀な演技者がやるとどうしてもキャラクター性や深みを出そうとするんですけど、チライに関しては「安っぽくしてください」というオーダーを出したので驚かれました。

レモは40年くらいフリーザ軍に居て、色んな汚いことも見てきたという経験を持つキャラクターなんですけど、杉田さんに説明しようとしたら「わかってます」と言われて。ディレクションをしなくても理解されていて、流石だなと。思わず「すみません」と謝ってしまいました(笑)。

ーー最後に映画を楽しみにしている『ドラゴンボール』ファンの皆さんへメッセージをお願いします。

長峯:鳥山先生をはじめ、みんなの力を結集させて限界突破して作ったので、ぜひその熱を感じに劇場へお越しください!

ーー素敵なお話をありがとうございました!

インタビュー・文:吉野 庫之介

【関連記事】
映画『ドラゴンボール超 ブロリー』野沢雅子インタビュー|今の世の中でも3分の1くらいが悟空みたいな人だったらすごくいいと思うんです。

久川綾さんが鶴ひろみさんから受け継いだブルマへの想い……映画『ドラゴンボール超 ブロリー』インタビュー

作品情報

■タイトル 映画『ドラゴンボール超(スーパー) ブロリー』
12月14日(金)公開

■上映方式:通常版、IMAX(R)、MX4D(TM)、4DX(R)

■スタッフ
原作・脚本・キャラクターデザイン:鳥山明
監督:長峯達也
作画監督:新谷直大
音楽:住友紀人
美術監督:小倉一男
色彩設計:永井留美子
特殊効果:太田 直
CGディレクター:牧野 快
製作担当:稲垣哲雄

■声の出演
野沢雅子
堀川りょう
中尾隆聖
島田敏
久川綾
古川登志夫
草尾毅
山寺宏一
森田成一
宝亀克寿
水樹奈々
杉田智和

■主題歌:「 Blizzard 」三浦大知(SONIC GROOVE)
■製作:「2018 ドラゴンボール超」製作委員会
■配給:東映
■配給協力:20世紀フォックス映画

■STORY
これは、新たな〝サイヤ人〟の物語。
「力の大会」後の平和な地球。宇宙にはまだまだ見た事のない強者がいると分かった悟空は、更なる高みを目指して修業に明け暮れていた。そんなある日、悟空とベジータの前に現れたのは、見たことがないサイヤ人“ブロリー”。惑星ベジータ消滅とともにほぼ全滅したはずの“サイヤ人”がなぜ地球に?再び地獄から舞い戻ったフリーザも巻き込み、全く違う運命をたどってきた3人のサイヤ人の出会いは、壮絶な闘いへ――。

「ドラゴンボール超 ブロリー」公式サイト
「ドラゴンボール超」公式ツイッター(@DB_super2015)

(C)バードスタジオ/集英社 (C)「2018ドラゴンボール超」製作委員会
おすすめタグ
あわせて読みたい

ドラゴンボール超の関連画像集

おすすめ商品

アニメイトオンラインショップ|ランキング
アニメイトオンラインショップ|お買い得商品
アニメイトオンラインショップ|歌い手特集
アニメイトオンラインショップ|2.5次元コーナー

おすすめ特集