【夏アニメ特集】『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-』浪川大輔さん＆上田麗奈さんインタビュー｜アフレコ現場では浪川さんが事件をバラまいていた!?

初参加のキャスト陣のため、浪川さんが率先して説明役を買って出るも……？

――すでにアフレコもかなり進行していると思うのですが、その中で印象深いエピソードなどが……。

浪川：（即座に）特にないです。

上田：え、えええ!?　そ、そうですかね……（笑）。

――今までのお話を伺っていると、めちゃくちゃありそうなのですが（笑）。

浪川：（笑）。強いていうなら、本作で初めてTYPE-MOONさんの作品に参加されるキャストさんは、だいたいみんな「一体何が起きているんだ」という戸惑った顔をされることでしょうか。

世界観を十分に理解する間もなく、いきなり難しい台詞をたくさん口にするわけですから、やっぱり大変なんだろうなと。

上田：大抵はそこでレギュラー陣が、起こっていることを説明したりするんですけど、その時に浪川さんが間違ったことを仰られることが多くて……（笑）。

一同：（爆笑）。

上田：本当にものすごく自信満々な、説得力のある喋り方で説明されるんですよ。だからものすごく頼もしく見えるんですけど、よくよく聞くと間違っているっていう。

――それは、逆に混乱が深まりますね……（笑）。

浪川：ゲストはもうパニックでしょうね。ドヤ顔で説明されたことが全然あってないわけですから……（笑）。

上田：レギュラー陣ですら、割と信じそうになるくらいでした（笑）。

――エルメロイⅡ世の声で説明されているわけですから、無理もないと思います（笑）。『事件簿』は特に、いろいろな分野の専門用語が頻繁に登場するので、一度で理解しきるのが難しい作品という印象があります（※４）。

浪川：僕自身も、家で一人で台本を読んでいる時などは、内容をしっかり理解するのが難しかったりします。ただ、アニメで通して演じていると、「そういうことだったのか」と理解できることが多くて、それこそが「謎解き」でもあると思うんですよね。

もっとも、本作の謎は魔術的な要素が関わってくるので、一般的なミステリー作品とはかなり毛色が違ってくるところも魅力でもあります。

上田：グレイは逆に、あまり頭がよくないキャラクターなので、そういう意味では演じやすかったですね。

師匠が言ったことを理解しようと頑張るんですけど、結局はよく分からないまま、事態が進展していくことが多くて。

最終的に解決される段階で、私自身も一緒に「なるほど」と納得したり（笑）。

浪川：いろいろな手がかりを調べていく過程で、エルメロイⅡ世が「そうか……！」って納得するシーンがよく挿入されるんですけど、その段階では、内心「どういうことだ？」って感じの場合もあります（笑）。

あの段階で既に謎が解けたという方は、もう立派な“ロード”だと思います！

※４：一度で理解しきるのが難しい作品という印象
本作のBlu-ray・DVDの特典には、原作＆アニメの魔術考証を担当する三輪清宗先生による解説を収録したブックレットも付属し、より世界観を深く理解できるようになるとのこと。

忘れたくても忘れられないライダーの存在

――現在のエルメロイのⅡ世を語るには、第四次聖杯戦争のライダー（※５）の存在が欠かせないと思うのですが、浪川さん自身は、彼をどんな存在だと考えていますか？

浪川：やっぱり、現在のエルメロイⅡ世を形成した大部分の要因は、ライダーじゃないかなと。

彼と共に過ごした日々と、そこからの別れというのをまだ引きずった状態なので……。

ライダーに言われた言葉も『事件簿』に時々出てきますし、グレイに対する想いも、そこが起点になっているのではないかと思っています。

もちろんエルメロイ自身の考えもあると思いますが、礎になっているのはイスカンダルから教わったことなんです。忘れたくても忘れられない存在というか。

ただ、それに近い信頼関係というのは、グレイとの間でも出来つつあるのではないかと思います。

※５： ライダー
『Zero』で描かれた第四次聖杯戦争にてウェイバーが召喚したサーヴァント。大柄で豪胆ながらも戦略家な面や優しさを垣間見せる面もあり、今でもファンが多いサーヴァントでもある。キャラクターボイスは大塚明夫さんが担当。

――なるほど。エルメロイⅡ世は、自分のことは「二流」と卑下することが多いのですが、実際にはかなり優秀な人物だと思います。ただその一方で、私生活がだらしなかったり、欠点も多いのですが、ああしたタイプの男性は上田さん的にはいかがですか？

上田：難しいですけど、見ていると放っておけないというか、母性本能をくすぐるタイプですよね。

浪川：くすぐるんだ。「髪切った方がいいよ」みたいな？

上田：そこは私的には全然いいんですけど（笑）。

すごくしっかりした大人な雰囲気なのに、家の中が汚かったりどんくさかったり、たまに見せる弱さのギャップが魅力的だと思います。

現実にこんな人がいても個人的には全然いいと思います。ちょっと浪川さんにも通じる部分があるなと……。

浪川：ちょっと待って。今言ったことをまとめると、なんとなくちゃんとしてそうだけど、実際には結構ドジで、部屋が汚なそうなイメージっていうこと……？

一同：（爆笑）。

上田：どうしよう、（エルメロイⅡ世みたいに）キーワードから分析を始めちゃってる（笑）。

浪川：ひとつ最大の違いとして言えるのは、彼は謎を解けるけど、自分は謎を生み出す側の人間ということです（笑）。

――（笑）。まだまだお話はつきませんが、最後に本作のおすすめのポイントを教えてください。

浪川：まずTYPE-MOON作品のファンの方々は、きっと僕よりも作品の魅力を知りつくされていると思うので、本作を素直に楽しんでいただければなと。

一方で、今まで『Fate』シリーズをあまり見たことがないという方にも見てもらいたいと思っていて。本作の謎解きの部分はしっかりと描かれていますので楽しんでいただければと。

『Fate』シリーズ本編のような激しいバトルシーンは少ないのですが、その中でもグレイがしっかりとカッコいい戦いの部分を担ってくれていて、すごく素敵な仕上がりになっています。

魔術という要素も絡んでくる、独特の謎解きの楽しさはもちろん、人間ドラマも大きな見どころになっているので、是非とも楽しんでいただければと思っています。

上田：やっぱり、謎解きというのが本作の大きな魅力になるのかなと。私自身がミステリーが好きということもあるのですが、次々と謎が解かれていくのには爽快感もあり、楽しいです。

あとはとにかくエルメロイⅡ世が魅力的で。カッコよくてかわいくてしょうがない、愛しさのような感情が自然に沸いてきて、謎を解いていくのと同時に、キャラクターのことをどんどん好きになっていきましたね。

エルメロイⅡ世とグレイの関係性は、いわゆる恋愛的なものとは少し違っていて。あくまで相棒的な存在として、互いに信頼しあっているというのが、個人的にすごく素敵だなと思いました。

――ありがとうございました。

[取材・文／米澤崇史　石橋悠]

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作品情報

TVアニメ「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 -魔眼蒐集列車(レール・ツェッペリン) Grace note-」

放送情報

2019年7月より、TOKYO MX・BS11・群馬テレビ・とちぎテレビ・MBSにて放送
TOKYO MX：7月6日（土）より 毎週土曜24:00～
BS11：7月6日（土）より 毎週土曜24:00～
群馬テレビ：7月6日（土）より 毎週土曜24:00～
とちぎテレビ：7月6日（土）より 毎週土曜24:00～
MBS：7月6日（土）より 毎週土曜27:08～
AT-X：7月8日（月）より 毎週月曜23:00～

※放送日時は編成の都合等により変更となる場合がございます。予めご了承ください。

スタッフ

原作：三田誠／TYPE-MOON
キャラクター原案：坂本みねぢ
監督：加藤 誠
シリーズ構成：小太刀右京
キャラクターデザイン：中井 準
スーパーバイザー：あおきえい
プロップデザイン：江間一隆
魔術考証：三輪清宗
美術監督：伊藤 聖（スタジオARA）
美術設定：坂本 竜（ビック・スタジオ）
色彩設計：篠原真理子
撮影監督：加藤友宜
CGディレクター：井口光隆
編集：右山章太
アニメーションプロデューサー：長野敏之
音響監督：明田川仁
音響制作：マジックカプセル
音楽：梶浦由記
制作：TROYCA

主題歌

オープニングテーマ：梶浦由記「starting the case: Rail Zeppelin」
エンディングテーマ：ASCA「雲雀」

キャスト

ロード・エルメロイⅡ世：浪川大輔
グレイ：上田麗奈
アッド：小野大輔
ライネス・エルメロイ・アーチゾルテ：水瀬いのり
フラット・エスカルドス：松岡禎丞
スヴィン・グラシュエート：山下誠一郎
カウレス・フォルヴェッジ：小林裕介
メルヴィン・ウェインズ：平川大輔
ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト：伊藤 静

公式サイト
公式ツイッター（＠elmelloi_anime）
（推奨ハッシュタグ：#事件簿アニメ）