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映画
声優・三森すずこが視聴者・役者として語る、吹き替えの魅力とは

アニメ・舞台のフィールドを飛び越えて挑戦する役者・三森すずこさんの新境地――『MANIFEST/マニフェスト』で海外ドラマ初主演の三森さんが語る、いち視聴者・役者として感じた吹き替えの魅力

2019年10月15日(火)より、スーパー!ドラマTVにて独占日本初放送となるドラマ『MANIFEST/マニフェスト』。本作は2018年のアメリカ新作ドラマで視聴率No.1を獲得したミステリー&ヒューマンドラマです。

日本語吹替版声優に三森すずこさん、森川智之さんを迎え、次々と驚きの展開が待ち受けるSFサスペンスを彩ります。

この度、主人公・ミカエラ役を演じる三森さんにインタビューを実施。海外ドラマ初主演となる今作について、作品の印象や過去の苦しみを引きずるミカエラという役どころ、いち視聴者・役者として考える吹替版の魅力を語っていただきました。

あらすじ

2013年4月7日、ニューヨーク市警察に勤務するミカエラは、家族とジャマイカで休暇を過ごした帰りの空港で考えあぐねていた。ニューヨークを発つ直前に同僚で、恋人のジャレッドにプロポーズされ、その返事に迷っていたのだ。その時、ミカエラたちが乗る予定だった飛行機が定員超過になったため、次の便を待つ乗客には400ドルの謝礼を支払う、というアナウンスが入る。ジャレッドへの返事を数時間でも延ばしたいミカエラは次の便を待つことにし、ミカエラの兄ベンも息子のカルと次の便に乗ることにする。カルは治療困難な白血病を患っており、治療費を捻出せねばならないベンと妻のグレースにとって400ドルの謝礼は魅力だった。

ミカエラたちが搭乗したモンテゴ航空828便は途中で凄まじい乱気流に見舞われるも無事空港に着陸する。ところが、空港には国家安全保障局と地元警察が待ち構えており、乗客は現在の日付が自分たちがジャマイカを発った日から5年半以上も経た2018年11月4日だということを知らされる。

間もなく、死んだと思われていた搭乗者の家族や友人が迎えにやって来るが、その中にミカエラの母とジャレッドの姿は無い。母は病死し、ジャレッドはミカエラの親友と結婚していたのだった。カルは双子のきょうだい、オリーブが自分より5歳年上の高校生になっていることにショックを受ける。しかし5年半の歳月を経るうち、小児白血病の新治療法が開発され、治癒の望みが生まれた事にベンとグレースは歓喜する。その一方で、ミカエラとベンは頭の中で“声”が聞こえるようになっていることに気がつく。その“声”はミカエラに、事故を回避させたり、事件のカギを指し示したりする。その“声”にいざなわれるまま、828便の飛行機が格納されている空港を訪ねたミカエラとベンだったが……。

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吹替版ならではの芝居とまだ模索中の答え

──三森さんは今作が海外ドラマ初主演ということですが、海外ドラマ自体はよくご覧になられますか?

三森すずこさん(以下、三森):大好きで、たくさん観ます! 家に帰ったらまず今日は何を観ようかなって考えます(笑)。日本のドラマも好きなんですけど、海外ドラマもいろいろと観ていて、最近だと『エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY』や『デスパレートな妻たち』でしょうか。

あとは『リベンジ』『ゴシップガール』など、女性が活躍するドラマだったり女性同士がぶつかり合う作品とかが好きですね(笑)。その女優さんを観たくて作品に触れることも多々あります。

──海外のドラマや映画に登場する女性は、日本のドラマではあまり描かれないキャラクター性を持ち合わせていますよね。

三森:やっぱり日本の女性観と異なる部分が多いんですよね。もちろん日本人の奥ゆかしさも好きですが、海外の作品を観ることによってリフレッシュできると言いますか。まったく別世界の物語として観ているので、純粋に楽しめるところはあります。

──それこそ女性同士がぶつかり合うという意味でも、海外ならではの大胆さや駆け引きがあって。

三森:陰湿なようでドライなところとか、観ていて面白いんですよね。今回はどういう作戦でいくんだろう、と考えたりして。もちろん、今回の『MANIFEST/マニフェスト』のようなミステリーも好きで、シーズンが終わると寂しい気持ちになっちゃいます。

日本のドラマだとワンクールで終わりってパターンが多いじゃないですか。海外ドラマだとワンシーズンも長くてたっぷり楽しめるので、海外ドラマのそういった部分も好きですね。観終わったらいつも「早く次のシーズン来ないかな」と待っています(笑)。

──そんな本作にて三森さんは主人公のミカエラを演じられますが、作品にはどんな印象を受けましたか?

三森:とても面白くて、いち視聴者として触れても絶対に第2話も観ちゃうなと思いました。飛行機が乱気流に飲まれるところが事件のきっかけになりますが、生きている中で飛行機に乗る機会はあると思うので身近なシチュエーションにリアリティを感じつつ、到着したら時間が経っていたというファンタジックな要素もあり、今後どうやって物語が展開していくんだろうとワクワクしました。

──ミカエラは過去の苦しみを引きずる女性警察官という役どころです。

三森:ミカエラは昔、自分の運転していた車で事故を起こして一緒に乗っていた親友が亡くなっているという辛い過去があり、そういった心の葛藤を抱えたまま事件に遭い、到着したら5年の月日が流れていて。結婚を考えていた恋人と自分の親友が結婚している事実を突きつけられる状況から始まります。

そんなミカエラは警察官として自分の責務を全うしようとする正義感の強い面があって、プライベートの面では上手くいかない分、仕事に生きているような強い女性だと思いました。

──かなりの葛藤を抱えるキャラクターですが、演じる上ではどのようにして役に入り込んだのでしょうか?

三森:警察の仕事に一生懸命なところ、使命を全うする部分は通じる部分が共感できるところがあります。私も声優として自分の仕事を全うしようといつも思っていますし、仕事も大好きなので。

また、実際にミカエラのような目に遭ったことはありませんが、同じ女性として彼女の立場を想像するとすごく苦しい気持ちになりますし、そういったところで共通点を探していって役に共感できたと思います。

ちなみに、この役を演じているメリッサ(・ロクスバーグ)さんはかなり声が低いので、私も合わせて低めに押し出す形で演じました。

──吹替版となると演技においてもアニメや舞台とは異なるアプローチになりますよね。

三森:アニメにおけるセリフの間のようなものがあると思いますが、吹き替えだと生身の人間同士のお芝居なので間のようなものは少なく、セリフがかぶることもあって。人間同士の会話のため、より自然に見えるように話さないといけませんし、セリフ量もアニメと比べるとかなり多く、吹き替えの仕事をいただいた最初の頃はとても戸惑いました。

──今作をはじめ、様々な作品に参加されてきたと思いますが、三森さんが吹き替えを演じる上でのポイントは?

三森:未だに模索中なので、明確な答えはないんですよね。ただ、ひとつ思ったのは、アニメはわりとパキパキ喋ると言いますか、ひとつひとつの言葉を大事に出している。もちろんそうじゃないアニメもありますが、どこか角ばっているイメージがあります。

それに比べて吹き替えは生身の人間が喋っている分、言葉と言葉の間の隙間がないというか、なめらかに流れるように続いていく感覚でしょうか。角が丸いと言いますか。

アニメのキャラクターは口がちゃんと開いて描かれているから、シャキシャキ喋らないといけないような感覚になるんですけど、人間は口だけでなく表情筋がいっぱい動くので、口だけじゃない音色も考えて喋るようにしていて。ひとりのキャラクターの中でも、その音色の幅として様々な側面を持たせないといけないと感じながら演じています。

いち視聴者・役者として三森さんが考える吹替版の魅力とは

──こういった海外ドラマや洋画を観る上で、いわゆる“吹替版派”と“字幕版派”のような括りがあると思いますが、三森さんはいかがでしょう?

三森:仕事で吹き替えさせていただく機会も増えてきたので、勉強を兼ねて吹き替えで観ることもありますが、英語を聞きたい気持ちもあって……! 大学は英米文学科だったので、映画とかを原音で観る授業でアメリカ訛りやイギリス訛りを聞き分けたり、その中でも地方の訛りを研究することがありました。

──英語が聞き取れるだけでなく、訛りまで聞き分けられるんですね……!

三森:全然喋れないんですけど、聞きたくなっちゃうんです(笑)。英語って日本語よりもコンパクトに色々なニュアンスを一行に詰め込んでいるので、その点も面白いと感じますし、どうやって訳しているのかも面白くて個人的に楽しむポイントになっています。そのため英語で聞いてみたい欲もありつつ、でも吹き替えで観た方が自分の勉強になることもあって……!

──やはり仕事を始めてから吹替版を観る目は変わりましたか?

三森:変わりましたね。自分自身が吹き替えの仕事をするときに、なかなか上手くいかないなと思うことも多い分、「この人はなんて自然に演じているんだろう!」「この役者さんから声がそのまま出ているみたい!」と感動しながら観ています。

──となると、どちらも観たい気持ちがいっそう強くなりますよね……!

三森:だから字幕版か吹替版かは日によって変えています(笑)。その日、「よ~し、集中して観るぞ~!」みたいな時間が取れる日は字幕版で観て、字幕で表示される日本語と実際に話している英語の違いを楽しんでいます。逆に、ご飯を作りながらとか、何かをしながら観るときは吹替版で聞いた方が楽だったりするので、私の中ではそういう分け方をしていますね。

──改めて、いち視聴者として三森さんが考える吹替版の魅力についてお聞かせください。

三森:登場人物が日本語で会話できるんじゃないかという錯覚に陥るくらい違和感がなく、みなさん素晴らしい演技をされているところが私の中での大きな魅力ですね。

本作を観て「私の声がミカエラから聞こえるのが不思議」って自分の役だから感じることはありましたが、いち視聴者として他のキャストの方の演技や他作品を観たときに違和感がまったくありませんし、登場人物が本当に日本語で喋っているかのように口の動きとセリフがピッタリだと、本当に素晴らしいなと感じます。

だから、声優さんってすごいなって改めて感じられるところが、視聴者としての私が考える吹替版の魅力です。

──では演じ手として感じる吹替版の魅力は?

三森:既に演じている女優さんがいて、その方のお芝居をさらに自分が日本語でなぞるようなことって、普通に舞台やドラマのお芝居では滅多にないことなんですよね。

だから、吹き替えをしているうちに、メリッサさんが演じているミカエラと、私が演じているミカエラが連動してくると言いますか、「メリッサさんがミカエラとして喋っているこの息遣い、すごい分かる! このセリフ興奮するもんね!」みたいに、演じているうちにシンクロするところが面白いんです!

──役を通して、オリジナルのキャストとシンクロするところに魅力を感じるわけですね。

三森:そうなんです! その場に存在していないものの、役を通すことによって自分もそこに存在しているような不思議な感覚になるんですよね。それが私にとって吹き替えの面白いと感じる部分であり魅力だと思います。

──最後に読者のみなさんへメッセージをお願いします。

三森:この度、吹き替えのドラマシリーズで主人公・ミカエラを演じることになりましたが、吹き替えはまだまだ自分にとっての挑戦でもありますし、どこか違う世界に踏み込んだ感覚があって。声優の仕事という意味では同じジャンルだと思いますが、全然違うフィールドに一歩、駒を進めたような気持ちで挑ませていただきました。アニメファンで私のことを知ってくださった方にも、また違う側面を観ていただけたら嬉しく思います。

──ありがとうございました。

[ヘアメイク:小野寺里紗(AICON) 取材・文・撮影/鳥谷部宏平]

(C) Warner Bros. Entertainment Inc.
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