声優
声優・KENN『めいこい』「月灯りの狂詩曲」インタビュー

冬アニメ『明治東亰恋伽(めいこい)』声優・KENN、オープニングテーマ「月灯りの狂詩曲」インタビュー

女子高生の綾月芽衣(あやづき・めい)が明治時代にタイムスリップし、歴史上の偉人たちと恋に落ちる…。ゲーム、ミュージカル、劇場アニメ化など、マルチメディアで展開する『明治東亰恋伽』(以下『めいこい』)が、満を持してのTVアニメシリーズ化!

今回はそんな本作のオープニングテーマ「月灯りの狂詩曲」を歌うKENNさん(菱田春草役)に、楽曲のことから作品の魅力、キャラについてまで、幅広くお話を伺いました。

なおアニメイトオンラインショップでは、2019年1月30日(水)発売の「月灯りの狂詩曲」のCDが予約受付中! こちらのアーティスト盤の特典には、KENNさんの撮り下ろしL判ブロマイドが付属しますのでお見逃しなく!
 

▲アーティスト写真

▲アーティスト写真


 

新しいけど、『めいこい』らしさもある曲。

――これまで数々の『めいこい』主題歌を担当されてきて、今回はついにTVアニメのOPテーマですね!

「すごく嬉しかったですし、また歌わせていただけるんだ!と安心もしました。作品展開が始まった頃から、もう7年くらい歌い続けさせてもらっていますが、(TVアニメ化という大きな節目なので)また新鮮な気持ちで取り組みたいなと思いましたね」
 

――初めて楽曲を聴いた時の印象は?

「良い意味で(予想を)裏切られ、新しいのに、ちゃんと『めいこい』らしいというか…。とても賑やかでいて、でも大人っぽさもある曲、という風に感じました。以前から本作を知っている方ならお気づきでしょうが、イントロ部分に過去の『めいこい』楽曲のメロディが使われていたり、ギミックも凝っています」
 

 

――KENNさんが思う『めいこい』らしさとは何でしょう?

「うーん、ここがこうだからと説明するのは難しいですね(笑) コード進行やメロディラインなど、使われている音から来るものもあるんでしょうけど、僕的にはいつも、曲全体の雰囲気や印象で“あぁ、『めいこい』らしいな”と感じているので…。

逆に、『めいこい』と言えばこれだ!って限定すると、(歌の表現の)幅が狭まってしまう気がするので、あまり突き詰めない方が良いのかもしれません。どんなものが来ても受け止められるよう、柔軟に気持ちを持っておきたいんです」
 

――OPテーマの曲調や歌詞についてお聞かせ下さい。

「派手なジャズサウンドの中で、急に大人な雰囲気になったり、流れが目まぐるしく変わっていく曲です。聴くのと歌うのとではイメージがやや違っていて、聴いた時はスーッと耳に入ってきて、あっという間に終わっちゃう印象だったんですよ。それが実際に歌ってみると、思ってた以上にテンポが速く、(歌い手にとっては)シビアな曲でした。かなり緻密に作られているので、少しでも油断したら置いてかれるなって感じでしたね。

歌詞の方は、主人公の芽衣ちゃんのことを歌っているような、いないような…。彼女に対する鴎外さん(編注:本作のメインキャラの1人・森鴎外)の想いも感じますが、明確に誰かを指した内容ではなく、俯瞰から作品を捉えたような、『めいこい』の世界そのもののイメージソングに近い気がします」
 


▲アニメ盤ジャケット

 

――レコーディングの際に意識されたことは?

「先程お話した『めいこい』らしさの1つとして、ちょっと妖艶な感じというか、不思議で掴みどころのない雰囲気があると思うんです。それを表現するために、あえて歌うリズムやテンポを崩したり、時には感情的に、滑舌もあまり気にせず、放り投げるように歌ってみたり、いろいろとチャレンジしました。(本作と共に歳を重ねた)今の僕だからこそできるような、大人っぽいアプローチもさせていただいたつもりです」
 

――スタッフの方々とのエピソードや、現場の裏話をちょっとだけ…!

「実は、最後までなかなか歌詞が決まらなかった部分があるんです。2番のサビ終わりの『だからどうか囁いておくれ』のところなんですけど、『囁いて“ほしい”』に変えるかどうか、みなさん迷っていて…。1番が『どうか傍にいてほしい』なので、あえて2番も(同じワードを)重ねるか? でも、『囁いてほしい』だとちょっと言葉として弱いから、やっぱり『囁いておくれ』の方にしようか?とか、クリエイターの方々は歌詞やメロディの1つ1つにこだわりがあるので、かなり悩んでいらっしゃるようでした。

僕としては両方ありで、“ほしい”はちょっと謙虚な感じがして好きだし、“おくれ”はもう少し強い気持ちで訴えかけてるような感じが好きだし。“どっちでもいいや”じゃなく、どっちも良いな”だから決められなかったんですよね。他のスタッフさんたちも同じ気持ちだったので、結局2パターンとも録って、最終的にはクリエイターさんにジャッジをお任せしました。

そういえば、曲のラストの『二度と君を離しはしない』の部分も、5テイクくらい録ったんですよ。囁くように歌ってみたり、情熱的に言ってみたり、他にもビブラートを効かせて語尾を伸ばすなど、テクニック的に異なるパターンも用意して、どれがいいかスタッフさんたちにオーディションしてもらいました(笑)」
 

――どれが採用されたのか楽しみです。楽曲が完成した今のお気持ちは?

「自分が思い描いていた完成のビジョンに近付けつつ、ディレクターさんのオーダーにもお応えするという、良いとこ取りができた気がします。主題歌って作品の顔みたいなものだから、責任重大で緊張するんですけど、物語の魅力を伝えたり、観てみたいなと思わせるきっかけにもなるから、全力を尽くして取り組みました。まずはOP映像付きの90秒バージョンをTVアニメで楽しんでもらって、できればCDでフルも聴いてもらえたら嬉しいです」
 

――特に注目して聴いてほしいのは、どの辺りですか?

「本当は全部!って言いたいんですけど(笑) 強いて1つだけ挙げるなら、囁くように歌うサビの終わりの…2秒後ぐらいの音です。声の余韻から、楽器の音色へと繋がる流れを味わってほしいです。とは言え、聴きどころのポイントは、たぶん聴く人によって変わるものですし、実際に聴いて下さった方に決めていただくのが1番だと思います」
 


▲アーティスト盤ジャケット

  

声に出すと「気持ち良い」ワードとは!?

――c/wの『御伽噺parallaxe(おとぎばなしパララックセ)』の方は、どんな仕上がりに?

「こちらもけっこう速い曲なので、最後まで飽きさせずに、疾走感で畳みかける感じですね。『月灯りの狂詩曲』とはまたテイストが異なりますが、どちらも引っ張ってくれるような力強さがある曲だと思います。イントロのメロディがすごくキャッチーなんですけど、クリエイターさんとしては、ここで(ファンの心を)すべてを掴みたい!ってことで、かなり力を入れて作られたそうです。いろんな楽器の音色をロックサウンドと混ぜることで、和洋折衷な明治時代の雰囲気が出ている感じがしますね。

歌詞の中にも、レコォドやクリムゾン・レーキ(編注:赤系のカラーを指す、絵の具の色名の1つ)など、時代を感じるワードが出てくるのが素敵なんですよ。あと、歌にもタイトルにも入っている『parallaxe(パララックセ)』は、言うと気持ち良いので、ぜひ声に出してみてほしいです。しかもただ言うだけじゃなく、ちゃんとメロディやリズムに合わせて…って僕、ワガママですね(笑) でも、歌えばわかってもらえると思うんですよ、“あ、こんなに気持ち良いんだ”って!」
 

――では、この曲の聴きどころはそこですかね?

「どちらかと言うと、(自分自身の)歌いどころかな? 僕の中で聴きどころって、1つじゃないんですよ。音楽は“個”じゃなくて“流れ”だから、(どこか1ヵ所だけでは音楽とは言えないので)結局全部なんですもん!(笑) なんてドヤってしまいましたが、僕が難しく考え過ぎてるだけで、要はみなさんが聴きたくなるようなポイントってことですよね。それなら、2番の『巻き戻す奇術(マジック)』の“ック”のところです。無声音って言うんですけど、ハッキリと“ク”を音にしない感じが好きなんですよ」
 

――先程の『parallaxe』を声に出すと気持ち良いっていうのと、似たようなニュアンスでしょうか?

「そうですね。例えば、同じ単語を繰り返し言いたくなったり、この言葉はサ行が多くておもしろいな、とか感じたことはありませんか? そういうワードにメロディを付けて歌うと、もっと気持ち良いんだって、今回のレコーディングで思ったんですよ。もうOKテイクをもらっているけど、もっと歌いたい!と思うくらい、口が楽しかった(笑) だけどこれは、あくまで僕にとってのお気に入りポイント。みなさんが聴き込んで下さることによって、もっといろんな良さが出てくると思うので、そこがきっとアナタにとっての聴きどころになります。…という感じでどうでしょうか?(笑)」
 

――ちなみにこの曲は、新作アプリゲーム『明治東亰恋伽~ハヰカラデヱト~』のOPテーマでもありますが…?

「作中の各イベントストーリーに、レアリティが7種類もあるらしく(編注:このインタビューはアプリのリリース前に実施/※レアリティが上がるほど、男性キャラとの甘い触れ合いが待っている)、僕自身もプレイするのが楽しみです。これまでのメインキャラの他に、まだまだ魅力的な新キャラたちも登場するので、どんな掛け合いになっているのか早く知りたい! みなさんがいつも持ち歩いているスマホやタブレットで遊べるから、より彼らを身近に感じられると思いますよ」
 

1話の放送が一瞬に感じるほどおもしろい!

――次は作品に関してお伺いしたいのですが、いよいよTVアニメ放送が始まりましたね。

「喜びでいっぱいの気分です。これまで、ドラマCDやイベントなどたくさん出演させていただきましたが、やっぱりTVアニメ化って1つの夢じゃないですか。しかも、先に劇場アニメ化(編注:前編2015年、後編2016年公開)があったので、アニメーション展開はこれでピリオドなのかと僕は思っていたんです。だから“このタイミングで!?”と、良い意味で驚かされました。ずっと応援して下さっているファンのみなさんはもちろん、また新たに『めいこい』を知っていただける方々もいると思うので、すごく嬉しいです」
 

 


 

――ご自身が演じるキャラ・菱田春草を、改めてご紹介いただけますか?

「森鴎外さんの家に居候している、日本画家見習いの美術学生です。彼は非常に情熱的な人間なんですけど、社交性に乏しいというか、想いを内に秘めるタイプ。主人公の芽衣ちゃんに対しても“俺の世界に入ってこないで”みたいな無愛想な態度なので、最初の頃はかなり冷たい人に映ると思います。でも芽衣ちゃんと一緒にいるうちに、段々と彼女のことが気になってしまって…。根は優しいのに、言い方が冷たいために誤解されやすい、じれったいキャラだと思います。

今回、TVアニメに出演するにあたり、春草役のお話をいただいた7年前のことを改めて振り返ってみたんです。当時、なにかを擬人化する作品はすでにあったと思いますが、そんな中で自分が偉人のキャラに初挑戦することになり…。いろいろと身構えてしまったり、悩むこともあったのですが、取りあえず全部考えるのをやめたんです。なぜなら、もともといらっしゃった方の特徴は受け継ぐにしても、姿は新しくキャラとして書き起こされ、演じるための脚本もあるので、あんまりご本人を意識しすぎると、芝居が狭まってしまいそうだったから。

なので、深く考えるのはやめて、本作においての自分なりの菱田春草を新たに作っていこうと決めました。もちろん、ご本人へのリスペクトはあったうえで、ですよ。そう考えると、少し気持ちが軽くなり、フラットな状態で演技に臨めたな、という記憶を思い出しました」
 


 

――TVアニメになって、春草の変化を感じた部分はありますか?

「基本的に、彼は彼のままですね。それはきっと、鴎外さんや他のキャラにも言えることですけど。ただ、やっぱりアニメーションで物語が進んでいくので、“(この場面は)こういう表現だったのか”と知って、今までと多少違った角度から春草を演じる時はあります。

また、これはどのアニメに出演する時も同じなんですけど、自分がプレイヤーでありながらイチ視聴者でもあるって、不思議な感覚なんですよね。お客さんとして視聴する楽しみと、自分の演技やお芝居で大丈夫かな?っていう不安感を半々くらい持ちながら、いつもオンエアを観ています」
 


 

――乙女向けコンテンツなので、やはり胸キュンシーンも見どころに?

「もうズルいんですよ、鴎外さんが!(笑) 彼はもともと、春草と対をなすキャラという設定なんですが、大人なのに子どもっぽいところを見せてきたり、かと思ったら、まるで全部を知っているかのような言い回しで語りかけてきたり、僕も毎週ドキドキさせられています(笑)

もちろん春草もね、すごくかわいいんですよ! セリフの裏側の本心を想像すると、クスッてなってしまうんですけど(笑) 僕はもう長いこと彼と一緒にいるから、本当はこう思ってるのに、ああやって言ってるのかな?って、わかっちゃうんですよね。10代の学生が甘酸っぱい恋をしている感じが、TVアニメではより色濃く出ている気がします」
 


 

――最後に、ファンへのメッセージをお願いします。

「時間を飛び越えると言うと大げさですけど、楽しいことに集中していると、時間ってすぐに過ぎるじゃないですか。このTVアニメを観ている時も本当にそうで、あっという間にAパートが終わり、気づけばBパート、そして1話全部終わっちゃった、って感じなんですよ。もしかしてチャーリー(編注:芽衣を明治時代にタイムスリップさせた奇術師)が、時間を(早めるように)操作しているんじゃないかな?って、僕は思ってるんですけど(笑) それくらいおもしろい作品になっています。

劇場版では(尺の関係などで)描けなかったエピソードや、TVアニメシリーズだからこそできるお話もあるはずなので、そこも注目してもらいたいですね。従来のファンのみなさんだけでなく、『めいこい』って何だろう?と、ちょっと興味を持って観た方々にも楽しんでいただけるよう、僕らもがんばって作品を作っていきますので、TVアニメ、楽曲共によろしくお願いします!」
 

アルバム情報

アーティスト盤/1,200円+税

 
[初回生産封入特典]KENN撮り下ろしブロマイド(全2種からランダムで1種)
[アニメイト特典]KENN撮り下ろしL判ブロマイド(複製サイン&コメント入り)
[仕様]KENN撮り下ろしジャケット
[CD内容]「月灯りの狂詩曲」(TVアニメ『明治東亰恋伽』OPテーマ) 「御伽噺parallaxe」(アプリ『明治東亰恋伽~ハヰカラデヱト~』OPテーマ) 各曲off vocal

▲アニメイト特典:KENN撮り下ろしL判ブロマイド(複製サイン&コメント入り)

▲アニメイト特典:KENN撮り下ろしL判ブロマイド(複製サイン&コメント入り)

アニメ盤/2,000円+税**

[初回生産封入特典]キャラクター絵柄缶バッジ(全8種からランダムで1種)
[アニメイト特典]描き下ろしジャケットイラストL判ブロマイド
[仕様]アニメ描下ろしジャケット
[CD内容]アーティスト盤と同内容+ミニドラマ「僕たちが明治の魅力お伝えします!」(出演:綾月芽衣〈CV:諸星すみれ〉/森鴎外〈CV:浪川大輔〉/菱田春草〈CV:KENN〉/川上音二郎〈CV:鳥海浩輔〉/泉鏡花〈CV:岡本信彦〉/藤田五郎〈CV:福山潤〉/小泉八雲〈CV:立花慎之介〉/岩崎桃介〈CV:細谷佳正〉/チャーリー〈CV:森川智之〉)

▲アニメイト特典:描き下ろしジャケットイラストL判ブロマイド

▲アニメイト特典:描き下ろしジャケットイラストL判ブロマイド


▲初回生産封入特典:キャラクター絵柄缶バッジ(全8種からランダムで1種)

▲初回生産封入特典:キャラクター絵柄缶バッジ(全8種からランダムで1種)

発売:5pb.
 

TVアニメ『明治東亰恋伽』作品情報


<放送日時>
TOKYO MX:2019年1月9日(水)より毎週水曜日23:30~
テレビ愛知:2019年1月9日(水)より毎週水曜日26:05~(※第1話&第2話は26:35~放送)
サンテレビ:2019年1月12日(土)より毎週土曜日25:00~(※第1話は25:30~放送)
KBS京都:2019年1月13日(日)より毎週日曜日23:00~
BSフジ:2019年1月13日(日)より毎週日曜日24:30~

<キャスト>
綾月芽衣:諸星すみれ
森鴎外:浪川大輔
菱田春草:KENN
川上音二郎:鳥海浩輔
泉鏡花:岡本信彦
藤田五郎:福山潤
小泉八雲:立花慎之介
岩崎桃介:細谷佳正
チャーリー:森川智之

<スタッフ>
原作:MAGES./LOVE&ART
監督:大地丙太郎
キャラクターデザイン・総作画監督:山中純子
脚本:はるか、髙橋幹子
脚本監修:魚住ユキコ
美術監督:佐藤勝
色彩設計:加藤里恵
撮影監督:佐々木明美
編集:藤田育代
音響監督:たなかかずや
音楽:SHIKI
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント

TVアニメ『明治東亰恋伽』公式サイト
TVアニメ『明治東亰恋伽』公式Twitter(@meikoi_staff)

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