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ガルパンコミック作家座談会【前編】野上武志ほか6作家が語る『最終章』第2話!

野上武志×才谷屋龍一×伊能高史×葉来緑×むらかわみちお×吉田創によるガルパンコミック作家座談会! まずは『ガールズ&パンツァー 最終章』第2話を語る!【前編】

ヤイカから世代交代させる話を今月号に描きました! ウチは対応早いよ!(野上)

才谷屋:村上水軍なのかな(笑)。

――この垣楯(かいだて)ですが、村上水軍の「丸に上」が「丸に洗」になっているんですよね。この小舟に関しては、ムラカミの趣味なのかなと。

野上:そして問題のシーンですね!

むらかわ:ボコミュージアムって問題あるの?

吉田:狂気としか! 初めて観たとき、「なに見せられてんだ!?」って(笑)。

――ここで思いましたが、今回はアトラクションを意識した作り方をしているなと感じたんですよ。

葉来:4D用ですよね。

――劇中でもみほたちがライドアトラクションに乗っているシーンですけど、劇場で座って観ると、映画の作り方自体がアトラクション的になっているから、ものすごくリンクするんですよ。

吉田:第1話のそど子誘拐シーンとここは、明らかに狙ってますよね。

葉来:そしてボコの狂気のプロレスシーンが(笑)。

才谷屋:FPS視点でやってるっていう(笑)。

――あの最後の技って、レインメーカーですよね?

葉来:オカダ・カズチカの(笑)。

――ボコが一回転して倒れているから、ケニー・オメガ戦(2017年1月4日東京ドーム開催「レッスルキングダム11」IWGPヘビー級選手権試合)のフィニッシュホールドとかを再現しているんじゃないかと思うんですよ。

才谷屋:あーなるほど、そういうネタを入れているわけですね(笑)。

野上:水島監督なら絶対やるでしょうね! あの人の知識の量はハンパないからなぁ。

吉田:根本的な疑問として、あの2人はボコに勝ってほしいのかな?

葉来:いや、負けるのがいいんでしょう。

吉田:途中まで、めっちゃ応援してるじゃないですか。

葉来:「勝っちゃダメなんだよ」ってドラマCDでよく言ってますよ。

吉田:そこがやっぱり狂気としか!

野上:島田愛里寿と西住みほのように、指揮官になる人間というのはどこかで人でなしなんです!

むらかわ:単にダメンズ好きなんじゃないの? 悪い男に引っかかるタイプなんだよ。

葉来:最初のTVシリーズでボコが出てきたときは「病んでる」って言われてましたからね。

吉田:最終的には負けてほしいのに、全力で応援するっていうメンタリティが狂気!

野上:その辺りは『もっとらぶらぶ作戦です!』で余すところなく描かれてますからね!

野上:この後ろのポスターが、誰なんだろうって。

伊能:あ、水着のほう?

野上:「氷山空母STRONG」って書いてあるんですか?

葉来:劇場で観たときからすげー気になってたんですよ。

吉田:おっぱいのデカいバレー部キャプテンみたいな。

むらかわ:誰も何もないと思うんだけど。よく居酒屋に貼ってある水着のお姉さん的な。

野上:その横にいるのはカチューシャですよね?

葉来:あれはカチューシャですね。

吉田:昔のソ連のプロパガンダポスターみたいな。

――このワンカットからボコカレーが商品化とか、それが『ガルパン』の凄まじさですよね。

葉来:だったらM3リーカレーも作ってほしいな。

吉田:反対側の壁に、『犬神家の一族』みたいになったボコもいましたよね。

野上:あ、これか!

才谷屋:これもなんか狂気がかってるよなぁ。

吉田:やっぱり『ガルパン』の世界はおかしい(笑)。

野上:初見ではバレー部のお胸のほうに目が行くんですけど、2回目以降は後ろが気になって仕方がないという。

葉来:背景とか小ネタがすごいから、そっちを見てたら話が頭に入ってこないんですよ。知波単戦で丸山ちゃんがずっと日ノ丸弁当食べてたりして他のキャラにすら目がいかないんです(笑)。

吉田:作ってる人たちがどうかしてるんだよ、みんな(笑)。

葉来:この眼鏡の子かわいい。三女でしたっけ?

才谷屋:桃ちゃんとはあまり共通性がない気がしますよね。普通、姉妹はもうちょっと遺伝子を似させるような感じにすると思うんだけど、あんまり似てないなって思ってたんですよ。

むらかわ:実は桃ちゃんだけお父さんに似てるんだよ。

――残念ながら、この後の知波単学園の1回戦、対コアラの森学園の画像がないのですが、あれはかなりインパクトがあったのでは?

吉田:数秒で持っていきましたよね(笑)。

むらかわ:あれはビックリしましたね。

葉来:何年か前、「隊長はコアラなんじゃないか」って話になっていて、意味がわからんと思っていたんですよ。

吉田:そういう比喩表現だろうと? そのまんまだったとは(笑)。

葉来:やっと答えがわかりました。

才谷屋:『戦車道ノススメ』のネタとして、みたいな感じで?

葉来:ネタとして描くことはなかったんですけど、飲み会のときに「コアラの森学園は気になるんですよ。どんなのがいるのか」って感じで話してたら、「コアラだから」って。

野上:普通だったら『クロコダイル・ダンディー』とかから引っ張ってくるのかなと思ったら、ガチでコアラっていう。

――また隊員も、蕨さんと、あともう1人……

伊能:鴨乃橋。

――そうそう、鴨乃橋さん!

伊能:とんでもない苗字ですよね。

葉来:蕨ちゃん、何回か描きましたよ。

――あのネーミングセンスも見事ですよね。

吉田:ソウルネームはないんだな。普通に苗字なんだ。

――そして……はい来ました!

一同:おめでとうございま~す!(拍手)

――いかがでした?

才谷屋:嬉しかったですよ本当に! そりゃあもう嬉しいですよ!

吉田:羨ましい!

――このシーンって、劇中で全然言及がないんですよね。マジノ女学院がどういう学校だとか、エクレールがどういう人かをまったく言わないのに、最初からそこにいるかの如く描かれていて。

ということは、このシーンの後ろに『激闘!マジノ戦ですっ!!』の単行本が全部あるわけですよ。

野上:「ガルおじ、みんな知ってるよな!?」っていう。

――そうなんですよ! あのマンガをみんな読んでいて、「知ってるよね!?」っていうのを前提にして描かれているのが凄いなと思ったんです。

野上先生が『リボンの武者』を始めた頃は、オフィシャルのキャラをあまり登場させないでください、みたいな話があったわけじゃないですか。

野上:そうでしたね。

――それが今ここに至って、コミカライズ作品が『ガルパン』世界にそのまま入ってきている。

吉田:でもそれはカルパッチョのときからね(笑)。

▲アンツィオ高校の副隊長カルパッチョは、才谷屋龍一先生が『ガルパン』初のコミカライズ作品『ガールズ&パンツァー』内に登場させたオリジナルキャラのデザインが流用されている
 

――姿は同じでも、キャラクター性は違ったじゃないですか。

吉田:見た目だけ持ってきた感じでしたね。

――でもエクレールは完全に、あのエクレールですよ。

才谷屋:ありがたい。

――それを劇中で説明しないで、「みんな知ってるよね? あのエクレールだよ」って察しろっていう描き方ですよね。

葉来:撃たれたときに、胃薬がバァ~ッて撒き散らされないかなと、ちょっと期待してたんですよ(笑)。

野上:胃がズキズキ言って、「うぅ~」みたいなことをやってくれるのかなと思ったのに。

――それはこの後、才谷屋先生ご本人がやればいい話じゃないですか?

野上:そうか!

才谷屋:僕がですか!?(笑)

吉田:この話を描けばいいじゃないですか(笑)。

――いくらだって広げられますよ。

才谷屋:結局は負ける話じゃない(笑)。

吉田:その負け方を描くんですよ!

――しかも相手は黒森峰ですよ!

吉田:史実ではマジノ線は迂回されましたけど、正面から叩き潰されましたからね(笑)。

――どういう車輛が使われたかも映っていますし、エリカも初隊長戦ですよ。

才谷屋:そうですね。まさにティーガーⅡがフラッグ車っていう。

葉来:この試合を描くと、『フェイズエリカ』のほうになりません?

――だからいいんじゃないですか! これは才谷屋先生が描くべき作品ですよ! エリカ対エクレールですよ!?

野上:キラーパスだよね(笑)。

葉来:どっち視点なんだろうね?(笑)

才谷屋:難しいなぁ(笑)。

――明らかにそれを狙った組み合わせだし、描けってことですよ!

野上:あ、マジノ線のフィールドなんだ。

むらかわ:要塞戦ですね。

伊能:物量だけで抑えられてましたね。

――次がプラウダ対ヴァイキング水産高校ですね。

吉田:カチューシャがひと言も喋らないプラウダ(笑)。

――でも、あの手影絵のサインは言葉以上にインパクトあった気がします。

才谷屋:あー、なるほど!

吉田:通信機器が疎かだった頃は手旗信号で通信してたっていうのを再現してるのかもしれないですけどね。

才谷屋:遠くから見て、あれでわかるのかなって気もしますけどね。

吉田:ノンナとクラーラなら見る!

才谷屋:なるほど!

――今後の『プラウダ戦記』で、なぜああいうサインを使うようになったのかを描けば良いのでは?

一同:あははっ!

才谷屋:これでひとネタできる! ノンナとクラーラだけはわかる、みたいなところを入れると(笑)。

吉田:ブーメラン返ってきたな、おい!

野上:いいねぇ! やっぱり冬季迷彩のロシア戦車は最高だね!

才谷屋:そうですね、かっこいいですね本当に。

野上:ここがあれですよね。

才谷屋:スペインの――

むらかわ:ああ、青師団ですか!

――やられ役にするにはあまりにも勿体なさすぎる、すでに大人気な――

吉田:ていうか、この場面揺れすぎ! 過剰に揺れてましたよ!

――作家のみなさん的には、大人気な感じで今後使えそうですか?

吉田:大人気すぎて描きづらい(笑)。

才谷屋:いろんな人が描いちゃってますからね。

葉来:もうね、逆にやりづらくなってる(笑)。でも本当に『ススメ』が連載終了しているのが惜しいですよね。負けたチーム全部、ネタとしておいしそうで。

――青師団は、残念な胸の人がこれを着るっていうのもネタになっていますね。

▲弐尉マルコ先生のツイッターより

 
吉田:罰ゲーム!

野上:まぁしょうがない。元ネタのスペイン外人部隊の服がね。

むらかわ:アレですからね(笑)。

野上:この外人部隊、エロすぎる! っていう(笑)。

吉田:みんなあんなムキムキのわけないと思うんですけどね。

野上:いや、みんなムキムキ! マジムキムキ! 女性隊員もいて、女性隊員もムキムキ!

才谷屋:そうでしたね(笑)。

吉田:マジすか!? やだなぁ、ラテンの男は!

才谷屋:継続高校対ヨーグルト学園戦ですね。

吉田:継続はね、これから出てくるだろうってのがアリアリですからね。

才谷屋:まだBT-42しか出してないっていう。これから出てくるから今回は出さない、みたいな。

吉田:本当に、他のメンバーはリーゼントのヤツらなんですか?

才谷屋:『最終章』第1話の情報しか出ていませんからね。

伊能:大洗の次の相手がサンダースか継続かっていう。

――いや、間違いなく継続でしょう! サンダースとはTVシリーズで戦ってるじゃないですか。

吉田:見せ場がまだないし。

――あのトーナメント表を見ると、なんとなく対戦順がわかるというか。TVシリーズで戦った相手を外していくと、最後の相手はまだ大洗が唯一勝ったことのない聖グロだろうなとか。

むらかわ:オープニングを観ていると、扱いの大きさで「あ、こっちかな」とか思うんですよね。

葉来:熊ですね。ポーランドの兵士熊ヴォイテク。

むらかわ:ボンプル高校。

吉田:制服はまんまでしたもんね。

才谷屋:これ、かわいいですよね。

野上:ね、かわいかったね。

――これ、制服は『リボンの武者』のボンプル制服のまんまですか?

野上:まんまですよ。ビックリしました。

こちらはアニメに採用されることなんてまったく考えないまま作っていましたから、毎回描くときに「なんで俺、こんなクソ面倒くさいデザインにしたんだろう!?」と思っていたんですよ。

才谷屋:あ、ちょっと気になったんですけど。野上さんの『リボンの武者』のボンプルの制服の元になったデザインってあるんですか?

野上:二次大戦の頃のポーランドの制服まんま。ああいうふうに片側にマントを着けていて、それをまんま使ったんですね。

――ここで思ったのは、ヤイカは戦車道の試合には出てこないんだなと。彼女は強襲戦車競技(タンカスロン)の人で、お遊戯の戦車道には出てこないというのを、アニメスタッフが「察してね」と言っているのかと思ったんです。

野上:違うんです。こちらはこれを見た瞬間に、これはうまくヤイカを世代交代させて、マイコを新隊長にするという話なんだなと思い、すでにそれを今月号に描きました! だからもう『コミックフラッパー』に載っています! ウチは対応早いよ!

▲『リボンの武者』が連載中の月刊コミックフラッパーは毎月5日発売!
 
一同:あははっ!

才谷屋:カルパッチョとアンチョビ。これも面白いですよね。なかなかないですよね、4輌のCV33で――

吉田:ミツバチがスズメバチを殺すときのやつですよね。

才谷屋:そして久しぶりのP40が出てきて――

むらかわ:活躍するわけですね。

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