【連載】TVアニメ『アサシンズプライド』監督が小野友樹さん、楠木ともりさんら声優陣に語ったキャスティングへのこだわり／インタビュー

マナをまとったシーンのエフェクトの秘密

――これは11話の放送後掲載ですが、収録で印象的だったことを教えてください。

小野：僕は「ワンス・アポン・ア・タイム」ですね。このワードのミュール(CV:内田真礼)の言い方がやたらと耳に残る言い方で、イントネーションが絶妙だったので、そこは聞いてほしいです。

楠木：メリダは司書検定で命をかけて戦っているんですけど、4人(メリダ、エリーゼ、ミュール、サラシャ)で楽しそうにしているところもあったので、そこの重さをどのくらいにしようかというのを悩みながら演じていたのが印象に残っています。

試験の現状や、うまいこと戦えていることを楽しんでいるようなメリダもいつつ、戦っているときは全力だから、その重さと熱意は捨てずにいようと思っていました。

相浦：11話の段階で、メリダちゃんとかは、自分たちの能力に見合ったところにいるという余裕感を戦いの中で出せたらいいと思ったので、わりと派手な動きにしたいなと思って、それに合った力強い声を当てていただけたと思ってます。あとエリーゼの「だいじょうぶ、ぜんぜんヨユー」ってやってるところはかわいかったです。

小野：現場的にはミュールの「六つ目の棚の七段目！」あたりが、すごく言いづらそうだった。

薮内：めちゃめちゃ大変ですよね！

小野：すごく的確な指示って感じだったけど、言うのは大変そうだったなぁ。

相浦：11話はわりとミュール回だった印象がありますね。アフレコはコンテ撮だったけど、そこからも少し変わっているので印象は変わるかもしれないです。あと学院長が戦っているのが珍しくて、生徒たちを守って負傷して、シェンファの緊張感のある台詞があって、クーファが現れるんですけど、ここのクーファは印籠を渡すような感じで、カッコいい！と思いました。

――学院長が戦っているところはグッと来ましたね。

相浦：全キャラクター、オーラの色を変えていたんですけど、ここで初めて学院長先生のオーラの色を考えなければならないとなって、みんなで考えたんです。一応キャラごとに色が決まってて、青は青でも違う青を使っていたりするんですよ。

で、メリダちゃんが金だったので、最初は線が全部光るようにしていたんですけど、あごを光らせてしまったら、丸い感じに見えてしまったので(笑)、そこは光らせないようにしようとなり、最終的に輪郭に関わっていくところは光らなくしました。あと11話は美術さんのほうで床面をステンドグラスにしてもらったので、きれいな美術のところでみんながわちゃわちゃやっている感じになると思います。

――では最後に、最終話の見どころをお願いします！

楠木：メリダは1話の誰にも言い返せないところから考えると、最終話は仮面の集団であるオペラシオンに言い返すところから始まったり、自分の思いを叫べるようになっているんです。

メリダは他人のために力を発揮できる子なので、その思いの強さを全力で叫んで、戦闘シーンでも、クーファ先生に教えてもらってきたことがすごく伝わるところがあったりするので、何が見どころなんでしょう……もう全部です！

メリダの成長……周りとの関係性で変われたところが大きいと思うので、1話のメリダを頭の中で想像して比べながら見ていただけたら嬉しいです。先生！　いかがでしょう!?

小野：おっしゃる通りでございます。

〔文・塚越淳一〕

TVアニメ『アサシンズプライド』作品情報

放送・配信情報

10月10日（木）より放送開始！

TOKYO MX：毎週木曜24：00～
サンテレビ：毎週木曜24：30～
BS日テレ：毎週木曜25：00～
AT-X：毎週木曜23：30～
※リピート放送：毎週（土）15:30／毎週（日）8:00／毎週（水）7:30
※週1話ずつ4回放送

U-NEXTで独占配信　10月10日よりスタート予定

ストーリー

マナという能力を持つ貴族が、人類を守る責務を負う世界。

能力者の養成校に通う貴族でありながら、マナを持たない特異な少女メリダ=アンジェル。彼女の才能を見出すため、家庭教師としてクーファ=ヴァンピールが派遣される。『彼女に才なき場合、暗殺する』という任務を背負い――。

能力が全ての社会、報われぬ努力を続けるメリダに、クーファは残酷な決断を下そうとするのだが……。

「オレに命を預けてみませんか」

暗殺者でもなく教師でもない暗殺教師の矜持（プライド）にかけて、少女の価値を世界に示せ！

スタッフ

原作：天城ケイ（ファンタジア文庫）
原作イラスト：ニノモトニノ
監督：相浦和也
構成：赤尾でこ
キャラクターデザイン・総作画監督：吉川真帆
美術監督：松本実希子（スタジオ風雅）
色彩設計：小山知子（Fine Colors）
撮影監督：宮坂凌平（レアトリック）
CG監督：柴田渉（EMT2）
編集：瀧川三智（リアル・ティ）
音響監督：本山哲
音響制作：HALF H・P STUDIO
制作：EMTスクエアード